市丸ギンは護廷十三隊を裏切り藍染惣右介についた「悪」ですが、全ては藍染を倒す一瞬の為に信頼を築き上げたものであり、その最後はあっという間に散ってしまいました。
そこで今回は、
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以上、ギンが裏切った末路について紹介したいと思います。
市丸ギンの最後
市丸ギンの死亡と最後は原作48巻に収録されています。
破面篇の終盤、藍染は護廷十三隊を退けて本物の空座町に足を踏み入れると、一護のクラスメートのたつき達と遭遇し、藍染は一護に成長の糧にする為に彼女らを執拗に追いかけ回すのです。
その時、乱菊は彼女らの窮地に駆け付けたドン観音寺の窮地に駆け付けると、アヨン戦で負傷した傷が完全には癒えないまま藍染の前に立ちはだかっています。
ギンはすかさず「昔の知り合いがすいません。あっちへ連れていきます」と割って入ると、藍染が気に留めない素振りを見せるも、藍染の承諾も無いまま自発的に乱菊を連れてその場を移動し、鬼道「白伏」で気絶させる事で藍染が乱菊の霊圧を知覚出来ない様に手を回しました。
そして、乱菊を気絶させた後は藍染の許へ戻り、王鍵の創生に取り掛かろうとする藍染に遂に打って出るのです。
市丸ギンの最後
- 原作48巻414話~415話
藍染が一護のクラスメートとの追いかけっこにも飽きて斬魄刀を抜いた時、ギンは藍染の斬魄刀の刀身に手をあてがい「あの子ら殺すんはボクがやります」と前に躍り出ます。
ギンは藍染の部下になって数十年、鏡花水月の能力から唯一逃れられる方法を聞き出しており、完全催眠の発動前から刀に触れておく為に自然な流れで藍染の斬魄刀に触れていたのです。
そして、ギンは躍り出た刹那、自分の体と外套を死角にして神鎗で藍染の胸を貫きました。
ギンは藍染に神鎗の卍解を偽って報告しており、本来の卍解の能力「刃の内側に細胞を溶かし崩す猛毒」と刀を伸縮させる際にその一部を藍染を貫いた時に心臓の中に残す事で藍染の細胞を破壊し胸に大きく孔を開けたのです。
しかし、ギンが野晒しとなった崩玉を手にした瞬間、藍染の手がギンの腕の肉を掠め取り、ギンは崩玉を持って退避するものの、藍染は死ぬよりも早く崩玉と第四の融合を済ませ復活しました。
崩玉は自らの意志で藍染の許へ戻ると、藍染はギンの許に接近し容赦なく斬り捨てます。
藍染に斬られたギンは、乱菊が魂魄を取られた時の光景や、藍染が崩玉の研究に励み浦原の崩玉を奪い取る計画を進めている際の光景を走馬灯の様に思い起こす中、再び崩玉に手を伸ばしたところで右腕を斬り落とされました。
そして、藍染はギンの腹部を貫くと、一度ギンに殺されそうになった死の恐怖によって進化を遂げて終に死神も虚も超越した存在になった事に感謝を述べるのです。
藍染惣右介と言えば破面偏終盤に崩玉と融合を果たし、ただでさえ強すぎる力がもう一段階上の次元へとステップアップしてしまい、もはや誰にも手出し出来ない最強格へ変身を遂げました。 そこで今回は、 藍染惣右介が崩玉と融合した強す[…]
市丸ギンが死亡したことは間違いない
- 原作48巻416話~417話
藍染に敗北したギンは瓦礫の上に倒れており、藍染が近づいてくる間、回想に耽っていました。
雪の降る中、ギンは何処で手に入れたのか死神の羽織を纏っており、心配して駆け寄ってくる乱菊に死神になる事を告げるのです。
死神になって乱菊が泣かなくても済むようにしたいと考えた当時を振り返っていると、再び現在に戻り、乱菊がギンの許へ飛んできます。
ギンは自分の名前を呼ぶ乱菊に対し、結局「取られたものを取り返せなかった」と独白しつつも、謝っておいて良かったと綴りました。
そして、ギンの死に際に最後の月牙天衝を会得した一護が到着すると、ついさっきまで藍染との実力差に悲観的になっていた一護の顔つきが変わっていた為、その成長具合を「強い眼になった」と表現しつつ「今のキミになら任せて殂ける」と綴り息を引き取ったのです。
市丸ギンの裏切りと行動について
ギンが護廷十三隊を裏切っていますが、その理由は藍染惣右介を討つ為であり、背景には松本乱菊が関係しています。
しかし、その為にギンが行ってきた行動は全てが「善」と言えない程に残虐なものが多く、ギンの性格が根っからの「悪」ではないかと推測できるような行いばかりでした。
