虚圏突入篇から登場した破面の幼女ネルは、一護に助けられてからは一護に懐く姿やギャグ要員として本編を賑わせていました。
しかし、ネルの姿はとある事情で幼児化したもので、真の姿は別に存在するのです。
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以上、ネルの背景について紹介したいと思います。
ネル・トゥの正体とプロフィール
【名前】 | ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク/ネル・トゥ |
【身長】 | 176cm |
【体重】 | 63kg |
【誕生日】 | 4月24日 |
【所属】 | 元第3十刃、破面 |
【帰刃】 | 羚騎士 |
【初登場】 | 原作28巻 |
【声優】 | 金田朋子 |
ネルの正体は元第3十刃ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクであり、原作33巻289話で判明しました。
元の姿は幼女姿から想像もできない豊満な美女で帰刃すると羚羊に似た半身半獣のケンタウロスを彷彿とさせる姿になります。
作中では一護がノイトラにやられそうになった際に一度だけ元の姿に戻る事が出来、過去の記憶を全て取り戻しました。
尚、元に戻った当初はお淑やかな大人の女性の様に敬語で話していましたが、いつの間にか崩した言葉遣いとネルの様に無邪気な性格に変わっており、一護に再会する度に抱き着いています。
ネルとノイトラの因縁
- 原作33巻294話
かつてネリエルが第3十刃だった頃、ノイトラは戦場でメスがオスの上に立っているのが気に喰わないという理由で何度も決闘を申し込んではネリエルに敗北しました。
ネリエルがノイトラに止めを刺さない理由は、破面は人から虚そして破面に戻り理性を取り戻した存在で理性を持つ者は戦いに理由が必要だと考えていた事から、本能で戦うノイトラを戦士と認めず戦士でもない者の命を背負う気が無いと語っています。
しかし、ある日ノイトラはザエルアポロと結託しネリエルの従属官ドンドチャッカとペッシェの仮面を無理矢理剥がすと、それを見て狼狽えているネリエルの仮面を叩き割り額に傷をつけ、従属官と共に虚夜宮の外へ蹴り落とすのでした。
仮面ごと頭を割られたネリエルは急速に体が幼児化すると目覚めた時には記憶を失っており、ドンドチャッカとペッシェはその状態のネリエルをノイトラやザエルアポロの脅威から命を賭して彼女の側で守り続けると誓ったのです。
ただ、ネリエルが幼児化するのを見届けたノイトラはこれで二度と剣を交える事が無くなったという一点に於いては残念だと零しています。
十刃最強を自称する第5十刃ノイトラ・ジルガは、自分の力に絶対的な自信を持った戦闘狂でしたが、過去には元第3十刃のネリエルと考え方の違いから衝突しました。 そこで今回は、 ノイトラはネリエルの事が好きなのか? ノイトラと[…]
ネルの仲間
ネルは、自称兄の破面ペッシェとドンドチャッカ、ペットのバワバワの四人組で行動をしています。
趣味はネル以外が鬼役を担う「無限追跡ごっこ」ですが、その迫力は幼女が悪質な破面に襲われているように第三者から見える為、一護達と初めて出会った当初ペッシュ達は敵と見間違われました。
尚、ネルはドMを公言しており、ちょっと泣くぐらい追っかけてもらわないと楽しくないそうです。
そして、ペッシェとドンドチャッカの正体はネルが第3十刃だった頃の従属官であり、幼児化して記憶を無くしたネルの為に常に近くで守っていると判明しています。
破面の少女・ネルの自称兄として登場したドンドチャッカとペッシュですが、彼等はネルとペットのバワバワと揃えば忽ちギャグ要員としてBLEACHで高い人気を誇っています。 そこで今回は、 ドンドチャッカとペッシュの元の姿とその後 […]
ネルと一護の関係
- 原作28巻245話
ネルと一護の出会いは原作28巻245話で、ネルがペッシュ達と無限追跡ごっこで遊んでいた所、あまりに迫真な鬼役のペッシュ達を敵と認識した一護達は全員でペッシュ達を討伐しようとボコボコにするのですが、ネルが仲裁に入った事で誤解が解けたのです。
そして、一護達の道案内をする間に楽しいと思ったネルはまだ一緒に居たいとペッシュ達に主張し、虚夜宮に侵入した一護達の後を追いかけました。
ドルドーニ戦では一護を庇いドルドーニの放った虚閃を重奏虚閃で跳ね返したり、僅かな治癒効果を持つ涎で一護の傷を治したりと、虚圏突入篇では一護のパートナーとして活躍する中、戦いの中で一護に護られる事でより一護に懐くのです。
