無限城で竈門炭治郎と冨岡義勇の2人と交戦した上弦の参「猗窩座」の過去が単行本18巻で描かれました。
煉獄杏寿郎を葬った憎き仇でもあった猗窩座の過去は大切な人を守れずに失うばかりという悲しいものだった事から彼に同情的になる読者も多い事でしょう。
では、猗窩座の人間時代に登場した恋雪とはどんな女性だったのでしょうか?
そこで今回は、
- 狛治と恋雪のプロフィール
- 狛治のプロポーズと最後
- 狛治と恋雪の地獄堕ち
- キメツ学園での狛治と恋雪
- キメツ学園では結婚し「素山」の名字を授かっている
等、狛治と恋雪の関係や結末について紹介したいと思います。
狛治と恋雪のプロフィール
まずは狛治と恋雪のプロフィールや背景について見ていきましょう。
狛治のプロフィール
【名前】 | 狛治(はくじ) |
【年齢】 | 15歳→18歳 |
【家族】 | 父と2人暮らし→父が自殺 |
【罪状】 | 掏摸、所払いの刑 |
【武術】 | 素流道場 |
狛治は病気の父親と2人暮らしをしていましたが、貧困から父親の薬代を支払う事が出来ず、父親に栄養のあるものを食べさせてあげたい一心で何度奉行所に捕まり刑罰を受けようが掏摸を繰り返していました。
その為、腕には罪状を示す入れ墨が刻まれています。
しかし、犯罪を繰り返す息子に心を痛めた父親は「真っ当に生きろ、まだやり直せる」と言った遺書を残して首吊り自殺を決行し、狛治は自暴自棄になりました。
そんな中で出会ったのが恋雪の父親である慶蔵であり、狛治は慶蔵が営む素流道場に身を寄せると病弱な一人娘恋雪の看病を頼まれながら武術を学んでいます。
恋雪のプロフィール
【名前】 | 恋雪(こゆき) |
【年齢】 | 13歳→16歳 |
【家族】 | 父、母→母が入水自殺 |
【病名】 | 喘息 |
恋雪は生まれながら病弱で母親の介護を受けていましたが、娘の将来を案じた母親は介護疲れから入水自殺を図り他界しています。
恋雪の病名は不明ですが狛治の父親の様に日中も咳き込んでおり熱も出ている様子で、狛治が素流道場にやってきてからは狛治の看病を受けて徐々に回復へ向かいました。
狛治と恋雪の出会いと別れ
2人の出会いが描かれたのは単行本18巻第154話です。
父の死後、所払いの刑を受けた狛治は相変わらず奉行所の連中相手に素手で喧嘩をしていましたが、たまたま通りかかった慶蔵と出会うと、狛治は慶蔵に喧嘩を吹っ掛けた末にボコボコにされて素流道場へと連れていかれました。
慶蔵は狛治を罪人と知りながらも病身の娘の看病を頼む他、素手で大人を倒す狛治の腕を買い門下生が一人もいない道場で武術を教えようと思ったのです。
そして、慶蔵の家にやってきた狛治は恋雪と顔合わせすると華奢な体つきで咳き込む様子から亡き父親の姿を重ねて目を開きました。
恋雪は病気で苦しいだろうに「いつもごめんね、私のせいで鍛錬もできないし遊びにも行けない」と狛治を気遣い謝ってばかりの娘でしたが、狛治にとって看病は父親で経験している他、人並み外れて辛抱の利く体だった為、大して辛くもなかったそうです。
ただ、父親と言い恋雪と言い、なぜ病人はいつも謝るのかという思いが狛治にはあり、狛治は特に体が弱く一日中寝込んでいた恋雪の身の回りの世話を甲斐甲斐しく尽くしました。
そんな狛治に恋雪は気分転換に花火にでも出かけてきたらどうかと提案しますが、狛治は恋雪の眩暈が治まったら背負って一緒に橋の手前まで行こうと返すのです。
そして、今日行けなくても来年も再来年も花火は上がるのでその時に行けばいいと述べる狛治の何気ない言葉が恋雪には刺さり泣いてしまうのでした。
病弱な恋雪は自分の未来を想像出来ずに不安に襲われていたという事情から狛治との会話の最中にめそめそと泣き出す事が多かったそうですが、恋雪の胸の内を知らない狛治は病床で気が滅入っているのだろうと思いながらも、恋雪に泣かれると居心地が悪くなる為、寧ろ看病よりも面倒だと感じてしまいます。
ただ、この時に恋雪が泣いたの理由は当たり前の様に未来を約束してくれる狛治の言葉に嬉しく思ったからなのです。
この時、狛治は15歳、恋雪は13歳でした。
花火の下でプロポーズ
