鬼滅の刃に登場する音柱・宇随天元と炎柱・煉獄杏寿郎はよく比較される事があります。
その理由は、天元自身が何度か煉獄と自分を比較していたせいですが、無限列車編の後の遊郭編で煉獄の次に炭治郎達と共闘する柱の登場が天元だった事もあり、読者・視聴者から「強さ」をよく比較されるようになりました。
そこで今回は、
- 宇随天元と煉獄杏寿郎はどっちが強いのか考察
- 宇随天元と煉獄杏寿郎の関係
- 宇随天元の姿が煉獄杏寿郎に重なった理由
等、宇随天元と煉獄杏寿郎について考察していきたいと思います、
宇随天元と煉獄杏寿郎はどっちが強いのか考察
何かにつけて比較されるのが音柱・宇随天元と炎柱・煉獄杏寿郎の2人です。
宇随天元 | 煉獄杏寿郎 | |
呼吸法 | 音の呼吸 | 炎の呼吸 |
痣 | × | × |
赫刀 | × | × |
透き通る世界 | × | × |
柱間腕相撲 | 2位 | 4位 |
柱間足の速さ | 1位 | 5位 |
以上のように、2人の「剣士」としての資質はさほど違いはありませんが、縦寸・腕力・俊足など身体能力は宇随天元が上回っている事が分かります。
しかし、全ての呼吸は「日の呼吸」の派生であり、日の呼吸から派生した基本の呼吸が「水・炎・岩・風・雷」の5種という設定から、代々水と炎の呼吸の使い手は必ず柱に入っている事などを踏まえると、呼吸法の完成度で言えば煉獄家に継承されている炎の呼吸を使える煉獄杏寿郎の方が上回っている印象です。
ただ、天元は時折自ら煉獄を引き合いに持ち出して「上弦の鬼には煉獄でさえ負けるのか」や「俺は煉獄のようにはできねぇ」と煉獄に高い評価を示す傍らで自分の事をよく卑下しています。
また、悲鳴嶼行冥から見た天元の分析に「冷静かつ自分の実力を正確に見て傲りがない」と書かれている事から、天元は自分の分析力をもって自分よりも煉獄杏寿郎の方が強いと感じているのではないでしょうか。
勿論実際の戦闘力にどれだけ実力差があるのかは分かりませんが「一般人を1人も死なせず責務を全うした煉獄杏寿郎」という存在が天元に引け目を感じさせているのかもしれません。
煉獄は強く生まれた者は弱き者を助ける責務を負っているという母の想いを継いでいる為、どんな苦境に立たされても心を燃やし続けた「柱」そのものを映す人物でしたが、一方で天元は忍となるべく過酷な修業を課されて育った為に考え方や命の優先順位そのものが煉獄とは違います。
そういった覚悟や姿勢を指して「俺は煉獄のようにはできねぇ」と比較し卑下しているように思えますので、実力的にはそれほど大差は無いものの、鬼殺隊の柱として人を惹きつけ多くの人命を守り戦う術に関しては煉獄杏寿郎の方が得意分野なのでしょう。
したがって宇随天元と煉獄杏寿郎のどちらが強いのかと言えば、単純な評価で言えば煉獄杏寿郎の方が少しだけ実力や精神力が強いのだと思われます。
宇随天元と煉獄杏寿郎の関係性
天元と煉獄の関係性や距離感はあまり描かれていないので分かりませんが、実は煉獄の方がだいぶ後輩にあたります。
- 宇随天元が柱になったのは2番目
- 煉獄杏寿郎が柱になったのは6番目
※現柱の順番は「悲鳴嶼行冥→宇随天元→冨岡義勇→不死川実弥→胡蝶しのぶ→煉獄杏寿郎→伊黒小芭内=甘露寺蜜璃=時透無一郎」と言った具合に、煉獄までの順番はほぼほぼ判明。
胡蝶しのぶまでの柱達は、前任の炎柱・煉獄槇寿郎よりも後輩であり、初対面の頃の天元から見れば煉獄杏寿郎は柱古参の槇寿郎の息子程度の認識でしかありません。
しかし、槇寿郎が妻の死没をきっかけに自室に籠り断酒出来なくなったと報告する為、煉獄は柱合会議に召集されましたが、その際に「俺も炎柱になれば父上もきっとやる気を取り戻してくれるでしょう!」と強く出た事で天元は興味深く窺っていました。
