護廷十三隊三番隊隊長の市丸ギンと言えば、作中では乱菊との関係に焦点が当てられたキャラクターです。
そこで今回は、
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以上、市丸ギンと松本乱菊の恋仲について紹介したいと思います。
市丸ギンと松本乱菊の関係
- 原作15巻129話
ギンと乱菊は流魂街の出身で幼少期に東流魂街62地区「花枯」で出会いました。
空腹で倒れていた乱菊にギンが声を掛け助けたのがきっかけであり、その後二人は一時期共同生活を送る様になりますが、突然ギンが死神になる為に住居を旅立ったので二人の共同生活は唐突に終わりを告げます。
その為、ギンと乱菊の関係は幼馴染であり、家族であり、死神としては同期に当たる事から、ギンにとって「松本乱菊」は家族以上に大切な存在となっています。
ギンは「乱菊の取られたもの」を取り返す為に死神に
- 原作48巻416話
ギンが幼少期に突然家を出て行き死神を目指した理由は乱菊が取られたもの「魂魄」を取り戻すためでした。
ギンは原作48巻416話の回想で複数名の死神が流魂街の住人から魂魄を回収して藍染へと献上している現場を茂みから目撃しており、その際に近場で横たわる犠牲者と思しき少女「乱菊」を一瞥した後ですぐに首謀者が藍染であると見抜きその瞬間から藍染に取り入り魂魄を取り戻す算段を巡らせていたのです。
その為に乱菊との共同生活を投げ捨てて真央霊術院へ入学し、僅か1年で卒業した後は五番隊に入隊しその頭角を現すと、目論み通り藍染に気に入られました。
ですが、実力を示す試験として当時の三席を躊躇いなく殺害する等、復讐の為なら一切の情を感じさせない冷酷な本性がこの頃から窺えます。
しかし、藍染を殺す機会を窺っていたにせよ、
- 101年前の魂魄消失事件に加担
- 尸魂界編で藍染離反に加担し冬獅郎・雛森・吉良・ルキア等を弄ぶ行為
- 破面編での猿柿ひよ里殺人未遂
これらの擁護のしようが無い悪逆非道な行いは看過できないものであり、元々の性格が善人ではない事が分かりました。
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小ネタ「乱菊の誕生日を決めたのはギン」
- 原作20巻12.5話
原作20巻では雛森の提案で冬獅郎の誕生日を祝う為に、乱菊は冬獅郎を、雛森は藍染を誘い隊舎西修練場の屋根に上がって夜空に打ち上げられた花火を眺めるといったほんわかとした日常回が収録されています。
生まれが流魂街の死神にとって誕生日を知る術が無いと語る冬獅郎に対して、藍染は「…皆同じさ自分が生まれた日が何時かなんて憶えている人は誰もいない」として「ただ自分が信頼する人が告げた日をそのまま信じるしかないんだ」と諭し、その言葉を聞いていた乱菊は嘗てギンと過ごしていた記憶を呼び起こすのです。
幼少期、不意にギンから誕生日を訊ねられた乱菊は、ギンと出会うまで日にちを数えられる様な生活が出来なかった為に自分の誕生日を知らないと答えるのですが、ギンは「…なら、ボクと会うた日が乱菊の誕生日や」と言って勝手に乱菊の誕生日を決めるのでした。
そして現在、藍染は知っている誕生日が本当かどうかが問題ではなく自分の誕生日を知っていること自体が既に幸せなのだと語ります。
作中のギンから想像もできなかった在りし日の優しい一面が窺える素敵な閑話なので、未読の方はぜひ一読を!