3年後、狛治18歳、恋雪16歳になった頃、狛治は慶蔵から道場の継承と恋雪との結婚を切り出されています。
恋雪は狛治の献身的な看病のおかげで床に臥せる事も殆どなくなると日中は家の中を出歩いたり洗濯を狛治と一緒に干せるまでに快復しており、尽くしてくれた狛治に恋をしていたのです。
慶蔵から恋雪が狛治の事が好きだと切り出された狛治は赤面し顔を伏せる恋雪を見つめて自分も紅潮してしまいますが、未来を夢見る事が出来なかった罪人の身でありながら誰かに好かれるという現実を受けて、父の遺言「真っ当に生きろ」という言葉を思い出し、人生をやり直せるかもしれない淡い期待が膨らんできました。
その瞬間に狛治は「2人を命に代えても守りたい」と感じて正式に恋雪との婚約と道場の継承を受け入れます。
そして、花火大会の夜、狛治は恋雪を連れて念願の花火を見に行きますが、花火が夜空を輝かせる下で恋雪に「本当に俺でいいんですか?」と自信無さげに切り出すと、恋雪は3年前に狛治が言ってくれた些細な言葉が嬉しかった事を打ち明けました。
今年見れなくても来年再来年見に行けばいい。
恋雪にとって来年再来年と生きている自分の未来は想像出来ないものであり、入水自殺した母も娘が死ぬのを見たくなくて自殺したのだと見解していました。
慶蔵も心のどこかで諦めているのを肌で感じていた恋雪でしたが、狛治は献身的に看病を続けながらも当たり前の様に未来の話をしてくれるので本当に嬉しかったと語り、恋雪は狛治と夫婦になりたいと勇気を振り絞って伝えるのです。
こうして恋雪の本音を聞いた狛治は恋雪の手を握り返すと「俺は誰よりも強くなって一生あなたを守ります」と約束しました。
恋雪と慶蔵の毒殺
花火大会から数日が経ったある日の事、狛治が祝言の報告をする為に墓参りに出かけた際、狛治が留守にした素流道場では慶蔵達を逆恨みする剣術道場の連中が井戸に毒を入れており、何も知らない慶蔵と恋雪は井戸の水を飲んで毒殺されてしまいます。
そして、狛治は墓参りから帰宅すると道場の門前に集う近所の住人や奉行所の人から恋雪と慶蔵が毒殺された事を知らされるのでした。
また、毒を飲んでしまった慶蔵はすぐに恋雪を抱えて医師の家まで吐血しながら走ったそうですが、恋雪は既に事切れているばかりか、慶蔵自身も亡くなるまでの数時間長く苦しんだそうです。
狛治は横隔膜が痙攣する程の吐き気と鳥肌を伴いながら道場に安置された恋雪と慶蔵の遺体に触れると「俺は大事な人間が危機に見舞われている時、いつも傍にいない」と自責の念に駆られます。
一生守ると約束したばかりなのに肝心な時にいない自分を憎みました。
そして、狛治が取った行動は素流道場の道着を着込んで恋雪と慶蔵を毒殺した剣術道場を襲撃するというもので、狛治は素手で剣術道場の67名を頭部破壊及び内臓破裂または原型もなく潰し欠損させて殺害したのです。
このあまりに荒唐無稽な事件の詳細は奉行所の記録に残っているものの、30年程して作り話だと断定されて廃棄されました。
その後、あてもなく彷徨っていた狛治は鬼舞辻無惨と遭遇し鬼に変えられると、人間の頃の記憶が無くなりただ強さを求める修羅と化しています。
井戸に毒を入れた犯人
隣接する剣術道場には恋雪と同じ年頃の跡取り息子がいて恋雪の事を好いていましたが、恋雪の体調を慮る事の出来ない乱暴で横柄な性格から具合の悪い恋雪を無理矢理外へ連れ出して喘息を悪化させた事があります。
発作を起こして苦しむ恋雪を見て怖くなり逃げ出しましたが、幸いにも狛治が恋雪を発見した為に無事で済みました。
この一見で慶蔵が激怒すると素流道場と剣術道場で試合をする事になるのですが、16歳の狛治が1人で9人を倒した為に今後素流道場と恋雪に関わらないとする約束を取り付けています。
その際に跡取り息子が取り乱して真剣で狛治に斬りかかりますが、狛治は振り下ろされる刃を側面から拳で叩き折るという神業を披露しました。
狛治の見せた「鈴割り」という技にいたく感動した道場主は負けを認めて跡取り息子の無礼を詫びると素流道場への嫌がらせを取り止める約束を交わしますが、数年後、その道場主が死去すると狛治と恋雪の結婚を聞きつけた跡取り息子が彼を焚きつける門下生の声を受け、戦っても負けるという経験から素流道場の井戸に毒を混入したのです。
