BLEACHの代表的キャラクターでも阿散井恋次と朽木ルキアの両名は本編の最終回で見事結ばれることとなり、幸せな家庭を築いていました。
そこで、
- 阿散井恋次と朽木ルキアの馴れ初め
- 阿散井恋次と朽木ルキアの入籍から結婚式までの流れ
- 阿散井恋次と朽木ルキアの娘「阿散井苺花」について
以上、恋次とルキアについて深掘りしつつ、最終回で描かれた10年後に繋がる馴れ初めから結婚式についてを紹介していきたいと思います。
阿散井恋次と朽木ルキアの馴れ初めに纏わるエピソード
恋次とルキアの関係性が描かれたのは原作6巻尸魂界編突入からですが、当時はまだ恋次の一方的な片思いとして語られるだけで、肝心のルキアの恋次に対する好意が友情か家族愛かはたまた恋愛感情なのか判別しづらいものでした。
したがって、恋次目線で語られたルキアとの出会いが描かれた過去回想シーンを踏まえて、尸魂界編終盤から移り行く恋次の心情を見ていきましょう。
恋次とルキアの過去
- 原作11巻98話
南流魂街78地区「戌吊」出身の恋次は孤児のような仲間達と集い貧乏ながらも仲良く暮らしていましたが、ある日、戌吊でいつものように盗みを働ている最中に追いかけられていたのをルキアが助けた事で二人は出逢い、以降、ルキアは恋次や仲間達と衣食住を共にすることになりました。
しかし、戌吊は貧困層という側面から治安も悪く子供が暮らすには過酷な環境であったため、10年後にはルキア以外の仲間は全員死亡してしまい、残された二人は仲間の墓前で流魂街より住みやすいと聞く瀞霊廷での暮らしを夢見て死神になることを決意するのです。
元々才能のあった恋次とルキアはすぐに真央霊術院へ入ると貴族に引けを取らない能力で着実に評価を上げていくのですが、そんな折、ルキアの下に四大貴族の一角朽木家が面会に訪れると、ルキアを養子に迎え入れる手続きを始めます。
互いに葛藤を抱きながらもルキアが朽木家に養子に入った事で確執が生まれるのでした。
尸魂界篇から準レギュラーとなった阿散井恋次ですが、尸魂界篇で習得した卍解が実は半分の力だったと判明しています。 そこで今回は、 阿散井恋次の卍解「双王蛇尾丸」について 阿散井恋次の斬魄刀「蛇尾丸」につい[…]
恋次とルキアそして朽木白哉の三者間の確執
素養、家柄、霊圧、死神としての格など全てに於いて上の次元に立っている白哉を一見した恋次は、圧倒的な強者を前にただビビっていたと後に綴っており、ルキアに家族が出来る事を表向きの理由として喜ぶものの、その場しのぎの思いやりがルキアと疎遠になるきっかけとなったのを後悔していました。
また、同期との飲みの席でも朽木家の存在は絶大なもので、互いの為にルキアに余り近寄らないほうが良いという者、ルキアはもう恋次達とは違う世界に生きているという者もおり、恋次は再びルキアと同じ場所に戻るために朽木白哉より強くなるといった目標を掲げるも、一度解いた関係を結ぶ事の大変さを身に染みて味わう事になるのです。
そして、原作6巻にて死神能力譲渡により死刑宣告を受けたルキアを回収する役割となるのですが、四大貴族の朽木家息女がまさか死刑判決を受けるとは思ってもおらず、ルキアの死刑を撤回させるために白哉に抗議するも敢え無く失敗に終わり、その憤りを尸魂界へやってきた一護にぶつけるのでした。
しかし、尸魂界編終盤では一護と戦う事でルキアへの思いを再認識させられ、今一度白哉に挑む為に修行し卍解まで習得する気概を見せるものの、やはり白哉に恋次の牙が届く事はなく敗北しますが、尸魂界編終盤には一護の活躍により恋次はルキアを助ける事ができ、その際には白哉がルキアを朽木家の養子に迎え入れたのは亡き妻・緋真の遺志であると知り、恋次とルキアそして白哉の三者間の蟠りが解消されます。
漫画BLEACHの登場キャラクター「朽木白哉」は、千年血戦篇開幕で滅却師との激闘が描かれた末、まさかの敗北を受け死亡説が浮上しました。 そこで、今回は朽木白哉の死亡やシスコンに焦点をあてて、 朽木白哉の死亡説と話数 […]
黒崎一護は恋次とルキアの恩人
