左京という男は雪菜救出作戦編と暗黒武術会編で登場したキャラです。
人間でありながら妖怪を従える男で、何かと謎の多いキャラとしてもファンの間では有名となりました。
顔に傷を持ち、黒髪長髪の若い男、しかもミステリアスという事で密かに恰好いいと思っているファンも多いようです。
ではそんな左京について知っていきたいと思います。
- 左京の正体とプロフィール
- 静流との関係は?
- 左京の強さについて
- 左京と仙水に通じるもの
順に確認していきましょう。
左京の正体とプロフィール
左京は単行本6巻から登場したキャラです。
初登場時は富豪が集まる巨大密売組織B.B.C.(ブラック・ブック・クラブ)のメンバーの一人で、メンバーの中では若い部類に入ると思っていいでしょう。
左京のプロフィール
- 名前:左京(フルネームは不明、左京が苗字なのか名前なのかさえ分かっていません)
- 性別:男
- 誕生日:不明
- 年齢:三十六歳(推定)
- 容姿:オールバックの黒髪長髪、右目に傷があり、基本は黒いスーツ姿をしている。
- 名前の由来:「きょう」という音を入れたかった、との事
- 声の出演:古田 信幸
- 初登場したのは:単行本6巻
左京の声を担当している古田 信幸さんが担当している他アニメキャラ
鋼の錬金術師(2003年 レマック)
NARUTO -ナルト- 疾風伝(2009年 風魔の忍び)
など、アニメの声優の他ボクシングや総合格闘技などのリングアナウンサーとして活躍していました。
左京の本名
作品が完結してもう何年にもなりますが、結局のところ不明のままです。
ただアニメ42話で一度「イジュウイン左京」と呼ばれていますが、左京が持っていたライターに刻まれたライターには「S.N」と刻まれているので定かではありません。
ライターが親の形見か何かで「S.N」と刻まれているのか、「イジュウイン」ではなく「ニジュウイン」なのかは真相が分からないままの謎となりました。
左京の生い立ち~生まれと家族
左京の生まれについては単行本12巻、『左京の提案!!』で語られました。
左京の両親はごく平凡な人間で普通といわれる家庭に生まれ五人兄弟であったが分け隔てなく育てられた、と語り、客観的に見ても理想的な家庭だったと本人も認めています。
他の四兄弟は公務員をやっているはずだと語りながら、自分だけがこうなってしまったと淡々と話せるくらい、自分の人生も客観的に見る事ができるくらいに達観している場面でした。
そして「腐っていたのは自身の脳ミソだ」と言い切ったのです。
ただ、兄弟たちが自分とは違い普通の生活を送っている事に安堵している様子も見せているところから家族への愛情はあるようですね。
左京の過去~ギャンブルにのめり込んだ理由
こちらも同じく単行本12巻で語られています。
一時期、血や臓物を見るのが好きな時期があり、カエル・魚からイヌやネコを次々と解剖していて、その対象が人間になるまで三年と掛かりませんでした。
そんな状態の左京が今でも熱くなれる対象がギャンブルで、ワクワクし熱中できるものだという事です。
ですが過去に生命をチップがわりに賭けたのは四回で、左京はそれを「少ないだろう」と言いました。
- ギャンブルの戦況
ギャンブルにのめり込んだ左京は、常勝不敗を誇り絶対的な実力と運の強さから、莫大な富と名声を得て闇社会でのし上がりました。
それ故に左京は自分の事を『生まれついての破綻者』と称しています。
作中でも、雪菜救出作戦においてただ一人、幽助たちの勝利に賭けて一人勝ちをしました。
左京の野望
左京には野望があり、アニメ65話、『闘技場とともに消える野望』でコエンマに対して語っています。
「穴を空けたかったなぁ、大きな穴を…。魔界と人間界を繋ぐ境界トンネルを。どんな邪悪な妖怪でも魔界と人間界を自由に通れる穴を維持できたなら、この世の中、もっと混沌として面白くなっていたはずだが、…私の最大の夢もこの私の身体ごと吹っ飛ぶ」
ここまで語って静流が現れたため、語りは終わってしまいました。
左京と静流の関係
