【鬼滅の刃】日の呼吸とヒノカミ神楽の違いと名称を変えた理由

炭治郎が使う呼吸はもともとは水の呼吸でしたが、育手の鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)が水の呼吸の使い手だったこともあって、炭治郎も最初水の呼吸を使っていました。

その後、那田蜘蛛山の戦いで「ヒノカミ神楽」を使ったのを、最初にヒノカミ神楽を使うことも増えた炭治郎。

このヒノカミ神楽と、原作の折々に現れる日の呼吸は一緒なのでしょうか?また、違いとは何なのでしょうか?

ヒノカミ神楽とは?

日の呼吸の派生で、もともとは竈門家に代々伝わるヒノカミ様を祀る「神楽の舞」で、それを炭治郎が「ヒノカミ神楽」として応用し戦いに活用していたということです。

日の呼吸全てが「ヒノカミ神楽」ということになります。

実際、23巻では鬼舞辻無惨に炭治郎が何度も「日の呼吸」を使いました。

日の呼吸を使う炭治郎

引用元:鬼滅の刃

ヒノカミ神楽とは、日の呼吸の1から12の型を繋いでいくことで出来上がる型だったんです。

ヒノカミ神楽と日の呼吸は同じもの

日の呼吸の型を見せる縁壱

引用元:鬼滅の刃21巻

まず、最初にヒノカミ神楽と日の呼吸、これは同じものです。

炭治郎の先祖が受けついたヒノカミ神楽を代々継承していって、現在の炭治郎まで神楽が引き継がれているのですが、そもそもこのヒノカミ神楽は日の呼吸の型を表した舞でした。

では、どうして日の呼吸と言わずにヒノカミ神楽とあえて言っているのか、そこを詳しく見ていきましょう。

日の呼吸の使い手:継国縁壱(つぎくによりいち)

日の呼吸の型を見せる縁壱

引用元:鬼滅の刃21巻

そもそもこの日の呼吸は「始まりの呼吸」と言われる縁壱から始まります。

もともと、縁壱よりずっと前から鬼殺隊は存在していたのですが、当時呼吸を使えるものがいなかったため、縁壱が鬼殺隊に入隊した時にそれぞれの剣士に呼吸の使い方を教えていったんです。

呼吸が使えるようになった剣士はめきめきと腕を上げていき、最終的には縁壱と同じように痣を発現してかなり強力な鬼殺隊になっていきました。

継国巌勝(つぎくにみちかつ)の裏切り

鬼になれと勧める無惨と、巌勝

引用元:鬼滅の刃20巻

縁壱の双子の兄である巌勝が縁壱への嫉妬、憎しみから鬼となったことは知っていますか?

巌勝が、鬼殺隊を脱退し「黒死牟(こくしぼう)」となる際、当時のお館様の頸を持って鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)の元へ行きました。

縁壱が炭吉を訪ねる

引用元:鬼滅の刃21巻

その時、縁壱はその直前に鬼舞辻無惨と遭遇し、あと一歩のところまで追いつめることが出来ていたのですが、

  • 無惨の細胞分裂により逃げられたこと
  • 一緒にいた鬼の珠世(たまよ)を逃がしたこと
  • 兄である巌勝が鬼になったこと

鬼殺隊からさんざん責められます

そして、失意の中、炭治郎の先祖「炭吉」のもとを訪ねるのです。

炭治郎が受け継いだヒノカミ神楽

炭吉に縁壱が耳飾りと神楽を継承する

鬼滅の刃22巻

炭吉のもとを訪ね一切を炭吉に語った縁壱は炭吉の妻「すやこ」に頼まれ剣技を見せてくれるのですが、それがのちに神楽となって竈門家に代々引き継がれていったということになります。

この炭吉の記憶がなければ鬼舞辻無惨を倒すことは不可能だったので、巡り合わせというのは本当に不思議なものですね。

巌勝が鬼殺隊を裏切ったことはかなりの裏切りではありますが、結果的に巌勝では日の呼吸を使うこともできなかったし、このあと触れていきますが日の呼吸を使えるものは全ていなくなってしまうので、この時に炭吉の家を訪ねたことがどれほど重要なことだったか、そう考えると巌勝の裏切りは結果的に鬼舞辻無惨を倒すためには重要な出来事だったんです。

巌勝は裏切りながらも、やはり無惨を倒すための一役を買っていたとも考えられますね。

ヒノカミ神楽と呼ばれるようになった理由

胡蝶しのぶが炎の呼吸について説明している

引用元:鬼滅の刃7巻

日の呼吸と元々言われていたものがヒノカミ神楽に名前を変えて、炭治郎の時代まで引き継がれているのはなぜでしょうか?