恋次にとって当初の一護はルキアを処刑に追いやった元凶であるため、尸魂界までルキアを助ける為に乗り込んできた一護に対しても「てめえがルキアの霊力を奪いやがったからルキアの罪が重くなったんだ」と思いの淵をぶつけていました。
その後、一護に敗北した恋次は過去に一度も白哉に勝てずに負け犬根性が染みついていたと情けない自分を戒め、相手がどれだけ強敵揃いだろうと立ち向かえる一護との戦いを通して、改めて白哉に立ち向かう気力を手にしたのです。
そして、一護と利害関係が一致したことでルキア奪還へ向け修行した恋次は卍解の習得を果たし白哉と戦闘になり敢え無く敗北するものの、一護が双極を破壊したおかげでルキアの処刑は阻止できたとともに、一護が駆けつけた恋次へとルキアを放り投げたことでしっかりと抱きかかえることができました。
尸魂界編以降は恋次とルキアの関係は改善できており、一護のためなら無条件で助けに馳せ参じるなど、作中では一護をサポートする心強い仲間として何度も登場し、千年血戦編の終盤で心が折れかけていた一護の隣に最後まで付き添い、
俺とルキアはすれ違えもしねえぐらい遠く離れちまってた
その距離を元に戻してくれたのはお前だ
お前が進めなくなった時は俺が背負ってでも進んでやるってな
今までもこれから先もお前が死ぬまでずっとだ
引用元:BLEACH 原作74巻682話
と感謝と激励を込めた言葉を贈ります。
BLEACHの作品内において、死神・虚・完現術・滅却師と全ての種の因子を持ち合わせる主人公である黒崎一護ですが、一護がどうして全ての因子を所有しているのか、また内在するに至ったのか、 黒崎一護の生い立ち 黒崎一護が保有する力[…]
阿散井恋次と朽木ルキアの結婚式までの流れ
本編終了間際の霊王護神大戦から3年後を描いた小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」にて、恋次とルキアの騒々しくも楽しい入籍から結婚式までの話が描かています。
大戦後に舞い込んだ結婚報告、尸魂界を巻き込んだ恋次とルキアの結婚までの物語を見ていきましょう。
恋次とルキアの入籍騒動
「ほ、本日は貴重なお時間を割いて頂き、誠に有難う御座います!」
「実はその、俺たち……」
「俺たち、結婚します‼」
引用元:BLEACH 小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」
六番区、四大貴族朽木家御用達の老舗が軒を連ねている通称「貴族街」と呼ばれる富裕区画にある料亭「花くれなゐ」に、松本乱菊、雛森桃、班目一角、綾瀬川弓親、吉良イヅル、檜佐木修兵、虎徹清音、山田花太郎、日番谷冬獅郎を集め、恋次とルキアは結婚を発表しました。
緊張の面持ちで発表した恋次とルキアは深々と一礼しますが、思いの外一同の反応は至って冷静を含んだ祝福の返しであり、その真相は大事な話があるという旨の恋次の一斉送信の連絡蘭にルキアの名前が入っていない時点で全員想定済みと語ります。
しかしながら、仲居に通された料亭「花くれなゐ」の一室は、床の間に長覆景福の掛軸、花器には白梅が生けられ金屏風には見事な松の柄、襖には満開の桜が入れ込んでおり、やりすぎなぐらいに目出度い小道具の数々に雛森が仲居にその理由を訊ねれば「さる御方のご指示で設えた」との返答に一同がわざつくのでした。
結婚発表の場を決める際、実はルキアが年若く気安い相手でもある侍女のちよに個室がある料理屋を予約してほしいと伝えていたのですが、「本日の御集りにぴったりのお店をご用意いたしますともっ!」と自信満々に返事をしたちよを信頼して一任した結果、白哉に伝わりこの高級料亭の一室を用意された事を仲居の一言で悟るのです。
今朝予約を入れたのにもかかわらずこの大盤振る舞いを受け、全員が白哉のイメージと合わない行動に思わず笑ってしまう中、恋次とルキアは申し訳ない気持ちであわあわしていましたが、寡黙な白哉の心中を思った一同は兄貴孝行だと思って受け入れるよう諭すのでした。