もしかしたら藍染はギンが裏切る事を知りながらも、そんな「悪」の部分に興味を惹かれて五番隊に入隊させたのかもしれません。
それでは、
- 「裏切ったギンの行動」
- 「110年前の入隊」
- 「ギンが裏切った理由」
について見ていきましょう。
裏切ったギンの行動は「悪」
尸魂界篇のギンは、藍染殺害事件の容疑者として読者がミスリードする様に描かれた事からかなり無茶苦茶な立ち回りをしており、日番谷冬獅郎を始め自身の部下でもある吉良イヅルにも暗示をかける様に手を回していました。
その中でも印象的だった行動は以下になります。
原作9巻74話 | 白道門で兕丹坊の腕を斬り落とす |
ルキア奪還の為に一護達が尸魂界に侵入した際、一護は白道門の番人「兕丹坊」を撃破し瀞霊廷へ繋がる門を潜ろうとした所、門の奥に既にギンが待ち構えており、旅禍の侵入を許した兕丹坊の左腕を神鎗で容赦なく切断しました。
この件に関しては、護廷十三隊の隊長として旅禍の侵入は看過できず責務を全うしただけですが、「旅禍自体を捕縛しなかった事」や |
原作16巻132話 | 冬獅郎との戦闘中に雛森桃殺害未遂 |
黒幕の藍染の計画通り藍染暗殺周知から犯人がギンに向く様に誘導しており、特に雛森を錯乱させる事で日番谷冬獅郎や吉良イヅルを疑心暗鬼にさせる等、手筈通りとは言えかなり非道な行いをしています。
藍染が計画したとは言え、冬獅郎が藍染殺害の犯人であると画策すると、雛森に冬獅郎を討ち取るように誘導しますが冬獅郎に気絶させられた為にその場に姿を現しました。 そして、冬獅郎の怒りを買い戦闘となると、その際に神鎗の直線状に冬獅郎と雛森を重ねる事で雛森をどさくさ紛れに殺害しようとしたのですが、乱菊が神鎗を防いだので未遂に終わります。 尚、雛森に関しては原作20巻169話で四十六室の居住区域「清浄塔居林」に呼び出しており、そこで雛森が藍染に殺される事を知りながら藍染の許へ案内しました。 |
原作17巻145話 | 懺罪宮でルキアを精神的に追い詰め弄ぶ |
罪人として移送中のルキアは生きる希望や理由もすべて捨てて死への覚悟を決めていたところ、ギンはルキアに接触し特に意味もなく「意地悪をしに」と真意のわからない行動を取りました。
同時刻、阿散井恋次の敗北やルキアを助けに来た旅禍の相次ぐ脱落があり、僅かに霊圧の変化を感じ取ったルキアは自責の念で苦しんでいましたが、ギンはルキアの知らない旅禍の現状を報告して更に狼狽えるルキアを見据えただ一言「助けたろか?」と護送兵がその場に居るにも関わらず脱獄を持ち掛けます。 ギンの思惑は分かりませんが二番隊隊長としての実力はルキアも認める所であり、そんなギンが手を差し伸べてくれるのなら事態は好転し生存の可能性がルキアに見えてくるのですが、あまりにもギンにメリットがない提案にルキアは暫く逡巡しつつも、諦めかけていた生きる希望が再燃してしまったのです。 しかし、ルキアが生きる道を選択しそうになった直後、ギンは「嘘」と一言添えて踵を返し次は双極で会おうとルキアの前から立ち去っていきました。 たった数十秒の面会でしたが、ギンは難なくルキアの心情を読み取り獄中で心を殺してまで決心した覚悟を瓦解させ弄んだのですが、この意味不明な行動は読者の中でもギン随一のクズエピソードとして語り継がれる事になったのです。 尚、この行為の意図は名言されておらず、本当にただ性格が悪いか若しくは初期でのキャラ付けの演出だったのかもしれませんが、ルキア曰く「日常の小さな亀裂を毒気で溶かされ、知らぬ間に病のようにぬるりと奥底へと入りこまれる、そういう恐怖をこの男に感じていた」と語っている事から元々ギンの性格が歪んでいると考えられます。 |
原作20巻176話 | 藍染の命令で朽木ルキアを殺害しようとした |
ルキアの体内には浦原喜助が隠した崩玉があり、藍染は崩玉を回収し終えると用済みとなったルキアの処分をギンに任せました。
この時、ギンは迷う事無く神槍をルキアに放っており、朽木白哉が駆け付けなければルキアは死んでいた可能性があります。 結果的にルキアの殺害は未遂に終わりましたが、白哉に致命傷を与えた事で白哉殺害未遂となり、ギンの「悪」の部分が際立ったエピソードではないでしょうか。 |
原作43巻377話 | 不意打ちで猿柿ひよ里を両断 |
