刀鍛冶の里編でも活躍した時透無一郎ですが、鬼舞辻無惨との最終決戦が繰り広げられた無限城での戦いでも活躍し壮絶な最期を迎えました。
そこで今回は、
- 時透無一郎の死亡シーンは何巻何話?
- 時透無一郎と黒死牟の戦い
- 黒死牟との総力戦の結末
- 無一郎の死亡と最後
など、無一郎の最後の戦いから死亡までの詳細を紹介したいと思います。
時透無一郎の死亡シーンは何巻何話?
無一郎の最後の戦いが描かれたのは単行本19巻第164~21巻第179話であり、
- 無一郎の死亡は単行本20巻第176話「侍」
- 無一郎の今際の際は単行本21巻第179話「兄を想い弟を想い」
に収録されています。
また、最後に戦った相手は上弦の壱・黒死牟であり、最終的には時透無一郎、不死川玄弥、不死川実弥、悲鳴嶼行冥の四人掛かりで勝利する事ができました。
黒死牟戦は総力戦が続いているので、詳しく知りたい方は19巻第164~21巻第179話を通して読む事をお勧めいたします。
それでは無一郎が黒死牟と戦い死亡するまでの詳細を見ていきましょう。
時透無一郎と黒死牟の戦い
無一郎が黒死牟と対峙したのは単行本19巻第164~21巻第179話です。
19巻164話、無限城の戦いで上弦の壱・黒死牟と最初に対峙したのが無一郎であり、無一郎は黒死牟(人間時代の名・継国巌勝)の子孫という事実を聞かされました。
対峙する鬼は他の上弦とは比べ物にならない重厚な威圧感と威厳があり、怖気から無一郎の手は生まれて初めて戦闘を拒否するように震え始めるものの、精神力の強さで一瞬にして動揺を押し殺し冷静さを取り戻します。
そして、一気に集中力を高めると遠方から急接近し斬りつける弐ノ型「八重霞」で間合いに踏み込むも、黒死牟がこれを悠々と回避して背後に回ると、続け様に伍ノ型「霞雲の海」で更に斬り込みました。
しかし、黒死牟は霞の呼吸の連撃を容易く回避して見せると、無一郎は痣を発現させて漆ノ型「朧」を放ちます。
独特の緩急による攪乱を兼ねた朧は黒死牟にとって初見の技であり技巧を高く高く評価し「此方も抜かねば…無作法というもの…」と述べると、抜刀し月の呼吸壱ノ型「闇月・宵の宮」を放ち赤子の手をひねるように無一郎の左手を切断するのでした。
左手を失った無一郎はすかさず距離を取り隊服の布地を千切って傷口を止血すると、鬼である黒死牟が「呼吸」を使い異次元の速さを持つことを分析しつつ、残った右腕で肆ノ型「移流斬り」を放とうとします。
しかし、技を繰り出す直前に黒死牟に日輪刀を奪われると無一郎はそのまま右肩を居抜かれ支柱に磔にされました。
そして、黒死牟は無一郎を殺すつもりは無いのか、末裔である無一郎を鬼に変えて無惨に仕えさせようと目論みます。
黒死牟との総力戦
黒死牟は末裔と邂逅した事を感慨深く思っており、無一郎を磔にしたまま止血すると鬼となれば失った腕もまた生えると諭します。
そんな無一郎を助ける為に死角から南蛮銃で襲撃する不死川玄弥でしたが、やはり速さで上回る黒死牟は容易に回避して玄弥の背後を取ると左腕を切断、そして反撃に出る玄弥の右腕をも切断しました。
玄弥の名前を叫びながら磔にされた状態で刀を引き抜こうとする無一郎ですが中々抜けず、その間に玄弥は更に胴体を両断されます。
そんな窮地に駆け付けたのが風柱・不死川実弥であり、実弥は玄弥を守るために手傷を追いながらも黒死牟と斬り合いを始めますが、黒死牟の剣技に次第に圧され始めると岩柱・悲鳴嶼行冥が到着し実弥の窮地を救いました。
悲鳴嶼と実弥が黒死牟を引き受けている間、無一郎は自力で磔から抜け出すと肩を貫く日輪刀を引き抜いた後、玄弥の許へ駆けつけて胴体をくっつける手伝いをする他、悲鳴嶼達が斬り落とした黒死牟の髪の毛を拾い玄弥に食べさせます。