ただ、恋次とルキアは白哉に結婚報告をしに行った際に「そうか……わかった」のみだったので、今まで賛成も反対もない平時と変わらない態度からあまり祝福されていないと心配していたと綴りながらも、蓋を開ければ白哉はやりすぎなレベルで祝福してくれているとわかり安堵を浮かべるます。
恋次とルキアが結婚式を挙げる事になった経緯
料亭「花くれなゐ」で結婚発表をして数時間後、大戦後でまだ復旧しきれていない瀞霊廷の状況を踏まえ式は挙げずに籍だけ入れるという恋次のルキアの意向を聞かされた乱菊は、酒に酔った状態で「絶対に式は挙げなさいっ」と頑なに挙式を推すのです。
と言うのも、大戦後三年の月日が流れようとも復興に向けた明るいニュースは一部元通りになったというものばかりであるため、こんな時だからこそ式を挙げるべきだと高説し、ついでに式を挙げなければ白哉が怒ると推測するのでした。
乱菊に続き、「真の復興は此処から始まる―阿散井・朽木両副隊長御成婚特集」ウェディング満載の巻頭50頁を企む檜佐木、「副官同士の婚姻なんて滅多にねえんだ。盛大に祝ったところで誰も文句は言わねえさ」と述べる冬獅郎の後押しを受け、ルキアは恋次に式を挙げるよう決断を促し、恋次とルキアは骨の髄まで祝われようとやけくそながら楽し気に決心するのです。
恋次とルキアの入籍手続き完了まで
貴族の婚姻手続きは書類提出に追われることで苦労を被るのですが、貴族の中でも四大貴族が絡むとなると金印貴族会議へ当主自ら書面を提出するのが義務付けられており、加えて六つの届出を提出しなければなりません。
そのため、恋次とルキアは結婚させまいとする何者かの悪意すら感じると内心うんざりしていました。
半ば自棄になりながらも恋次が「ヨォーシやるぜ!長い道程の始まりだーッ!」と闘志をわかせて立ち上がるも、侍女のちよが「阿散井先生の次回作にご期待ください」と書かれた紙をバッと広げ、「朽木先生の次回作にご期待ください!」と書かれた裏面を見せます。
しかし、恋次は「俺たちの入籍はまだまだ終わらない…!」とルキアに告げるのでした。
尚、提出する窓口の受付時間の都合上、瞬歩を使っても二か所しか回れない事に恋次は絶句しています。
恋次とルキアの入籍までの道のり①「人別録管理局(七番区)」
人別録管理局に到着すると待ち時間の兼ね合いから到底数日では提出が叶わないと悟った恋次とルキアは、待ち時間の間に射場鉄左衛門と射場が面倒を見ている人狼族の少年うるいとショウマと遭遇します。
ルキアは人狼族のもふもふ具合に癒され釘付けとなっていましたが、うるいとショウマはルキアが所持していた飴の甘い匂いに釣られており、ルキアは飴巾着をプレゼントしました。
そして、他愛ない会話の後、恋次とルキアは射場に入籍の報告をし、射場は恋次の肩を叩いて「頑張れや、阿散井」と激励するのです。
その後、人別録管理局に婚姻届を提出します。
恋次とルキアの入籍までの道のり②「護廷隊士録管理局(四番区)」
隊士局までの道すがら虎徹勇音に遭遇し「結婚します」と報告した恋次とルキアは、人別録管理局での待ち時間がトラウマになっているのか「隊士局もすごく待つんですか?」と質問していました。
隊士局の手続きすぐ済むので空いていると勇音の言葉に恋次とルキアは安心して提出に向かうのです。
その後、護廷隊士録管理局に隊士婚姻届けを提出します。
恋次とルキアの入籍までの道のり③「高次霊位管理局(六番区)」
婚姻成立後は制度を利用して中央一番区に建つ邸宅へ移り住むため、六番区にやってきた恋次は自室に立ち寄るなり散乱する荷物をスピード重視で片づけ始め、呆れながらもルキアも手伝う事になりました。
片付けの最中、六番隊三席の「行木理吉」とその弟で空座町駐在任務中の十三番隊「行木竜之介」が二人の下へ訪れるなり、恋次とルキアは浦原喜助から預かったとされる化粧箱のような荷物を受け取ります。
恐る恐る開封してみれば白い煙がボゥンと噴きだし「ご結婚おめでとうございま~す」と浦原の音声が流れるのです。
