BLEACHの破面篇で登場した仮面を被った集団「仮面の軍勢(ヴァイザード)」は、空座町決戦に参戦し藍染惣右介にし敗れています。
しかし、その後は音沙汰が無いまま漫画本編では千年血戦篇で再登場しました。
そこで今回は、仮面の軍勢(ヴァイザード)が藍染戦のその後にどうなったのかを紹介したいと思います。
仮面の軍勢(ヴァイザード)の生死とその後
先ず仮面の軍勢は終戦後、全員が卯ノ花烈の治療を受けている描写があり、胴体を真っ二つにされた猿柿ひよ里を含めて単行本48巻422話「the silent victory」で生存が確認できています。
また、卯ノ花烈が仲間の命を救うのにお礼の言葉などいらないと言葉にした事で、この時点で少しは死神との蟠りが雪解けし始めていました。
そして、ここから仮面の軍勢がどうなったのかを詳細は小説「BLEACH The Death Save The Strawberry」で補完されています。
仮面の軍勢のその後の動向
藍染惣右介の一件で護廷十三隊の隊長枠が空位となっていた為、瀞霊廷に住まう人々の不安が募るのを危惧し、それだけは避けたかった中央四十六室の判断で仮面の軍勢の平子・六車・鳳橋の三名に隊長職復隊が打診されました。
しかし、浦原喜助の特殊義骸に入った事で外見的にも歳を取っていない事が不自然なひよ里・リサ・白の三名は死神側から見ても異質であり、ましてや藍染の一件で死神側にも積年の恨みを募らせていたひよ里は最後まで平子達の復隊に反発していたそうです。
その為、恨みが解消される筈も無く死神として尸魂界で暮らしていく事が考えられないひよ里は藍染戦以降すぐに現世に戻っており、アジトを維持するには自分の結界が必要だと鉢玄が名乗りを上げ、少年ジャンプの存在しない世界に用は無いと羅武も現世に戻っています。
因みに、リサと白はどちらでも順応できるようで尸魂界と現世の両方に顔出ししています。
したがって、
平子真子 | 護廷十三隊隊長に復隊 |
六車拳西 | |
鳳橋楼十郎 | |
猿柿ひよ里 | 現世のアジトに帰還 |
有昭田鉢玄 | |
愛川羅武 | |
矢胴丸リサ | 尸魂界と現世の両方を行き来 |
久南白 |
以上の様に仮面の軍勢は各々自由に暮らしていました。
仮面の軍勢の罪は山本元柳斎重國が不問に?
作中で山本元柳斎重國が中央四十六室に掛け合った事で101年前に下された浦原喜助・握菱鉄裁・四楓院夜一への判決は藍染惣右介の謀略によるもと証明され罪を取り消されています。
四十六室が一度下した判決が覆ることはまずあり得ないそうですが、長く司法を司ってきた前任の構成員が藍染に全員殺害された事で後任を選出する間は山本元柳斎重國が一時的に四十六室の役割を担っていたそうで、その功績が認められて過去の裁定を見直させる発言が通りました。
仮面の軍勢に関しては言及されていませんが、その後に平子達も一部が復隊し尸魂界への出入りが認められている事から仮面の軍勢に下された判決も取り下げられたのでしょう。
仮面の軍勢(ヴァイザード)個人のその後
仮面の軍勢の罪が不問となり各々自由に過ごしている事が分かりましたので、次に個人がどのように過ごしているのか追っていきたいと思います。
平子真子のその後
仮面の軍勢のリーダー格であった平子真子は破面篇後に護廷十三隊五番隊隊長に復隊しています。
小説「BLEACH The Death Save The Strawberry」では既に復隊していますが、復隊する際には療養中の雛森桃の病室に訪れて五番隊隊長を引き受ける胸を告白しており、藍染惣右介を初めて見た時に逆撫がザワついた事から藍染がどす黒い本性を秘めていると気付いていたと語りました。
その為、101年前の結果に繋がる前にどんな手を使っても自分の手で藍染を殺しておくべきだったと悔やんでいます。
しかし一方で、未だ藍染の事を引きずる雛森に対しては、平子自身も「長いこと藍染といっしょにおって、いっぺんもおもろいと思うたことなかったか、っていうたら嘘になるわ……確かに、楽しいこともあったな」と吐露し、雛森がこんな事で駄目になる人ではないと信じる部下達の胸中を教える事で励ましていました。
