【BLEACH】雛森桃が藍染惣右介に心酔した理由と最終回のその後

雛森桃と言えば、初登場時の人畜無害な雰囲気から一転してヤンデレ化してしまった事で一気にBLEACHのネタキャラの道を突き進んだ不憫なキャラクターです。

そこで、今回は何故雛森が変わってしまったのか、

  • 雛森桃が藍染惣右介に心酔した理由
  • 雛森桃は藍染惣右介が好きなのか
  • 雛森桃のその後の安否や動向

以上を踏まえて、雛森が藍染にどのように利用されどんな目に遭ったのか、また藍染に異性としての感情があったのか、そして最終的に雛森はどうなったのかを見ていきたいと思います。

雛森桃が藍染惣右介に心酔した理由

「雛森くんの事は仕方無かった」

「彼女は僕無しでは生きられない」

「そういう風に仕込んだ」

引用元:BLEACH

  • 原作20巻173話

残念ながら雛森が藍染に心酔した理由は不明のまま完結してしまいました。

しかし、恐らくこういう理由だろうと推測できる事柄は描写の端々に散りばめられているのです。

藍染の本性が露となった尸魂界編終盤、崩玉を内包するルキアを狙う藍染とルキアを守護する恋次との会話の中で、雛森を殺害した理由を問い質された藍染は「彼女は僕無しでは生きられない。そういう風に仕込んだ」と発言しています。

それ故にその状態で捨て置くのは不憫だと思い尸魂界を去る前に殺して行こうと思い立ったわけですが、それが鏡花水月による催眠なのか、単なる話術での洗脳なのかははっきりしていないものの、作中で藍染が言葉巧みに雛森の理想を演じきっている描写から見て雛森が藍染に心酔した理由は藍染自身の言葉の洗脳が濃厚でしょう。

雛森桃は最初から藍染惣右介に目を付けられていた

雛森・吉良・恋次が魂葬初実習に遠征に行った先で起きた虚襲撃事件で、藍染は初めて三人に出会いました。

しかし、藍染はこの時点で雛森・吉良・恋次の三人を「使える」と確信し護廷十三隊に入った時に五番隊に入隊させ、より役立ちそうな雛森と吉良を部下として配置させたのです。

つまり、藍染は雛森を見た当初から王鍵創造までの道筋を立てており、藍染に依存する性質を見抜いて護廷十三隊離反に於ける計画に織り込んだのでしょう。

発端は雛森桃の魂葬初実習に起きた事件

  • 原作15巻収録「逸れゆく星々の為の前奏曲」より

霊術院に通う雛森は魂葬の初実習の為に大勢の生徒と共に当時六回生の檜佐木を含む上級生3名の先導の下、現世に降りて魂葬を体験していました。

雛森は恋次と吉良と班を組んでいた所、上級生の一人蟹沢が突如出現した巨大虚に殺害されたのを契機に平穏な実習訓練は一転してパニック状態となり、檜佐木は一年生を逃がす為にもう一人の上級生青鹿と共に巨大虚に立ち向かうものの、青鹿が負傷し離脱してしまいます。

六回生の先輩が歯が立たない状況下で雛森は逃げる事に疑問を抱くと、恋次と吉良が引き留める中刀を抜いて勇敢にも虚へと立ち向かい、雛森の行動に感化された恋次と吉良も加勢に入ると檜佐木を含めて四人で対処にあたるのです。

しかし、続々と集結する巨大虚に圧倒された四人は今度こそ死を実感しその場で震撼するのですが、そんな絶体絶命の窮地に駆け付けたのが五番隊隊長藍染惣右介と当時五番隊副隊長だった市丸ギンなのでした。

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BLEACHの表紙

颯爽と登場した藍染は「よく頑張ったね、怖かったろう。もう大丈夫だ」と雛森の頭を撫でると、後は任せて休むように促した後、巨大虚を討伐していきます。

この体験を経て雛森達は隊長格の実力をまざまざと浮かべて語らっており、何れバケモノ級と比喩される隊長格に匹敵する存在になりたいと志を決意するのでした。

今にして思えば、この時点で雛森が藍染に心酔する布石が打たれていたのでしょう。

藍染が雛森に鏡花水月を見せたのかは不明

雛森は終始藍染を敬愛しすぎて心酔しきっていましたが、はたして藍染が雛森に鏡花水月を使っていたのかと問われれば疑問が生じる所です。

可能性として挙げるなら、カラブリ+に掲載された設定資料によると藍染の休日の過ごし方の項目に霊術院特別講師と記載されている事から、講師として振る舞っている間に霊術院の生徒達に鏡花水月を見せていた可能性があります。