しかし、浦原にはまだ伝えていない事から恋次とルキアは互いの顔を見合わせ首を横に振るのですが、予め録音されたはずの音声から恋次とルキアが「高次霊位管理局へ行こうとするも人別局でのトラウマから朝早く出かけたものの早く終わってしまって、次の役所が開くまでの時間で副官室の片付けをしようと六番隊舎に戻っているだろうと恋次と仲が良い理吉の弟竜之介に向かわせた」と一連の行動を予測されており、「ほとんど預言者じゃねえか」と恋次がツッコむのでした。
いつもの調子で浦原の会話が進み、恋次とルキアには色々と世話になったと伝えた後、ドラえもん風の声で「転移杭・ワープのすけ」と流れると、白い煙が晴れて転界結柱の技術を応用して作った同色四本で囲った二点間を瞬時に移動できるアイテム「転移杭・ワープのすけ」が露になります。
恋次とルキアが気楽に長距離を移動できるようにとプレゼントされた危険な香りがするアイテムですが、他の死神がバンバン使用している事実を知ったことからルキアもすぐに折れて使用を許可し、恋次は移動が楽になるとガッツポーズをとるのでした。
尚、浦原の音声は祝福の言葉で締めくくるのかと予想すれば、蓋を閉じないか限り自動的に繰り返し流れる仕様とのことで二週目に入った直後にルキアがすかさず蓋を閉じ、髪紐でガチガチに縛り上げます。
その後、高次霊位管理局へ高霊婚姻届けを提出しました。
恋次とルキアの入籍までの道のり④「貴族会議及び金印貴族会議(中央一番区)」
金印貴族会議へ向かう早朝、朽木家で朝餉を共にする恋次は淡々と寡黙に食する白哉とルキアに囲まれた食卓で、自分の咀嚼恩ばかり悪目立ちする状況に気恥ずかしさを覚えたことで耐え切れずに話題を振ります。
いつも食事はこの調子なのかと問えば、普段は別々にとっているようでルキアは勤務先の十三番隊舎まで遠いことから自室で食べて出かけていると話し、朽木家の食事のおいしさに感嘆するのでした。
喜んでいるルキアを見て「いつでも食べに戻るが良い」と白哉が咳払いをしながら述べると、ふざけた恋次が元気よく返事をするので白哉は「お前ではない」と憮然としますが、ルキアが御礼を述べると白哉は目を優しく細めて笑うので、初めて見た白哉の笑みに恋次が驚愕します。
食後、使用人清家の案内を受けた恋次とルキアは、白哉の命令で清家が用意した恋次の礼服を披露されるのですが、何でも結婚報告をした際にルキアは白哉から「彼奴は礼服を持っているのか」と訊ねられたそうで恐らく持っていないと答えた結果、目の前に用意された黒紋付羽織袴なのでした。
羽織の布地には六番隊の隊花でもある椿を象った白い紋が染め抜かれており、家門がない恋次には隊花が相応しいだろうと清家が提案したものだと聞かされますが、その際白哉は「紋など何でもいい」と一蹴したそうです。
しかし、恋次にはこの羽織袴もそうですが、全てがルキアの為に行った白哉の気難しい祝福なのだと理解していました。
白哉を伴い金印貴族会議の書状受付窓口に到着すると、役人は当主の白哉だけを連れて奥の部屋に入ったので、恋次とルキアは待合室で待つだけです。
ただ提出だけのやり取りらしくすぐに退室した白哉と役人は「阿散井恋次様、阿散井ルキア様、御成婚おめでとうございます」と恋次とルキアに向けてやんわりと笑みを浮かべながら祝福し、晴れて二人は婚姻受理証明書を受け取るのでした。
しかしながら、役人から「仕事上でも阿散井姓を名乗るのならばこの書類を提出」するよう護廷隊士登録名変更届と書かれた書面を提示されると、現実に戻ったルキアは会う人会う人に阿散井と呼ばれたら気恥ずかしさから精神が崩壊すると思い「朽木姓で活動するので結構です」と断るのですが、隣に居た恋次は不服そうに見るのでした。
そして、金印貴族会議でのやり取りを終えた道すがら、不意に歩みを止めた白哉は「これでお前達は夫婦になった」と背を向けたまま告げると恋次を名指しし、表情を引き締めた恋次に向け「ルキアを頼む」と一言伝えると恋次は深く頭を下げて「はい……!」と噛みしめるように答えるのです。