桑原の姉・静流と左京の関係は原作の方では左京と静流は一切関わりがありませんが、アニメで描かれています。
アニメオリジナルストーリーとして付け加えられましたが、戦いばかりの中で大人の二人が接触していたのでファンの印象に強く残ったのではないでしょうか。
桑原静流とは何者なのか
一言で表すなら桑原の姉で、弟よりも霊感、喧嘩ともに強く、桑原にとって頭が上がらない人物。
ドライな性格で面倒見のいい姉御肌な一面を持っています。
桑原静流のプロフィール
- 名前:桑原静流(くわばらしずる)
- 性別:女
- 誕生日:不明
- 年齢:十七歳(原作では桑原より三つ年上とされていますが、喫煙シーンがあるためアニメでは二十歳に変更されました)
- 将来の夢:美容師
- 好きなタイプ:高倉健、菅原文太
- 声の出演:折笠 愛
- 初登場したのは:単行本2巻
桑原静流の声を担当している折笠 愛さんが担当している他アニメキャラ
- 小公子セディ(1988年 セドリック・エロル ・主人公)
- ロミオの青い空(1995年 ロミオ・主人公)
- 犬夜叉(2003年 蛇骨)
など、多くの作品で少年の声を演じてきました。
また、声優だけに留まらず歌手、女優としても活躍をしています。
原作で左京の関係
前述もしていますが、原作では左京と静流は出会ってすらいません。
暗黒武術会編で同じ闘技場で観戦をしていましたが、会う事はありませんでした。
アニメでの関係
アニメではオリジナルストーリーとして二人の関係が描かれました。
- アニメ32話、『ナイフエッジデスマッチ』
作品中盤で妖怪たちに尾行されていた静流を見掛けた左京が先回りして、静流を救出します。
逃げ場を探す静流の手を取って走り、物陰に隠れ追い掛けてきた妖怪が走り去った後、優しく微笑む左京を見て「貴方、人間?」と聞いた静流に対して「気を付けなさい。ここは妖怪たちの世界だ」と言い立ち去りました。
これが出会いとなります。
- アニメ42話、『決死の桑原!愛の突撃』
チケットがあるのに入場拒否をした警備員に対して強行して会場に入りましたが、一人警備員に向かって静流は捕まってしまいました。
そのまま連行されそうになっていたところに左京が現れ、「どうかしたのか?知り合いの女性だが」と言って助けます。
静流「そのようね」
と言葉を交わし、煙草を取り出した静流に左京は自分のライターで火を貸しました。
- アニメ60話、『怒り爆発!桑原の反撃』
接触はない回ですが、左京が自分の命を賭けて戸愚呂・弟と幽助の試合を事実上の決勝戦にしたいと宣言した後、協議のために休憩を言い渡された時の事です。
闘技場から離れていく左京を静流は追い掛けて戸愚呂・弟と二人で話している会話を離れた場所で盗み聞きをしました。
- アニメ65話、『闘技場とともに消える野望』
賭けに負けた左京が闘技場を爆破するスイッチを押して立ち去っていき、それを追い掛けたコエンマと同時に静流も一人離れて追い掛けていました。
そして話しをする左京とコエンマの元に追い付いて向かい合います。
互いに言葉もなく見つめ合う事しばし、左京はフッと微笑んで自分の名前(S.N)が刻まれたライターを投げて渡しました。
受け取ってハッと顔を上げる静流に左京は心の中で「さようなら」と言い手を振った直後、爆発が起き左京の周囲に瓦礫が落ちてきます。
静流が初めて「左京さん!」と名前を呼んで涙を流す中、コエンマが引き摺るようにして静流を安全な場所まで避難させました。
左京と静流の関係の考察
ハッキリと答えが描かれたわけではありません。
アニメの系列で整理すると以下のようになります。
32話、『ナイフエッジデスマッチ』→左京が静流を妖怪から助ける(一回目)。
42話、『決死の桑原!愛の突撃』→左京が警備の妖怪から静流を助ける(二回目)。ライターで煙草に火を貸す。
60話、『怒り爆発!桑原の反撃』→物陰から左京の生い立ち、野望を盗み聞く。
65話、『闘技場とともに消える野望』→爆発する闘技場の中で左京が静流にライターを投げ渡す。
左京と静流は互いに一目惚れだった?