黒崎一護が落ち込んでいた際も声を掛けていた事から、平子は生粋のリーダーなのかもしれません。
因みに千年血戦篇後を描く小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」では雛森との関係ですが、3年後を描く小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」では雛森の覇気に冷や汗を浮かべていました。
オサレなキャラとして名高い平子真子ですが、結局本編ではどうなったのか、どうして卍解と虚化を併用しないのか等、様々な疑問が生じている事だと思います。 そこで今回は、 平子真子は最後に死亡したのか 平子真子の虚化につい[…]
猿柿ひよ里のその後
猿柿ひよ里は破面篇後、四十六室の判決が覆されても死神への積年の恨みが解消されるわけでない為に復隊せずに現世に留まる選択をしています。
破面篇後に罪を不問にされた浦原喜助が尸魂界公認で商売が出来るようになった為に隊士達の間で瞬く間に浦原の名が広がると現世での駐在任務に就いた者がこぞって浦原商店を訪れるようになったらしく、忙しくなっていました。
その為、浦原はひよ里を浦原商店の店員にスカウトするのですが店中に響き渡る怒声で「やらん言うたらやらん!」と断っており、立ち去る際には駄菓子をジャージに詰め込んでいます。
尚、千年血戦篇では現世に残った鉢玄と羅武と共に浦原に使われる形で「現世と尸魂界との間のクソめんどい世界のひずみお直し隊」を結成していました。
余談ですが、千年血戦篇以降では鰻屋育美の何でも屋「うなぎ屋」で働いています。
仮面の軍勢の一人「猿柿ひよ里」は、作中で黒崎一護の虚化を制御する特訓に参加した少しひねくれたキャラクターですが、空座町決戦時に市丸ギンに胴体を両断されてしまいました。 そこで今回は、 猿柿ひよ里は真っ二つにされて死亡したのか[…]
愛川羅武のその後
破面篇後、愛川羅武は尸魂界に週刊少年ジャンプが無い事から護廷十三隊に復隊せずに現世に残る選択をしています。
「少年ジャンプの存在しない世界に用はねえ!」と現世に戻る発言をしていますが、直後にひよ里のお守も必要だろうと話している事から恐らく後者が本心であり、少年ジャンプは半分冗談なのでしょう。
その為、元隊長ながら現世でのんびり過ごしているようで、千年血戦篇では平子真子や涅マユリの連名から頼まれた仕事から「現世と尸魂界との間のクソめんどい世界のひずみお直し隊」を結成したひよ里を見て「俺らもやんの?」と気怠そうにしているコマがあり、その時にもジャンプを読んでいました。
凰橋楼十郎のその後
凰橋楼十郎は破面篇後に護廷十三隊三番隊隊長に復隊しています。
尸魂界に戻った鳳橋は帰巣本能から三番隊の隊舎を鼻歌まじりに散歩しており、郷愁に駆られる中で吉良イヅルと邂逅すると、浦原喜助に頼んで貴賓室に霊圧の仕掛けで一挺のバイオリンを隠していた事が判明しました。
また、市丸ギンの除隊によって放置された三番隊名物の干し柿を今年も作る事を告げ、楽しみにしていた隊士達と干し柿を作っています。
鳳橋と吉良の関係は音楽性こそ理解されないながらも、吉良としては先達に敬意を払うのは当然という姿勢であり、鳳橋が隊士達と共に干し柿の行事を行った事で三番隊には活気が戻りました。
因みに、鳳橋が吉良からインスピレーションを受けて演奏した曲調は「悔恨・無念・哀惜・傷心・悲嘆・苦悶」といった暗いもので、吉良からももう少し明るい曲をお願いされています。
こういった関係性ですがその後も二人の関係は良好なものだったらしく、千年血戦篇で吉良が死亡した際には鳳橋は静かに怒っていました。
元護廷十三隊三番隊隊長で仮面の軍勢の一人「鳳橋楼十郎」ですが、初登場時は一護と同様に虚化が出来る未知の集団の一員という事もありかなり強い印象を読者は受けたものです。 しかし、全編を通してみればあまりの不遇具合に読者からは無能の烙印を押[…]
矢胴丸リサのその後
矢胴丸リサは破面篇後に復隊せずに現世に帰還していますが、基本的は殆どを尸魂界で過ごしています。
