護廷十三隊一番隊隊長であり総隊長も務めた山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)。
今回はそんな作中屈指の強キャラである山本元柳斎重國の、
- 山本元柳斎重國が死亡したのは原作何巻?
- 山本元柳斎重國の最後の戦いと消滅
- 山本元柳斎重國はなぜ負けた?
- 山本元柳斎重國が特記戦力を外された理由
など、山本元柳斎重國の強さや卍解、死亡した経緯について紹介していきたいと思います。
山本元柳斎重國が死亡したのは原作何巻?
山本元柳斎重國の死亡が描かれたのは単行本58巻511話「立ちて死すべし」です。
偽物のユーハバッハ戦後に現れた本物のユーハバッハにより、左肩から斜めに体を斬られて両断されてしまうものの、上半身だけになりながらもユーハバッハの足を掴み抵抗を見せる元柳斎でしたが、ユーハバッハの攻撃により跡形もなく消滅させられるという悲惨な最期を迎えました。
山本元柳斎重國と偽ユーハバッハの戦い
単行本57巻505話「The Fire」では、雀部長次郎を殺害し卍解を奪掠したドリスコールを滅却した足でユーハバッハの許へ向かい、1000年ぶりに再会したユーハバッハとの戦闘が始まりました。
元柳斎は奇襲してきた星十字騎士団(エス・ノト、ナナナ、バズビー)を流刃若火の業火で瞬殺すると、ユーハバッハの左手に斬撃を加え、ユーハバッハの血肉も剣も魂も髄から粉々に打ち砕く為に敢えてユーハバッハが剣を抜くまで待ち、そして、卍解「残火の太刀」を解禁します。
卍解と同時に炎が消えた残火の太刀、しかし、ユーハバッハは「残火の太刀」が炎の全てを一刀に封じ込め、一度振るったが最後、斬るもの全てを爆炎で灼き尽くす業火の剣である事を1000年前に見ている為、警戒を怠りません。
ですが、この1000年で元柳斎の残火の太刀は、東西南北をモチーフとした「東・旭日刃」、「西・残日獄衣」、「南・火火十万億死大葬陣」、「北・天地灰尽」と様々な技を会得しており、過去の記憶に無い元柳斎の新たな技の猛襲を受けたユーハバッハは劣勢になるのです。
そして、元柳斎は火火十万億死大葬陣で過去に斬ったユーハバッハの部下達の亡骸を戦場に呼び戻し、ユーハバッハが部下の亡骸を破壊しなければ元柳斎の許へたどり着けないよう防波堤に使うといった悪辣な手段を取ると「それら全てお主が殺した死神達の憎さ苦しさには足りぬと知れ!」と憤怒を露にして、天地灰尽の一閃でユーハバッハの胴体を抉り取るのでした。
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しかし、ユーハバッハは仰向けに倒れると力及ばず申し訳ないと詫びるかのように「ユーハバッハ様……」と主君の名前を口ずさみ、元柳斎は今し方倒したユーハバッハが本物のユーハバッハではない事に気付くのです。
ユーハバッハに真っ二つに斬られて絶命した山本元柳斎重國
単行本58巻511話「立ちて死すべし」冒頭にて、元柳斎が今まで戦っていた人物が相手の姿形意外に記憶と精神の全てを真似る能力「貴方自身(ジ・ユアセルフ)」を持つ星十字騎士団の一人ロイド・ロイドだと判明します。
そして、沖牙三席が守護していた筈の一番隊舎が破壊されると同時に、本物のユーハバッハが登場し役目を終えたロイド・ロイドを処分すると、元柳斎に一番隊舎地下にある真央地下大監獄「無間」に幽閉された藍染惣右介に会ってきた旨を話した後、偽物との戦いで力を使い果たしたかと元柳斎を挑発しました。
元柳斎はすぐさまもう一度卍解を発動させようとしますが、次瞬、ユーハバッハはメダリオンで元柳斎の卍解を奪掠すると、続けて奪掠した卍解で「お前の部下の亡骸を叩き起こす事もできるぞ、山本元柳斎」と雀部と元柳斎の成り立ちを知っているかのように煽ります。