市丸ギンと松本乱菊の恋愛事情
- 原作48巻416話~417話
尸魂界篇のラストで護廷を離反したギンですが、彼の100年以上にわたる復讐劇は、崩玉と完全融合した藍染を倒すにはほんの僅かにタイミングがずれた為に失敗に終わり、藍染の手に掛けられる結末を迎えました。
その際、乱菊は返り討ちに遭い瀕死となったギンの許へ駆け付けており、乱菊はギンが何故護廷を離反したのかその真意を知る事も無く死に目に立ち会い泣き崩れています。
一方で、そんな乱菊の泣きっ面を薄れる意識下で見据えたギンは「ああ、やっぱり謝っといて良かった」と、安心する内情が綴られていました。
これまで流魂街時代からの幼馴染という接点で描かれてきた二人ですが、ギンの死によって乱菊は知らず知らずの内にギンの事が好きだったのだと自分の気持ちに気付きます。
乱菊はギンの事が好きだったと気付く
- 原作48巻423話
ギンと乱菊の恋愛感情は作中で触れられていませんが、多くの課題と向き直るきっかけでもあった破面篇のエピローグで、乱菊は冬獅郎や同期の死神が前に向かって鍛錬に励んでいる姿を見ている一方、未だ一人だけ前に進めない状態でした。
乱菊は亡きギンの後ろ姿を思い起こしては消えてしまうのに形見一つ残してくれないところが嫌いであると独白するも、ギンならばもしも形見を残していたら乱菊がそこからいつまでも動けずにいるであろう事を見抜いていた筈だと心の中で綴っています。
そして、乱菊はギンのそういうところが好きだったと気づくのです。
この乱菊の独白から見ても少なくとも破面篇終了時には乱菊はギンへ恋愛感情を抱いていたものと推察出来ますが、ギンに至っては乱菊を一番大切に思っている描写はあるものの、それが恋愛感情なのかどうかは言及されていません。
恐らくは乱菊同様に根本にあるのは恋愛感情かもしれませんが、ギンと乱菊の近いようで遠い関係が大人な恋愛事情を感じさせますね。
ギンが乱菊に見せた優しさ
- 原作16巻133話
ギンと冬獅郎の戦闘が繰り広げられた回では、ギンは冬獅郎の隙を突いて意識の無い雛森を狙いましたが、駆け付けた乱菊がギンの攻撃をギリギリの所で防いだので雛森は命を救われています。
ギンは乱菊と戦うのが嫌なのか彼女の登場に伴い呆気なく納刀しその場を立ち去っている事から見ても、乱菊とは嘘でも戦いたくなかった事が窺えますね。
ただ、冬獅郎と雛森には手厳しい一面でした。
- 原作20巻178話
藍染同様に大虚が同族を助ける際に用いる光「反膜」に包まれたギンですが、乱菊は反射的にギンから手を放します。
しかし、ギンは乱菊の手が離れると去り際にもうちょっと捕まっていても良かったと零した後に「ご免な」と謝罪しました。
この時のギンの表情は心底残念そう且つ切ないもので、これからギンが為そうとする事や失敗時の事も考慮して乱菊に辛い思いをさせると分かっていた為、ポッと零れ出た最初で最後の本音だったように窺えます。
- 原作47巻412話
空座町決戦終盤、乱菊はアヨンに受けた傷が癒えぬまま藍染の前に立ちはだかりますが、見兼ねたギンは長年築いてきた藍染との信頼が瓦解する危険を顧みず、藍染の前から乱菊を引き離す行動を取っています。
その際、ギンは乱菊を始末して藍染の許に戻っており、藍染も乱菊の霊圧を感じない事を確認してもう少し乱菊に情があるものだと思っていたと話しますが、ギンは「あらしまへんよ、そないなもん」と嘘を吐きました。
ギンは実際には鬼道「白伏」で乱菊を気絶させるにとどめており、乱菊を危険な戦いから遠ざけていたのです。
今回はBLEACHの登場キャラクターの中で、 結婚したキャラクター 既婚者のキャラクター ほぼ恋人同士のキャラクター 片思いしているキャラクター 等、様々な公式カップリングについて紹介したいと思います。 […]
乱菊はギンの墓を建てている
市丸ギンの墓は、乱菊とギンが出会った東流魂街62地区花枯に乱菊が私財を投じて建てています。
ギンのしでかした行動は結果的に見れば善であるものの、その過程で行われた事は紛れもない悪だと判断され瀞霊廷に墓を作る事は許されませんでした。
そして、乱菊はギンの墓前にて、ギンを慕っていた吉良イヅルにギンの最期について話しています。
これらの詳細は小説「BLEACH The Death Save The Strawberry」で触れられていますので、破面篇終了後から死神代行消失篇の間の出来事を知りたい方はご購読してはいかがでしょうか。
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市丸ギンと松本乱菊の関係や恋愛事情についてのまとめ
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尸魂界篇、黒幕のミスリード演出や時にはヒール役として登場したせいか極悪非道な行いをしてきたギンですが、その行動理念は全て松本乱菊が取られた魂魄や乱菊が泣かなくてもすむ世界に作り替える為に注がれていました。
しかし、その過程で行って来た数々の殺害未遂や煽りは看過できないギン本来の悪性であるのは確かで、一護に肩入れした理由はあくまでもギンが藍染殺害に失敗した時の保険や乱菊を任せられる人材だったからだと推察できます。
また、幼少期を乱菊と共に過ごしながらも何を伝えず一人で片づけようとする悪癖から、ギンと乱菊の間に蟠りがあり、恋愛描写の少ないBLEACHに於いてギンと乱菊の恋愛模様の動向は読者の目を離せないものとなりました。
ギンが討死した事で乱菊はギンの本意を知る事ができませんでしたが、何とも切ない幕切れが返って読者の心にも響いたのではないでしょうか。