このやりとりを目にしたルキアは涙をこらえるように唇を噛み、恋次は「これからも命をかけてルキアを守る……」というような事を口走るのですが、突如として白哉の口から「午後の隊首会で成婚の発表が出来るよう取り計らっておいた」と告げられた事で心の準備が出来ていない二人は感動冷めやらぬ中で唖然と固まるのでした。
戸惑う二人が御託を並べるのに対し、白哉が「私の労を無駄にする……と言うのだな……?」と睥睨すれば、恋次とルキアはすかさず平謝りして提案を受け入れます。
恋次とルキアの入籍までの道のり⑤「隊首会へ報告」
死覇装に着替えて一番隊隊舎隊首会に訪れた恋次とルキアは、京楽の合図で隊長副隊長が集結する場に立ち結婚報告を行うのですが、案の定、全員が既に知っていたことで反応はまちまちですが薄いものでした。
瀞霊廷通信で結婚特集をやらせてほしいと頼み込む檜佐木や浦原が贈ったワープのすけに興味があるマユリの熱い視線を余所に、京楽の口から挙式について言及されたことで、恋次とルキアは白哉によって二週間後に結婚式が執り行われる事を始めて知らされるのです。
休みの調整は既に七緒がばっちり行っており、何も知らされていない二人の反応を対岸の火事のように隊首会一同は楽しむ中、流石に結婚式の日程は知らせてあげなよとの京楽の言葉に、白哉は四大貴族の婚姻が煩瑣な手続きの連続であると身をもって体験していることから「式の手筈を整えるのを無知な二人が出来るとは思えない」と反論します。
結局、白哉の言葉を「入籍するまで大変だったろうから面倒な式の準備はお兄さんに任せなさい」と要約した京楽は、式当日の終業時刻を二時間早めることを一同に伝え、ルキアには夕暮れ時の花嫁も綺麗だと目を細めて述べるのでした。
恋次とルキアの入籍までの道のり⑥「現世へ報告」
午後十時、空座町桜橋自然公園にやってきた恋次とルキアはベンチに座って時折通過する電車を物珍しそうに眺めていると、待ち合わせをしていた織姫が駆け寄ってくるのが見えました。
世間話をした後、要件を聞こうとする織姫ですが、二人の間に親密な空気を感じ取り「お付き合いを始めたのでは!?」と紅潮させて推察するも、当たらずとも遠からずな推察に恋次とルキアは盛大に笑い結婚を報告します。
二人の結婚を知らされた織姫は深呼吸して笑顔を浮かべると、驚きと嬉しさで感極まり涙を流しながら祝福を告げました。
ルキアは嬉しそうに織姫の涙を指で拭い感謝しており、恋次はルキアが誰かの世話を焼いている姿が新鮮だと思い眺めています。
それから入籍までの苦労話を語った後、織姫は一番報告を自分でいいのかと問いかけますが、ルキアが「一番の友人だと思っているからなっ」と織姫の数倍気恥ずかし気にもじもじと応えたので、恋次は自分が結婚を申し込んだ時より赤くなっていると野次を飛ばすのでした。
阿散井恋次と朽木ルキアの結婚式
六番区にある朽木家祭祀殿にて挙式は執り行われるようで、参門から祭祀殿へ延びる参道の両脇に多くの参列者が立ち並び、その中には礼服のスーツ姿をした一護や雨竜に茶渡そしてピンク色のワンピースを着た織姫も居ます。
尸魂界の住人が和装であることから現世組は洋装が周囲の視線を集めていることに若干緊張していましたが、瀞霊廷では余程家柄が良い人しか式を挙げないため入籍後も親しい間柄で祝宴を開いて終わりだと檜佐木から聞いた知識を雨竜がポツポツと話し、結局は家によって式の手順も決まりも違うためルールは存在しないと回りくどい言い方で緊張を解すのです。
参門脇に立つ巫女の合図で開門すると黒紋付羽織袴を着た新郎・恋次が登場し、恋次が門を踏み越えたと同時に雅楽隊の演奏が始まります。
祭主の老人の先導を受けた恋次が一歩一歩参道を進むと祭祀殿へ続く階段の手前で立ち止まり、続けて巫女が新婦の入場を合図すれば、門外に停められた輿の前に朱傘を差した灰青色の紋付羽織袴を纏った白哉が赴き、輿の前に朱傘を差し掛け、御簾が上がると中から純白の生地で仕立てられた白無垢姿のルキアが降りてくるのです。