空座町決戦終盤、仮面の軍勢の一人猿柿ひよ里が積もる憎悪を堪え切れず藍染へ斬りかかった所、文字通り横槍を入れる様にギンが神鎗でひよ里を横真っ二つに両断しました。
これまで何度か殺害未遂をしてきたギンですが、このエピソードは初めて殺害を仄めかす衝撃を与えた描写であり、それ故に明確な「悪」として認識される一幕です。 有昭田鉢玄の鬼道で何とか延命させる事で卯ノ花烈の到着まで命を繋ぎ止め、大戦後には卯ノ花によってひよ里は治療され生存していますが、鉢玄や卯ノ花の到着が遅れていればひよ里は確実に死んでいた為、ギンの行動は極めて悪質である事には違いありません。 |
破面篇終了後、ギンが藍染を倒す為に裏切っていた事は判明したものの、これらの行動が「悪」であると判断された為に瀞霊廷にギンの墓を建てる事は許されませんでした。
しかし、これらの行動の裏では黒崎一護を助ける事もあり、
- 「白道門で一護を見逃す」
- 「一護が藍染に敵わないと悟ると逃走を唆す」
藍染を倒す為とは言え多くのものを犠牲にしてきたギンは、一護を見逃した事で結果的に勝利を導きます。
その為、ギンのやった事は結果「善」であるとは認められていますが、やはり、裏切りや「悪」の部分の行動が酷いので許されないのです。
110年前に藍染の目に留まり五番隊入隊
- 原作36巻「105. Turn Back The Pendulum 4」
ギンが入隊したエピソードは原作36巻の過去編で描かれています。
その年、たった一年で真央霊術院を卒業した新入隊員がおり、廷内では志波海燕以来の天才が現れたと話題になってました。
年齢は当時少年だった朽木白哉と同じか少し下くらいらしく、ギンは入隊と同時に席官の座が用意されています。
そして、ギンが入隊した五番隊では当時副隊長を務めていた藍染惣右介が試験管の真似事をしており、ギンの実力を測る為に三席をあてがった所、ギンはその三席を殺害する事で実力を示し「全然あかんわ、話んならん」と不気味な笑みを浮かべていました。
ギンが裏切った理由
ギンは元々流魂街の出身ですが、空腹で倒れていた松本乱菊と出会い、共に生活を送る様になりました。
しかし、空腹で倒れていた乱菊は、本当は藍染とその部下によって魂魄を抜かれた後であり、ギンは枝拾いをしていると藍染とその部下が崩玉に魂魄を与えている現場を目撃してしまったのです。
ギンは倒れている少女と藍染達を見比べるとすぐさま藍染が親玉だと見抜いており、この瞬間から既に藍染に対する復讐心が芽生えている様な印象を受けます。
そして、ギンは乱菊が取られたものを取り返す為に死神になる事を決め、藍染を倒す為に何十年もかけて鏡花水月の弱点を聞き出すのですが、その過程で護廷十三隊を裏切り、乱菊にも何も伝えずに一人でチャンスを窺っていました。
↓松本乱菊の「取られたもの」についてはこちら
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市丸ギンの死亡や最後と裏切りについてのまとめ
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ギンは乱菊が魂魄を抜かれて倒れているのを目撃しており、その首謀者が藍染である事を知った為、乱菊が取られた魂魄を取り返す為に死神になり護廷に入隊しました。
そして、目論見通り藍染の目に留まると、101年前の段階で既に東仙と同じ側近の立ち位置におり、藍染の信頼を勝ち取り鏡花水月の弱点を聞き出す事に成功します。
その後、破面篇最終局面にて、漸く藍染を討ち取るチャンスが訪れたものの、崩玉と完全に融合した為に倒す事が出来ず、返り討ちにされてしまったのです。
しかし、藍染を追い詰めたのは一護や元柳斎の他にギンのみであり、それでも崩玉と完全融合していなければ勝っていたのはギンだったかもしれないので、かなり惜しい所まで追い詰めています。
藍染を討ち取っていれば丸くなった元柳斎の温情で極刑は免れたかもしれませんが、志半ばで散ったギンは結果「善」というだけにとどまり「悪」の烙印を押されてしまいました。
それにしてもルキアや冬獅郎達にした事はやりすぎでしたね。
↓市丸ギンの斬魄刀についてはこちら
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