上弦の鬼の三番目であり、上弦の中でも生粋の武人として上弦の壱黒死牟からも一目置かれる存在ですが、無限城での義勇・炭治郎との戦いにおいて、過去を思い出した猗窩座は、上弦の鬼の中で唯一自害した鬼なのです。
- 上弦の参の最後
- 猗窩座の過去には何があったの?
- 無限城での義勇・炭治郎との戦い
- 担当した声優は?
上弦の参の彼がなぜそのような最後を迎えたのかを紹介していきます。
上弦の参・感動の最後とは
無限城にて、炭治郎と義勇との戦いの中で大切なものを思い出した猗窩座。
彼がなぜ弱者にこだわり、自分自身を磨き続けることに固執し続ける鬼となった要因が明かされます。
彼の最後が感動と言われるシーンと無限城での戦いを交えて見ていきましょう。
猗窩座の過去には何があったの?
猗窩座が人間だったのは江戸時代のころ、鬼になる前は狛治(はくじ)と名乗っており、病を抱えた父との二人暮らしで薬さえも買えないほどの貧乏な生活を送っていました。
父の為に彼は盗みを行うようになり、そのたびに罪人の証である入れ墨が刻まれていき、鬼となった後もその入れ墨は消えていません。
慶蔵と恋雪との出会い
そんな折、父が自分のために罪人となった息子に罪悪感を感じ、自ら命を絶ってしまったのです。
その知らせを聞いた狛治は自暴自棄となり荒んだ生活を送っていた頃に、道場を営んでいる慶蔵(けいぞう)と出会い、慶蔵は狛治の強さを見込んで、自分の娘である恋雪を紹介。恋雪は身体が弱いため面倒をみてほしいと頼みます。
狛治が恋雪の看病をするようになって3年経ったころ、狛治は慶蔵から自分の道場を継いでほしいと頼まれ、さらに、恋雪が自分のことを好いていたことも明らかになり、狛治は恋雪からのプロポーズを受け入れ、恋雪と慶蔵を一生をかけて守ることを誓いました。
最愛の人と突然の別れ
しかしそんな幸せは終わりを迎えるのです。
ある日のこと、恋雪と慶蔵が殺されるという事件が起こりました。
犯人は剣術道場の人間で、慶蔵が侍でもないのに立派な土地や道場を手に入れたことを妬んでいたという理由から慶蔵の家にある井戸に毒を仕込み殺害したのです。
すぐに隣の剣術道場へ向かい、慶蔵から教わった格闘術でその場にいた人間をただひたすら殴り殺していきました。
無限列車編で煉獄杏寿郎を殺した憎き相手でもあるのが上弦の参・猗窩座という鬼でしたが、無限城での戦闘でも冨岡義勇と竈門炭治郎を追い詰めた彼の過去が辛すぎると話題になりました。 そこで今回は、 猗窩座の過去は何巻何話? […]
鬼の誕生
剣道場の人間を殺した狛治はあてもなく橋の上を歩いていた時、鬼舞辻無惨が現れ、何もかもが嫌になっていた彼は無惨に攻撃を仕掛けるも、簡単にねじ伏せられ一瞬にして脳を貫かれてしまいます。
そうして、無惨の血が体内に流れ猗窩座という鬼が生まれたのです。
上弦の参・猗窩座は誰に倒された?
上弦の参・猗窩座は富岡義勇と炭治郎との戦闘でヒノカミ神楽を発現させた炭治郎によって頸を落とされます。
無限列車で煉獄杏寿郎との戦いで勝利するも、炭治郎から「逃げるな卑怯者!」「煉獄さんの方がずっと凄いんだ!!強いんだ!!煉獄さんは負けてない!!誰も死なせなかった!!」と太陽に恐れその場から逃げた猗窩座を激しく罵倒し、これに怒りを覚えた猗窩座はもう一度炭治郎と戦って勝利することを誓うのです。
因縁の対決
無限城ではそれぞれの部屋に上弦の鬼が配置されていましたが、猗窩座は自ら炭治郎の元へ現れ、無限列車の頃の弱いままだと認識していた猗窩座は彼は弱者だとして容赦なく攻撃するも、多くの経験と厳しい修行を乗り越えた炭治郎は柱に匹敵するだけの力を備えた剣士として成長していたため、予想を超えたスピードで強くなった炭治郎に驚きます。
そして炭治郎を強者として認め、血鬼術を使って迎え撃ちました。
義勇と炭治郎との戦いでは上弦の鬼たる余裕を見せ、義勇を流閃群光で遥か遠くへ蹴り飛ばし、炭治郎に目を見張る成長だと称えた上で「杏寿郎はあの夜死んで良かった」と言い放つのです。
杏寿郎を侮辱する猗窩座
「俺が嫌いなのは弱者のみ 弱者には虫唾が走る反吐が出る 淘汰されるのは自然の摂理に他ならない」として自身の想いを語る猗窩座に、炭治郎は「強い者は弱い者を助け守る そして弱い者は強くなり また自分より弱いものを助け守る これが自然の摂理だ」と彼の意見を真っ向から否定。