ルキアが動くたびにウェディングベールが揺れて金の刺繍が夕陽を弾いてきらきらと輝くのを目にした一護は、ルキアがウェディングベールを着けてくれていると隣に並ぶ織姫に小声で伝えるのですが、織姫は式中にベールを着けてくれた事に感極まり号泣してしまうのでした。
朱傘をさした白哉と並び参道を歩くルキアを撮影するため、一護は号泣のあまり構えられないと織姫から受け取った一眼レフのカメラでズームするのですが、ルキアが僅かに微笑みを湛えている事に気づくとともに、相変わらず無表情な白哉を見据え「こんな時くらい笑えよなぁ」と苦笑します。
ルキアは一護達の前を通り過ぎる際、号泣する織姫を見て慈しむように目を細め、レンズを向けている一護にニッと笑って見せたので、すかさずシャッターをきる一護ですが、無粋な物を持ち込むなと言いたげな白哉の一瞥を受ける一護でした。
ルキアを恋次に送り出す白哉
ルキアと白哉が祭祀殿の手前で待つ恋次の下へ辿りつくと、恋次が一礼し、白哉は朱傘を閉じて恋次に渡します。
その際、白哉がルキアにしか届かない声で「……幸せに」と口ずさんだ事で、ルキアは顔を見上げ白哉の切れ長の目が寂し気に細められている事に気づき涙が込み上げてくるのですが、白哉が口の形だけで泣くなと伝えたのでぐっと堪えました。
そして、白哉はルキアの肩に手を添えて恋次のほうへと送り出すのです。
受け取った朱傘をさした恋次がルキアを迎え入れると、朱傘の下からルキアは白哉に向けて深々と頭を下げ、祭祀殿へ続く階段を上っていく恋次とルキアの背中を眩しい思いで白哉は見つめるのでした。
祭主の祝詞奏上と二人の三々九度の盃交換が行われ婚姻の議は滞りなく終了します。
ルキアへ託された浮竹からの贈り物「十三番隊の隊首羽織」の秘話
入籍発表の反省を活かした恋次は、祭祀殿から近い行きつけの「居酒屋・だるま屋」を貸し切って祝宴を開いており、その騒がしい中には乱菊の提案で女性同士集まってルキアを囲んだ記念撮影をする微笑ましい光景もありますが、乱菊に指名された冬獅郎が撮影者として渋々何枚も撮影する憐れな姿もありました。
そんな中、京楽が居酒屋に顔を出すと、主催の恋次とルキアが駆け寄って御礼を述べ、京楽はルキアに話があると言い、だるま屋の前にある大きな池のほとり側の長椅子に誘い出し、座って話をするのです。
享楽から手渡された風呂敷包みを開くと、中には十三番隊の文字が入る隊首羽織が入っており、京楽は霊王護神大戦時に神掛を使う前に浮竹からルキアにと託されたものだと伝えます。
何でも「俺の次の隊長には、朽木ルキアを置いてくれ」と縁起でもない事を言うので突っ返しそうになったそうですが、「朽木には内緒でたのむぞ。また俺が着るかもしれない羽織だからな」と笑って押し付けられたと語り、そんな浮竹の想いを聞かされたルキアは「私に隊長など、そんな器では……」と羽織の十三の上に手を置き唇を噛むのです。
しかしながら、これを背負う事に体が震える一方で不思議と浮竹がこれを遺してくれたことへの感謝で胸が灼けそうに熱くなります。
続けて京楽はこの羽織が元々亡き海燕の為に誂えられた物だと話し、嘗て浮竹は海燕に隊長を譲って引退しようと考えており、引退後は救護詰所の顧問はどうだろうかと身の振り方を選んでいた矢先に海燕が死去してしまい、既に注文していた隊首羽織を何十年も手放す事がでなかった浮竹は隊首室の片隅で眠らせていたと暴露しました。
手渡された羽織の背景を聞かされたルキアは、それでもこの羽織を自分のために仕立て直そうと思い至った浮竹はきっと笑っていただろうと想像します。
そして京楽は、ルキアの能力は隊長の資格に充分足るものだが長として隊を背負って立つ心が育ち切っていないと判断して、ルキアの心が育つ今日まで羽織を渡さなかったと白状した後、今日の挙式に列席していた十三番隊の隊士を見て隊士達がルキアを支える覚悟ができていると悟り手渡したと吐露しました。
みんなに支えられ、みんなが支えたいと思えることが十三番隊隊長の条件なのかもしれないと零すルキアは、今一度浮竹にもう少しだけ時間が欲しいと誓い、京楽に猶予をもらうのですが、京楽自身は既にルキアは隊長としての資格があると激励を贈り、立ち去る直前に分厚く重みのある封筒を手渡し「ボクと浮竹からだと思って受け取って」と言い残してひらひら手を振ったのち瞬歩で消えるのです。