無一郎が負った傷は体格に恵まれていない分あと数時間で失血死する可能性が高く、まだ生きて戦える人の負担を少しでも減らすべくせめて上弦の壱だけでも倒す貢献を果たさねばという思いがありました。
そのため、兄を守るために最期まで闘いたいという玄弥の願いを聞き入れて一緒に最期まで闘う事を決意すると、無一郎は黒死牟の動きを少しでも止める事ができたら自分に気にせず南蛮銃を撃つようにと玄弥に頼みます。
そして、日輪刀が落ちないように鬼化して復活した玄弥に残った右手と日輪刀の柄を強く布地でぐるぐる巻きに固定してもらうのでした。
無一郎は胴体を真っ二つに斬られる
無一郎が玄弥と体勢を整えている間、痣を発現させた悲鳴嶼と実弥が黒死牟の本気を引き出した事で逆に劣勢に立たされていました。
月の呼吸の連続攻撃により遂に実弥が倒れてしまうと無一郎が実弥を抱きかかえて救出し再び三人がかりで黒死牟の隙を窺うために散開、無一郎は内側に入りほんの一瞬でも動きを止める事が出来れば悲鳴嶼と実弥のどちらかが頸を斬ってくれると思案します。
失血により残された時間が少ない無一郎は意を決して踏み込むと、無一郎の意図を汲んだ悲鳴嶼が実弥に号令を出し各々の配置に散開し、渦状の斬撃を放つ黒死牟の拾肆ノ型「兇変・天満繊月」の攻撃を無一郎は掻い潜りました。
その時、「透き通る世界」に達した悲鳴嶼が黒死牟の視界を掻い潜り数珠を黒死牟の持ち手に投げつける事で僅かに技の軌道を阻害すると、無一郎は右足を両断されながらも遂に黒死牟の胴体に日輪刀を突き刺し一瞬の間だけ動きを止める事に成功します。
そして、無一郎もまたこの時極限の戦いの中で「透き通る世界」に達しており、黒死牟の攻撃が見えていたのです。
無一郎がチャンスを生んだ事で悲鳴嶼と実弥が一斉に斬りかかる体勢に入ると、黒死牟の体の一部を取り込んだ玄弥が血鬼術を発現させた南蛮銃で黒死牟を狙撃し、無一郎との約束通り黒死牟を固定します。
頸を斬り落とすために悲鳴嶼と実弥が刀を振りかぶった刹那、黒死牟は400年振りに焦燥感を覚えると次の瞬間には全身から刀を生やして全方位に斬撃を放つ事が可能になった形態に変貌すると、全員が斬撃に吹き飛ばされていく中、黒死牟を近距離で抑え込んでいた無一郎は胴体を真っ二つに斬られてしまうのでした。
無一郎は総力戦の末に死亡
無一郎の死亡が描かれたのは単行本20巻第175話「後世畏るべし」から第176話「侍」です。
胴体を真っ二つにされた無一郎は上半身だけになろうとも黒死牟に刀を突き刺したまま何とか食らいつき、未だ余力を残している化け物を相手に何の役にも立てずに死んでしまうと焦り始めます。
敵にはまだ鬼舞辻無惨という得体の知れない鬼の首魁がいるというのにここで悲鳴嶼や実弥までも死なせてはまずいと考えた無一郎は、俺が何とかしなくちゃ、俺が死ぬ前に、と無我夢中で刀の柄を強く握ると日輪刀の刀身が赤く変化する「赫刀」を発現させました。
そして、無一郎の赫刀に刺された黒死牟は内臓を焼かれるような激痛に体が強張ります。
一方で、黒死牟の体内には玄弥の血鬼術が残留しており、黒死牟はそれを理解していながらも無一郎の赫刀による体の強張りと悲鳴嶼と実弥の猛攻により玄弥には構っておられず、その隙に玄弥は最期の力を振り絞って再び血鬼術を発動させ黒死牟を固定しました。
無一郎の赫刀はかつて継国縁壱が発現させていたものと一緒であり、黒死牟は怒涛の猛追を受けて遂に頸を斬り落とされてしまいますが、土壇場で頸の切断からの死を克服すると異形の姿に変貌します。
そして、赫刀を突き刺したまま離れない無一郎の右手を手刀で切断すると、既に事切れていた無一郎はその場に転がってしまうのでした。
