一級試験編で登場した魔法使いユーベルは、襲ってきた盗賊を容赦なく切り刻む残虐性を秘めています。
そんなユーベルの一級試験の活躍や強さはどのようなものなのでしょうか。
今回は、
- ユーベルのプロフィール
- ユーベルの魔法
- ユーベルが前回の一級試験で失格になった理由
- ユーベルの一級試験の活躍
- ユーベルの強さを考察
などユーベルについて紹介していきたいと思います。
ユーベルのプロフィールと初登場
ユーベルの初登場は単行本4巻第37話「一級試験」になります。
背丈はフェルンと同程度であり、格好は胸元や膝丈が見える黒を基調としたゴスロリチックな洋服を着用したサイドテールの女の子です。
勇者ヒンメルの死から29年後、魔法都市オイサーストで開催される一級魔法使い選抜試験を受験するべく、ユーベルは北側諸国グラナト伯爵領辺境の街道を歩いていました。
なお、移動中に盗賊に襲われたらしく、近くの森に切り刻んだ盗賊の遺体を放置する他、再度別の盗賊に襲われた際には偶然近くを通りかかったクラフトに助けられましたが、クラフト曰くユーベルは人殺しの目をしているらしく、クラフトが助けたのは無暗に殺されそうになった盗賊と言います。
クラフトはユーベルの行いに関しては咎めるつもりは毛頭なく、冒険者として自衛の為の殺しにとやかく言う事もなく彼女の行動を容認していますが、殺し合いを求めるユーベルは「食えないおっさん、つまんない」と興を削がれたようです。
階級は三級魔法使いですが、一級試験に合格して現在は一級魔法使いとなっています。
鋏で布を切る音が好き。
ユーベルの魔法
ユーベルの主な魔法は「大体なんでも切る魔法」です。
自分が切れると思った物は何でも切れるし、切れないと思った物は全く切れないという大雑把な魔法ですが、切れると思った物は何でも切れる為、相性次第では一級魔法使いを瞬殺出来る絶対に防げない斬撃を放つ事が出来ます。
一方でこの魔法はユーベルのイメージに左右される為、例えば布や髪は切れるイメージがあるから切れますが、防御魔法自体は魔法を防ぐ為のものと認識しているので切れるイメージが湧かなく切る事が出来ません。
また、相手が得意とする魔法はその人物の人生や人間性に大きく関わっているとして、ユーベルは昔から相手と共感すると相手の得意な魔法を使えるという感覚で魔法を覚える才能がありました。
一方で共感出来なければその魔法を使えないという条件もあるようです。
なお、受験者の中で最も強いフリーレンやそれに次ぐ強さを持つフェルンには基礎的な魔法しか使っていないという理由で興味の対象外らしく、彼女らの魔法に関心を示す事はありませんでした。
ユーベルが前回の試験で失格になった理由
ユーベルが三級魔法使いに留まっている理由は、2年前の二級試験で試験官の一級魔法使いを殺害し失格処分を受けたからです。
2年前、二級魔法使い選抜試験の第二次試験を担当したのはブルグ一級魔法使いであり、第二次試験は彼が使う魔法「不動の外套(魔法で作り出したあらゆる攻撃魔法を通さない防御術式を組み込んだ外套)」に対して攻撃して一歩でも彼を下がらせたら合格という単純な試験内容でした。
しかし、殺害行為が失格になるというルールが受験者の攻撃魔法に威力も最低限の制御を促していたものの、ユーベルは外套は布である為に切るモノだと認識して加減を間違えてブルグを不動の外套ごと真っ二つに切り裂いてしまったのです。
「あー…切りすぎちゃった」
特に罪悪感もなく試験官を殺害してしまったユーベルはルールに抵触、そして試験を殺してしまった為に二級試験は失格を言い渡されました。