ただ、雛森に於いては原作20巻で藍染が「自分に憧れを抱く人間ほど御し易いものは無い」と発言しているので、やはり話術や接し方一つで洗脳していった可能性が濃厚でしょう。

不死身?雛森は二度刀で胸を貫かれる散々な目に遭う

藍染に利用された雛森は、その思惑通り冬獅郎に刀を向けて殺し合う直前まで行きましたが、冬獅郎に気絶された事で筋書きと少し逸れてしまった為、結局は藍染自ら雛森を処分する様に動きました。

その際には雛森が藍染の生存を受けて感動の再会を果たすのも束の間、問答無用で雛森の胸を正面から貫いて殺害しかけており、流石の雛森も藍染自身に胸部を貫かれては全てを悟ったのか「嘘」と受け入れ難い現実に戸惑いながら倒れてしまいます。

また、続く破面偏終盤の空座町決戦時では、藍染離反後に精神的ショックから立ち直り戦線復帰したばかりだと言うのに、藍染の鏡花水月によって雛森を藍染だと錯覚させられた護廷十三隊や仮面の軍勢に集団リンチされた挙句、冬獅郎の手で再び胸部を一突きさせられるのです。

したがって、

  • 原作20巻169話にて、藍染と再会した瞬間に胸を一突き
  • 原作45巻392話にて、鏡花水月に掛けられた仲間達に集団リンチされた挙句、冬獅郎に胸を一突き

と、作中で雛森は二度も胸を一突きされている事から、雛森の扱いがあまりに可哀相だと読者からは憐憫の眼差しで見られるようになりました。

しかし、逆に二度も胸を貫かれているのに生存している事で雛森の生命力がヤバすぎる、不死身と言う別角度の評価もある等、もしかしたら雛森の真骨頂はアスキン・ナックルヴァールばりの生命慮なのかもしれませんね。

藍染収監後は徐々に元に戻る

  • 原作39巻334話

雛森は藍染離反後に再登場した原作36巻の段階では、未だ藍染の洗脳が解けない様子で錯乱状態が続いていましたが、続けて再登場した空座町決戦では副官章を身に付け五番隊の隊員達をあずかる副隊長として戦線へ躍り出ました。

その際には雛森が自覚せずに「藍染隊長」と敬称付きで呼んでいた事について乱菊は心配を続けていましたが、続く千年血戦篇では立ち直っている素振りが窺えるので、時間の経過と共に本来の明るい性格に戻っていくのが分かります。

雛森桃の小ネタ

  • BLEACH OFFICIAL BOOTLEG カラブリ+

本編で描かれなかった護廷十三隊の日常を描カラブリ+では、女性死神協会が出店用の出し物を決めるといった回に雛森はメガネ型のクッキーを焼いて持って来ており、そのメガネ型クッキーがどう見ても藍染の眼鏡を連想させる出来栄えな事から乱菊や七緒等の女性死神の面々をドン引きさせるのです。

その後、「見ているとまるで藍ぜ…」と率直な感想を述べようとしたネムが言い終える前に乱菊と七緒が口を塞ぐものの、やちるが徐にメガネ型クッキーを装着して「わたしが天に立つ」と尸魂界離反時の藍染の物真似をしながらメガネ型クッキーを砕きました。

そんなやちるの姿を見て藍染を思い出したのか、雛森は昏倒します。

雛森は藍染が好きだった?

