単行本3巻で登場した僧侶ザインは短い期間ながらフリーレン一行に加わり冒険を共にした仲間です。
しかし、単行本4巻には脱退した為、ほんの一巻程度しか一緒に行動できませんでしたが、彼の脱退を惜しみ再登場を願う読者もいる程度には印象深いキャラクターでした。
今回は、
- ザインのプロフィールと魔法
- ザインの過去と夢
- ザインの勧誘について
- ザインとの別れについて
などザインについて紹介していきたいと思います。
ザインのプロフィール
僧侶ザインは単行本3巻第27話「平凡な村の僧侶」にて初登場します。
勇者ヒンメルの死から29年後北側諸国アルト森林、村の収穫祭の料理に使う野草を取って来るように兄に頼まれたザインは見事に底なし沼に嵌って身動き一つ取れずにいた所を偶然通りがかったフリーレン一行に救われました。
フリーレン一行に救助された後は村で一度別れていますが、冒険者の死因の二割が毒で亡くなるというフェルンの忠告を受けたフリーレンはシュトルクが毒蛇に噛まれたのをきっかけに村に引き返すと、珍しくザインに興味を示し仲間に引き入れようと村に滞在する事になったのです。
好きなものは酒にタバコにギャンブル、そして年上のお姉さんである為、シュタルクからは最早破戒僧と言われており、フリーレンからもハイター以上の破戒僧というお墨付きを貰いました。
なお、フリーレンにおいては年上のお姉さんだけど理想とかけ離れている為、ザインは嘆いています。
ザインは優秀な僧侶
ザインは司祭の兄の弟であり、兄と一緒に村で過ごしていますが、その正体はフリーレンが「天性の才」と認める優秀な僧侶でした。
ザインは王都から地方で最も優れている司祭に与えられる聖印を持つ回復のエキスパート「神父」が不治と判断した毒を触れるだけで治療させる実力を持ちます。
過去にハイターに聖都での活動を勧誘された聖印を持つザインの兄ですらザインの才能は自分の比ではないと断言する程です。
因みに僧侶が使う魔法は人類の魔法ではなく女神様の魔法であり、女神様の魔法は聖典に記されているため聖典の所持者しか使えない他、未だに魔族の魔法と同じで原理が解き明かされていません。
まあ、女神様の魔法を扱うには生まれながらの資質に左右される為、ザインの力は僧侶の中でも強大です。
作中では眠りの呪いを打ち払う「目覚めの解呪」等を使用しています。
ザインの攻撃用の魔法
僧侶は基本的に「呪い」に特化した女神様の魔法を得意としており、副次効果として「呪い」に耐性があります。
しかし、状態異常の解呪の他にもちゃんと攻撃用の魔法が存在するのです。
作中では「女神の三槍」と呼ばれる三つの光を撃ち放つ攻撃魔法を放っていますが、初披露となった魔物(混沌化の亜種)には反射された為威力の程は不明となります。
ザインの過去と冒険者になる夢
両親を早くに亡くしたザインは年の離れた僧侶の兄と二人暮らしをしており、子供の頃の夢は冒険者なる事でした。
その理由は兄のように同じ毎日を繰り返すだけの平凡な村の僧侶にはなりたくないというシンプルなもので、子供の頃のザインは親友と一緒に小さな冒険をして過ごしていたのです。(※シュタルクには年上のお姉さんと旅がしたいが為に冒険者を目指したと告白)
無鉄砲で体力馬鹿、そしてゴリラみたいでいい奴と語るその親友は、ザインが冒険者になるという夢を忘れかけた10年前に「一緒に冒険者にならないか」と勧誘してくれましたが、ザインは親友の手を取らずに村に留まる事を決めました。
現在、村で僧侶として生きるザインはあの時に親友の手を取って冒険者になっていれば何かが変わっていたのでは、俺はもっと早くにあいつを追いかけるべきだったと後悔しており、日々を村で無気力に生きています。
また、兄曰くザインは自分の背中を押してくれる誰かを探しているそうで、フリーレン達に勧誘される度に自分を誘ってくれた当時の親友の顔を思い出すようです。