なお、余程の悪意がないからか本編では一級魔法使い選抜試験を受験しているので、大陸魔法協会の規定には試験官殺しに関して厳しい罰則は無いようですね。
ユーベルの強さ
ユーベルの実力自体は二級魔法使いにやや劣る程度であり、彼女は二級魔法使いのデンケンが自分よりも強いと理解していますし、自分の力量を弁えています。
しかし、ユーベルの操る「大体なんでも切る魔法」はユーベルが切れると思ったイメージに左右されると述べている通り、ユーベルが切れると思った対象であれば何でも切れてしまうので相手が一級魔法使いであっても相性次第ではあっさりと勝ててしまうのです。
本編ではその相性によって一級魔法使いのブルグとゼンゼに勝利しているので、ユーベルの総合的な強さは三級から二級程度ではあるものの相性が良ければその相手の特攻に成りうる強さになります。
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ユーベルの一級試験の活躍と結果
次にユーベルの一級試験の動向と活躍を見ていきましょう。
ユーベルの第一次試験の活躍
第一次試験がパーティーを組んだ争奪戦及び対人戦である為、ユーベルはランダムに配分されたパーティー分けで第4パーティーに配属され三級魔法使いフェルンと二級魔法使いラントと共に第一次試験に挑んでいます。
合否条件は期限までに隕鉄鳥の捕獲とパーティー全員が生存している事ですが、中には隕鉄鳥を既に捕獲しているパーティーから強奪すれば良いと考えるパーティーがいる為、既にフェルンの捕縛魔法で隕鉄鳥を捕獲していたユーベル達は第8パーティー(ヴィアベル、エーレ、シャルフ)の奇襲に遭いました。
ヴィアベルの奇襲をフェルンが防御魔法で防ぐとユーベルはすかさず杖を展開させながらヴィアベルを強襲し、互いの刃先が首元を捉える所で寸止めし開戦します。
ユーベルの対戦相手は第8パーティーのリーダー・ヴィアベルであり、ユーベルは軌道の見えない「物体を切り裂く魔法」で攻め入りますが、ヴィアベルは冷静に相手の魔法を見極めて的確に防御魔法で攻撃を防ぎました。
とはいえ、全ての攻撃を防ぐ事は難しく浅い裂傷が蓄積していきますが、ヴィアベルは充分に距離を取った後に「見た者を拘束する魔法」を使ってユーベルを拘束する他、その効力で魔力の操作をも封じるのです。
しかし、ヴィアベルはあくまでも必要な殺しは最終手段であるという積極的に人を殺めない性格だった為、自身の魔法を説明した上で拘束を解くと、ユーベルを殺す事はいつでも出来ると脅し、隕鉄鳥の譲渡を交渉しました。
対してユーベルは殺し合いを望んでいた為に興が削がれてしまうと、ヴィアベルの要求通り隕鉄鳥を譲渡しようとする直前に「相手を動けなくした後に隕鉄鳥を奪えばいいのに、なぜそうしないのか」という疑問が過ぎり、ヴィアベルの魔法は相手の全身を視界に収めていなければ効力を失う事、また多人数相手には機能しないので初手の奇襲で使用しなかったと分析し、隕鉄鳥を投げ渡した直後に一気に間合いを詰めてヴィアベルを切り裂くのです。
ですが、ユーベルの攻撃はヴィアベルが咄嗟に半歩下がった事で鼻筋を薄皮一枚切り裂くだけに留まると、再び「見た者を拘束する魔法」を受けて拘束されてしまうのでした。
ヴィアベル曰くユーベルが急所を狙わずに目を狙ったのは殺しが目的ではなく殺しを楽しむ為の行動であると、ユーベルの異常性を言い当てています。
なお、ヴィアベルがユーベルに止めを刺そうとした所で別場所にて第8パーティー・エーレを倒してきたフェルンが得意の潜伏魔法を使い気配を消してヴィアベルに接近しており、杖の矛先をヴィアベルに向けて「エーレを殺した」と嘘を吐いた為にヴィアベルは合否条件のパーティー全員の生存がダメになったと思い身を引きました。
