遊郭編で登場した上弦の陸・堕姫と妓夫太郎ペアは実の兄妹でありながら二人で一つの鬼です。
しかし、堕姫と妓夫太郎の名前や体の痣が「梅毒」から来ているという噂があり、二人の過去のエピソードを見ても「梅毒」との関連が示唆されていました。
そこで今回は、
- 堕姫と妓夫太郎と梅毒の関係
- 堕姫と妓夫太郎のプロフィールと能力
- 堕姫と妓夫太郎の過去について
など、堕姫と妓夫太郎の基本情報・梅毒関連・過去について紹介したいと思います。
堕姫・妓夫太郎と梅毒の関係
ここからは堕姫・妓夫太郎と梅毒の関係と名前の由来について見ていきましょう。
堕姫の名前の由来は「梅毒」と言われている
堕姫の名前は死んだ母親の病名から付けられたと作中で妓夫太郎が発言していますが、吉原で「梅」がつく病気は「梅毒」という性感染症に該当する為、モチーフは梅毒を予想されています。
妓夫太郎の名前の由来は役職名
妓夫太郎の名前については単行本10巻第86話で語られています。
遊郭において主に客の呼び込みや借金をしていた役職を示す言葉を「妓夫(ぎゅう)」または「ぎう」や「牛太郎(ぎゅうたろう)」と呼び、当時は役職名をそのまま名前につけられる人も存在しており、妓夫太郎もその一人でした。
妓夫太郎は人間時代に取り立ての仕事をしていた為、親がそのまま役職名を名前にしたか、もしくは周囲から勝手にそう呼ばれていたのかもしれません。
鬼となった後も名前は「妓夫太郎(ぎゅうたろう)」のままです。
妓夫太郎の体の痣やシミは「先天性梅毒」
妓夫太郎の体には人間時代から黒いシミのような痣や斑点が見受けられますが、母親の病名を「梅毒」と仮定すれば「先天性梅毒」の可能性が考えられます。
先天性梅毒とは、梅毒に罹患した母体から胎盤を介して胎児に梅毒トレポネーマが感染する事で起こりうる多臓器感染症であり、早期では皮膚病変、水疱性発疹、全身性リンパ節腫脹、髄膜炎、脈絡膜炎、丘疹状、斑状発疹、水頭症…など発症するそうです。
妓夫太郎は生まれた頃から体が弱く現在のようなシミや痣があった事から先天性梅毒の可能性が考えられますが、センシティブな問題な為、模様については現実のものと描き分けているのかもしれません。
堕姫と妓夫太郎のプロフィール
【名前】 | 堕姫(だき)、妓夫太郎(ぎゅうたろう) |
【人間時の名前】 | 梅(うめ)、妓夫太郎(ぎゅうたろう) |
【階級】 | 上弦の陸 |
【身長・体重】 | 不明 |
【死地】 | 吉原遊郭 |
【討伐者】 | 宇随天元、竈門炭治郎、竈門禰豆子、我妻善逸、嘴平伊之助 |
【声優】 | 堕姫:沢城みゆき 妓夫太郎;逢坂良太 |
人が消えても詳しい操作が行われない土地柄・吉原遊郭を根城にしていた鬼の兄妹で、階級は上弦の陸です。
堕姫は花魁として遊郭で不動のナンバーワン人気を獲得し、およそ10年毎に顔・年齢・店を変えて遊女をしているらしく、その美貌は気の弱い男性なら失神、耳に息を吹きかけられた男性は基本的に失禁すると言われています。
妓夫太郎は普段堕姫と同化しており、有事の際には堕姫の体内から出現するそうです。
堕姫と妓夫太郎の声優
堕姫の声優は「沢城みゆき」さん、妓夫太郎の声優は「逢坂良太」さんが担当しています。
【名前】 | 沢城みゆき(さわしろみゆき) |
【所属】 | 青二プロダクション |
【誕生日】 | 1985年6月2日 |
【代表作】 |
|
【来歴】 | 長野県出身の東京育ちで、声優・ナレーター・女優を務めています。 既婚者で一知事の母であり、弟も声優の沢城千春さん。
|
【名前】 | 逢坂良太(おおさかりょうた) |
【所属】 | EARLY WING |
【誕生日】 | 1986年8月2日 |
【代表作】 |
|
【来歴】 | 徳島県出身の男性声優で、小学時代は野球チームに、高校時代はソフトボール部に所属していました。 2019年には声優の沼倉愛美さんと結婚し、2021年には第一子が誕生。
|
鬼舞辻無惨の評価
堕姫と妓夫太郎は鬼となり吉原を根城にしてから実に柱を22人も食べてきました。
その内訳は堕姫が7人、妓夫太郎が15人との事ですが、これまでに登場した下弦の鬼と比較すれば桁違いの強さを持っている事が分かります。
しかし、無惨の本音の評価は、
- 堕姫;頭悪い子供
