進撃の巨人の奇行種とは
進撃の巨人の中でも、特に動きの不気味さとユニークさから特徴的な奇行種の巨人。
そもそもどんな巨人を奇行種というのでしょうか。
巨人に共通する習性や特徴
調査兵団の分隊長ハンジの調査によって巨人の実態が明らかになりました。
奇行種であるかどうかはにわらず、巨人に共通する習性や特徴として、
- 人間を食べる
- 人間以外の生物に興味を持たない
- 頭部や四肢を吹き飛ばされる損傷でも1 ~2分で回復する
- うなじ(厳密には後頭部より下のうなじにかけての縦1m、幅10cmのせき髄にあたる部分)が弱点
- 知性がない
- 生殖器がない
- 身体が高温
- 活動に日光がある程度必要
などがあげられます。
巨人が人間を捕食するのは「あくまで食べることが目的」なので、人間を殺すことが目的ではありません。
ただ、人間をかみちぎると結果として死にますが、殺すために食べるのではなく、食べた結果死んでしまったというのが通常の巨人の行動です。
巨人は通常種と奇行種に分かれる
- 跳んだり走ったりして素早く動く
- 近くの人間には反応せず遠くの大勢にだけ反応する
- 人間だけでなく馬まで食べる
奇行種は知性を持った9つの巨人とは別物
知性がないと前述しましたが、知性を持つ9つの巨人が存在します。
これは、始祖の巨人を含めそこから8つに分かれた合計9つの巨人をさし、この巨人の力は死んだら失われるというものではなく、継承されるものです。
かつて始祖の巨人は大地の悪魔と契約してその力を手に入れてから13年で死亡したため、9つの巨人の力を継承した者はそこから13年しか生きられません。
9つの巨人の力は継承されていきますが、主にその方法は弱点であるせき髄部分の捕食です。これらと現継承者については以前、下記のリンクにまとめたのでご覧下さい。
別冊『別冊少年マガジン』(講談社)で連載中の人気漫画『進撃の巨人』について、最初は未知だった巨人の正体ですが、物語が進むにつれ、一部の人が巨人になれることが判明しました。 アニメもThe Final Seasonに突入したので、今回は[…]
つまり奇行種は知性のある9つの巨人とは違い、通常の巨人の中から現れたそれこそ奇行の種なんです。
奇行種は走り方も特徴的!これまで登場した奇行種の例
奇行種の巨人の動きはとてもユニークなものが多く、全てを紹介することはできませんが、幾つか事例を挙げていきます。
いきなりダッシュする奇行種の巨人
遠くにいればまだ安心と思っていたら、突然走り出す奇行種の巨人で中には馬よりも足が速い巨人もおり、遭遇すればまさに恐怖ですね。
ただし全ての巨人にはスタミナのようなものがあり、仮に奇行種に見つかっても馬に乗って全速力で逃げ切れば生存の可能性もあります。
目の前の人に向かわず大勢の人の所へ向かおうとするロッドレイスの巨人
ロッド・レイスが薬で変化した大型の奇行種の巨人です。
目の前にエレン達がいたにも関わらず、多くの人類が住む壁内(街)のほうへ向かっていきました。ちなみにこのロッド・レイス巨人の弱点を破壊したのは、ロッドの娘であるヒストリア・レイス。
ロッド・レイスが巨人化させた(していた)人は、
- 父親
- 弟
- 娘
で、いずれも自分では始祖の巨人になろうとしませんでした。
「ならなかったのか、それとも別の理由で慣れなかったのか」これは今も謎のままです。
イルゼが出会った巨人
人間と意思疎通をとり、悩み出したと思ったら突然豹変して襲ってくるという奇行種の巨人もいましたね。
この時のイルゼの手帳に残された記録によりハンジ達は巨人の正体に近づくことができました。
アニメ3期の終わりの方に前に頑張って進もうとしているけどほとんど動けない巨人もいましたね。人間が近づいても反応を見せないのでこれも奇行種の巨人なのでしょう。
こちらの奇行種も「とどめを刺そう」と主張する団員もいましたが、他の皆はその言葉を聞き入れずそのまま放置することにしました。
巨人の正体が自分たちと同じ人間だと分かったエレン達には哀れに思えてとどめを刺さなかったのかもしれません。
目だけこちらを見てくる巨人と木の陰から見張る巨人
ライナー達がエレンを拉致し、大木の密林に滞在していた時に、周囲にいた巨人。
見張ったり、目だけはこちらを見ているなど、非常に人間に近い行動をとる奇行種の巨人達でした。
必死になって木を登ろうとする巨人もいたのですが、通常種は木の下で登ろうとはしても全く登れていないので、この機をよじ登ってきた巨人もおそらく分類は奇行種なのでしょう。
ダイナ・フリッツの巨人
エレンの父親であるグリシャ・イェーガーは、かつて壁の外のマーレ帝国に住んでいました。
その時の妻であり王家の血を引いていたダイナ・フリッツは反逆の罪でマーレ帝国から追放され、グリシャの目の前で巨人化されてしまったのでした。
巨人化直前の強い想いが影響したのか、その後グリシャの能力を継承したエレンのもとへ2度も近づいていき、他の巨人とは明らかに外見が違うのでこれも一種の奇行種だと思われます。
ただ王族の血を引いたものが一般的に使われる巨人化の注射をすればあのような奇行種に、王族のみが使うことができる特別な注射をしていればダイナ・フリッツも始祖の巨人になったのでしょうか?