勿論、ユーベルはフェルンの嘘に気づいておりヴィアベルが立ち去った後は「嘘上手じゃん」とすました顔でフェルンを褒めています。
その後、第一次試験は概ねトラブルもなく、無事に突破しました。
ユーベルの第二次試験の活躍
第二次試験は未踏破の迷宮・零落の王墓の攻略が合格条件でしたが、試験内容的には一人で攻略しようが団体で攻略しようが自由なルールでした。
ユーベルはラントにくっ付いて行動しており、二人で迷宮に潜ると、迷宮のボスである水鏡の魔物が生み出す零落の王墓に踏み入った人間の複製体ユーベルの複製体と遭遇します。
その際、ラント(分身)はユーベルの複製体に致命傷を負わされる他、第二次試験官ゼンゼが全員に一つづつ配布した脱出用ゴーレムを奪取されるという窮地に立たされてしまいますが、ラントは複製体のユーベルは自分達が迷宮に踏み入った際に記憶や能力を反映しており、追撃してこないのは本体のユーベルの「見た者を拘束する魔法」を警戒しているからだと冷静に状況を分析しました。
ユーベルは出血の酷いラントが分身である事を疑いつつも自分の脱出用ゴーレムの瓶を差し出すも、ユーベルはラントが拒絶した事で彼が分身でありかつ自分の為に誰かが死ぬのは許容出来ない性格だと見抜くと、ラントが奪われた脱出用ゴーレムの瓶を取り返すべく自分の複製体へと立ち向かいます。
実力が互角ならば勝敗は運で決まる、故にユーベルは自分戦いたいとは思わないとして果敢に接近戦で全身を相手の視界に入れないように責めますが、一瞬の攻防で距離を取ると、運悪く複製体の方が先に全身を視界に収めた為にユーベルは「見た者を拘束する魔法」で拘束されてしまいました。
しかし、ユーベルには自分を見捨てる事が出来ないラントの本体がやってくるという確信があり、実際にユーベルが拘束されたタイミングで複製体の背後にラントの本体(※実はこれも分身)が立った為に複製体はラントを警戒し視線を動かしてしまうと、拘束魔法が解けたのでユーベルは自身の複製体を切り裂いて撃破するのです。
なお、複製体に奪われた脱出用ゴーレムの瓶もラントが作り出した分身(偽物)であり、ユーベルの読み通りラントは自分のせいで他人が死ぬのを黙って見ておれずに助けに来ました。
自身の複製体撃破後はデンケンと遭遇し、デンケンがゼンゼの複製体に勝てないのを覚悟して挑もうとしているのを知ると、その行動が迷宮攻略に必要な事だと聞きデンケンの代わりにゼンゼの複製体に挑みます。
ラントに止められるユーベルでしたが、彼女はゼンゼの髪に防御魔法がどれだけ何重に掛けられていてもそれが髪である以上は「髪は切るもの」だとして、「大体なんでも切る魔法」でゼンゼを一刀両断して倒してしまうのです。
ゼンゼは、フリーレンとフェルンが一級試験を受けた際に二次試験を担当する試験官として登場しました。 登場回は僅かですがゼンゼとは一体どんな人物なのでしょう。 今回は一級魔法使いゼンゼについて紹介していきたいと思います。 ゼンゼの[…]
三級魔法使いが一級魔法使いの複製体に勝利できた理由は、無数に存在する手数の中から相性を見つけるジャンケンみたいなものであると解説されており、単純にゼンゼの魔法とユーベルの相性が最悪でした。
ゼンゼの複製体撃破後は、フリーレンとフェルンが迷宮のボス・水鏡の魔物を討伐するまでの間、ラントとデンケンと共に復活を続ける受験者の複製体と戦っており、フリーレン達が水鏡の魔物を撃破した後は迷宮の最深部に辿り着きゼンゼから合格を言い渡されています。
ユーベルの第三次試験と一級試験の結果