実弥が煉獄の気概を確かめる為に組み手を開始しても隊員同士の喧嘩はご法度だと諫める煉獄を見て「不死川の攻撃を受け切ったぞ、髪色も派手だしやるぜあいつ」と称賛しており、天元から煉獄への第一印象はかなり高い事が窺えます。
そして煉獄が柱となった後の評価は、
- 宇随天元から見た煉獄杏寿郎:派手、俺より目立つな。でもめっちゃ良いやつ。
- 煉獄杏寿郎から見た宇随天元:剣技の軌道が美しい、忍を初めて見て感動。妻がちょっと多すぎる。
と、互いに相手を立てている他、天元に至っては煉獄の事をかなり気に入っている印象です。
天元は父親やその生き写しである弟のような無機質な人間になりたくなくて忍の里を抜けて鬼殺隊に入りましたが、煉獄の派手な人柄に憧れていたのかもしれませんね。
宇随天元の姿が煉獄杏寿郎に重なった理由
単行本10巻第88話「倒し方」にて、竈門炭治郎は宇随天元を見て煉獄杏寿郎の姿を重ねていました。
この理由については残念ながら作中や公式ファンブックでも触れられていないので答えは分かりません。
しかし、炭治郎が天元に亡き煉獄の姿を見たのは、無限列車編で何も出来なかった炭治郎を指して「この少年は弱くない、侮辱するな」と述べた煉獄に対する思いが重なったからではないでしょうか。
煉獄の死後、炭治郎は何度も煉獄を助けられなかった事を悔やみ自分が代わりに死ぬべきだったのではと自責の念に駆られた事もあります。
ですが、遊郭編では毒にやられて死の淵に立たされた柱・宇随天元が自分の負傷を顧みずに「こいつらは優秀な俺の継子だ!逃げねえ根性がある!手足が千切れても食らいつくぜ!!そしてテメェらの倒し方はすでに俺が看破した!」と若い隊員を鼓舞しました。
この心が折れずに味方を鼓舞して心を燃やす姿があの時の煉獄と重なったのかもしれません。
そして、今回は以前のように足手纏いではなく戦力として柱の天元に認められた事、煉獄の時には叶わなかった共闘が出来るようになった事が表情に含まれていたように思えます。
炭治郎は煉獄が事切れた後に「凄い人はもっとずっと先の所で戦っているのに俺はまだそこに行けない。こんな所でつまずいるような俺は煉獄さんみたいになれるのかなぁ…」と弱気な事を言っていましたが、この時の天元の言葉で今度こそは柱を死なせない為に自分も戦えるかもしれないという驚きがあったのしょう。
宇随天元と煉獄杏寿郎の強さと姿が重なる理由についてのまとめ
- 宇随天元と煉獄杏寿郎はどちらが強いかは不明だが、恐らく戦闘力にほとんど差は無い
- 煉獄杏寿郎の方が呼吸法や精神力、人望等の観点から柱としての素質は高い印象
- 宇随天元と煉獄杏寿郎の関係は不明だが、天元は現柱では古参であり、煉獄は新参者に近い
- 宇随天元は煉獄杏寿郎を「派手で目立ち、良い奴」と気に入っている
- 煉獄杏寿郎は宇随天元を「剣技が美しい」と評価しているが妻が多い点は気にしている
- 遊郭編で竈門炭治郎が宇随天元に煉獄杏寿郎の姿を重ねたのは、心が折れずに味方を鼓舞して心を燃やす姿が煉獄に似ていたからと予想
今回は、宇随天元と煉獄杏寿郎の2人を比較し考察していきましたが、当然ながらどちらも柱として立派に責務を果たしたキャラクターです。
とにかく天元は過去のせいで派手に目覚めているもののその心は繊細で罪の意識に苛まれている為、常に誰かの模範となるような振る舞いをする煉獄には一種の憧れのような意識が向いていたのかもしれません。
実際には、天元も遊郭編で一般人を多く救っているわけですが、物事を冷静に見すぎるせいか自分への評価はやや低く見積もっている印象でした。