  • 原作20巻169話

雛森は藍染に敬愛していた事で、藍染暗殺事件後に藍染が生きていると知った際には、藍染に抱き着いて感激のあまり涙を流していました。

この時の藍染に撫でられた雛森の心情を綴っていたのが、

  • 「…ああ、藍染隊長の掌だ」
  • 「いつもと同じ心を洗い流してくれる藍染隊長の匂いだ」

と言った心から慕っている表現で、藍染がただ生きていさえすれば何も言葉は必要ないと語る程に心酔している事が分かります。

しかし、これらの表現から読み取っても雛森が藍染に抱く感情は恋愛的な好きと言う感情よりかは、理想の人物像や立派な上司としての尊敬に寄り添った物だと考えられますので、例えば父性に近い物を藍染に感じ取って依存しているのでしょう。

従って、雛森は藍染に恋愛感情はないと考えれます。

藍染の寝室に泊まった際に布団と枕が乱れている疑惑

  • 原作12巻100話

戦時特例に帯刀許可と加えて恋次が旅禍に敗れて負傷した報告を受けた雛森は戦いに不安を覚えて夜中に藍染の私室へと足を運び、安心したいが為に藍染と話がしたいと控え目に頼み込むと藍染はこれを快諾してくれました。

しかし、問題となったのがこの後、船を漕いでいた雛森が遂に睡魔に負けて寝落ちしてしまった際、恐らく藍染が雛森を自分の寝室の布団に寝かしつけてくれたのでしょうが、注目して頂きたいのが枕の配置なのです。

雛森を寝かしつけた前と雛森が起きた後では、若干ですが枕の配置が異なっているのが分かります。

そして、何故か枕も三つある事から藍染は普段から枕を多く使用していたのかと想像し難い背景が浮かんできますが、この枕の描写の違いを見つけた目ざとい読者は何故枕が散らかっていたのか疑問を抱きました。

  1. 雛森の寝相が悪い
  2. 雛森と藍染に肉体関係があった
  3. そもそも枕の配置は変わっていない

この些細な描写に目を付けた読者は以上の様な議論を繰り広げましたが、何れも確実な証拠も無い事から答えは謎のままです。

ただ、藍染が女性に手を出すイメージも湧かないですし、かと言って寝起きの際に布団が乱れていない事から雛森の寝相が悪いという事も無さそうなので、単純に描写角度の違いから枕の配置がズレて見えているか意図せず書いていた様に思えます。

雛森桃は最終回のその後も生存して五番隊副隊長を継続

ここまで尸魂界編から破面偏へと散々な扱いを受けてきた雛森ですが、その生命力の高さで復活を遂げており、千年血戦では五番隊副隊長として平子に付き従い細々と活躍していました。

作中では四番隊ほどではないにせよ回道を使ってバンビエッタにやられた平子の傷を治療する他、砕蜂や大前田の傷も治して戦線復帰させるといったサポートに献身しています。

また、大戦直後を描く小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」では直接的な活躍や物語上の関わり等は無いものの、黒腔から現れた破面の霊圧を知覚した平子の独り言の横で雛森は技術開発局に連絡を取っており、事態の確認を行っていました。

その後も調査に向かう平子からその事を総隊長に報告するよう指示を受けた後、「平子隊長!どうか、お気をつけて!」と見送っています。

 

千年血戦篇はショートヘアー

紆余曲折を経て精神的に落ち着いてきた雛森ですが、破面偏から約2年の月日が経過している為か、千年血戦篇では長かった髪をバッサリと切り落としてショートヘアーになっています。

奇しくも藍染に裏切られた後にショートにした平子とも実情が重なっている事から、五番隊はそういった因縁があるんでしょうかね。

最終回より3年後「雛森事変」により平子とリサを恐怖に陥れる

  • 小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」

霊王護神大戦を描く小説では、大戦の被害は図書館にも及んでおり、焼けずに残った各隊の本は再築された真央図書館に集めて開館されている復興の兆しが窺える情勢の中、雛森桃・伊勢七緒・矢胴丸リサの三名がそれぞれ別の事情でやって来て遭遇します。

雛森は「年頃の娘が仕事ばっかりするもんやない」と平子に言われた為、終業時間の二時間前に退勤しており、雛森は非番の七緒と共にリサ率いる八番隊の副隊長候補として良い人材が居ないかと言う相談に花を咲かせていました。

そんな楽しそうな女子会もどきの図書館に平子がやってくると、リサが瀞霊廷通信の通信目録に掲載する「YDM書籍販売」という名の現世の商品を取り寄せて購入者のもとへ秘密裏に配送する副業をしている事が判明し、雛森は平子がその取扱い商品の値下げ交渉をする為にリサの下へやって来たと知ります。

