第5十刃でありながら十刃最強を自称するノイトラ・ジルガ。
自分の力に絶対的な自信を持っているノイトラは、登場時から茶渡泰虎を一瞬で倒すなどの実力を披露しています。
そんな彼は元十刃であるネリエルと考え方が百八十度違っており、衝突を繰り返していました。
そこで今回は、
- ノイトラはネリエルに憧れていたのか
- ノイトラ対ネリエル
について紹介していきたいと思います。
ノイトラはネリエルに憧れていたのか
ノイトラとネリエルの関係は複雑なものとなっています。
ノイトラは、ネリエルが第3十刃の時から戦場でメスがオスの上に立つことが気に喰わないという理由で度々決闘を仕掛けていました。
しかし、決闘の度にノイトラはネリエルに完敗してしまっています。
ノイトラは敗けたこと以上に、決闘をしているのにも関わらずネリエルが自分に止めを刺さないことに苛立ちを隠せていませんでした。
ネリエルが止めを刺さない理由は、人間から虚(獣)になり破面となって再び理性を取り戻したからには戦いに理由が必要であるという理念があったからです。
ネリエルのこの考えは、戦いの中で死ぬ事を求めるノイトラとは正反対となっていました。
そのため、ネリエルはノイトラを獣と評し、戦士ではないノイトラの命を背負う気はないと述べています。
そのネリエルの姿勢や考えがノイトラを苛立たせる要因でもありました。
ネリエルを忌み嫌っていたノイトラですが、その異常なまでのネリエルへの執着は一種の憧れのようなものだったかもしれません。
帰刃状態のノイトラの顔には、ネリエルの仮面紋(エスティグマ)と似たようなものが描かれていたので、ノイトラが無意識の内にネリエルに憧れていた事が分かります。
ネリエルの仮面を割ったノイトラのクズさ
引用元:BLEACH
ノイトラはネリエルが第3十刃だった時にザエルアポロと手を結び彼女の仮面を割っています。
ノイトラがネリエルの仮面を割った理由は、自分とネリエルの力の差を少しでも埋めたかったからでした。
しかし、やり口が非常に悪質であり、相手の力を削ぐことで力の差を埋めようとしたノイトラの行動はクズと言われても仕方がないかもしれません。
- ネリエルの従属官であるペッシュとドントチャッカの仮面を無理やり全部剥がす
- 仮面を剥がされた二人をネリエルに見せることで動揺させる
- 動揺したネリエルの仮面を割り、虚夜宮から投げ捨てる
動揺したネリエルが相手だったとしても、二人の力の差からノイトラが彼女の仮面を割れる可能性は限りなくゼロでした。
では、どのようにしてノイトラはネリエルの仮面を割ったのでしょう。
そこで重要となったのがザエルアポロトが作り出した装置です。
ザエルアポロが作った装置とは、残像を相手に見せる事ができる代物となっており、従属官二人が襲われ激昂していたネリエルは目の前のノイトラが残像である事に気が付きませんでした。
つまり、力の差があるネリエルが相手でも、目の前に彼女の無防備な背中があればノイトラでも簡単に仮面を割る事ができるのでした。
ネリエルとの再戦を望んでいたノイトラ
引用元:BLEACH
虚夜宮からネリエル達を投げ捨てた際にノイトラは「てめぇがその傷を癒して虚夜宮に這い戻って来る前に俺はてめえを超えてやる」とネリエルを見下ろしながら心の中で呟いていました。
つまり、ネリエルが傷を癒している間に自分自身が力をつけ、彼女と再戦しようとしていたことが分かります。
しかし、虚夜宮から投げ捨てたネリエルが自身の目の前で子供になっていまい、彼女と再び刃を交えることが出来ない事を知ったノイトラは、少し寂しそうな表情を浮かべていました。
ノイトラ対ネリエル
引用元:BLEACH
ノイトラは、黒崎一護がピンチに陥ったことで本来の姿に戻ったネリエルと戦闘を開始します。
武器を弾かれるなどネリエルに圧倒されたノイトラは苦し紛れに虚閃を放つものの、ネリエルの吸収した虚閃に自身の虚閃を上乗せして放つ個有技「重奏虚閃(セロ・ドーブル)」の反撃を受けてしまいました。
しかし、過去にあった力の差も大分縮まっていたのか、肉体にダメージを受けているものの、ノイトラは立ち上がり再び戦闘を開始しようとします。
倒したと思い込んでいたネリエルもこの時は冷や汗をかくなど、多少の動揺はあったようでした。
ネリエルの羚騎士に圧倒されるノイトラ
引用元:BLEACH