小説「BLEACH The Death Save The Strawberry」では志波空鶴の家に間借りして死神相手の商売「YDM書籍販売」を始めているらしく、現世で販売されているあらゆる書籍を取り寄せており、秘密厳守・完全隠密宅配・複数割引有り・書籍以外の品も応相談との事で、注文は地獄蝶電子書簡からだそうです。
商品の配達はリサ自身が行っており、浦原喜助から強奪した霊圧を完全に遮断する外套を纏い誰にも気づかれることなく商品を送り届けてくれます。
尚、主戦力はエロ本らしく、男性死神ご用達です。
因みに、稼いだお金で流魂街に家を建てるらしく、平子は春画御殿と予想しています。
仮面の軍勢の一員として登場した矢胴丸リサは藍染惣右介との戦い後は猿柿ひよ里たちと共に現世に留まっていますが、千年血戦篇で再登場し、霊王護神大戦後は護廷十三隊の隊長に就任していました。 そこで今回は、 矢胴丸リサが隊長に就任し[…]
六車拳西のその後
六車拳西は破面篇後に護廷十三隊九番隊隊長に復隊しています。
六車が隊長職に復隊した事で同時に久南白も付いてきた為に、九番隊は賑やかに(うるさく)なりました。
また、九番隊は護廷十三隊の文芸を担当しており、代々瀞霊廷通信の編集と発行を手掛けている為、東仙要が除隊して以降は檜佐木修兵が編集長を代行していましたが、六車も過去には編集長として活動した経験があるもののブランクを理由に今の瀞霊廷に慣れるまで引き続き檜佐木に代行を任せています。
尚、面倒の多い編集長を引き継ぐつもりは毛頭ないらしく、このまま檜佐木に代行させ続ける算段でした。
因みに、黒崎一護に死神の力を取り戻させる内容のメールを一斉送信した朽木ルキアのメールが拡散された際、唯一檜佐木だけ誰も送らなかった事で六車は「……友達いねえんだな」と憐れむように呟いています。
(※誰も送らない事を見越して吉良が後で送信しています)
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久南白のその後
久南白は破面篇後は六車拳西と共に護廷十三隊九番隊に復隊していますが、どうやら隊士扱いではないと平子が言及している為、正直勝手に六車の周りをウロチョロしているだけなのでしょう。
しかし、六車が復隊と同時に隊長職に戻った事で自らも副隊長をやると言い出しており、現副隊長の檜佐木修兵が居る事から六車と檜佐木で話し合った結果「ウルトララジカルスクープエディター」という別の役職を与えられています。
「ウルトララジカルスクープエディター」とは、尸魂界と現世の二つの世界を股にかけ、まだ誰も見たことの無い現象・事件を読者にお届けするクールでマーベラス、スライリッシュでファンタスティック、ビューティフルでエキサイティングな究極の編集記者であると檜佐木が適当に思いついた言葉を羅列して説明し、横文字大好きな白はその響きのかっこよさから即答で了承するのでした。
因みに、ウルトララジカルスクープエディターを略すと「URSE」となり、これは六車拳西の白に対する「うるせぇ」という思いが込められているのですが、久南白はその事に気付いていません。
瀞霊廷通信にて白の連載が始まるそうです。
有昭田鉢玄のその後
有昭田鉢玄は破面後に猿柿ひよ里や愛川羅武と共に現世に帰還しています。
現世に戻った理由としては現世のアジトを維持するには自分の結界が必要であり、尸魂界に留まりたい理由が無いと話していますが、一番は長く留守にすると懐いてくれたネコたちが淋しがると答えていました。
尚、千年血戦篇ではひよ里達と共に「現世と尸魂界との間のクソめんどい世界のひずみお直し隊」に参加して加勢に来ていますが、プライベートな事に関しては愛川羅武同様に深堀されていません。
浦原商店には嘗ての鬼道衆の上司である握菱鉄裁が居る為、この二人のやり取りを見て見たかったですね。
仮面の軍勢(ヴァイザード)とは
仮面の軍勢(ヴァイザード)とは単行本21巻から登場した平子真子をリーダーにした八人の集団の組織名であり、虚の力が発現した元・死神達で黒崎一護と同じく虚の仮面を被る事で虚特有の力を使う事が出来ます。
101年前の藍染惣右介の実験の被験体にされた経緯から中央四十六室の裁定で殺処分が下されましたが、四楓院夜一によって実行前に連れ出され、浦原喜助と握菱鉄裁の協力を経て現世に亡命し虚化の治療に専念しました。