なお、その親友は一度ザインに断られながらも北側諸国を巡り3年後の収穫祭までには戻ってくると言い残したのを最後に帰省も連絡もなく、10年経った現在も戻っていません。
ザインの親友と言われる謎の青年「戦士ゴリラ」は、実は本名ではなくあだ名でした。 しかし、その素性はザインと仲の良かった親友であり冒険者となって村を出ていった以外何も分かっていません。 今回は「戦士ゴリラ」について判明している事を[…]
ザインの勧誘
この先、冒険を続けるには僧侶の勧誘は必要事項であり、ザインのような優秀な僧侶であれば尚更声を掛けるべきだと思い立ったフリーレン一行は村に滞在しザインの勧誘を辛抱強く続けました。
時にはフリーレンが師匠から教わったという色仕掛け「投げキッス」を試しますが、ザインには効果が無い事からフェルンとシュトルクは「腐っても聖職者ってわけか…強敵だぜ…」と苦悶の表情。
冒険者になるつもりは無いと断固として拒絶するザインでしたが、フリーレンは本当は冒険者になって親友を追いかけたいのではないかと問い掛けるも、ザインは3年後には帰って来ると言った親友が10年経過しても戻って来ないのは既に死んでいるからだと語り、もう冒険者になるには時間が過ぎており意味が無い事を態度で示します。
しかし、フリーレンは「会いに行ってもいないのに諦めるんだ」と切り返すと、まだたったの10年しか経っていない、今会いに行かなければ近い未来に「あの時会いに行ってれば間に合ったのかもしれないのに」と後悔する事になると説得するのです。
なんで今更…そう口を開こうとするザインでしたがフリーレンは彼の声を遮るように「なんで今更って思ってるでしょ。私は今の話をしているんだよ、ザイン」と、かつてヒンメルが自分を誘い出してくれた同じ言葉を投げ掛けるのでした。
しかし、ザインはフリーレンの勧誘を断ります。
ザインの兄はかつてハイターが視察で村を訪れた際に優秀な才を持つ僧侶として聖都での活動を条件に勧誘を受けていましたが、兄は自分が誘いを受けた場合には弟も聖都に一緒に同行する事になると聞かされると「両親を亡くした弟から故郷まで奪う事は出来ない」と述べてハイターの誘いを断り村に留まる事を決めたのです。
その為、ザインは自分の為に華やかな聖都での仕事を断り村に残る事を決めた兄を思い、自分だけが外の世界に行く事を躊躇しており、当時の親友の誘いを断った理由も兄への後ろめたさからでした。
一方でザインがフリーレン達に冒険者にならない理由を打ち明けると、ザインの兄は自分とお前を一緒にするなと叱咤し、弟を思い故郷の村に留まった選択には一切の後悔はないと断言します。
それに引き換えいつまでも後悔し続ける弟を心配した兄は初めてザインを殴り、背中を押すのでした。
これまで兄に暴力を振るわれた事がなかったザインは初めて兄に殴られると、兄に諭されて漸く10年間の後悔を振り払う為に冒険者になる決断をしたのです。
まだ10年しか経っていないというフリーレンの言葉を反芻し、自分の旅の目的は「親友を探すこと」を条件に途中までフリーレン一行の僧侶として同行する事になりました。
ザインはフリーレン一行の保護者
ザインは年長(フリーレンは精神的に除外)という立場から大人の対応を取る事が多く、その多くはフェルンとシュトルクの痴話喧嘩の仲裁にあてられています。
フェルンもシュタルクもまだまだ思考が幼い部分がある為、些細な事で喧嘩をしてしまいますが、ザインは悩めるフェルンに対して「嫌ってる訳じゃない、同年代の男子との接し方が分からないだけだ」と理解を示すとシュタルクの方がまだ幼いガキの部分があると諭し、「想いってのは言葉にしないと伝わらない」と仲直りの後押しをしました。
