護廷十三隊の隊長を100年以上務めている京楽春水は、千年血戦篇で山本元柳斎重國が殉職して総隊長職を引き継ぎ、霊王宮でリジェ・バロと対峙した際にこれまで頑なに使用を控えていた卍解を解禁しました。
そこで今回は、
- 京楽春水の斬魄刀「花天狂骨」
- 花天狂骨の卍解
- 花天狂骨が二刀一対になった理由
- 花天狂骨の擬人化
- 京楽春水の強さ
など、京楽春水の斬魄刀「花天狂骨」について紹介したいと思います。
京楽春水の斬魄刀「花天狂骨」の基本情報
【始解】 | 花天狂骨 |
【解号】 | 「花風紊れて花神啼き、天風紊れて天魔嗤う(はなかぜみだれてかしんなき、てんぷうみだれててんまわらう)、花天狂骨」 |
【初出】 | 単行本18巻156話「Welcome to Purgatory」 |
尸魂界に二つしか存在しない二刀一対の斬魄刀であり、その能力は「童の遊びを現実にする」ことです。
能力のルールは花天狂骨が決め、花天狂骨の霊圧領域に踏み入った者は京楽を含め全て強制的にそのルールに従わされることになり、例えば「嶄鬼」という技は高い所へ行った方が勝ちますし、「影鬼」という技は影を踏まれたら負け、といった具合に勝ったら生き負けたら死ぬ我儘な能力になります。
花天狂骨の技一覧
【艶鬼(いろおに)】 |
「自分と相手と交互に色を口にして攻撃する」遊びであり、口にした色が相手の外見・外装に多く存在するほど、与えるダメージ量が上下する能力です。
例えば、死神と破面が色を口にして斬り合った場合、
以上の結果となる他、艶鬼は口にした色を相手に斬られてもダメージになり、自分にとってリクスの高い色ほど与える傷は大きくなります。 |
【嶄鬼(たかおに)】 |
「高い所へ行った方が勝ち」というルールですが、初使用のスターク戦では妨害された為、効果は不明です。 |
【影鬼(かげおに)】 |
「相手の影を踏んだら勝ち、踏まれたら負け」というルールですが、作中では主に奇襲の際に影が出来た所から出入りしています。
自身の影に刀を刺して相手の影から出現させたり、自分を含めた指定した者を伴い影の中へ潜り込む事も可能であり、小説では敵が落とした斬魄刀をそのまま影の中に引きずり込むといった奇策も使用した便利な技です。 |
【だるまさんがころんだ】 |
ルールは「鬼が目隠ししてかけ声とともに振り返り、動いた人を捕まえる」普通のだるまさんがころんだが元となっており、
という三つの決まりがあります。 また、京楽の使用する「だるまさんがころんだ」には以下の副次効果があるとリジェが解析しました。
しかし、②の「幻覚」については間違いであり、正確には視覚と霊覚を同時に使ってモノを見る際、無意識に霊覚の比重が圧倒的に高まっていく現象を利用したもので、霊圧そのものを京楽と見誤るようにギュッと固めて置いたモノを京楽と認識していただけです。 |
【影送り(かげおくり)】 |
「影を強く見つめて別の場所へ残像を映す」遊びで、一瞬でも京楽から目を離し影の端でも目に入ればその後その眼に映るのは全て京楽の影法師となるそうです。
相手が自分の影の端でも目に入ればその場に影を残して瞬時に移動できる他、影を目で捉える程に幾つもの影法師が何処までもついてくるといったもので、優れた霊覚を持った者ほど残像が色濃く残り惑わされます。 |
【不精独楽(ぶしょうごま)】 |
独楽の様に刀から霊圧と風圧を敵に飛ばす技ですが、作中ではスタークの帰刃を阻止する為に使用したもののダメージはありませんでした。 |
【指切り】 |
小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」にて綱彌代時灘に使用した、厳密に言えば遊びではない所謂「ゆびきりげんまん」うぃ昇華した能力の一つです。
能力の詳細は、互いに嘘を吐けば