残されたルキアは「いずれ必ず……」と浮竹に託された隊首羽織を通して決意するのでした。
志波一心としてルキアへ向けられた思い
居酒屋「だるま屋」での祝宴開始から四時間後、現世組がそろそろ帰る事になり、その帰り際に式場に受付がない事から渡すタイミングが分からなかった祝儀袋を手渡されます。
恋次とルキアは現世から来てくれた事だけで充分だと断りますが、切り出した雨竜が「こういうのは気持ちだから」と強引に握らせたことで、一護達もそれに倣い無理矢理手渡すのですが、一護は一心からも頼まれたと祝儀袋を自分のと合わせて二つ押し付けるのです。
驚くルキアでしたが、一護は一心が「海燕が亡くなった時、本当はすごく励ましてやりたかった」と後悔している事を教え、当時の一心は浮竹から甥でもある海燕の死とルキアの状況を聞いて何度も十三番隊舎まで足を運んだらしいのですが、ルキアの痛々しい横顔を見ると声を掛ける事ができなかったと語ります。
この事実を受け、ルキアは海燕の命を絶った日から心を深く暗い所へ閉ざしていたあの頃の自分に「お前は多くの人に気遣われ、たくさんの思いに護られているのだぞ」と教えてやりたい思いで溢れるのでした。
阿散井恋次と朽木ルキアの10年後
本編から10年後では、恋次は相変わらず白哉の六番隊副隊長を続けており、ルキアは浮竹の意志を受け取り十三番隊の隊長として着任式を済ませていました。
そして、以前より気楽に現世へ赴く事ができるのか私服姿で一護の実家を訪問しており、そこでは少女ほどの娘が居る事が判明しています。
尸魂界ではルキアの代わりに仕事を引き受けている相変わらずシスコンが治っていない白哉の姿を拝めるなど、恋次は白哉との約束通りルキアを幸せにしているのがわかりますね。
恋次とルキアの子供「阿散井苺花」
- 名前:阿散井苺花(あばらいいちか)
- 備考:恋次とルキアの娘
- 職業:死神見習い
原作74巻686話で登場した恋次とルキアの娘・苺花ですが、二人の気の強い性格を順当に受け継いでいるかそれ以上のじゃじゃ馬具合で子供ながら死神見習いとして邁進してるようで、剣の師匠として班目一角に稽古をつけもらっています。
しかしながら、何故か上目線で一角を誉めたり不意打ちを狙ったりとやんちゃな主張が目立ちますが、一角に隠れて現世へ遠征に行ってないか疑問を持たれた際には行っていないと答えるも、一護の子供に会いてえだろと問われれば顔を赤くして会いたくないと否定した後に「あたしと一勇とか別にアレだから!バカじゃん師匠バーーーカ!」と動揺を隠せずに罵倒していました。
また、任務で現世に赴く恋次に隠れて同行するなど茶目っ気が強いながらも、ルキアの教育がいいのか親の呼び方が「父様」や「母様」という側面からみて、素養は身に付けている事がわかります。
阿散井苺花の名前の由来
諸説ありますが、一番有力とされるのが小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」で登場したルキアのウェディングベールに刺繍された「苺の花」が由来ではないかとされています。
苺の花は織姫が一護と掛けて考えたのかもしれませんが、恋次とルキアにとって恩人である一護を連想させる苺の花はまさしく娘の名前にぴったりだと解釈できるのではないでしょうか。
朽木ルキアの斬魄刀は純白で美しく映像映えする氷結系の能力であり、漫画やアニメの迫力は勿論のこと、好きな斬魄刀でも読者人気の高い刀です。 そこで今回は朽木ルキアの、 斬魄刀「袖白雪」の能力 卍解「白霞罸」の能力 朽[…]
阿散井恋次と朽木ルキアの馴れ初めや結婚についてのまとめ
阿散井恋次に関しては、
- 恋次は、流魂街時代からルキアに好意を寄せていたが恋愛感情ははっきりしていない
- 恋次はルキアに対して真央霊術院時代には恋愛感情に近いものを抱いていたが、ルキアが朽木家の養子に迎えられた事でその気持ちを押し殺して、ルキアの幸せを優先して距離を置くと決めた
