BLEACHで重要な設定となる「崩玉」は、破面篇でその力の詳細が明かされました。
そこで今回は、
- 崩玉とは何なのか
- 崩玉の能力と入手方法
- 作中で登場した2つの崩玉
- 最終的な崩玉の行方
以上の項目に分けて崩玉について紹介していきたいと思います。
崩玉とは
BLEACH本編で崩玉という言葉が登場したのは単行本20巻「BLEACH 175.end of hypnosis7[Truth Under My Strings」です。
崩玉とは、元十二番隊隊長だった浦原喜助が作り出した物質の名で、その能力は瞬時に虚と死神の境界線を取り払うことができるという尸魂界の常識を超えるものでした。
崩玉を浦原喜助が造り出した経緯は単行本36巻「BLEACH -98.Turn Back The Pendulum 11」で描かれた過去篇で明かされており、浦原は死神の魂魄の強化を研究するうえで虚化という一つの解に辿り着いて、その過程で虚と死神の境界を瞬時に破壊・創造する物質である崩玉を作ります。
つまり、浦原喜助が崩玉を作り出したのは彼の研究の副産物だったということになります。
崩玉の真の能力
崩玉を作り出した浦原自身も崩玉の全てを知っていた訳ではなくその最たる例は崩玉の能力で、崩玉の能力は虚と死神の境界を瞬時に破壊・創造することとされていたものの、単行本46巻「BLEACH 401.DEICIDE3」にて崩玉の本当の能力が藍染右介の口から明かされました。
崩玉の真の能力は自らの周囲に在るものの心を取り込み具現化する能力で願ったことがそのまま現実となってしまう強力な力で、藍染も崩玉の主となり初めて崩玉が意志を持つ事を知ります。
しかし、藍染は過去に平子真子達が完全な仮面の軍勢と成り果てた事から浦原の見解が間違っていると気付いていました。
また、崩玉の能力は周囲の心を具現化するものの対象が元来それを成し得る力を有していなければ達成される事が無いと言う制限があり、その意味合いから藍染は「望む方向へ導く力」と言い換えています。
崩玉の入手方法
強大な能力を持った崩玉ですが、その作り方は不明のままです。
浦原作の崩玉の詳細は明かされていませんが、藍染作の崩玉は流魂街の大量の魂魄を集めて使用されており、中には霊王の爪などの欠片も使用されていますので、藍染の作り方であれば大量の魂魄を使用すれば模造品を作る事が可能かもしれません。
或いは涅マユリならば崩玉を作り出すことができるかもしれませんが、崩玉を作り出した人物が浦原喜助と藍染惣右介という稀代の天才だったので、常人に崩玉を作ることはできないでしょう
余談ですが、小説版で浦原は崩玉は気軽に作れるものでもないし、どれだけの理由があろうと気軽に作っちゃいけないものだと断言しています。
崩玉は2つ存在するも片方が消えた理由
BLEACH本編で崩玉は2つ登場しています。
- 浦原喜助が作り出した崩玉
- 藍染惣右介が作り出した崩玉
登場した二つの崩玉ですが、藍染惣右介が自分の崩玉に浦原喜助の崩玉を与えた為に最終的に崩玉は一つだけとなっており、2つの崩玉が合わさった事で完全版の崩玉が誕生しました。
浦原の崩玉はルキアに隠されていた
崩玉の危険性を理解した浦原喜助は崩玉を破壊することができなかったので、崩玉に防壁をかけて他の魂魄の奥底に埋め込む事によって崩玉を隠すという手段を取りました。
そこで浦原が選んだのが朽木ルキアだったのです。
どのタイミングでルキアの魂魄の奥底に崩玉を埋め込んだかは不明ですが、浦原は霊力を失ったルキアに義骸を提供しているので、ルキアが提供された義骸に入った際に彼女の魂魄に防壁をかけた崩玉を埋め込んだ可能性が高いでしょう。
しかも、浦原喜助が朽木ルキアに提供した義骸は、
- 霊子を含まない
- 義骸に入った死神の魂魄を分解し続ける
という通常の義骸とは違った特殊なものとなっており、尸魂界から補足されないようになっています。
つまり、浦原は崩玉を隠すためにルキアを利用していた事になりますが、最終的に藍染惣右介の手によって崩玉はルキアの魂魄から回収されてしまいました。
魂魄に埋め込まれた崩玉を取り出す方法
浦原喜助が朽木ルキアの魂魄の奥底に崩玉を埋め込んで隠していたと藍染惣右介の口から明かされましたが、それと同時に魂魄に直接埋め込まれた異物質を取り出す方法が二つある事も語られています。
- 双極の様に超々高度の熱破壊能力で外殻である魂魄を蒸発させて取り出す
- 何らかの方法で魂魄組成に直接介入して強制的に分離させる
藍染はルキアのケースのように魂魄への異物質埋没という技術は浦原が編み出した技術だと話しており、埋め込む技術を編み出したならそれを取り出す技術も編み出していたはずだと言っていました。
この藍染の思惑は当たっていて双極でのルキアの処刑には失敗したものの、地下議事堂の大霊書回廊で浦原喜助の研究のデータを一つずつ調べ上げていた藍染は、魂魄組織に直接介入して強制的に分離させる方法を見つけ出しています。