- 妓夫太郎:境遇と貪欲な性格を高く評価
であるように、堕姫には特に期待していない一方で妓夫太郎は信頼と評価を寄せたお気に入りの鬼の一人として可愛がっていました。
その為、上弦の陸が討伐された際には堕姫が足を引っ張っていたと歯噛みしており、妓夫太郎一人なら勝てたであろう事を分析しています。
遊郭編で登場した上弦の陸・堕姫と妓夫太郎は音柱・宇随天元と共に竈門炭治郎達が討伐した鬼です。 しかし、堕姫と妓夫太郎を倒すまでにはとてつもない労力と犠牲がありました。 そこで今回は、 上弦の陸・堕姫と妓夫太郎の死亡[…]
血鬼術は「帯と血鎌」
堕姫の血鬼術は柔らかな帯を縦横無尽に操り切断・捕縛するもので、妓夫太郎の血鬼術は自身の体内から生成した血の鎌を武器にするか技を繰り出す事が出来ます。
妓夫太郎の血鎌には猛毒が付与されており、元忍として毒耐性を持っている宇随天元ですら掠り傷を負うだけで冷汗が流れるほど苦痛に顔を歪め、解毒剤が無ければじきに死亡してしまうものでした。
八重帯斬り(やえおびぎり)
堕姫が纏っている八本の帯が刃物のように研ぎ澄まされた凶器として敵の退路を塞ぎながら斬り裂いていく攻撃と防御を兼ねた技です。
多方面から縦横無尽に斬り込んでくる為、死角の多い市街地や狭い空間で対処するのが難しい技となっており、炭治郎達はこの技によって幾度も牽制され容易に近づく事が出来ませんでした。
飛び血鎌(とびちがま)
血鎌から剃刀のような薄い血の斬撃を複数飛ばす技で、猛毒が付与されています。
放った斬撃の軌道を操る事が出来る為、敵に当たって弾けるまではどこまでも動き続ける厄介な攻撃です。
跋扈跳梁(ばっこちょうりょう)
血の斬撃を身の回りに巡らせる全天周防御の技です。
劇中では、己の頭上に血の天蓋を描くようにしてこの技を発動させ、雛鶴が放った藤の毒のクナイの投擲を防ぎ切りました。
円斬旋回・飛び血鎌(えんざんせんかい・とびちがま)
螺旋状の飛び血鎌の斬撃を両腕に纏う術です。
腕の振り動作も無く発動する事が出来る他、広範囲を斬撃でカバー出来る為、避ける事はほぼ不可能ですが、劇中では宇随天元は音の呼吸を使い全て斬って防ぎました。
また、頸を斬られた後には円斬旋回を全方位に放出しており、遊郭の街を壊滅させています。
妓夫太郎と堕姫の過去
堕姫と妓夫太郎は遊郭最下層の「羅生門河岸(浅草寺の裏、日本堤付近)」で生まれています。
妓夫太郎は生まれてくる前から何度も殺されそうになったと語っていますが、生まれてからも子供が居るだけで飯代が掛かるという理由で、母は邪魔で仕方のない妓夫太郎に暴力を振るっていました。
生まれた時から全身シミや痣だらけの容貌と醜い声だった為、妓夫太郎は周囲から「虫けら、ボンクラ、のろまの腑抜け、役立たず」と罵られて生きてきたそうで、この世の罵詈雑言が自分の為に作られてたようだと語っています。
枯れ枝のような弱い体に醜く汚い垢やフケまみれの妓夫太郎は、美貌が全ての価値基準である遊郭では殊更怪物のように忌み嫌われており、空腹時には鼠や虫を食べ、遊び道具は客が忘れて帰った鎌を投げて遊んで遊び育ちました。
しかし、梅が生まれた事で妓夫太郎の中の何かが変わり始めたのです。
母が梅の目や髪の色を気味悪がり縊り殺そうとした所、妓夫太郎が梅の命を救っており、妓夫太郎は自分を慕ってついて回り離れると泣き喚く梅が可愛くて仕方ありませんでした。
ある時、母が梅に暴力を振るいカミソリで髪を切ると妓夫太郎が怒り狂って暴れたそうで、その日を境に親子の力関係が変わると、以来、母は妓夫太郎に怯えて距離を取るようになります。
母の死後、妓夫太郎は自分が喧嘩に強いと気づいてからは取り立ての仕事を始めており、誰もが妓夫太郎を気味悪がって恐れる姿を見て自分の醜さが誇らしいとさえ感じると、梅のような美しい妹が居る事が妓夫太郎の劣等感が吹き飛ばしました。
報復で梅は生きたまま燃やされる
妓夫太郎が13歳になった頃、妓夫太郎が仕事で出かけていた間に梅が侍に生きたまま焼かれるという事件が起きました。
燃やされた理由は、梅が侍の目玉を簪で突いて失明させたその報復で縛り上げられて生きたまま焼かれたというものであり、妓夫太郎が帰宅すると自宅には丸焦げになっていた梅がいたのです。
