【戦国小町苦労譚-農耕戯画-】蜂蜜と影でこっそり行われている静子の偉業

作中あまり多くを語られていませんが、静子は信長に正式採用されてから農業のほかにも養蜂・養蚕・養鶏と様々な事業を行っています。

これらは、戦国時代において価値の高い物ですが、平安の時代からあり、これらをピックして何か重大な文化の発展がするわけではないので、作中ではやってますよ程度の紹介しかされてないのだと思われます。

特に蜂蜜は砂糖の生産によって影をひそめる形となっているのですが、蜂蜜も砂糖に負けず劣らずの高級品なので静子の養蜂によって砂糖と同じぐらいの富を織田家にもたらしたに違いありません。

今回は蜂蜜が戦国時代においてどれくらい高価でどのように使われていたのか調べていきたいと思います。

戦国小町苦労譚における蜂蜜のポテンシャル

古来から蜂蜜は腐る事が無く健康に良いとされ、今でも人々に愛されていますが、蜂蜜はいったいどのように使われてきたのでしょうか?

養蜂の歴史

静子が養蜂を始める

引用元:戦国小町苦労譚-農耕戯画-

日本ではじめて養蜂にチャレンジしたのは飛鳥時代で、百済人が三輪山に蜂を放って数を増やそうとしたけれども失敗に終わったという記録が日本書紀に残っています。

そして、奈良時代では他国からの献上品にのみ蜂蜜が含まれていましたが、平安時代になると国内からも献上品として納められるようになりますが養蜂によって蜂蜜を手に入れたかどうかは不明で、それ以降、江戸時代まで養蜂に関連するような記述は残ってなく、詳しいことが分かりませんでした。

江戸時代にはいるとミツバチについての専門書が出版されるなど養蜂の研究が急速に進みますが、日本蜜蜂は、蜂蜜を蓄える量が少なく、分蜂性が高く逃げられやすいため養蜂には向いてないと言われ、西洋蜜蜂が輸入されるまで養蜂は本格的に行われていません。

蜂蜜の用途

静子の作ったマロンプリン

引用元:戦国小町苦労譚-農耕戯画-

昔から食用に使われることはもちろん、源氏物語の鈴虫にも出てくるように平安時代の人は蜂蜜を練ってお香にしていました。

そして、蜂蜜を練ると言われると蜜蝋を連想されると思いますが、蜜蝋は蜂の巣であって蜂蜜ではありません。

蜜蝋は蜜蜂のお尻の部分から出てくる体液が固まったもので主に蜂の巣を形成するのに使われていて、食べても美味しいのが特徴です。

また、献上品として納められるほど高価な物なので、一般の市民には到底手に入れることの出来ないものでした。

静子のいる戦国時代での蜂蜜の用途は、主に兵站に添加物として加えたりしており蜂蜜には強い殺菌効果があるので食品を長く持たすのに丁度良かったのかもしれませんね。

そして、其の強い殺菌効果から、やけどや擦り傷、のどの炎症の治療にも使われ、人類の健康管理に一役買っています。

その他にも蜂蜜を5倍程度に薄めて化粧水として用いられることもあり、古くから美薬品としても人々に愛用されていました。

静子は蜂蜜をどのように使っていたのか?

静子の兵站を食べる奇妙丸

引用元:戦国小町苦労譚-農耕戯画-

静子はよくお菓子を作っていますが、静子がつくるお菓子は砂糖を使ったものが大半で、そこに蜂蜜が付け入る隙はありません。

これは蜂蜜は癖が強いので「素人がレシピも見ないでお菓子作りに使うのは危険だから」という理由があり、そして、コミックの方には特に蜂蜜を何に使ったという言及はされていません。

では、原作の方ではどうだったのかというと、原作では蜂蜜酒を造ったとされておりコミックでは描かれていないだけで、静子はこっそり蜂蜜酒を作っていたようでですが、蜂蜜酒だけで静子がいつものように大量に蜂蜜を生産していた場合、果たして蜂蜜酒だけでその消費を賄えるでしょうか?

それはきっと無理なんじゃないかと思います。

戦国時代では兵站に蜂蜜を混ぜていたと上記で述べたように現在伝わっている足軽への賄の支給は、遠征の3日後からが基本で、それまでの3日分は持参してこなければならず、4日目からの支給となるので当然日持ちの良いものが用意されいるため、米はもちろん、焼きみそ、塩などの他に保存食として兵糧丸、鶏卵、木の実などが準備されていました。

そしてこの兵糧丸に蜂蜜が使われていたのです。

この足軽への配給食制度を最初にやり始めたのが織田信長と言われていて、何千人もの保存食を何ヶ月分も用意しなくてはならなかったので、相当な量の蜂蜜が必要とされていたに違いありません。

静子が作った蜂蜜などを用いて保存食を大量に生産することができれば、何千人といる兵士に十分な食事を与える事が出来るのです。

戦国小町苦労譚に登場する蜂蜜のまとめ

作中では全くと言っていいほど語られることのない養蜂について調べてみました。

兵站に蜂蜜が使われていて、それを何万個と作っている人がいると思うと、戦の表舞台だけではなく、裏方も大変な作業だったに違いありません。物語では語られることの少ない裏方事情が少しでも垣間見れたのではないでしょうか?

蜂蜜は戦の糧となって使われてしまったのかもしれませんが、個人的には静子は農業をしているとは思えない程の美肌なので、お風呂上りにこっそり蜂蜜化粧水をつけてお手入れしているのかもしれませんね。