しかし、101年の歳月を経ても完全には治療できませんでしたが、虚化を自在に操れるようになり、仮面を被る事から仮面の軍勢(ヴァイザード)と名乗っています。
虚化の症状
虚化とは、一つの魂魄に虚の魂魄を流し込みその上で魂魄間の境界を破壊する事で対象をより高次の魂魄へと昇華させる試みの事であり、本来は死神の魂魄を強化する為のものです。
しかし、虚化の制御は現在の技術力の範疇を越えている為、虚化した魂魄は症状が進行すると元の魂魄と虚が混在した状態となり理性を失った怪物となります。
そして、最終的には魂魄間の境界のみならず、魂魄自身と外界との境界までもを破壊し自らの意志とは無関係に自滅する「魂魄自殺」を引き起こすのです。
101年の魂魄消失案件の際に藍染惣右介に強制的に虚化させられた平子真子達はこの事象に当て嵌まりますが、浦原喜助が滅却師の光の矢と人間の魂魄からワクチンを作り注入した事で仮面の軍勢の「魂魄自殺」は食い止められています。
虚化の制御
虚化の症状を制御する事で虚の仮面を被りその力を行使する事が出来る高次の技です。
ただし、虚化の仮面を正気を保ちながら自由に着け外しするには内なる虚と戦い屈服させる「虚化制御の為の内在闘争」が必要不可欠であり、内在闘争の限界時間は凡そ1時間前後とされています。
これを過ぎると完全に虚に侵食されて見た目が虚に変化していきますが、作中では虚に支配された人物などは明確に描かれなかったので、黒崎一護の様に完全虚化して暴走したら処分されるのかは不明です。
因みに、虚化する事で虚閃を放つ事が出来ます。
虚化の仮面
虚化を制御した者は更に虚化を保持する為に訓練する事で仮面を出していられる持続時間を伸ばす事が出来ます。
仮面を出している間は霊圧の消耗が激しい為、ここぞという時に限り使用するようにしていますが、一度仮面を外し再度装着する事で制限時間をある程度リセットできるようです。
しかし、消費された霊圧は戻ってこず回数を重ねる毎に仮面を保持する体力が無くなり結果的に持続時間も減るので、使いどころは考えなければなりません。
また、仮面を保持する持続時間には個人差があり、時間を過ぎると本人の意志とは無関係に強制的に仮面が解除されるケースもあり、作中ではワンダーワイス戦で白が持続時間を過ぎてしまい戦闘中に強制解除されていました。
尚、破面篇で虚化の修行を行った当時の黒崎一護の持続時間は最大で11秒フラットでしたが、仮面の軍勢の虚化はそれ以上は持続しています。
虚化のデザインは個性豊か
平子真子 | ツタンカーメンに似たデザインです。 |
猿柿ひよ里 | 額に模様が並び一本角が生えた鬼のようなデザインです。 |
愛川羅武 | 小鬼のようなデザインです。 |
六車拳西 | 平たいホッケーマクスのようなデザインです。 |
久南白 | ハート型に昆虫を彷彿とさせる造形と触角が二本あります。 |
鳳橋楼十郎 | ペストマスクに似た嘴が尖ったデザインです。 |
矢胴丸リサ | 菱形に近く仮面中央には十字の切れ込みが入っています。 |
有昭田鉢玄 | 聖獣バロンに似たデザインです。 |
黒崎一護 | 左側に赤い模様が入ったデザインで、改造虚ホワイトの面影があります。 |
東仙要 | 特に何もないのっぺらぼうです。 |
ヴァイザードのその後のまとめ
- 仮面の軍勢は空座町決戦時に藍染惣右介に全員やられているが、卯ノ花烈に治療されて生存している
- 仮面の軍勢のその後は小説「BLEACH The Death Save The Strawberry」で補完されている
- 平子真子・六車拳西・鳳橋楼十郎の3名は護廷十三隊隊長に復隊
- 猿柿ひよ里・有昭田鉢玄・愛川羅武の3名は現世のアジトに帰還
- 矢胴丸リサ・久南白の2名は尸魂界と現世の両方を行き来
メンバーの大半は護廷に復帰を果たしていますが、現世に留まっているメンバーも平穏に暮らしています。
千年血戦篇ではメンバーの全員が過去の遺恨を乗り越えて尸魂界の為に戦う姿が描かれていました。
平子真子と猿柿ひよ里は現世の携帯電話の様なもので連絡を取り合っていたので、尸魂界と現世とで分かれても交流は続いているようです。