しかし、元柳斎が「貴様!」と凄んだ所でユーハバッハは上空に展開した大聖弓から地上に放った光の剣「滅却聖矢」を掴むと、「さらばだ、山本重國」と一言添えてユーハバッハは元柳斎の体を真っ二つに斬り捨てるのでした。
元柳斎が斬られた瞬間、遠くにいた京楽春水と浮竹十四郎は異変に気付き、京楽は「山じい!!」と声を上げていましたが、他の隊長が元柳斎が斬られた事に気付いた描写は描かれていません。
山本元柳斎重國の消滅
ユーハバッハに体を両断された山本元柳斎重國は、上半身だけになろうとも刀を握った手で立ち去るユーハバッハの外套の裾を掴んでいます。
この時、既に息絶えていたのか、僅かに意識があったのかは分かりかねますが、ユーハバッハは掴んだ元柳斎の腕を斬り捨て、うつ伏せで死した元柳斎の頭部を踏みつけ、1000年前に護廷十三隊を率いていた頃より元柳斎は弱くなってしまったと語った後、ユーハバッハは元柳斎の遺体を跡形もなく消し去りました。
同刻、他の隊長達も山本元柳斎重國の霊圧が消失した事を感知し、元柳斎が死亡した事実を知ります。
深い悲しみに暮れる隊長達
単行本58巻515話「relice」では、黒崎一護のお陰でユーハバッハを始めとした見えざる帝国が撤退した事により、瀞霊廷に一時的な平穏がやってきます。
一番隊舎では生き残った隊長達が集結し、その中央には遺品として焼け残った元柳斎の斬魄刀の欠片が置かれていますが、山本元柳斎重國の遺体は発見されず、遺体は全てユーハバッハの手で消滅させられていたと浮竹十四郎が報告していました。
元柳斎の戦死に隊長の誰もが悲しみに暮れ歯噛みし沈黙となり、時には苛立ちから隊長同士で言い合いに発展してしまいますが、京楽春水が手拍子を取り言い合いの仲裁をすると、全員元柳斎から拳骨される流れだと前置きした後に「遺品を前に泣いたり怒ったり情けなくて震えが来る」と元柳斎の気持ちを代弁します。
そして、護廷十三隊は死人を悼んだり壊れた尸魂界を思って泣く為にあらず、尸魂界を護る為にあると士気を高めるのでした。
山本元柳斎重國が他の隊長達に慕われていた事が分かるシーンですね。
山本元柳斎重國はなぜ負けた?
山本元柳斎重國は1000年前の死神と滅却師の戦争で勝利しましたが、千年血戦では一度勝てた筈のユーハバッハになぜ負けてしまったのでしょうか。
恐らく、主な原因は
- 卍解を奪われたこと
- 特記戦力から外された理由
以上の二つにある筈です。
山本元柳斎重國の卍解が奪われる
「お主らは卍解の力を知り、それを解明する事で卍解を奪っておる。(中略)底の知れぬものは奪えぬ。単純な道理」
偽ユーハバッハ戦で元柳斎は星十字騎士団が卍解を奪掠する基準として、以上の様な推測を立てており、元柳斎の予想通り偽ユーハバッハは元柳斎の卍解を戦闘中に奪う素振りも見せず討ち倒す事が出来ました。
しかし、厳密にはこの偽ユーハバッハは能力で姿を変えた星十字騎士団ロイド・ロイドであり、後に現れた本物のユーハバッハが「お前の卍解が奪えぬ訳では無い。だが、強大なお前の力は私以外に御し切れまい。故にロイドには私が戻るまで手を出すなと命じてあった」と説明し、実際に元柳斎からいとも簡単に卍解を奪掠しています。
したがって、自分の卍解は奪われる事はないという山本元柳斎重國の読みが外れた事が負けた理由の一つでしょう。
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山本元柳斎重國が特記戦力から外された理由
ユーハバッハは五人の死神を特記戦力と名付けてその未知数な能力を警戒していましたが、元柳斎を殺害した後で山本元柳斎重國がどうして特記戦力から外したのかを説明しています。