一方では、シュタルクがフェルンを怒らせた際には「お前は俺と違って根はいい奴なんだから正直な気持ちを言えばいい」と励ます等、フリーレン曰く仲裁は僧侶の仕事であるとして旅の道中では度々二人の仲を取り持っています。
なお、ザイン曰く大人になると人との距離感が分かるようになり他人と衝突する事すら避けるようになる事からこうした目や感覚が養われるとこの事でしたが、フリーレンは未だ「人との距離感」が理解出来ていない為、ザインは子供は二人ではなく三人だったと嘆きます。
ザインとの別れ
単行本4巻第34話「英雄の像」にて、ザインの探し人・戦士ゴリラが北側諸国中部の交易都市テューアに向かったという証言を手に入れたのですが、そこは魔法都市オイサーストを目指すフリーレン一行とは反対方向でした。
ですが、第35話「旅立ちのきっかけ」にて、情報を獲得した集落の小屋で一晩過ごしてフリーレン一行と別れるか、一旦見送るか悩むザインでしたが、時期的にタイミングよく寒波が訪れた為に一月は集落で足止めを喰らう事になったのです。
一月の滞留中にフリーレンから自分を誘ってくれた本当の理由を聞かされると、フリーレン一行と旅をした期間はあっという間だったものの仲間と過ごす楽しさを感慨深く受け入れました。
しかし、フリーレンと対話を終えた翌日、ザインはやっぱり戦士ゴリラを追いかけるとしてフリーレン一行と別れる事を選択したのです。
別れは随分あっさりだったもののフリーレン曰く「ザインは二人と違って大人だからね、きっとうまくやるよ」と述べて快くザインの門出を見送りました。
一方でザインは「一人だとこんなに静かなんだな」と改めてフリーレン一行との旅がどんなに楽しく騒がしかったかを思い出しつつも、戦士ゴリラの手掛かりを求めてテューアに続く街道を進んでいくのです。
ザインの再登場は未定
2023年9月時点では、ザインの再登場はありません。
さすがに一人での旅路で死亡するような雑な退場の仕方はないと思われますが、今後登場するのかは正直フリーレン一行と目指す方向が真逆なので不安な所ですね。
ただ、戦士ゴリラの動向次第ではザインが目的地がフリーレン一行と被る、もしくは近場の街でばったり遭遇する可能性もあると思いますので、気長に再登場を待つしかありません。
ザインのプロフィールと再登場についてのまとめ
- ザインは単行本単行本3巻第27話「平凡な村の僧侶」で登場した僧侶
- ザインは回復のエキスパートの神父が不治と判断した毒を触れただけで治療できる腕を持つ
- ザインは10年前に親友の戦士ゴリラから冒険者に誘われたが、自分の為に村に留まり僧侶を続ける兄に気後れし断ると、そのまま10年間無気力に村で僧侶を続けている
- ザインはフリーレン一行から熱心な勧誘を受けると、兄に背中を押される他、フリーレンから「まだ10年しか経っていない」と言葉を受けて冒険者になる事を決めた
- ザインの旅の目的は「親友を見つけて合流」する事であり、フリーレン一行とは親友を見つけるまでの限定的な仲間として加わる
- 単行本4巻第34話「英雄の像」で戦士ゴリラの情報を手に入れたザインは、第35話「旅立ちのきっかけ」にてフリーレン一行と別れて戦士ゴリラが向かったという交易都市テューアに向けて旅立った
- 現在、ザインの再登場はない
精神的に幼く社交性の無いフリーレン一行に加わった大人のザインでしたが、普段は酒にタバコにギャンブル、そして大人のお姉さんを求める破戒僧として頼りない僧侶でした。
しかし、頼りないのは外見上のみであり、実際にはフェルンとシュトルクの中を取り持つ仲裁役を担ったり、旅の道中で「呪い」に対して唯一対応できる僧侶として活躍しており、ザインの存在はフリーレン一行に大きな影響を与えいます。
ザインが仲間に加わった際に述べていたように親友の情報を手に入れた為にあっという間に脱退しましたが、いつか再登場して正式に仲間に加わって欲しいですね。