  • たまたま竈門家に伝わったときに名前が変わった
  • 剣士ではないものが引き継いだから
  • 呼吸が使えない炭吉が見て継承したから

様々な説が考えられそうですが、一番の理由は「日の呼吸」を滅亡させないためで、ちなみに、煉獄杏寿郎の使う「炎(ほのお)の呼吸」は「火の呼吸」呼んではいけません。

わざわざ日の呼吸をヒノカミ神楽と呼び方を変えたので、炎の呼吸を火の呼吸」呼んではいけない、とされていたんですね。

間違えて根絶やしにされては大変ですから。

巌勝が無惨の元へ鬼になり仲間入りをした際、無惨と巌勝は黒死牟として次々と日の呼吸の使い手を殺していき、根絶やしにしていきました。

霞柱時透無一郎

引用元:鬼滅の刃6巻

実際子孫の時透無一郎は巌勝の子孫でしたが「継国の名は絶えたか」と黒死牟が言っていた通り、日の呼吸の使い手としては現存しておわず、実際に無一郎は霞柱として霞の呼吸を使っていたんです。

禰豆子を鬼にする無惨

引用元:鬼滅の刃22巻

日の呼吸を絶やさずに済んだのは竈門家へ伝わったヒノカミ神楽のおかげ。

それに無惨が気づいたか気づいていないか、そこは原作では詳しく触れられていませんが、作品の最初に無惨が竈門家を襲い禰豆子を鬼にしたことにも理由があると考えられます。

禰豆子を鬼にして日光を克服させようと考えたようですが、禰豆子が倒れたことで諦めてその場を去っていったんでしょう。

無惨もなかなかしぶといものです。

ヒノカミ神楽の型一覧

ヒノカミ神楽全ての型は鬼舞辻無惨を倒す時に順番に使われていましたが、円を描いて拾参の型にするということだったので作品中ではどの型を今炭治郎が使っているのがぐるぐるしてしまい、分かりづらかったのでここでまとめてみました。

壱ノ型 円舞(いちのかた えんぶ)

那谷蜘蛛山で下弦の陸累との戦いで出されたヒノカミ神楽円舞

引用元:鬼滅の刃

那谷蜘蛛山で下弦の陸「累」と戦ったときに初めて繰り出した技がヒノカミ神楽壱ノ型円舞。

舞を舞うように円を描きながら出される技です。

弐ノ型 碧羅の天(にのかた へきらのてん)

無限列車で魘夢の頸斬る炭治郎

引用元:鬼滅の刃

無惨戦で繰り出された参ノ型烈日紅は、列車と融合した魘夢の頸を斬る時に使われた型です。

伊之助の獣の呼吸肆ノ型切細裂きで魘夢の頸を守る列車の床を切り裂いて現れた頸の骨を一撃で断ち切ります。

参ノ型 烈日紅鏡(さんのかた れつじつこうきょう)

無惨との戦いでヒノカミ神楽参ノ型烈日紅鏡で攻撃する

引用元:鬼滅の刃

地上に叩き出された無惨との戦いで左右から斬りつけていきました。

肆ノ型 灼骨炎陽(しのかた しゃっこつえんよう)

遊郭で堕姫の八重帯切りをバラバラにしてしまう肆ノ型 灼骨炎陽

引用元:鬼滅の刃

遊郭編で上弦の陸堕姫と戦うときに使われた型。

堕姫の血鬼術八重帯切りの帯の攻撃がバラバラになってしまうほどの威力です。

伍ノ型 陽華突(ごのかた ようかとつ)

半天狗に向けて放たれた陽華突

引用元:鬼滅の刃

刀鍛冶の里で、時透無一郎と半天狗に遭遇した時に使われた型です。

ぬるりと現れ、炭治郎の攻撃を受けたかに見えた半天狗だったのですがこの後も「ヒィィ」と炭治郎、無一郎の攻撃をのらりくらりかわしていきました。

陸ノ型 日暈の龍 頭舞い(ろくのかた にちうんのりゅう かぶらまい)

刀鍛冶の里で禰豆子の血鬼術とともに使われ陸ノ型 日暈の龍 頭舞い

引用元:鬼滅の刃

刀鍛冶の里で、禰豆子の血鬼術爆血の力を借りて炭治郎が刀を赫くした時に使われた型です。

この後、不死川玄弥、甘露寺蜜璃と協力しながら半天狗を追いつめていきます。

漆ノ型 斜陽転身(しちのかた しゃようてんしん)

無限城で猗窩座の頸を斬る瞬間に使われた型

引用元:鬼滅の刃

無限城で猗窩座の頸を斬る瞬間に使われた型です。

この型で猗窩座の頸を斬ることが出来ますが、なんと猗窩座は頸を再生しようとします。

最後は自爆して死んでしまいますが、猗窩座の執念を感じる戦いでした。

捌ノ型 飛輪陽炎(はちのかた ひりんかげろう)

猗窩座に初めて使った飛輪陽炎

引用元:鬼滅の刃

猗窩座との戦いで初めて出されカナヲのピンチに駆け付けた炭治郎が出した型がこの飛輪陽炎です。

初めての技でしたが、猗窩座の頸をかすめることに成功します。

玖ノ型 輝輝恩光(くのかた ききおんこう)