しかし、無一郎は既に死んでいましたが黒死牟が剣士とは思えない自身の醜い姿を見て当惑していると、無一郎が赫刀で刺していた箇所から灰化が始まり、それを起点に悲鳴嶼と実弥が畳みかける事で漸く黒死牟を討つ事が出来たのです。
また、玄弥も力尽きてしまいましたが、無一郎と玄弥が命を賭して黒死牟の動きを封じ込めなければ勝利は無かったでしょう。
無一郎は最後に家族と再会
黒死牟との激闘を制した単行本21巻第179話「兄を想い弟を想い」では、不死川玄弥と時透無一郎の今際の際が描かれています。
激闘後、無一郎は目を開けたまま仰向けに絶命しており、悲鳴嶼は「お前たちのお陰で勝てた…心から感謝と尊敬を…」と最期まで立派に戦い抜いた無一郎に羽織を掛けて看取りました。
そして、悲鳴嶼が無一郎の目を優しく閉じてやると、次の瞬間、目を開いた無一郎の目の前には亡くなった双子の兄・有一郎が佇んでおり、泣きながらこっちに来ないで戻るように訴えかけます。
こんなに頑張ったのに兄に拒絶された無一郎は涙目になりますが、有一郎は無一郎はまだ十四歳なのだから生きる為に逃げればよかったと無一郎の頑張りを否定するのでした。
こんな所で死ぬのは無駄死にでここで死んだら何の為に無一郎が生まれたのかが分からないと弟を心配する有一郎ですが、無一郎は既に自分は「幸せになる為に生まれてきた」と生きた意味を見出しており、仲間を見捨てて逃げるなんて事は出来ないと反論します。
無一郎は一人ぼっちになってから辛い事や苦しい事が沢山あったものの、家族四人で暮らしていた時や仲間が出来てまた笑顔になれた時など幸せだと思う瞬間が数え切れない程あった事を有一郎に打ち明けると、何からも逃げず目を逸らさず仲間の為に命を懸けた事に後悔は無いと述べました。
ただ、無一郎は他の誰にでもない兄にだけは無駄死にだなんて言ってほしくないと泣き出すと、有一郎は無一郎の肩に手を置いて謝罪し「だけど俺は無一郎に死なないで欲しかったんだ…」と本音を告げます。
こうして無一郎は今際の際で有一郎の気持ちを知ると涙ながらに抱擁し兄と和解する事ができたのです。
また、壮絶な人生をやり遂げた無一郎が家族の許に帰る様子を表現しているのか、第179話の幕間には無一郎と有一郎が手を繋いで手を振る両親へと駆け出している後ろ姿が描かれており、多くの読者の涙を誘いました。
時透無一郎が真っ二つとなって死亡する最後のまとめ
- 時透無一郎の最期と死亡は単行本19巻第164~21巻第179話に収録
- 時透無一郎は無限城で上弦の壱・黒死牟と対峙し交戦
- 時透無一郎、不死川玄弥、不死川実弥、悲鳴嶼行冥の四人掛かりで勝利
- 無一郎は左手・右足・胴体真っ二つと欠損し死亡した
- 無一郎は「赫刀」を発現させて黒死牟の動きを止める役割を全うした
- 無一郎は今際の際に有一郎と再会し和解
- 無一郎は「幸せになる為に生まれてきた」ことを理解しながらも、仲間の為に命を懸けた事に後悔は無いと語る
時透無一郎は竈門炭治郎との出会いを経て刀鍛冶の里編で過去を思い出す事ができましたが、それにより辛い人生の中で幸せを見つける事が出来ました。
しかし、それは仲間の為に命を懸ける事にを厭わない本当の無一郎を取り戻す事に繋がっており、結果、仲間の未来の為に命を懸けて戦い十四歳で亡くなってしまいます。
仲間の為に戦い死んだ事に後悔は無いと断言する姿は格好いいですが、それでも有一郎の様に読者も無一郎には生きてほしかったと辛い気持ちを抱いてしまうのは仕方ありません。
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