ノイトラに正体を明かされた時は記憶の無いネルが「信じてほしいっス、一護」と投げ掛けると、一護が二つ返事でネルを信じた事で絶対的な信頼を寄せました。
ネリエルの姿に戻ると、これまで命がけで護ってくれた一護の為に敵と戦う姿勢を見せており、虚圏篇以降も現世に帰った一護の事を考えています。
一護を見かけるとネルの姿では「超加速」で飛び掛かるタックルを仕掛け、ネリエルの姿では熱いハグを求めるのが印象的です。
ネルの強さ
ネルの姿では戦闘能力は殆ど無いに等しいですが、虚閃等の攻撃を飲み込み撃ち返す「重奏虚閃」と「治癒効果のある涎」の二つを有しており、一護の後方支援を務める事が出来る程度には戦えます。
一転、ネリエルの姿であれば、元第3十刃の数字を背負っている通り、ノイトラの鋼皮を易々斬り裂く力・背後を取る響転・虚閃を片手で受け止める頑丈さを持ち合わせている他、帰刃すると一撃でノイトラに膝を付かせる威力の「翠の射槍」を放つ等、終始ノイトラを圧倒しました。
記憶を取り戻した当時はネリエルの姿を維持する時間が極端に短くすぐにネルに戻ってしまう為、ネリエルの実力は時間制限ありきのものでしたが、千年血戦篇で浦原にいつでも元の姿に戻れる腕輪を作ってもらったので第3十刃の実力は健在です。
作中では帰刃したノイトラとの対決は見送りされましたが、恐らく万全状態のネリエルの方が強いと思われます。
また、当時のノイトラとギリギリの勝負をした剣八や、ノイトラの鋼皮を斬れなかった一護よりは各段に強いと予想できる他、千年血戦篇後の剣八からも獲物として高い評価を得ている為、隊長格と同格かそれ以上の強さは秘めていそうですね。
ネルの孔は?
残念ながらネリエルの孔の位置は判明していません。
しかし、ネルがネリエルの姿に戻ったシーンやゲームアプリ「BLEACH Brave Souls」の水着姿を見る限りでは、体の何処にも孔が無い事が分かります。
したがって、ネリエルの孔の位置は必然的に人に見せられない位置であるところまでは予測できますが、果たしてどの部分にあるのかは想像力を働かせる他ないでしょう。
ネル・トゥのその後と再登場
ネルは原作35巻312話の終わりにノイトラが剣八に敗北して死ぬ瞬間を薄れる意識の中で見届けていますが、ネリエルの姿が解けてネルの姿で瓦礫に凭れかかっている描写が最後となり破面篇のエピローグにも登場していません。
その為、ネルがどうなったのか本編では分からなかったのですが、小説「BLEACH Spirits Are Forever With You」にて破面篇直後の様子が語られています。
藍染が虚圏を去った後、再び目覚めたネルは織姫達から一護が藍染を追いかけて一足先に現世に帰ったと聞かされておりネルは別れの挨拶が出来ずに悲しんでいました。
そして、藍染が去った事で自由の身となった子供の破面ピカロ達に無限追跡ごっこさながら追いかけられて窮地に陥っている所をロカに助けられて一命を取り留めています。
尚、ロカは姿を見せずすぐに立ち去ってしまったのでネルは恩人の正体を知りませんでしたが、小説の最後では虚圏に戻ってきたロカを藍染やバラガンが居なくなった虚圏を統括するハリベルに迎え入れて共に暮らす様になりました。
以上が千年血戦篇までを繋ぐネルの詳細になります。
ネルの再登場と千年血戦篇の活躍
- 原作55巻485話、原作69巻625話、原作73巻666話など
ネルの再登場は千年血戦篇の序盤原作55巻485話で、破面を麾下に加える為にユーハバッハから虚圏を統括する全権を与えられた狩猟部隊隊長キルゲに支配された虚圏から抜け出した後、現世の一護に許へ助けを求めにやってきます。
一護がキルゲを撃退し尸魂界へ向かった後は、復活したキルゲの攻撃から織姫に抱き抱えられる様に護られており、後にやってきたグリムジョーがキルゲを倒した事で命を救われました。
その後は、浦原とグリムジョーの間で契約が結ばれると、対滅却師との戦いに向けた戦力として協力する事になり、浦原が発明した腕輪でいつでもネリエルの姿に戻れる様になったネリエルは原作69巻625話で再び登場し再会した一護に抱き着いています。
尚、織姫が闇落ちしたような眼差しでその光景を見ていました。
千年血戦篇での戦闘描写は無かったものの、作中では一護に好戦的なグリムジョーを抑える緩衝材を担う他、ナックルヴァール戦では最後の救出役を務め霊子中毒に陥った浦原達を救出しています。
ネルの小説の活躍
