進撃の巨人の登場人物、サシャ・ブラウス。主人公エレンの同期で、物語の初期から活躍する数少ないキャラクターでしたが、マーレ編にてついに命を落とします。
今回は、
- サシャが死亡するのはコミックスの何巻なのか
- 誰にどのように殺されたのか
- その後の物語への影響
などサシャの死に関するものについて調べました。
進撃の巨人でサシャが死亡したのは原作何巻何話?
進撃の巨人でサシャが明確に死亡したことが分かるのは何巻の何話なのでしょうか?
その答えは原作の26巻105話『凶弾』にありました。
サシャがマーレ強襲作戦に参加
この作戦は独断でマーレ国に乗り込んだエレンを取り戻し、マーレの軍港を破壊してパラディ島侵略までの時間を稼ぐのが目的です。
始祖の巨人を宿しているエレンが王家の血を引くジークと接触することで、世界を踏み潰すほどの巨人の大群を操る「地鳴らし」が発動され、世界の中で軍事力が遥かに劣るパラディ島が生き残るには、「地鳴らし」を切り札として制御し、「攻撃されればこちらも世界に対して地鳴らしを発動できるぞ」と交渉する必要があります。
しかし、エレンは勝手にパラディ島を離れ、マーレ国に単独潜入。
エレンの真意が分からない為、ミカサ・アルミン・リヴァイ達パラディ島勢力は、エレン・ジークをそれぞれ接触させずに捕獲しなければなりません。
そして、サシャもパラディ島の仲間達と共に、このマーレ強襲作戦に参加。
狩人時代から飛び道具の扱いに長けていたので、この戦いでもスナイパーとして銃を用いてマーレの敵兵を撃ち殺していきます。
その際、マーレ国側の主要人物であるガビという少女の知り合いの門兵をも、彼女の目の前で射殺しました。
サシャが作戦終了後の飛行船で仲間と合流
エレンとジークを捕獲、軍港を破壊し、後はパラディ島まで飛行船で撤退するだけです。
飛行船に乗り込んだ後に他の仲間達が作戦成功で盛り上がる中、元から野生のカンや五感に優れていたサシャは最後まで飛行船の外を警戒。
その時、今までたくさんの修羅場を共にくぐり抜けてきたコニーが「俺たちはまた生き残った」「他の仲間にはわりぃけど…やっぱりお前らは特別だよ」とサシャとジャンを抱きしめます。
サシャも警戒を緩め、安心した表情です。
戦士候補生のガビが飛行船に乗り込む
先ほど目の前で知り合いの門兵を殺された少女・ガビはマーレの戦士候補生であり、銃の扱いや人を殺す訓練を受けています。
故郷を襲撃されて悲しみと怒りに燃える彼女は、立体起動装置を用いてサシャ達の飛行船に乗り込み、その際「ガッオン」という大きな音がしたため、五感が鋭いサシャは「何か音がしましたよ」と反応しますが、一度安心して警戒を緩めていたので、外を目視していません。
また、「おおおお」という仲間達のかちどきのせいで、コニーとジャンはまだ何も気付いていません。
サシャがガビに撃たれる
一瞬で体勢を立て直し、銃を構えて撃つガビ。
その狙いは、最も速く反応していた(=体が正面を向いていて、背中の銃を取ろうとしていた)サシャに。
この凶弾によりサシャは絶命することになり、ガビはそのまま飛行船でパラディ島まで連れて行かれ捕虜となりました。
この時ガビがサシャを狙ったのは、
- 五感が鋭く、最も速くガビに対応しようとしていたから(手前にいたジャンよりも反応が素早かったサシャを撃った)
- ガビが「女に撃たれて死んだ」門兵のかたきを討とうとしたから(実際にその門兵を殺したのもサシャ)
また、サシャが死んでしまった要因はコニー達と生き残った喜びを分かち合い、ひと安心して外への警戒を怠ってしまったから。
もしコニーが話しかけなかったら、もし最後まで外を警戒し続けていたら、もし一番速く反応しなかったら…サシャは死なずに済んだかもしれません。
特に仲間と喜びを分かち合ったことが死の要因になってしまったことが、サシャの死をより悲しく感じさせます。
サシャが最期に言い残した肉の意味
サシャが最期に残した言葉は「肉」です。
