今回は、元九番隊隊長であり、破面篇終了後に復隊した「六車拳西」と九番隊副隊長「檜佐木修兵」の関係性について、
- 六車拳西と檜佐木修兵の出会い
- 六車拳西と檜佐木修兵の再会
- 六車拳西と檜佐木修兵の修行から卍解習得
以上の出来事を紹介したいと思います。
六車拳西と檜佐木修兵の関係
- 原作36巻「104,Turn Back The Pendulum 5」、「103,Turn Back The Pendulum 6」
六車と檜佐木の出会いは、101年前の魂魄消失案件の調査に六車が赴いた出先での事です。
巨大虚に襲われている流魂街の三人の子供を発見した六車率いる九番隊は、即座に人命救助を優先して虚の殲滅に打って出ると、六車も自ら始解して子供の一人を救出するのですが、その時助けた子供の一人が檜佐木修兵でした。
子供だった檜佐木は虚に襲われたのが怖くて泣いていましたが、六車は「生きてんだ!嬉しいだろ!笑え!」と強面と粗削りな口調で半ば恐喝の様にあやしていた為、流石に部下もたじろぎながら無理だとツッコミを入れています。
しかし、檜佐木を立ち上がらせると名前を聞き出し、「修兵か、強そうな名前じゃねえか!泣くな!」と一喝すると、行方不明となった先遣隊の死覇装を見つけた後は子供達に家に帰る様促して調査を再開する為その場を立ち去りました。
その際、檜佐木は命の恩人である拳西の刺青に目を奪われた一コマがあり、以来拳西に憧れて死神になると自らの顔に「69」の刺青を入れる尊敬ぶりを見せます。
六車は復隊した際に檜佐木と再会している
魂魄消失案件の際に六車は除名処分を受けた為、檜佐木が死神になった頃には護廷に在籍していませんでした。
しかし、破面篇終了後を描く小説「bleach the death save the strawberry」にて、体長の空位が続けば瀞霊廷の住民の不安を煽ると懸念した四十六室が仮面の軍勢の内、平子・鳳橋・六車の三名の復隊を認可した事で六車は九番隊隊長に戻り、檜佐木と再会を果たしたのです。
直接的な再会シーンは描かれませんでしたが、六車にくっ付いてきた白が副隊長をやりたいと駄々をこねた事から、六車と檜佐木は別の役職「ウルトララジカルスクープエディター」の座を用意し、白はその名前の響きに感動し引き受けました。
尚、代々九番隊隊長が引き継いできた瀞霊廷通信編集長の仕事は六車にブランクがあるとの事で、引き続き檜佐木に編集長代行業務をお願いしています。
六車の一言で涙する檜佐木
黒崎一護に死神能力を取り戻す術を開発した浦原の報告を受けたルキアは、その術が死神能力譲渡という重罪を含む事から隊長の冬獅郎を除いた日番谷先遣隊のメンバーに協力要請をメール送信しました。
そのメール内容が巡り巡って多くの隊長副隊長から平隊士へと転送されるのですが、ただ一人、檜佐木の許には「誰誰が送るであろう理論」で一人も転送しなかったのです。
六車もメールを受け取った後に白を探して九番隊舎の編集部へ足を運ぶのですが、その際にメールの件を伝えると檜佐木は「初見です…!」と肩を震わせ、六車の「…友達いねぇんだな」という憐れむ様な一言で必死に涙をこらえながら滲む視界で編集の仕事を再開するのでした。
尚、数十分後に「誰誰が送るであろう理論」で檜佐木に誰も転送していないと推理したイヅルからメールが届くと、檜佐木は人知れず涙を流したそうです。
六車は檜佐木に卍解の習得を課す
- 原作60巻538話
見えざる帝国の一度目の侵攻を受けた瀞霊廷は半壊する程の被害と山本総隊長を始めとする多くの席官や隊士が戦死した事で、戦力的にも次の襲撃に備えるには不安視される状況だった為、一人でも卍解を扱える者を増やすべく、六車は檜佐木へと卍解の習得を課すのです。
当初、六車は檜佐木に何も告げずに何もない森林へと連れ出すと、唐突に卍解の会得を目指す為に修行を付ける為、虚化した白と檜佐木を戦わせる手段に出ました。
六車の提案が唐突だった事から檜佐木は困惑していましたが、虚化した白は有無を言わさず檜佐木に打撃を与えると、六車は檜佐木の闘争心に火をつける為に敢えて「俺は東仙みてえに甘かねえぞ」と毒を吐き、目論見通り檜佐木の琴線に触れた事で「東仙隊長を悪く言われる筋合いは無えぞ…!」とやる気を引き出す事に成功します。
この時、檜佐木は東仙の悪口を言われながらも六車の事を憧れであり尊敬もしていると提言していました。