- 恋次がルキアを引き留めずに距離を置いたことが二人の関係に溝を生む要因となったが、尸魂界編を通して一護と戦った事で己の魂に正直になり、ルキアの処刑を阻止した後には蟠りが解消される
- 本編終了後には白哉との確執も無くなっており、ルキアと結婚するにあたっては入籍に必要な手続きや挙式に着用する礼服を準備されるなど、以前とは比べ物にならないほど関係が良好となっている
- 一護によって修復不可能だと諦めていたルキアとの距離が元通りになった事から、一護は恋次の恩人であり最良の友となり、恋次も一護の結婚の後押しをする事を嬉々として実践する
など、恋次目線では大切なルキアや目標となる白哉に関することなど全てにおいて一護の存在が大きく影響を与えており、その結果、ルキアを救出することができ白哉との隔たりを解消することもできたので、恋次にとっての一護はまさしく心の友なのです。
また、尸魂界編以降ルキアを護る事を決めている恋次は入籍時にも白哉にその志を告げるも思わぬ返しで阻止されたり、婚約発表をした場所でも一斉送信した連絡網にルキアの名前が無い事からほぼ全員に婚約を見透かされていたりと格好のつかない場面が多い恋次ですが、つくづくどこか抜けている部分を補る事ができるしっかり者のルキアとお似合いだと思わされます。
そして、朽木ルキアに関しては、
- 恐らく恋次と共に真央霊術院を卒業したかったが、貴族になる事で今後これまで通りに接する事ができないと知りつつも引き留められなかった事が疎遠になるきっかけとなった
- 尸魂界編を通して、海燕の事や巻き込んだ一護達の事を案じていたルキアは、恋次が何でもかんでも一人で背負わずに俺達の肩にちょっとづつ分けて立ち上がれと諭した事で心の荷が降りた
- 婚約発表から結婚式を通して、自分が多くの同僚や十三番隊隊士達に祝福されている事を知る
- 黒崎一心に、海燕の死亡後からずっと心配されていたと知る
- 浮竹が神掛前に、京楽へルキアに誂えた十三番隊の隊首羽織を預けていた事を知る
- 入籍から結婚式にかけては、不器用ながらも白哉に大事にされていた事を知り、何度も涙腺が弛む
など、恋次と疎遠になってからは特に海燕を手にかけた事がルキアの心を閉ざすきっかけとなっていましたが、尸魂界編を通して一護達現世組そして恋次に救出され諭されたことで、ルキアの中の罪悪感が少しづつ解消されるのでした。
一護のおかげで恋次とは元通りの関係に、そして白哉とは少しづつ打ち解けていく事ができると共に、結婚発表を皮切りに目まぐるしく行われる入籍手続きにおいて、白哉にはこれでもかというほど不器用な祝福を受け自身が大切にされていた事を再認識したり、一心には海燕の事でずっと心配されていた事を知り、浮竹には十三番隊の後任を指名されるほど認められていた事を知るのです。
小説ではルキアに対する各主要キャラの心情が判明した事で、それを受けたルキアも所々で涙腺が弛んでいたりと読者もつられて泣きそうになったことでしょう。
更に、恋次とルキアの10年後は、
- ルキアは浮竹に託された十三番隊の隊首羽織を纏い十三番隊の隊長に就任
- 恋次とルキアの一人娘「阿散井苺花」が登場
- 「苺花」の由来はおそらくウェディングベールに刺繍された苺の花から
など、ルキアは浮竹の遺志を受け取り隊首羽織に袖を通し隊長を務めたり、恋次とルキアの娘・阿散井苺花が登場としたりと、恋次がルキアを大切にしている事がわかり、つらい過去を体験したルキアが幸せになっている事に読者も感極まったはずです。
また、結婚式で織姫達から贈られた苺の花が刺繍されたウェディングベールはこれまでの物語の集大成といった感じで、本編での印象を大きく外れた白哉の不器用なシスコンぶりなど、小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」は本編を通して築き上げてきた登場キャラ達の距離感をうまく現した作品ではないでしょうか。