跡取り息子と門下生が素流道場から出ていく様子を向かいに住むお婆さんが目撃しており、恋雪と慶蔵を毒殺した犯人が剣術道場の人間だと特定されました。
狛治が惨殺した67名の中に跡取り息子も含まれています。
猗窩座は狛治に戻り恋雪と地獄へ堕ちる
無限城にて、猗窩座は竈門炭治郎と冨岡義勇と戦う過程で何度か慶蔵や恋雪の面影を見ていますが、炭治郎が猗窩座を殴りつけた際に鮮明に慶蔵の顔を思い出し狛治としての記憶を取り戻しました。
そして、自分が見下し嫌悪していた弱者は慶蔵から教わった素流の技を血で汚し、真っ当に生きろという父の遺言を守れなかった自分自身であったと気付かされた猗窩座は炭治郎に感謝の笑みを向けると己に「滅式」を打ち込んで肉体を破壊するのです。
損壊した猗窩座の肉体は鬼の本能で再生が始まるものの、猗窩座の今際の際に亡くなった父親が姿を現すと猗窩座は狛治に立ち戻りつつ膝をついて真っ当な生き方が出来なかったと謝罪します。
次に、下げた狛治の頭に手を乗せたのは慶蔵であり、慶蔵は狛治がどんなふうになろうとも「息子は息子、弟子は弟子、死んでも見捨てない」と語り掛けると、天国には連れていけないとしつつも生前の様な優しい笑顔で狛治を見つめており、慶蔵の優しい声を聞いた狛治は涙を浮かべました。
しかし、次の瞬間には慶蔵が鬼舞辻無惨へと変貌し「強くなりたいのではなかったのか?お前はここで終わりなのか?」と鬼の本能に語り掛けると、狛治はたちまち猗窩座の姿へと変貌し肉体の再生を始めます。
ですが、猗窩座に戻りかけた所で恋雪の小さな手が猗窩座の顔に触れると「狛治さんありがとう、もう充分です。もういいの、もういいのよ」と優しく寄り添う様に語り掛けるのです。
すると猗窩座は再び狛治へと姿を戻すと素流の道着に早変わりして恋雪に抱き着き泣きじゃくるのでした。
そして「ごめん、ごめん、守れなくてごめん。 大事な時傍にいなくてごめん。約束を何一つ守れなかった…!! 許してくれ、俺を許してくれ、頼む、許してくれ…!!」と謝ると、恋雪は狛治が自分達を思い出してくれた事、元の優しい狛治に戻ってくれた事に安堵します。
「おかえりなさい、あなた…」
涙を流す恋雪のその言葉がきっかけとなったのか猗窩座の肉体は再生を取り止めるように灰化するのでした。
そして、猗窩座は狛治の姿に戻るなり父親や慶蔵そして恋雪に「ただいま」と告げると、狛治と恋雪は抱擁しながら地獄の業火へと呑まれていくのです。
雄太郎と堕姫の最期もそうでしたが、恋雪は狛治と共に地獄に堕ちる事を選び待っていたのでしょう。
来世では結ばれて欲しいですね。
無限列車編で煉獄杏寿郎を殺した憎き相手でもあるのが上弦の参・猗窩座という鬼でしたが、無限城での戦闘でも冨岡義勇と竈門炭治郎を追い詰めた彼の過去が辛すぎると話題になりました。 そこで今回は、 猗窩座の過去は何巻何話? […]
キメツ学園では狛治と恋雪は結婚している
【名前】 | 素山狛治 | 素山恋雪 |
【年齢】 | 18歳 | 16歳 |
【学年】 | 高等部3年、烏帽子組 | 高等部1年、紫陽花組 |
【あだ名】 | 狛治殿 | 姫 |
単行本20巻巻末に掲載された中高一貫キメツ学園物語のキャラクター設定紹介にて、狛治と恋雪が結婚しており、「素山(そやま)」という名字を授かっている事が明かされました。
2人は子供の頃から結婚の約束をしており、家は隣同士でお互いの親が公認している仲である他、恋雪の家の道場を狛治が継ぐ事になっています。
因みに2人とも手芸部に在籍だそうです。
鬼滅の刃のキャラクターが学校の制服で登場する漫画『キメツ学園』。SNS上などでも多くの創作イラストが描かれており、見たことがある方やアニメ版で見たことがある人なども多いのではないでしょうか?そんな方にキメツ学園の世界観をお教えしちゃいます。[…]
素山夫婦の活躍
キメツ学園本編ではあまり登場しませんが、学生結婚を果たしたキメツ学園の名物カップル「素山夫婦」として周知されており、実家が食堂を営むアオイの店に2人で食事をしている様子が描かれています。