そして実際にその手法を用いてルキアの魂魄から崩玉を取り出したわけですが、周囲に六本の柱が出現して藍染の手に何かが纏う描写以外には詳細は明かされませんでした。
浦原が崩玉を作った理由
先ず大前提として浦原喜助はナックルヴァール戦で「誰も見たことのないものを創るなら自分の手で、それが科学者ってもんス」と言っている通り、科学者として様々な発明を行っています。
その為、当時の浦原の目的が虚と死神の境界を操る事にあったので単に作れるから作っただけなのでしょう。
しかし、小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」では檜佐木はジャーナリストとして浦原が何故崩玉を造ってまで魂魄の強度限界を高めようとしたのか疑問を持ち以下の可能性を示唆しています。
- 「霊王」と魂魄強度を持つ者達を造りたかった
- 死神の誰もが「霊王」と同じような力を持ち皆の力で少しずつこの世界の基盤を支える世界にしたかった
- 霊王を永遠の贄から解放したかった
ですがこの檜佐木の見解には後々に浦原は順番が逆だと否定しています。
浦原は単純に新しい何かを造りたかっただけで目的は二の次で新しい扉を開きたかったと語っており、その新しい扉の鍵を開くための言い訳として霊王を使っただけであると白状し、自分の根っこが欲望に従って生きているだけで多くのものを犠牲に研究欲を満たしている涅マユリと変わらないと明言しました。
一方で現在のユーハバッハの遺骸を霊王の代用品として祀っている現状には本当は納得していないとも語っている為、心までは悪人に染まりきっていない事が分かります。
また、自分が悪党になった場合に備えて檜佐木や夜一といったその罪を断じてくれる目は残しておいた方がいいという理由で、自分の事を深く知ろうとした檜佐木を野放しにしていました。
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霊王を否定した藍染惣右介と崩玉の融合
霊王を否定し自分自身が天に立つと言って尸魂界を裏切った藍染惣右介が崩玉と融合した姿が単行本46巻「BLEACH 396. THE BITE」で描かれています。
致命傷に近い傷を虚化の超速回復のように一瞬で治療するなど不死身の肉体となった藍染は、その後の戦いの中で進化を繰り返しました。
更に黒崎一心・四楓院夜一・浦原喜助といった実力者が霊力を感じられない程の領域に達するなど他者を寄せ付けない力を手にした藍染ですが、最終的には黒崎一護によって追い詰められた事で崩玉の意志が藍染の力を弱めた為に浦原が仕込んだ封印が発動したのです。
藍染の力が弱まった際に浦原は「崩玉はアナタを主とは認めないと言ってるんスよ」と発言していますが、一護は本当に藍染が崩玉に拒絶されたのか疑問視しています。
崩玉の能力は周囲の心を取り込んで具現化するものですが、だとすればもしかしたら藍染は自ら望んで力を失ったのではないかと推察しました。
最後の月牙天衝を会得した一護は漸く藍染と互角に戦える力を手にしましたが、戦いの中で藍染の刀に触れた際に感じ取れたものは「孤独」で、一護は藍染が生まれた時から飛び抜けた力を持っていたならばずっと自分と同じ目線に立ってくれる誰かを探していたのではないかと考えています。
その対象が見つからないと諦めた瞬間から藍染は何処かでただの死神になりたいと願っていたのではと言うのが一護の見解でしたが、藍染が崩玉に拒絶されたのか、はたまた自分から望んで力を手放したのかは不明のままです。
藍染惣右介と言えば破面偏終盤に崩玉と融合を果たし、ただでさえ強すぎる力がもう一段階上の次元へとステップアップしてしまい、もはや誰にも手出し出来ない最強格へ変身を遂げました。 そこで今回は、 藍染惣右介が崩玉と融合した強す[…]
最終的な崩玉の行方
破面篇の最後で藍染は崩玉に拒絶されていますが、崩玉自体は藍染と完全同化した状態のままで藍染自身も不死身のまま「無間」に投獄されています。
一護戦では力を失った様に見えましたが、藍染は無間に投獄されている間も霊力が上がり続けている為、崩玉の力が健在です。
崩玉の能力や詳細についてのまとめ
- 崩玉とは、浦原喜助が過去に造った物質で自らの周囲に在る心を取り込み具現化する能力を持つ
- 崩玉は2つ登場しており、1つは浦原作で朽木ルキアの魂魄の奥底に埋め込まれており、もう1つは藍染が流魂街の魂魄を集めて造った
- 藍染惣右介はルキアから浦原作の崩玉を回収して自分の崩玉に与えている
- 藍染惣右介が一護戦で力が弱まったのは自分の願いか崩玉の拒絶かは不明
- 崩玉は最終的に藍染と同化したまま
破面篇で重要なキーワードとなった崩玉は、周囲に強力な影響を与える力を持っていました。
登場した二つの崩玉ですが、藍染惣右介が自分の崩玉に浦原喜助の崩玉を与えていたので、最終的に崩玉は藍染の持つ一つだけとなっています。
浦原喜助がどのようにして崩玉を生み出したのかなど謎の多い崩玉ですが、尸魂界の歴史に刻まれる重要なキーワードの一つである事に違いはありません。