意識を失っていた炭治郎が回復し、カナヲを助けるために出した型

引用元:鬼滅の刃

斬られた断面は焼け焦げたような跡になる強烈な技です。

拾ノ型 火車(じゅうのかた かしゃ)

ヒノカミ神楽火車で猗窩座の腕を斬る炭治郎

引用元:鬼滅の刃

猗窩座戦で炭治郎が出した型。

かなり苦戦していた猗窩座との戦いでしたが、このあたりから炭治郎も猗窩座にダメージを与えられるようになっていきました。

拾壱ノ型 幻日虹(じゅういちのかた げんにちこう)

猗窩座の攻撃を間一髪避ける炭治郎

引用元:鬼滅の刃

攻撃というよりは相手の攻撃をかわすための型が幻日虹で、もし、この猗窩座の攻撃が入っていたら炭治郎の頸は飛んでいたでしょう。

間一髪、幻日虹で避けることに成功しました。

拾弐ノ型 炎舞(じゅうにのかた えんぶ)

炎のような攻撃で無惨を追いつめていく炭治郎

引用元:鬼滅の刃

炭治郎が、無惨への攻撃で初めて壱から拾弐の型までを繋ぐことがで出来ました。

拾参ノ型

縁壱がすやこと炭吉に日の呼吸の型をみせてあげる

引用元:鬼滅の刃

本来、ヒノカミ神楽には13の型そのものの存在はありませんでした

日の呼吸の1から12までの型を繋いでいくことで13の型が出来上がるということだったんです。

これは、炎柱家である煉獄家に代々伝わる炎柱の書に残されていました。

煉獄杏寿郎の父は酒に溺れ、この大事な書を破ってしまいましたが杏寿郎の弟千寿郎の手によって修復されて貴重な情報が炭治郎の元に届いたんです。

日の呼吸の型を紹介している

引用元:鬼滅の刃

1の型「円舞」と壱弐の型「炎舞」の読み「えんぶ」が同じことに気付いた炭治郎によって、ヒノカミ神楽を完成させることが出来ました。

日の呼吸とヒノカミ神楽の解説図

引用元:鬼滅の刃

円になって型を繰り出すことで13の型が成立することに炭治郎が気付き、1から12の型を延々仕掛けていきます。

この戦いを続けていくためには途方もない体力と精神力が必要なため、ここまでの戦いで疲労も限界を超えている炭治郎にはかなり過酷な挑戦となりました。

ヒノカミ神楽を出すには毎年父が踊っていた神楽の舞が重要なポイントとなる

引用元:鬼滅の刃

体力も精神力もギリギリの炭治郎が無惨に攻撃をし続けることが出来たのは、父「炭十郎」が毎年待っていた「神楽の舞」と父が炭治郎の遺言の如く残した「正しい呼吸」だったんです。

ヒノカミ神楽の歌

テレビアニメ版でヒノカミ神楽を最初に使った那谷蜘蛛山での下弦の伍「累(るい)」との戦いでは「竈門炭治郎のうた」というBGMが流れます。

この歌が、「ヒノカミ神楽」の歌、だと認識され世間に広まっていたようです。

実際は「竈門炭治郎のうた」というタイトルで、内容も家族が鬼に襲われて禰豆子と二人きりになったことが描かれています。

竈門炭治郎のうたを歌っているのは?

鬼滅の刃1巻1話の表紙絵

引用元:鬼滅の刃

世間を騒がせた透明な声の持ち主である「竈門炭治郎のうた」をうたっているのは、中川奈美さんという人で絶対音感の持ち主。

CDタイトルには鬼滅の刃1巻の表紙絵が使われています。

ヒノカミ神楽が初めて出されたこのシーンで中川奈美さんの歌う「竈門炭治郎のうた」がより一層感動的な効果を与え、涙する人も多かったことでしょう。

まとめ

ヒノカミ神楽と日の呼吸は同じものでした。

鬼舞辻無惨から呼吸を守るために、竈門家に神楽として継承され、その過程で呼び方が変わっていたんですね。

そして、実際にヒノカミ神楽を使える剣士は炭治郎が現れるまでは継国縁壱ただ一人だったこと、神楽が竈門家に代々継承していたおかげで、炭治郎にヒノカミ神楽が継承され、最終の無惨戦で13の型が完成し無惨を倒すことが出来たと歴史が長く守り繋いでこられた呼吸だということが分かりました。

だからこそ、炭治郎はヒノカミ神楽を使いながら雷の呼吸で生かされる足の筋肉を強化して技を出したり、伊之助の獣の呼吸からくる張り巡らされた感性によって「透き通る世界」を覚醒することが出来たんですね。

「透き通る世界」「正しい呼吸」仲間から繋いだ強靭な足の力や感性のするどさ、全てが合わさって初めてヒノカミ神楽は完成しました。

どれ一つ欠けても完成しなかった「ヒノカミ神楽」はまさしく繋がれた縁による最強で最後の型だったんですね。

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