というもので、主に戦闘中に嘘を交えるタイプの相手や制圧した相手から情報を引き出す為に使う技ですが、お花が「自分以外の者と指切りするなど」と拗ねる為に京楽も滅多に使用しません。 ただし、発動させる間は自分も嘘がつけなくなるという欠点があります。 |
京楽春水の卍解「花天狂骨枯松心中」
【卍解】 | 花天狂骨枯松心中 |
【初出】 | 単行本71巻647話「THE THEATRE SUICIDE」 |
卍解発動後、お花と呼ばれる花魁の見た目をした隻眼の女性が京楽を後ろから抱くように出現し、花天狂骨を刺した地面に松の木の様な黒い影が京楽を中心に広がっていきます。
その範囲は始解の霊圧領域を遥かに上回る為、卍解の使用には場所を選ぶ必要があり、作中では卍解を使用する為にわざわざ味方から遠く離れて距離を取る他、万が一巻き込んだら申し訳ないといった気持ちを抱いていました。
その為、京楽の卍解は範囲内の者全てを対象とする事から味方がいる場では使用する事の出来ない技です。
発動後は京楽の霊圧の煽りを受けて範囲内の空間は薄暗くなり、範囲外に至っては気温が下がり暗くなった訳でもないのに「寒気」によりそう感じてしまいます。
花天狂骨枯松心中の技の流れ
花天狂骨枯松心中は解放後に演劇・芝居の筋書きが展開される能力であり、その劇のあらすじは相手を男に、京楽を女に見立てた内容となっています。
また、幕の間では京楽自身が狂言回し及び語り部となり、台詞を挟んでいました。
【一段目・躊躇疵分合(ためらいきずのわかちあい)】
「相手の体についた疵は分かち合う様に自分の体にも浮かび上がる」といったものですが、その疵では決して死ぬ事は出来ません。
作中では、この一段目の技でダメージを与える事が出来なかったリジェに自らの身に受けた万物貫通の傷を共有して与えています。
京楽の語りは「幕の合間の語りはこれまで。幕の最中は黙で。さて、二段目」。 |
【二段目・慚愧の褥(ざんきのしとね)】
「相手に疵を負わせた事を悔いた男は、慚愧の念から床に伏し、癒えぬ病に罹ってしまう」というもので、相手の体に無数の黒い斑点が浮かび上がり毒のような症状を負わせます。
京楽の語りは「あれよあれよと三段目」。 |
【三段目・断魚淵(だんぎょのふち)】
「覚悟を決めたものたちは、互いの霊圧の尽きるまで湧き出る水に身を投げる」というもので、作中では京楽はリジェと共に水底に身投げした様に沈んでいきます。
また、幾ら羽搏いても水面に届く事が無い為、脱出不可能です。
京楽の語りは「冷えた水面に身を投げりゃ覚悟の凍てつく事もある」で、お花の語りは「だけどそいつはあんたの我儘。浅ましいにも程がある。誓った男の浅ましさ。捨てて逝かねば女の情」。 |
【〆の段・糸切鋏血染喉(いときりばさみちぞめののどぶえ)】
京楽春水の指先から伸びる糸の様な霊子が敵の首に絡みつき、腕を横薙ぎすると共に敵の喉元を掻っ切る技です。
京楽の語りは「女の情は如何にも無惨。あたける男に貸す耳も無し。いとし喉元光るのは、未練に濡れる糸白し。せめてこの手で斬って捨てよう。無様に絡む未練の糸を。此にて〆の段」。 |
花天狂骨枯松心中を使用すると寿命が縮まるの?
花天狂骨枯松心中を使用すると京楽春水の寿命が縮まるという噂を耳にした事がありますが、オフィシャルブックや設定、作中でそのようなシーンは描かれていないので寿命が縮まるという噂は嘘になります。
噂の原因は京楽自身や浮竹が卍解の使用を控えたり使用の制限を設けていたようなやり取りをしていたからだと思われますが、実際には霊圧領域の全ての者を対象にする卍解であるだけで、寿命を差し出すような厳しい制約などはありません。
このような噂が広まった経緯は不明ですが、花天狂骨枯松心中が相手と心中する内容の卍解だと判明した今、ある意味で寿命が縮まる卍解である事には違いないですが、本当に寿命が縮まる訳でないと分かりました。
花天狂骨枯松心中はジャンプ本誌で誤植表記された?