妓夫太郎は丸焦げになった梅を抱きかかえると、何も与えなかった神や仏に妹を取り立てるなと慟哭し梅を元の姿に戻すように泣き叫びました。
妓夫太郎は梅の燃やした侍と女将を殺害する
妓夫太郎の声を聞きつけたのか、はたまた最初からどこかに隠れていたのか、梅を燃やした侍と妓夫太郎の仕事を斡旋していた女将が共謀し、侍が妓夫太郎を背後から斬りつけました。
女将は兼ねてから取り立て先で相手に大怪我を負わせていた妓夫太郎の歯止めが効かない事に悩んでいたのか、妓夫太郎を斬り伏せた侍に「梅のことは残念だけど厄介払いが出来た」と感謝を述べており、二人のやり取りを聞いた妓夫太郎はこの二人が梅を燃やした犯人だと理解します。
そして、侍が妓夫太郎に止めを刺そうと歩み寄った所、妓夫太郎は鎌を握り締めて跳躍し女将の頸を刺し殺害すると、侍に向けて「清潔で肌艶もいい、たらふく飯を食って綺麗な布団で寝てんだよなあ」と恨みがましい言葉の羅列を発すると「そんな奴が目玉一個失くしたぐらいでキャアキャアピーピーと騒ぐんじゃねえ」と侍の頭部を両断するのでした。
その後、妓夫太郎は瀕死の梅を抱えながら宛ても無く歩いていると、当時上弦の陸だった童磨と出会い鬼となる事を選択します。
堕姫の性格は妓夫太郎の甘やかしの影響
とにかく妹が可愛くて仕方なかった妓夫太郎は、口は悪いものの梅には甘い対応を取っており、そうした妓夫太郎の溺愛ぶりが梅の我儘な性格を助長させています。
遊女として形を潜める堕姫はとにかく不細工なものを見ると悪態を吐く事が多く、蕨姫の名で店に居た時には怪我人や足抜けに加えて虐めて自殺に追いやった人間が多く存在しており、自分の味方にならない者を徹底的に蔑んでいました。
また、干からびた年寄りは醜悪で汚い肉として絶対に食べないという美意識を持っており、遊郭で生きていく中で何もできない不細工は飯を食べる資格も無いと述べています。
妓夫太郎の思想は人間時代の影響
妓夫太郎は人間時代に蔑まれ続け何も与えられず奪われて生きてきたせいか、鬼となってからも他人の容姿と己の容姿を比較して怨嗟の声を向けていました。
人にされた事・嫌だった事・苦しかった事を人にやって返して取り立てる事を信条にしており、これまで自分が不幸だった分は幸せな奴から取り立てないと取り返せないといった歪んだ思想を広げています。
上弦の陸・堕姫と妓夫太郎は遊郭編で登場した鬼ですが、多くの柱や一般人を食べてきた悪鬼の一人です。 しかし、そんな二人の最後にはあまりにも恵まれない環境に生きてきた過去が明かされ、今際の際で交わされた兄妹愛に思わず泣けてしまった方も多い[…]
その為、鬼になると選択した際には「幸せそうな他人を許さない。必ず奪って取り立てる妓夫太郎になる」と誓いました。
堕姫・妓夫太郎の梅毒との関係や過去のまとめ
- 堕姫と妓夫太郎は実の兄妹であり、二人で一つの上弦の陸
- 人間時代の堕姫の名前は「梅」であり、母親の病気「梅毒」が由来(※作中で言及無し)
- 妓夫太郎は人間時代の名前も妓夫太郎で、役職の「妓夫」をそのまま名前にしている
- 妓夫太郎の痣やシミは、「先天性梅毒」の可能性がある
- 堕姫と妓夫太郎は遊郭最下層で生まれた
- 妓夫太郎は生まれながらに体も弱く醜い容姿をしており、周囲から蔑まれて生きてきた
- 堕姫は生まれた時から美しかったが、一時は母に異端な容姿を気味悪がられて殺されそうになっており、妓夫太郎が助けている
- 堕姫は人間時代に、侍の目玉を簪で刺した報告で焼き殺されかけた
- 妓夫太郎は人間時代に、堕姫を燃やした侍と侍と結託した女将を殺害した
- 堕姫の声優は「沢城みゆき」さん
- 妓夫太郎の声優は「逢坂良太」さん
妓夫太郎は生まれた時から醜い容姿をしていた他、周囲から罵詈雑言を浴びせられて文字通り這いずり回って生きていました。
しかし、梅という奇跡的に美しく生まれた妹が出来た事で妓夫太郎の世界は変わり、幸せな方向へと歩み出すはずでしたが、ひょんなことから再び地獄の底に叩き落とされてしまったのです。
また、梅という名前や妓夫太郎自身の痣も病気が由来している事から、二人にとっての人間時代は殆ど良い事が無く、鬼となってからは歪んだ思想を持つようになりました。
鬼の中では同情してしまう生い立ちに涙する方が多いのも分かる、そんな悲しい過去ですね。