ノイトラはネリエルと互角の戦いを繰り広げ、徐々に彼女を圧倒していきます。
しかし、ネリエルが帰刃状態になろうとするとノイトラは「く…そッ!」と焦った様子でそれを止めようとしました。
つまり、ネリエルの羚騎士(ガミューサ)はノイトラにとって脅威でしかなかったのです。
ネリエルが帰刃状態となると形成は逆転しました。
帰刃状態ではなかったものの、ネリエルの翠の射槍(ランサドール・ヴェルデ)によってノイトラは斬魄刀を折られ、肉体にダメージを受けてしまいます。
しかし、帰刃状態のネリエルの攻撃を受けても致命傷とならなかったのはノイトラの硬皮(イエロ)が優れていたからでした。
致命傷にならなかったにしても、帰刃状態ではないノイトラと帰刃状態のネリエルの力の差は歴然でした。
しかし、二人の戦いの結末はネリエルが子供状態(ネル)に戻ってしまう形で終了してしまいます。
ノイトラは死亡する間際にネリエルを見つめていた
帰刃状態となって更木剣八と戦闘を行ったノイトラですが、その最期は更木剣八に両手を使った一振りで致命傷を負わされ、膝から崩れ落ちてしまいました。
ノイトラは絶命する瞬間、ネリエルとの過去を走馬灯のように思い出してします。
そこではネリエルに情けをかけられた苛立ちやノイトラ自身が強さを追い求める理由などが描かれていました。
そして、ノイトラは息を引き取る瞬間、子供の姿となったネリエルに視線を向けています。
記憶がない状態である子供のネリエルが、薄らと目を開け「……ノイ…トラ…?」と呟き、それを見たノイトラは何とも言えない表情を浮かべ絶命してしまいました。
引用元:BLEACH
最期の瞬間、ノイトラが何を思っていたのかは分かりませんが、ノイトラの最期のシーンで涙を流した読者の方も多いのではないでしょうか。
ノイトラの基本情報
ここではノイトラの基本情報を紹介していきます。
ノイトラのプロフィール
- 名前:ノイトラ・ジルガ
- 性別:男性
- 誕生日:11月11日
- 身長:2m15㎝
- 体重:93㎏
- 階級:破面No.5(アランカル・クイント)/第5十刃(クイント・エスパーダ)
- 過去の階級:第8十刃(クワトロ・エスパーダ)
- 帰刃:聖哭螳蜋(サンタテレサ)
- 解号:祈れ
- 孔の位置:左目
- 司る死の形:絶望
- 従属官:テスラ・リンドクルツ
ノイトラの声優
アニメ版BLEACHでノイトラの声を担当したのは声優の神奈延年さんとなっています。
- 名前:神奈延年(かんなのぶとし)
- 性別:男性
- 誕生日:6月10日
- 職業:声優
- 出身地:東京都
- 所属:青二プロダクション
神奈延年さんはノイトラの声の他にも、
- 松田陣平(名探偵コナン)
- 薬師カブト(NARUTO-ナルト-)
などの声を担当した声優さんとなっています。
更木剣八との戦いで披露したノイトラの帰刃「聖哭螳蜋(サンタテレサ)」
引用元:BLEACH
ノイトラの帰刃が登場したのは更木剣八との戦いが描かれた単行本35巻でした。
帰刃の名は聖哭螳蜋(サンタテレサ)。
解号は「祈れ聖哭螳蜋」となっています。
更木剣八も思わず笑みを浮かべる程の霊圧を放つ帰刃となっており、頭部に三日月のような角が生え、孔のあった左目に牙のような仮面の名残りと外骨格に覆われた四本の腕を携えた見た目をしていました。
ちなみに、外骨格に覆われた腕の本数は最大で六本となっており、作中では更木剣八の腹部を貫くなど、攻撃手段としても腕を使用しています。
武器である斬魄刀は、解放前の特殊な形状の大鎌からオーソドックスな形の四本の大鎌に変化していました。
聖哭螳蜋に特殊な技は存在しておらず、四本の大鎌を駆使して相手と戦闘を行うので、ノイトラの強さがそのまま帰刃の強さとなっています。
ノイトラの技
ノイトラは帰刃前と帰刃状態の両方で個有の必殺技のような技を持っていません。
つまり、ノイトラは破面の基本能力である
- 虚閃(セロ)
- 硬皮(イエロ)
- 響転(ソニード)
を高水準で扱い、第5十刃まで上り詰めたことになります。
ノイトラは固有の技を持っていないと紹介しましたが、彼が持っていないのは必殺技のような攻撃系の技でした。
作中でノイトラは固有技を使用しています。
その技とは、地面に指を突き刺し自身の霊圧を流し対象の力量を見極める「捜指法(インディセ・ラダール)」でした。