第三次試験は創始者ゼーリエによる直々の面接が合否の判定となり、第二次試験を合格した受験者は一人づつゼーリエが待つ箱庭で対面し面接されます。
なお、多くの受験者が篩に掛けられる中、ユーベルは入場して間もなくゼーリエから合格を言い渡されました。
何もしてないユーベルでしたが、ゼーリエに会話は必要ないと言われるとそのまま引き下がり晴れて一級魔法使いに昇格したのです。
ユーベルのその後
単行本7巻第60話「旅立ちと別れ」では、今回一級試験に参加した多くの受験者は魔法都市オイサーストから旅立っています。
ユーベルもオイサーストから旅立っている様子が描かれていますが、彼女はどこか長閑な街道を歩いていました。
しかし、彼女が向かっている方向があまりにも自然に囲まれた長閑な風景だった為に、読者の間では「もしかしてラントの所に向かってる?」と半信半疑ながらユーベルがラントの本体が寛いでいる村に向かっているのではないかと予想されているのです。
確かに試験中のユーベルの目的の一つにラントの魔法を得る為に共感するという行動が見られており、結果恐らく試験期間中に共感は果たされていません。
一級魔法使いの特権でユーベルがどんな魔法を選択したのかは分かりませんが、仮に「居場所を特定する」効果の魔法を所望していれば、試験終了後にラントの魔法を習得すべく彼の故郷の村に向かっていても不思議ではないですね。
ユーベルの目的はあくまでもラントの分身を生み出す魔法が欲しいだけなのでラントを殺害する事は無さそうですが、再登場した暁には一波乱ありそうです。
ユーベルとラントの関係
一級試験の間、何故かユーベルは第一次試験を共にしたラントに対して興味を示しています。
と言うのも、ラントの魔法は本体と同一の機能を持つ実体を生み出す分身魔法であり、ユーベルはその完璧な複製魔法に興味があるようで試験中は常にラントを理解し共感する事に努めていました。
第一次試験終了後には堂々とラントに接触して共感を得ようと一緒に食事をしていたり、試験中の隙間時間には何かとラントにくっついている他、第二次試験では共に迷宮攻略をしているのです。
なお、最後まで名前ではなく「メガネ君」と愛称で呼んでいますが、彼女がラントに固執する理由は果たして魔法の習得にあるのか、はたまた個人的な感情なものなのかは今の所分かっていません。
ユーベルの魔法や一級試験の活躍とその後についてまとめ
- ユーベルの初登場は単行本4巻第37話「一級試験」
- ユーベルは「大体なんでも切る魔法」を使う三級魔法使い
- 2年前の二級試験で試験官の一級魔法使いを殺害し失格処分を受けた
- 一級試験の第一次試験は第4パーティーでフェルンとラントと共に合格し、第二次試験はラントと共に攻略に挑む途中でデンケンと協力し合格、第三次試験は面接で合格し、晴れて一級魔法使いとなる
- ユーベルには、相手と共感すると相手の得意な魔法を使えるという感覚で魔法を覚える才能がある
- ユーベルはラントの「本体と同一の機能を持つ実体を生み出す分身魔法」に興味津々で共感を狙っている
- ユーベルは一級試験終了後、どこかに向かっているが、一部ではラントがいる村に向かっているのではと予想されている
ユーベルは可愛い見た目とは裏腹に本気の殺し合いを求める狂戦士であり、異常者でした。
しかし、殺す相手を選ぶようで、一応試験期間中は試験内容に沿った行動を取ったり、味方を区別してる為に己を制御出来ているようです。
ルール無用とあれば容赦無く殺しそうですが、それなりに常識を持っているキャラクターでした。
葬送のフリーレンでは人気キャラの一人である為、ラントとのその後も気になりますし、再登場が待ち遠しいですね。