1000年前の山本重國は創立した護廷十三隊を率いた護廷とは名ばかりの殺伐とした殺し屋集団のようでユーハバッハも恐るべき集団だったと評価しており、それを束ねる山本重國は正に剣の鬼でした。
敵を討つに利するものは全て利用し、人はもとより部下の命すら灰ほどの重みも感じぬ男だったとユーハバッハは語っています。
しかし、山本重國という男は滅却師を殲滅してからというもの安からな世を手に入れ護るべきものを増やし慈しみつまらぬ正義や誇りの為に二の足を踏む惰弱の一群に成り下がりました。
その惰弱ぶりを表す様に、元柳斎は藍染惣右介との戦いの最中にも人間の黒崎一護を巻き込む事を案じ、失った左腕を井上織姫に命じて治さなかったとされており、人間を利用しなくなかった結果、尸魂界と現世をその背に負ってユーハバッハの前に立ち敗れたのです。
つまり、1000年前の山本重國という男は戦いに於いて非情な剣の鬼であったものの、滅却師を殲滅して以降の山本元柳斎重國という男は正義や誇りに二の足を踏む様に成り下がってしまった為、ユーハバッハは元柳斎に対して「半端者」や「弱くなった」と言い切りました。
山本元柳斎重國は千年前ユーハバッハにどうやって勝ったの?
山本元柳斎重國が負けた理由は卍解を奪掠された挙句、特記戦力から外される程に惰弱に成り下がり精神的に弱くなった事が理由だと思われます。
しかし、仮に1000年前の全盛期の元柳斎が戦っていたとしても、本編の全知全能を取り戻したユーハバッハに勝てる要素が無い様に思えてなりません。
先ず、大前提としてユーハバッハは「眼を閉じた」状態で最古の死神である兵主部一兵衛とそこそこいい戦いをしている上に、全知全能を取り戻した後は瞬殺しています。
兵主部一兵衛と山本元柳斎重國とでどちらが強いかと言えば、やはり100万年以上前から生きている兵主部の方が強いと思われますが、元柳斎は1000年前のユーハバッハを倒しているのも事実です。
問題は元柳斎が一人で追い詰めたのか、はたまた零番隊と協力して追い詰めたのかになりますが、その辺りの背景は判明していないので分かりません。
若しくは、1000年前のユーハバッハが全知全能を取り戻した千年血戦篇のユーハバッハより断然弱かった可能性がある他、火火十万億死大葬陣で嘗ての部下の亡骸を見た際にロイドが真似たユーハバッハが酷く動揺している描写があるので、元柳斎とは対照的に過去のユーハバッハは現在の元柳斎の様に正義や誇りの為に二の足を踏む惰弱な精神面が存在していたのではないでしょうか。
その証拠に元柳斎は過去のユーハバッハを真似たロイドに「どうやらお主にも人の心が残っておったか」と発言しています。
1000年前のユーハバッハは精神面が育ち切っていなかった、及び「自分の魂を他者に分け与え、分け与えた者が死ねば分け与えた魂が自分に還り死した者の能力などを引き継ぎパワーアップする」といった特性上、過去のユーハバッハより復活したユーハバッハの方が強力な星十字騎士団や破面を従えた分、彼等が戦死する事で断然強くなっていたのかもしれませんね。
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山本元柳斎重國が無能と呼ばれる理由
作中屈指の最強キャラである山本元柳斎重國ですが、数多くの失態をおかしている事から、よく読者に「無能」と揶揄われています。
戦闘能力は間違いなく最強格ですが、少し浅慮な部分が目立つ元柳斎のこれまでの失態を見ていきましょう。
藍染の計略に気付かず隊長格と戦う山本元柳斎重國
尸魂界9巻~21巻に収録された尸魂界篇では、藍染惣右介の計略により朽木ルキアの処刑が確定し、山本元柳斎重國はルキアの処刑を妨害した京楽春水と浮竹十四郎の愛弟子2人と対峙しています。