アニメで出会った時からそう思われるシーンはありました。
非情な一面が見えていた左京が、たまたま見掛けた静流のために走って妖怪たちから逃げ、助けるにはただならぬ思いがあったと考えてもおかしくありません。
二度目に会った時も、静流にだけ見せている優しい微笑みは慈愛に満ちているように見えました。
決定的な言葉は交わさないまでも互いに思い合っていたのではないかというのがファンたちの思いだったようです。
左京が静流にライターを渡したシーン
左京は煙草を吸うシーンが多く愛煙家で、静流もまた煙草を吸っています。
出会った時から互いに何かを感じただろうに、大人であるために立場を考慮して踏み出さずにいたのではないでしょうか。
ですが、自分の死を受け入れている左京が最期の間際、喫煙者でもある静流にライターを形見として渡す事で自分の事を憶えていて欲しいという思いが込められていたように考察できます。
左京の強さ
詳しくは描かれていませんが左京は普通の人間であるにも関わらず、暗黒武術会において妖怪たちの中にいても襲われたり喰われたりしない点から権力という強さは持っているものと考えられます。
また、決勝戦で戸愚呂・弟が80%、100%になって弱い妖怪たちが蒸発していく中、間近で戦況を見ていたにも関わらず左京は平然としていました。
これは元々、強い霊能力を持っていたか、強い妖気を遮断できる装置を身に付けていたかどちらかという事になるでしょう。
左京の強さを言うならば、富豪という事で金銭面に対する権力を持っている強さという事になるのかもしれません。
賭けにおいての強さ
左京は賭けにおいて絶対的な強さを持っています。
それは単行本6巻に描かれている雪菜救出作戦においての賭けで全勝ちしている事からよく分かりました。
賭けの内容は垂金の別荘に侵入した幽助たちと戸愚呂の部下である闇ブローカーとの対決を賭けたものです。
- 第一の賭け~侵入者VS闇ブローカー・十二人
当たれば掛け金の倍額の返金というもので他のB.B.C.のメンバーは闇ブローカーに賭ける中、左京は一人侵入者に50億円を賭け一人勝ちしました。
- 第二の賭け~侵入者VS闇ブローカー・三鬼衆
当たれば掛け金の三倍の返金というものでしたが、B.B.C.のメンバーは三鬼衆に賭ける中、左京は再び侵入者に200億円賭けました。
幽助たちは三鬼衆を下し、この時点で左京は全部で700億円の一人勝ちになったのです。
- 最後の賭け~侵入者VS闇ブローカー・戸愚呂兄弟
今回は全員が左京と同じ方に賭けると言い出し、左京は侵入者が勝つ方に66兆2,000億円という日本の国家予算と同じ額を賭けました。
尚、アニメでは72兆3,500円と当時の国家予算に変更されています。
全ては仕組まれた賭け
全ての賭けに勝った左京でしたが、実は左京と戸愚呂兄弟は繋がっていました。
そういうずる賢さも左京の強さであり、闇の世界で生き残るためには必要なものなのだと知る事ができます。
左京と仙水に通じるもの
左京は前述もした通り、魔界と人間界を繋ぐ境界トンネルを空けたいと願っていました。
そして単行本14巻、『血塗られた過去!!』でコエンマにより語られましたが、当時二十六歳の左京が低級妖怪を召喚する事に関わっていたのです。
余談になりますがこの時の左京は短髪でしたが、すでに右目に傷を持っていました。
小型の召喚円で妖怪を召喚する
直系十メートルほどの召喚円で、低級妖怪を召喚し捕えて巨額の金で取り引きされていました。
妖怪捕獲のスペシャリストとして台頭していたのが、巨大密売組織B.B.C.に属していた左京で「人間が妖怪をブローカー兼ボディガードとして雇い売買用の妖怪を捕まえる」という方式を作り上げたのです。
霊界探偵だった仙水が阻止に走る
当時、霊界探偵だった仙水が相棒の樹(いつき)と殲滅の任に就きました。
ですが、そこで行われていた悪の宴に仙水は精神を崩壊して、その場にいた全ての人間を殺してしまったのです。
仙水忍が登場したのは暗黒武術会を終えて、日常に戻ってきた幽助たちの元に新しい事件が舞い込んできた事が切っ掛けでした。 最初は全く姿すら見えていなかったのですが、追跡していくにつれて黒幕だと分かり、その正体が幽助の先輩に当たる元・霊界探[…]
左京と仙水が為そうとした事とは
左京と仙水はいうなれば加害者と被害者といえるでしょう。
仙水は左京を捕えに行かなければ精神を崩壊する事もなかっただろうし人間に対して不信感を持つ事もなかったはずです。
ですがこの事件を切っ掛けに十年後には人間界と魔界を繋ぐ境界トンネルを繋ぎ空けようと思うに至りました。
互いの目的はともかくとして、二人とも人間界と魔界を繋ぎたかった、という事は同じようにどこかが壊れてしまっていたのかもしれません。
「左京と静流はどんな関係だった?アニメだけで描かれた二人の想い」についてのまとめ
左京と静流の関係については、結局唯一絡みのあったアニメでも「二人の間に何かがあった」という場面は無かったですし、あったとすれば左京が死に際に静流に愛用していただ自身の物と見られるライターを投げて渡したぐらいです。
左京は登場時から人や妖怪の命を弄んでいる風で悪役としか見る事ができないキャラでしたが、アニメオリジナルストーリーを見るとどうにも憎めないキャラになりました。
アニメの中で静流とのやりとりは少ないながらもファンの心に強く残り、恋となるのなら応援したくなるような切ないものだったと思います。
しかしながら、強い野望を抱き実行しようとする行動力は目を見張るものがありました。
暗黒武術会編から魔界の扉編への伏線を担った左京というキャラは謎が多いながらもインパクトの多い人物として幽遊白書を語る上で忘れてはならないキャラだったと思います。