実は「花天狂骨枯松心中」は単行本で修正された正式な卍解名なのはご存知でしょうか。
週刊少年ジャンプで掲載された当時、京楽の初卍解で表記された名称は「花天狂骨黒松心中」でしたが、何故か単行本で「黒松」の部分が「骨枯」に修正されていました。
恐らく本誌ではただの誤植だったものと思われますが、元々の名を誤植されたのか、作者が単行本収録時に変えたのかは分かりません。
二刀一対「花天狂骨」の正体と伊勢七緒の関係
花天狂骨は、花天の刀と狂骨の脇差しで構成される尸魂界に二つしか存在しない二刀一対の斬魄刀と初期に説明されていますが、千年血戦篇で判明した通り、伊勢家が代々継承する神剣・八鏡剣を伊勢七緒の母から預かる事になった際、八鏡剣を隠す為に花天が狂骨を生み出したという経緯があります。
これに関しては小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」で言及されており、花天狂骨はお花がお狂を生み出した斬魄刀、双魚の理は恐らくミミハギ様の影響だと予測されている為、本来二刀一組の斬魄刀というのは無いと京楽は語っていました。
その為、小説内でも京楽は檜佐木修兵の風死が二刀一組の鎌ではなく、風死の本体が鎖であると見抜いています。
狂骨に関しては斬魄刀の花天がどのようにして狂骨を生んだのかは気掛かりですが、千年血戦篇のリジェ戦で狂骨がかくれんぼ好きという事が判明している為、影鬼のような影を扱う技の全般は狂骨の領分なのかもしれません。
狂骨と伊勢七緒の関係
伊勢家はよそから婿をとる事で続いてきた女系ですが、伊勢家に入った男は伊勢の呪いで早世すると言われており、七緒の母はこの呪いを断つ為に伊勢の血筋を絶やす覚悟で外へ嫁ぎました。
しかし、結局は七緒の母は伊勢の呪いから逃れられず、夫が早くに亡くなった為に伊勢の家へ帰されたのです。
七緒の母は呪いが八鏡剣にあると気付き、生まれてくる自分の娘を呪いから外す為に京楽に八鏡剣を預け、八鏡剣を隠す為に花天が狂骨を産み、狂骨が八鏡剣を隠し続けていました。
京楽率いる八番隊副隊長「伊勢七緒」ですが、千年血戦編で京楽が七緒の斬魄刀を隠し持っていることが明かされました。 それではどうして京楽が七緒の斬魄刀を隠していたのか、 伊勢七緒と狂骨の関係 七緒の母と神器「八鏡剣」の呪い[…]
花天狂骨の解号に隠されていた伏線
狂骨が斬魄刀を隠す為に花天が生み出した刀であるという事実を知った後に花天狂骨の解号を見てみると、そこに伏線が張られていたように思えます。
「花風紊れて花神啼き、天風紊れて天魔嗤う」
解号の前半部分は「花」、後半部分には「天」と単語が入っていますが、「狂骨」を連想させるものは含まれていません。
つまり、花天狂骨は元々二刀ではなく、一刀の斬魄刀であるという設定が作者の中で定まっていたのでしょう。
花天狂骨の擬人化と性格
花天狂骨の擬人化が初登場したのはアニメBLEACH「斬魄刀異聞篇」ですが、漫画原作で登場した花天狂骨の擬人化及び具象化も同様の姿形となっています。
花天=お花の容姿は、花魁の格好に髑髏の髪飾り加えて右目に眼帯をした美女であり、花天は「総蔵佐(さくらのすけ)」、京楽は「お花」と呼び合う関係です。
我儘で嫉妬深く意地悪な性格ながら、京楽がリジェ戦で疲れ切った際には倒れた京楽に膝枕を差し出す他、束の間の勝利を喜び、リジェが生きていると知れば充分に戦った京楽に対しここで逃げても誰も責めはしないと身を案じる一面を見せました。
また、その際には「わっちが抱えて逃げよう」と発言していた事から、刀ながら京楽を物理的に持ち運びできる事を示唆しています。
狂骨=お狂の容姿は、右目を眼帯で閉じた花天とは対照的に右目以外の顔を黒い布で覆い隠しており、くノ一装束に左斜めに下がったパッツンおかっぱ頭、髑髏の髪飾りを付けていました。