また、カフェにて狛治が到着する前に恋雪が本名年齢不明の詐欺師童磨から渡された書類に何か書かされていた際には、偶然現場を目撃していた炭治郎と伊之助から話を聞き出した狛治が恋雪が童磨に詐欺被害を受けている可能性を考慮し合法的に人一人を消す方法を2人に訊ねたので「どうしちゃったんですか、紳士的で有名な狛治先輩が!」「ハンパねえぞ殺気が」とツッコミを受けました。
なお、純真な恋雪の耳には童磨が詐欺師だという話を聞かせたくないと凛々しい顔で語っており、恋雪には何も知らせずに状況を打開したいと炭治郎と伊之助を頼っています。
因みに恋雪が童磨から渡された書類の署名とは狛治と一緒に行きたいと思っていた「雪祭りのステージチケット」であり、申込期限を過ぎた所を運営に連絡した所、担当者の童磨が融通を聞かせてくれたという事情から詐欺被害には遭っていなかったと判明しました。
童磨がチケットのついでに幸せのツボを購入させようとしても恋雪は「私、今狛治さんと一緒になれてとっても幸せですからツボは入りません」と断っており、狛治は恥ずかしそうに紅潮しています。
中学時代の狛治はヤンチャしていた
中学時代の狛治は武術の腕がメキメキ上達していた為にのぼせ上がってグレていたらしく、当時の写真には本編での猗窩座の容姿をした狛治が他校の不良をボコボコにした上に「猗窩座参上、銀河最強」と血文字を描いたものを写した、謂わば黒歴史がありました。
また、校則破り・道場破りといった色んなものを破るのにハマっていたらしく、その時に詐欺師童磨から「一緒に人助けしない?」と一方的に絡んできたそうで、童磨の厄介さはそれなりに理解しているそうです。
ただ狛治自身そういった経緯で童磨とは顔見知りであるものの、親しくはないと語っています。
なお、苦手科目は体育や歴史系らしく、特に体育に関してはヤンチャ時代に「杏寿郎ー!!義勇ー!!俺と戦えー!!」と教員に絡んだ黒歴史が蘇るという理由が根底にあり、万一赤点を取りでもしたら2人に呼び出されて死ぬほど気まずいと後悔しているからだそうです。
狛治と恋雪の地獄堕ちやキメツ学園での結婚についてのまとめ
- 狛治は父親を亡くした後に素流道場の慶蔵と出会い、恋雪の看病を頼まれた
- 恋雪の病状が狛治の父親と似ていた為、狛治は献身的に看病をし、3年後には快復に向かった
- 3年後、狛治は素流道場の継承と恋雪との結婚を切り出されて「2人を命に代えても守りたい」と感じて了承した
- 花火大会の夜、狛治は恋雪から自分を選んだ理由を聞き「俺は誰よりも強くなって一生あなたを守ります」と約束した
- 狛治が祝言の報告をする為に墓参りに出かけた際、剣術道場の人間が素流道場の井戸に毒を入れた事で慶蔵と恋雪は毒殺された
- 狛治は「俺は大事な人間が危機に見舞われている時、いつも傍にいない」と自暴自棄になり、剣術道場の人間67名を惨殺した
- 狛治は鬼舞辻無惨と出会い鬼化させられた後は記憶を無くし強さだけを求めた
- 無限城では竈門炭治郎と冨岡義勇と交戦し、人間時代の記憶を取り戻すと「本当に殺したかったのは自分自身」だと気付かされて自決
- 今際の際に父親、慶蔵、恋雪と再会した狛治は、泣きじゃくりながら約束を守れなかったと謝罪し、恋雪と一緒に地獄へ堕ちた
- キメツ学園での狛治と恋雪は学生結婚をしており、名字は「素山(そやま)」
- 恋雪は狛治と結婚して幸せそうに暮らしている
恋雪と狛治は、本編では結婚直前で幸せが絶たれるという悲惨な最期を迎えましたが、鬼となり罪を重ね続けた猗窩座は死に際に大切な人達のおかげで狛治としての記憶を取り戻す事が出来、恋雪と共に地獄へ堕ちていきました。
死んでも尚狛治の事を待ち続けていた恋雪は狛治の罪を一緒に清算する覚悟でしょうが、何百年かかってもいつか転生して狛治と結ばれて欲しいですね。
その想いを果たすようにキメツ学園では狛治と恋雪は学生結婚したベストカップルとして周知されており、恋雪が幸せに過ごしている様子が描かれています。
本編で幸せになれなかった分、キメツ学園で2人の仲睦まじい様子を見ると読者も心が洗われるようですね。