しかし、平子とリサが大声で交渉している側で雛森が小声で嗜めていると、五番隊の図書館が復旧していない事から隊費が出ないと言う平子に対しリサが図書館が再築するまで待った後に五番隊で領収書を出すと言い放った刹那、雛森の様子が一変しました。

雛森がひたりと平子の肩に手を置くと「個人的な趣味の本はちゃあんと自分の御給金で買ってくださいね……?」と口角は上がっているもののまったく目が笑っていない闇夜を押し固めたような恐ろしい瞳で平子を見つめると、次にリサへ「不正な領収書は出さないようお願いしますね……」と首をゆらりと動かして捉えるのです。

あまりの雰囲気の変わり様にリさは目を逸らせず高速で頷く事しかできない他、二人が納得した態度を示すと雛森は深呼吸一つ挟んで「わかってもらえればいいんです!」と笑い普段通りの微笑みに戻ります。

雛森の退室後、平子は心臓がバクバクしたと当惑し、リサは「鬼がおった!」と形容した後に雛森には逆らわない事を誓い、この一件を「雛森事変」と名付け胸に刻み込んだのでした。

最終回より10年後は五番隊副隊長を継続し伸びた後ろ髪を結っている

  • 原作74巻

霊王護神大戦から10年後、朽木ルキアの十三番隊隊長着任式が行われる少し前、一番隊舎に向かう平子と雛森の様子が描かれています。

少ないコマですが、後ろ髪を結う程に伸びた頭髪と邪気が祓われた様なすっきりした面持ちと大人びた顔立ちが窺え、藍染の呪縛からある程度解放されている様に思えました。

加えて迷子になっている十一番隊を呼び止め様と駆け出している描写から、本来の世話焼きで快活な性格に戻っている事が分かり、雛森ファンも安堵した事でしょう。

雛森桃が藍染惣右介に心酔した理由やその後のまとめ

 

  • 雛森桃が藍染に心酔した理由は語られていないが、藍染が「そういう風に仕込んだ」と発言
  • 雛森桃は霊術院時代から藍染に目を付けられており、藍染の謀略に利用された
  • 雛森桃は藍染に対して恋愛感情は無い様に窺えるが、理想の上司や憧れの存在としての依存性は極めて高い
  • 雛森桃が藍染の私室に訪れた際、居眠りした後の枕の配置が散らばっているが理由は不明
  • 雛森桃は、藍染収監後も五番隊副隊長を継続しており、10年後には元の天真爛漫な性格に戻っている

雛森が藍染に心酔した理由は作中で明言されている訳ではありませんが、霊術院時代の魂葬実習で起きた虚襲撃事件で藍染に命を救われた事や、卒業後に五番隊に配属された事で長い時間を藍染と過ごしているといった側面から、自分が目指す理想の死神としての人物像及び憧れの存在として陶酔している描写はあります。

そして、藍染自身が雛森・吉良・恋次の三人を初めて見かけた時から使えると判断して、その中でも一番御し易いとされる雛森を副隊長に付けた他、雛森が藍染に依存する様「そういう風に仕込んだ」と発言している事から、雛森が藍染に心酔した理由は藍染の洗脳による影響が濃厚です。

また、雛森自身が藍染に対して恋愛感情があるのか定かではないにせよ、寝間着姿で夜中に男性の私室に赴く軽薄な行動や上司の布団で寝落ちするといった点から、一定以上の信頼がある事は事実でしょう。

そこまで尽くした雛森ですが、作中では憧れの存在である藍染に簡単に斬り捨てられてしまう不憫な扱いを受ける一方で、藍染自身も可能なら自分の手で殺したくなかったと漏らしている事から、利用価値があった分興味の無い他死神よりは幾分か思い入れがあった様に窺えます。

物語の展開上最も悲惨な目にあった雛森でしたが、藍染収容後は精神的にも回復の兆しが見えており、スピンオフの小説では少なからず元気を取り戻している雛森の様子が描かれているので、藍染の呪縛から解き放たれ今、本来の雛森のまま活躍してもらいたいものですね。

【完結済み】BLEACH
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黒崎一護・15歳・ユウレイの見える男。その特異な体質のわりに安穏とした日々を送っていた一護だが、突如、自らを死神と名乗る少女と遭遇、「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。次々と倒れる家族を前に一護は!?