サシャは子どもの頃から人一倍食い意地が張っていて、死ぬ間際まで食べ物のことを考えてしまうくらいで、過去にも整列中に教官の前で芋を食らう・上官の肉を盗むなど貪欲な食欲のエピソードを持ちますが、悲惨な最期の時を迎えるキャラクターが多い進撃の巨人において、大好きな肉のことを思い浮かべて死んだサシャは穏やかな死に様だったと捉えることもできます。
サシャが死んだ時にエレンが笑った理由
サシャが死に際に言った言葉が「肉」だと分かった時、同じ飛行船に乗っていたエレンは「くっくっくっくっくっ」と笑い出しました。
しかし、エレンが笑った理由はサシャの命を軽んじた訳ではなく、
- 死ぬ直前までサシャらしい発言だったから
- 大事な仲間であるサシャを死なせてしまった自分の無力を笑ったから
このエレンが笑った理由はその表情から察するに馬鹿にした意味ではなく、生前のサシャのことを思い出しながら涙をこらえているようです。
サシャが死んだことによるその後の影響
サシャの死によってパラディ島の仲間たちやサシャの家族、そしてサシャを殺したガビの運命は大きく動き出します。
悲しみに暮れる104期生達
仲間として共に戦ってきたミカサ・アルミンは、サシャの死により動揺し、涙を流します。
ジャンは「お前が…調査兵団を巻き込んだからサシャは死んだんだぞ?」とエレンを責め、コニーは茫然と立ち尽くし笑うエレンを見つめます。エレンがサシャの死を笑っていることにショックを受けていて、泣くのをこらえているエレンの表情まで見る余裕はないようです。
サシャに想いを寄せていたマーレ人・ニコロ
3年前からパラディ島で捕虜となっていたマーレ人のニコロという男性は、自分の料理を誰よりも美味しそうに食べてくれるサシャを大事な人と思いを寄せていました。
そのため彼女がガビにより殺されたと分かると、報復としてガビを殺すことを決意します。
サシャの両親により救われるガビ
ニコロはガビをサシャの両親の前に差し出し、「あなた方が殺さないなら俺が殺しますが…構いませんね?」と言いますが、サシャの両親はガビを殺そうとはせず、「過去の罪や憎しみを背負うのは我々大人の責任や」と言ってガビを開放します。
『悪魔』だと思っていたパラディ島の人間達が自分を救ってくれたことにより、ガビは「悪魔なんていなかった…」「この島には…人がいるだけ」と気付きました。
もしサシャが死ななかったら
ガビがサシャを撃ち殺すことができなかった場合、物語はどうなっていたでしょうか。
ガビはパラディ島の人間を『悪魔』と決めつけたまま、どこかの時点で憎しみのままに島の悪魔を殺害し、報復として殺されていた可能性があります。
そうなったとしてもガビはマーレ戦士候補生として、『悪魔』を殺したことを誇りに思って死んでいったことでしょう。
ガビがパラディ島の人々と和解できずに死んだので、後にマーレ戦士とパラディ島調査兵団が協力関係を結ぶことができず、人類を救いに行くこともできなかったかもしれません。
つまり、サシャが死亡することによって、ガビの認識が変わり、マーレとパラディ島が協力して人類を救いに行けたということになります。
辛いことですが、サシャの死が結果的に希望的ルートを生み出していて、絶望的な展開が新しい希望を生み出しているのが、『進撃の巨人』という作品の面白いところですね。
まとめ
- サシャが死亡するのは26巻105話
- マーレ国の少女・ガビによって撃ち殺される
- サシャの両親によって救われ、ガビは『悪魔』達の認識を改める
連載初期から生き残っていたサシャが死んでしまったのは悲しいことですが、彼女の死が様々なキャラクターの思いや行動を変化させ、物語に大きな影響を及ぼします。
進撃の巨人は憎しみの連鎖が悲劇を引き起こしている様子を描いていますが、サシャを殺された両親はその連鎖を断ち切る姿を見せてくれました。
島の人間も自分たちと同じ人間だと気付いたガビはこの後どう行動していくのか、他のキャラクター達は憎しみの連鎖を断ち切ることができるのか、TVアニメThe Final Seasonも始まった進撃の巨人から目が離せませんね。