そう語る炭治郎に誰かの面影を重ねますが、その影を振り払い日輪刀を奪い取ろうとするも、戦線復帰した義勇によって阻止されます。
痣を出現させた義勇と透き通る世界
多くの柱の命を葬ってきた実力を持つ猗窩座との戦闘によって義勇は痣を出現させ、その実力差を埋めていきますが、水の呼吸の型もすべて見切りられ振り下ろした刃の側面を殴るという偉業によって追い詰められていく義勇。
しかし、透き通る世界を体得した炭治郎によってそれを阻止されます。
これまでとは圧倒的に違う雰囲気に全身が震え、「全身の細胞が殺せ」と危険を察知「終式 青銀乱残光」を放ち、義勇に大ダメージを与えることが出来ましたが、闘気の無い炭治郎は軽々と回避し、猗窩座の頸を斬り落とすのです。
ヒノカミ神楽と決着
「終われない こんな所で 俺は強くなる 誰よりも強くならなければ 強く もっと強く…!!」と願う猗窩座、すでに頸は斬られ頭は消失しているにも関わらず、強さへの執着により鬼ではない別の化け物になってでも戦いを続ける決断を下しました。
鱗滝左近次の下で水の呼吸を学んだ竈門炭治郎は、那田蜘蛛山で下弦の伍・累と闘っている際、走馬灯から父・竈門炭十郎のヒノカミ神楽の舞いを思い出して日の呼吸の片鱗に触れました。 では、ヒノカミ神楽とは一体何なのでしょうか。 そこで今回[…]
再度「破壊殺 羅針」を展開し、失神している炭治郎にトドメをさそうとしますが、もう二度と大切な人を失わないために自身もギリギリの状態でありながらも猗窩座の前に立ちはだかる義勇、「炭治郎を殺したければ まず俺を倒せ…!!」と強く吠えるように言います。
すると猗窩座の目には慶蔵が見えますが、目障りだと振り払おうとした時でした。
すると、かつて人であった頃の記憶が頭に流れ込みます。
しかしそんな遠い記憶を思い出したところで意味がないと悟った猗窩座は、自暴自棄となって煉獄を屠った滅式を構えたその時、かつて慶蔵に殴られたように炭治郎に思いっきり殴られ、そして彼は思い出したのです。
「なぜ自分が弱者を嫌っていたのか」
彼にとって倒すべき弱者とは「師範の大切な素流を血塗れにし、父の遺言も守れない」狛治自身だったのです。
このことを思い出せた猗窩座は炭治郎に感謝の意を込めて炭治郎に笑いかけると、滅式を自分自身に打ち込み自害しようとしたのですが、彼の意思に反して鬼の体は再生しようとします。
地獄へ歩む狛治と恋雪
夢の中で慶蔵、親父と出会ったことで、少しずつ狛治としての自分を取り戻していた猗窩座の目の前に突如無惨が現れ、お前の強さはここまでかと語りかけます。
そして彼はまだ戦えると再び立ち上がろうとした時、「もう十分です 狛治さん」と目の前には妻になる筈だった恋雪が微笑みながら現れたのです。
もう無惨の声は猗窩座には聞こえません。
子供のように泣きながら守れなかったことを必死に謝る狛治に、恋雪はもとの狛治さんに戻ってよかった、私たちを思い出してくれて良かったと涙します。
猗窩座は灰となって消え、狛治と恋雪は2人で地獄の中へ歩んでいくのでした。
無限城で竈門炭治郎と冨岡義勇の2人と交戦した上弦の参「猗窩座」の過去が単行本18巻で描かれました。 煉獄杏寿郎を葬った憎き仇でもあった猗窩座の過去は大切な人を守れずに失うばかりという悲しいものだった事から彼に同情的になる読者も多い事で[…]
上弦の参・猗窩座の声優
- 石田彰(いしだあきら)
- 1967年11月2日生まれ
- 愛知県日進市出身
代表作
- 「銀魂」桂小太郎
- 「新世紀エヴァンゲリオン」渚カヲル
- 「夏目友人帳」名取周一
- 「NARUTO -ナルト-」我愛羅
- 「FAIRY TAIL(フェアリーテイル)」ゼレフ
- 「PSYCHO-PASS サイコパス」縢秀星(かがりしゅうせい) etc..
上弦の鬼参の最後のまとめ
- ヒノカミ神楽を使った炭治郎によって頸を斬られた
- 猗窩座の最後は最愛の人との感動の最後を迎えた
何も守れない自分を呪ったことが猗窩座という鬼を生んでしまった要因だったのかなと考えると、彼がどこまでも優しく真面目な人物であることが分かります。
鬼として多くの命を奪ったことは許されることではありませんが、女は喰わないことや多くの時間を鍛錬に充てていたことからも芯の通った真っ直ぐな鬼でした。
最後は地獄へと行くことになりましたが、少しでも生まれてきてよかったと思えるような最後になればいいなと心から願うばかりです。