口数は少なくかくれんぼ好きという情報しかありませんが、狂骨が伊勢家の神剣・八鏡剣を隠している場所であり、「影鬼」の原理なのか、狂骨の顔を隠す黒地の布に手を突っ込むと四次元空間さながらそこから八鏡剣を取り出しています。
元々カラブリの段階で一部の斬魄刀の擬人化が描かれた事から大体の構想は久保帯人先生の中で固まっていたものと考えられますが、斬魄刀異聞篇の擬人化は作者が考案したデザインなのか、ある程度のイメージ像を伝えた監修によるものなのかは分かりません。
京楽春水の強さ
単行本36巻の過去篇で京楽は百年以上隊長を続けているのは元柳斎や卯ノ花を覗けば、自分と浮竹ぐらいだと発言している事から、かなりの年齢と研鑽を重ねている事になります。
尸魂界篇では始解した元柳斎を浮竹と二人で相手にしていましたが、詳しい戦闘描写が描かれなかった為、元柳斎との戦闘力がどの程度開いているのかは知る事は出来ませんでした。
では、京楽の戦闘で明確な勝敗が描かれているものを厳選すると、
【章】 | 【対戦相手】 | 【勝敗】 |
尸魂界篇 | 京楽春水 vs 茶渡泰虎 | 勝利 |
破面篇 | 京楽春水 vs コヨーテ・スターク | 勝利 |
破面篇 | 護廷十三隊 vs 藍染惣右介 | 敗北 |
千年血戦篇 | 京楽春水 vs ロバート・アキュトロン | 敗北 |
千年血戦篇 | 京楽春水 vs リジェ・バロ | 痛み分け? |
以上の様に意外と同格・格上との戦績は良くありません。
リジェに関しては、卍解でも殺し切る事が出来ずに七緒の八鏡剣がなければ勝利する事が出来ませんでしたが、リジェの霊子化が聖別で強化された影響によるものならば、京楽は聖別前のリジェだったら勝てていた可能性が高いでしょう。
京楽の斬魄刀は互いに遊びのルールが適用される扱い辛さと霊圧領域に味方を巻き込む恐れのある卍解である為、団体戦では真価を発揮できない傾向にあり、どうしても破面篇の様に始解で戦う事になります。
卍解を使用した際に花天(=お花)に「久しぶり」と述べているのはそういった事情が含まれているのではないでしょうか。
したがって、京楽は聖別強化後の最強ランキング上位に君臨するリジェとそこそこ戦えて、且つ、肉体を消滅させる事が出来る程度の実力はあるので、更木剣八レベルには届かないまでも護廷十三隊の上位に食い込む強さはあると思われます。
ただし、動揺していたとは言えロバートに右目を撃ち抜かれた挙句、体中を撃ち抜かれた後は恐らく普通に負けていると思われるので、いまいち強さの指標が掴みづらくなっています。
卍解した際に広範囲に京楽の霊圧の影響が出ているので、霊圧に限ればかなり強いと思われますが、純粋な戦闘力に関しては最強と迄はいかず、隊長の中ではかなり強い程度の認識で問題ないでしょう。
京楽の一番の持ち味は思慮深さですので、京楽の強さは隊長の中でも二番手、三番手くらいかもしれませんね。
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京楽春水の卍解や技の一覧と二刀の理由についてのまとめ
- 京楽春水の斬魄刀「花天狂骨」は童の遊びを現実にする能力で技は多彩
- 京楽春水の卍解「花天狂骨枯松心中」は、霊圧領域に入る範囲内の者全てを対象とする能力の為、一対一の状況が望ましい
- 花天狂骨は、伊勢家の「神剣・八鏡剣」を隠す為に花天が狂骨を産んだ事で二刀一組になった
- 京楽春水の強さは隊長達の中では二番手、三番手ほどの強さ
斬魄刀、卍解両方が扱い辛い能力をしている京楽春水ですが、情や流儀、面子よりも尸魂界を護るという強い意志を持った人物です。
いつもおちゃらけた様子を崩さない彼が、時折見せる真面目な顔と自身の考えをハッキリと遂行する所が、京楽春水の魅力なのではないのでしょうか。
千年血戦篇で一番隊隊長及び総隊長に就任した京楽春水は、最終章で伊勢七緒との関係など生い立ちが深堀されていきました。 そこで今回は、 京楽春水のプロフィール 京楽春水と伊勢七緒・兄・着物の関係 京楽春水の千年血戦篇[…]