作中でこの技を使用したシーンが描かれており、突如現れた更木剣八のオーラに寒気を感じたノイトラはこの技を使用しています。
そして、更木剣八の力を知り、攻撃を仕掛けようとしたテスラに「馬鹿野郎!逃げろテスラ!」と声を荒げていました。
ノイトラ・ジルガが弱いとされる裏設定
日本のことわざに蟷螂の斧というものがあります。
意味は「弱小ものが、自分の力量もわきまえず、強者に向かうこと」というものでした。
ここで重要なのはノイトラの帰刃名には字こそ違えど蟷螂という単語が入っていることです。
さらに、帰刃名の読みがサンタテレサ。
これは、スペイン語でカマキリという意味を持っていました。
つまりノイトラのモデルはカマキリという事になります。
作中でも描かれていたようにノイトラは、自身より力の勝るネリエルに無謀にも決闘を挑み続けていました。
以上のことから、蟷螂の斧ということわざがピッタリとノイトラに当てはまってしまうことになります。
単行本33巻に描かれたノイトラのオシャレなポエム
引用元:BLEACH
BLEACHは単行本毎にポエムのような文章が掲載されており、その文章は読者の楽しみの一つとなっていました。
単行本33巻の表紙を飾ったのはノイトラでしたので、掲載された文章はノイトラを表現していると考えられます。
「俺達は虫。不揮発性の悪意の下で這い回る蠕虫。首をもたげる月より高く。憐れなお前等が見えなくなるまで」
首をもたげるという言葉は通常、頭をもたげるというそうです。
- 隠れていたこと、押さえていたことが、考えや思いに浮かぶ
- 少しずつ勢力を得て現れてくる。台頭する。
という二つの意味を持っている言葉であり、首をもたげるという言葉が①の意味だとすると、司る死の形が絶望であるノイトラ自身が破面という存在に絶望していると捉えることができる文章となっています。
ノイトラの関係者
ここではノイトラの関係者を二名紹介していきます。
ノイトラの従属官・テスラ・リンドクルツ
引用元:BLEACH
ノイトラと従属官であるテスラの関係は、ネリエルが第3十刃だった頃から続いているものでした。
テスラは十刃ではなかったノイトラを心配する様に声を掛けていましたし、命令に背いてまでノイトラの身を案じるなど、上司と部下というよりも友人に近い感情をテスラは持っていたのかもしれません。
ノイトラも更木剣八に攻撃を仕掛けようとしたテスラに逃げるように促していたり、自分の気持ちを包み隠さず話しているシーンが描かれていたので、テスラに対して部下以上の感情を持っていたと思われます。
ザエルアポロ
黒崎一護達が井上織姫を救出するために虚園に侵入してくる前から、ノイトラとザエルアポロが会話をしているシーンや一緒にいるシーンは作中で描かれていませんでした。
これは、十刃同士の交流が少ないことが原因だと思われます。
そのため、二人は同じ十刃という関係以上のものはないと思われていました。
しかし、二人の関係はノイトラがネリエルの仮面を割った過去で明らかになっています。
好戦的で本能で動くノイトラと知的なザエルアポロ。
交わる事のないと思われる二人ですが、ネリエルを十刃から引きずり落とすという利害の一致から協力関係を結んでいた過去が明らかになっています。
ですが、本当に利害が一致して協力していただけだったようで、二人の会話からもそりが合わないことは明白でした。
偶然か必然なのかは分かりませんが、ネリエルの仮面を割った時のノイトラの階級は第8重刃となっており、これはザエルアポロの現在の階級となっています。
ノイトラはネリエルに憧れていたのか?二人の複雑な関係を紹介のまとめ
- 直接的な表現は描かれていないが、ネリエルへの執着からも無意識の内に憧れを抱いていた可能性が高い
- ネリエルの羚騎士に圧倒されるものの、ネリエルが子供に戻って戦いは終了した
戦いへの考え方の違いからネリエルと対立していたノイトラ。
それは、少しでも彼女の強さへ近づきたいという愚直なまでの強さへの執着からくるものでした。
手段を選ばず、戦いに情けをかけないノイトラが死の間際にネリエルを見つめたのは、彼女に自分の考えを認めて欲しかったからなのかもしれません。
好戦的で手段を選ばないキャラとして描かれたノイトラですが、その最期はどこか悲しさが残るものでしたね。