ネリエルの出番はナックルヴァール戦以降無く、原作の最終回にも登場しませんでしたが、千年血戦篇直後及び半年後を描く小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」でネリエルの原作のその後が描かれています。
ユーハバッハ討伐後はグリムジョーと共に銀架城に囚われたハリベルを救出し、霊王宮で霊王の姿を知り尸魂界の闇を知りましたが、霊王護神大戦で多くの死者が出た事で今ネリエル達程の破面を殺すと三界のバランスが崩れるという理由で兵主部から見逃され虚圏へ帰還しました。
しかし約半年後、滅却師の残党であるリルトットとジゼルが同胞解放を名目に虚圏を荒らしにくると、従属官たちでは相手にならないと判断しネリエルやハリベルにグリムジョーが戦線に立つのですが、産絹彦禰の介入により波乱の幕開けとなるのです。
一騒動起きた後、彦禰を追いかけて尸魂界へ向かったグリムジョーをハリベルと共に追いかけると、流魂街で死神・滅却師・完現術者・破面を巻き込んだ乱戦が勃発し、更に再び彦禰が戦闘に横槍を入れると彦禰が解放した斬魄刀「已己巳己巴」に対抗する為にネリエルもまた戦線に立つ事になりました。
彦禰が撤退した後、京楽から綱彌代時灘の謀略を聞かされたネリエル達は三界が巻き込まれている現状を知り、京楽達と共闘する事を選ぶと、時灘の潜む叫谷へと向かいます。
叫谷では完全解放された斬魄刀「已己巳己巴」と戦っており、ハリベルやグリムジョーと共に帰刃し、その際には更木剣八に品定めされる様に見られていました。
叫谷での時灘討伐後は、時灘が墜落させた空中楼閣を命を賭して防いだ道羽根アウラの魂魄を黒腔で回収しており、アウラが目覚めた際には彼女が死亡した事を言い辛そうに伝えた後、ロカにアウラの魂魄を治療してもらった事を伝え、今後の事を訊ねます。
成仏したいならば一護を紹介すると言うネリエルでしたが、アウラが魂葬される資格が無いと拒否し更に目的も無いとポツポツと語った所、ネリエルは困惑するアウラを見てお腹がすいているのだと勘違いしてご飯の支度をドットチャッカに頼むのです。
そして、料理を美味しいと零すアウラを見て、ネリエルは自分はご飯が好きでいつか現世に居る一護達にもこの料理を食べてもらいたいと夢を語り、目的が無いのならば料理を作るのを手伝ってくれないかとアウラに頼みました。
こうしてネリエルは、ペッシュやドントチャッカの従属官に加え、虚圏を統括するハリベルやグリムジョー、ロカやピカロ、そしてアウラを加えたメンバーと共に虚圏で平穏に暮らしています。
相変わらず一護の話題には敏感
- 小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」3巻十九章より
時灘は今の三界には敬意が足りないと称した際、現世の連中が数え切れぬ夜を越え暁の光を浴びる事が出来たのは誰のお陰か、先の霊王護神大戦についても一護の功績を知るのは一握りで現世の人間は世界が崩壊しかかっていた事も知らない、こんな事が許されていいのかと問い掛けました。
それに乗じてネリエルは一護の事を知りもしないのに一護の事を語るなと意見し、一護がそんな事を気にする人間ではないと主張するのです。
そんなネリエルに時灘は一護本人が気にしなければ済む問題なのかと問い、これからも現世の人間が生かされているという恩恵を知らぬまま些細な苦境を前に堕落した日々を生き続ける事が正しいのかと詰め寄ります。
しかしネリエルはその考え方は時灘の自由だと踏まえた上で「その自分勝手な理屈を語るのに一護を利用しないで」と真っ向から発言しました。
尚、このやり取りを傍目から見ていたリルトットからは一護の彼女的存在かと勘繰られていましたが、グリムジョーに否定されています。
ネル・トゥの正体とその後や再登場についてのまとめ
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BLEACHでは珍しい幼女キャラのネルは虚圏突入篇から一護のサポート要員として地味に活躍していましたが、その正体が元第3十刃のネリエルであると発覚すると、特にその豊満な胸と際どい衣装に男性読者は魅了されたものです。
一護に対する感情は純粋な好き=likeなのかは掴み切れませんが、破面には珍しい人間に好意的な存在でした。
浦原のお陰で子供と大人の姿を好きに行き来できるようになりましたが、気軽に現世との往来はできないのか、小説でも一護とのその後のやりとりは明かされていません。
しかし、ネリエルの夢がいつか自分の料理を一護達にも食べてもらう為だと語っていた事から、最終回が描かれた10年後に繋がるスピンオフの中で一護達と再会できる事を願うばかりです。