しかし、事のあらましと四十六室の人間が惨殺されていた事実を天挺空羅で知ると刀を収め、すぐに藍染惣右介と裏切り者の捕縛へ動きました。
護廷十三隊より立場が上で貴族が取り仕切り中央四十六室の命令を遂行するのは一組織の総隊長として間違った判断ではありませんが、流石に不自然な流れで性急に処刑へと流れる動きに違和感を覚えず素直に従うのは死神の長としては浅慮です。
また、愛弟子2人の言葉にもう少し耳を傾けるべきである他、110年前時点で平子真子が藍染の危険性を見抜いていたのに対し元柳斎は何も警戒していなかったのでしょうか。
「もうよい」と隊首会を打ち切る山本元柳斎重國
単行本55巻千年血戦篇での一幕、隊首会で阿近が賊軍侵入案件についての顛末報告全文を伝えた後、涅マユリが賊軍の正体が滅却師であると特定し、滅却師達が遮魂膜を通過する方法と雀部長次郎の遺言により卍解を封じる若しくは無力化する手段を持っている事などの情報共有を行いました。
しかし、元柳斎は涅マユリの言葉を「もうよい」と遮り、滅却師の根城の在り処をマユリに訊ねるのです。
雀部長次郎が死亡した事や隊士の多くが犠牲になり逸る気持ちがあったのだと思われますが、情報共有を打ち切ってしまっているので無能と思われてしまうのかもしれません。
涅マユリに対して責任を追及するも反論される山本元柳斎重國
千年血戦篇序章では三つの事件が発生し混乱を招いていました。
- 賊軍の侵入
- 虚の大量消失
- 流魂街の民衆失踪
しかし、これらの事件は全て一つに繋がっていると思われていましたが、見えざる帝国によるものは「①賊軍の侵入」と「②虚の大量消失」の二つであり、「③流魂街の民衆失踪」はそれとは異なる事情で行われました。
「③流魂街の民衆失踪」は、虚の大量消失のバランスを保つ為、涅マユリが魂魄均衡矯正の為に許可を取らずに無断で行っていたというのが流魂街の民衆失踪の真実と判明します。
その件について、山本元柳斎重國は緊切の事態なれば許可も下りたと注意し、且つ「お主ら技術開発局の報告と対処が迅速なれば…此度の事態も未然に防げたかも知れぬ」と発言しました。
それに対してマユリは旅禍として石田雨竜が瀞霊廷に侵入した時点で既に今回の事態を予見し進言していたと反論し、それを杞憂と聞き捨てたのが元柳斎であると判明します。
加えて、此度の事態を招いた元凶の全ては1000年前に元柳斎がユーハバッハを殺し切れなかったせいだとぐうの音も出ない正論を吐かれるのです。
いくら滅却師殲滅後に正義や誇りの為に二の足を踏む惰弱の一群に成り下がったとしても、石田雨竜が瀞霊廷に侵入した時点でマユリが今回の件を予見し進言した段階で何も対処しなかったのは無能と言われても仕方がないでしょう。
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山本元柳斎重國が死亡や負けた理由についてのまとめ
- 山本元柳斎重國は単行本57巻でユーハバッハ(=ロイド・ロイド)と対峙し卍解を使い勝利
- 山本元柳斎重國は単行本58巻で本物のユーハバッハに卍解を奪掠され死亡
- 山本元柳斎重國が負けた理由は、滅却師を殲滅後に正義や誇りに二の足を踏む惰弱な一群に成り下がった他、卍解を奪掠されたから
- 山本元柳斎重國が無能と言われる理由は、藍染の計略に気付かない他、マユリの進言に耳を貸さなかったから
山本元柳斎重國は、単行本58巻にてユーハバッハに卍解を奪われ、更に身体を真っ二つにされて、なすすべなく敗れ去り死亡しました。
最後まで総隊長として尸魂界を守るべく戦い続けた山本元柳斎重國の姿を、2022年10月に放送開始されるアニメ千年血戦篇にて、見られると思うので楽しみに待ちましょう。