【ハガレン】グリードの最後はどうなった?強欲を司る男の本当に欲しかったもの

鋼の錬金術師といえばエドとアルの兄弟愛や派手な戦闘、ときには受け入れがたい現実を突きつける大ヒット漫画で、その中でも作品のキーになっている人造人間のホムンクルス。

このホムンクルスは「お父様」と呼ばれる存在の手足となって人々の敵となるのですが、強欲を司るグリードだけは他のホムンクルスとはかなり違った存在となっています。

今回は鋼の錬金術師の中で異質の存在であるグリードについて、初登場シーンや最後などの気になることをまとめてみました。

グリードの能力や性格

グリードはお父様の手によって3番目に作られたホムンクルスで、左手の甲にウロボロスの紋章を持っている「強欲」を司るホムンクルスです。

強欲を司るだけあり自分の欲望に忠実で、嘘をつかないことを信条にしていて「金も欲しい!女も欲しい!地位も名誉も、この世の全てが欲しい!!」というセリフも特徴的です。

グリードは何百年前から作られ、何度も転生していることから「年齢は何歳なのか」については定かではありませんが、ストーリーの中では、約100年前に己の強欲を満たせないとしてお父様の元から去ります

その後、軍の実験で合成獣となった者たちを集め、ダブリスのデビルズネストを根城に不老不死を求め活動していました。

グリードの能力

グリードの能力は体内の炭素の結合度を変化させ、表皮をダイヤモンド並に硬化させる「最強の盾」と呼ばれる能力です。

この能力は硬化させるだけでなく、脆く変化させることも可能になり防御に特化しているだけではなく、その硬さにより攻撃力を増すこともでき、この硬化は全身を覆うこともできるのですが、本人曰く「ブ男になる」という理由で普段は身体の一部を硬化させるに留まっているようです。

ただし硬化と再生は同時に行えず、再生と硬化には若干の時間がかかるなどの弱点があり、連続攻撃に弱いのが難点

グリードは仲間思いのいい奴

強欲に忠実なグリードではありますが、仲間思いのいい奴なのが話かる場面がいくつかありました。

下水道のキングブラットレイの戦いが代表的とも言われておりますが、キングブラットレイに苦戦しているグリードの元に既にボロボロな軍の実験で合成獣となった者たちが応援にかけつけます。

相当信頼されていなかったらこのような行動には出ないはずですが、強欲を司る性格ということもあり部下たちには信頼されていたようです。

名台詞でもありますが、部下が死にかけているところに気絶していたグリードが駆けつけ、キングブラッドレイはグリードに「情が移ったか?」という問いに対し、グリードは「情だ?阿呆が!俺を誰だと思ってんだ!強欲のグリード様だぞ?
金も女も部下も何もかも俺の所有物なんだよ、みんな俺の物なんだよ。だから俺は俺の所有物を見捨てねぇ!なんせ欲が深いからなぁ!」とこのセリフでも仲間思いな部分がはっきりと分かる場面ですね。

お父様の中に再び戻るグリード

キングブラッドレイの戦いで拘束されてしまい、100年ぶりに「お父様」の元に帰ったグリードではありますが、改めてキングブラッドレイが老いをするホムンクルスだということを、ラストが発言します。

会話を続ける中「お父様」がグリードに「また私の元で働いてくれないか?」との問いに、「ここにいたら俺の欲は満たされねぇ。」と言い反対しました。

そしてついにグリードは再びお父様の体内に戻ってしまったのです。

お父さまの体内に戻る際、このように溶鉱炉のような場所に浸けられ溶かし、液体状の賢者の石に戻されたクリードは、お父さまの体内に戻ることで記憶をリセットされてしまいます。

リンとの絆

グラトニーとの戦いでグリードがリンの体を乗っ取ろうとしますが、リンが「俺はグリードを受け入れる!」を啖呵を切り、その姿を気に入ったグリードはリンの意識の中で存在するようになりました。