檜佐木の卍解やるやる詐欺
- 原作74巻685話
10年後を描いた一幕では、隊長となっても鍛錬を怠らない射場の心意気を見習う様に「誰かに聞かせてやりたいぜ」と冬獅郎が遠回しに乱菊に問い掛けており、乱菊は適当に受け流そうと檜佐木の名前を出すのですが、いつの間にか並走する檜佐木が聞き捨てならないと会話に割り込んできます。
その時、檜佐木が自分は既に卍解を習得していると豪語した為、結局本編で使用されなかった檜佐木の卍解について乱菊達が本当に卍解を使えるのかという「卍解やるやる詐欺」を煽り始めたのですが、何故か共に修行した六車も乱菊達側に加勢して「俺も見てねえな」とツッコんでいました。
檜佐木は「うそだあ!隊長は見てるじゃないですか!」とギャグ調に叫んでいる他、「あれから使う機会がなかったんだから…!」と訴えている為、本当に会得していた事がわかるのですが、六車は乱菊と同調して「言い訳だな」と檜佐木を弄るのでした。
ただ、檜佐木の卍解が本編で描かれる事は無かったのは事実です。
六車は小説で檜佐木の卍解を見ている
実は、本編最終章の千年血戦篇のその後を描いた小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」にて、檜佐木の卍解が登場し、六車はその一部始終をちゃんと目撃しているのです。
文中では六車が白と共に殺すつもりで檜佐木を鍛えたにも関わらず結局卍解を習得できなかったと書かれていますが、修行中に感じた檜佐木の頑丈さには思う所があり、卍解に辿り着かなかったにせよ檜佐木の実力が跳ね上がった事に良しとしていました。
そして、千年血戦篇の終盤で檜佐木がリジェに狙撃されて生死を彷徨った事を聞いた六車は、檜佐木の生存が「たまたま命を拾った」だけなのかと疑問を持ち、前述での檜佐木の頑丈さと合わせてそこに卍解の鍵が隠されているのではないかと勘繰ったのです。
檜佐木の卍解は小説の敵キャラ産絹彦禰と対峙した際に解禁されており、六車が予想した通り一定の範囲内に居る双方の霊圧を共有する事で不死身となるえげつない能力でしたが、実は卍解に必要な具象化と屈服の流れは檜佐木本人も気付かない内に終了していたそうで、恐らく六車との修行でその過程は満たしていたのでしょう。
つまり、六車は檜佐木がぶっつけ本番で卍解を使用した場面を目撃している為、檜佐木の卍解やるやる詐欺に加担したのは単なるおふざけという事が小説を読んで判明したのです。
余談ですが、10年後の檜佐木が卍解を使える事を豪語した際には心の中で「卍解自慢してんじゃねえよ」とツッコミを入れていました。
ただ、檜佐木が彦禰と戦った叫谷での出来事は基本的に機密扱いとなっているので、現場に居なかった隊士達は檜佐木が卍解出来る事を知らない為、六車なりに周囲に合わせて同調したと言う理由もあります。
六車拳西と檜佐木修兵の関係や再会と修業についてのまとめ
六車と檜佐木が出会ったのは、藍染が引き起こした魂魄消失案件の調査に行く途中で、たまたま虚に襲われていた流魂街の子供三人を助けた六車でしたが、その中の一人が檜佐木だったのです。
この出来事をきっかけに檜佐木は六車に憧れて「69」の刺青を入れるほど目標にしていましたが、六車が尸魂界から逃亡した事で檜佐木が護廷十三隊に入隊しても再会は望めませんでした。
しかし、破面篇終了後に空位となった隊長職に仮面の軍勢の復隊が認められると、九番隊隊長に六車が戻ってくる事となり漸く檜佐木と再会するのですが、残念ながら再会シーンは描かれる事が無く、次に二人が登場する場面は千年血戦篇の修行場面になるのです。
六車は檜佐木の卍解に修行に付き合いましたが、千年血戦篇中に習得するに至らなかったものの、檜佐木の異常な頑丈さや生命力が卍解への手がかりなのではと六車は勘繰っていました。
結果的にその予想は正解で、檜佐木は六車との修行で斬魄刀の具象化と屈服までの流れを済ませており、小説で卍解に至ったのですが、その詳細は機密事項に触れる為、六車は10年後も檜佐木の卍解やるやる詐欺をいじる側に回っていたのです。
したがって、六車と檜佐木の関係は単なる命の恩人にとどまらず、檜佐木にとっての六車は東仙に並ぶ尊敬する人物で師弟の様な間柄となっており、檜佐木も六車から卍解に到るであろう素質を見込まれている、ちょっと特別な関係なのでした。