ある時以前ダブリスの仲間だった人間が地下に侵入してき、お父様の体内に戻った事により記憶を全て失ったグリードはその仲間を殺してしまい記憶がないグリードでしたが、その瞬間かつては仲間だった時の会話が頭の中に流れ始め、必死に抗っているときにリンが「仲間を手に掛けるとはどうゆう了見ダ?」とグリードに対して激怒する描写が印象に残ります。

リンは、仲間じゃないならこの記憶は何だと聞いたのに対しグリードは記憶を消されて浄化されたはずだと言いますが、過去など全て忘れているというグリードにリンは、「仲間ってのは魂で繋がってんだヨ!!魂に染みついちまっているものをすすいで落とす事なんか出来ないんだヨ!!」と返答。

当初のグリードは俺が一番、名誉も何もかも俺の物と常日頃言っていましたが、リンとの対話で次第に緩和されていくようになり、リンの存在感がグリードの心を少しずつ動かしていることが見て取れます。

グリードの最後

この世の全ての物を欲するグリードの最後はどういったものだったのでしょうか?

グリードが本当に欲しかったもの

グリードが一番欲しかった物、ここではっきりと判明した場面がありました。

お父様との戦いの際、オートメイルが破壊されもう片方が金属に刺さって絶対ピンチのエドワードでしたが、その瞬間、弟のアルが自らの魂と引き換えにエドの右腕を元に戻します。

それによって最後の希望をエドに皆が託し、「エド!!」「エドワード!!」「鋼の!!」などと声援がエドに向かって飛び散り、それを外から見ていたグリードにリン、「グリード!お前が欲して止まなかったのはこれだろ!!!」薄々気づいてたであろう自分がずっと欲していたものが、今やっと、「協力し合う仲間」だったと気づくのです。

グリードの最初で最後の嘘

エドワードとの戦闘の途中、お父様体内の賢者の石が足りず遂にリンの中にあるグリードの賢者の石を取ろうとお父様がリンの体内から引きずり出そうとし、リンの体に直接手を入れ吸収し始めます。

それにリンは抗い意識化の中で必死にグリードの一部を引っ張り合う描写があり必死に抵抗をしますが、お父様によって作り出されたこともあって、力はお父さまの方が圧倒的に上

ついにはリンまで吸収され始めグリードリンに「ランクは下がるが秦の皇帝も悪くねぇな。一緒に戦おうぜ、相棒」と最初で最後の嘘をつきリンを殴り、手を離させました。

今まで考えなかった事がリンやエドとの出会いや会話で心が入れ替わって、グリードが今まで貫いてきた信条を破ってまでその行動に出たという事はやはり、無意識にエドやリンを仲間だと認識していたのかもしれません。

グリードの最後

その後、リンから離れお父様の体内に入ったグリードだが自分の炭化能力でお父様を絶滅させようとし、お父様は「なぜ父に逆らう!」と問うが、「遅めの反抗期だよ・・・!親父殿!!!!」と啖呵を切りますが、能力が完遂する前にお父様の口内からグリードの賢者の石が引きちぎられてしまいます。

空中に舞うグリードの賢者の石とそれを見ているリンとエドとランファン。グリードの中ではエドやリンとの会話の走馬灯が流れてきます。グリードは自分は仲間として大事に思われてきた事を改めて感じ、「十分だ。もう何にもいらねぇや。」と言い、「じゃあな、魂の友よ」とリンとエドに放ち消えていきました。

やっと自分がずっと欲してやまないものが理解したからこそリンを守り一人で立ち向かっていき、潔く散っていったのです。

まとめ

グリードの葛藤、進歩、そして成長が見れたところで華々しく最後を迎える事になりましたが、ホムンクルスの中で一番人間味が溢れていたキャラクターで、全てを手に入れたかったグリードは最後に魂で繋がれたリンという友を得たのです。

人ならざる者の中で最も人らしかったグリード、あっぱれでした。

【完結済み】鋼の錬金術師
created by Rinker
2001~2010年「月刊少年ガンガン」にて連載。累計発行7,000万部を超える、荒川弘による傑作ダークファンタジー、略称「ハガレン」。「第49回小学館漫画賞」受賞。