コニーの母親も襲湧く奇行種である可能性が高い
コニーの故郷であるラガコ村の人々は、獣の巨人でありながら同時に王家の血も引くジークの能力によって巨人化されてしまい、その中でコニーの母親である巨人家にはまって動けず作戦には参加をしませんでした。
そのおかげで生き残れたのですが、コニーを見て、オアエリ(おかえり)という言葉を発するなど、人間だったころの記憶が残っていたような描写があったので、おそらくコニーの母親も奇行種に分類されるのでしょう。
通常の戦法では対処できない奇行種の巨人への対策
予測不能な行動をとる奇行種は人類にとって脅威の存在であり、人類は知恵で対抗していきました。
隊列の陣形を工夫する
作中では巨人達への対策として隊列に長距離索敵陣形を活用することで、生存確率を高めていました。異変を察知すれば煙で指示を送り進む方向を変えることで、兵団のダメージを少なくさせるやり方です。
しかしながら本編でもあった通りアニの女型の巨人が複数の巨人を引き連れて襲ってきたため、特に予測不能な奇行種の行動によりダメージを受けることは不可避です。
そのため奇行種に対しては素早く対応し出来るだけ早く陣形を立て直すことが重要とされてきました。
奇行種や鎧や超大型巨人討伐の為に改良された武器
それまではブレードを使い、弱点であるうなじ(厳密にはせき髄)を破壊することで倒していましたが、ハンジの要望により遠隔で攻撃、爆発が可能な雷槍(らいそう)と呼ばれる武器が登場します。
これにより奇行種の巨人を容易に倒せるようになっただけでなく、鎧の巨人の鎧をも破壊できるようになりました。
奇行種の巨人の正体とは
作中でも長らく謎であった巨人の正体とはなんだったのでしょうか。その謎に迫ります。
巨人の正体は全て生きた人間
正確には人類のうち巨人になれるのはエルディア人であり、世界からは悪魔の末裔と呼ばれています。
エルディア人はエレン達のいるパラディ島に住む人々とマーレ帝国の一部の指定地区に住む人々を指し、巨人のせき髄液を摂取するなどして巨人化でき、物語序盤で巨人を倒したり実験したりすることが多かったのですが、実際は元々人間であったことが判明して、とても衝撃的でした。
奇行種の巨人になる条件や原因は?
作中でもはっきりとした原因は語られていませんが、
- 巨人化する直前の強い想い
- 巨人化する時の元の身体のせき髄の損傷状態
- 巨人化する時に摂取するせき髄液や薬の量
などに依ると考えられますが、要因は様々であり不確定です。
巨人の身体はどうやって作られるのか
物語の後半、時間と空間を超越した座標と呼ばれる場所に到達したエレンとジーク。その場所で全ての巨人は王家の奴隷として始祖ユミルの手によってこれまで作り続けられてきたことが判明しました。
そして、道という存在を通ってエレン達のいる現実世界へ送られ、巨人が実体化しているのでした。また、過去これによりジークの身体も修復され復活したこともあります。
この描写を見るとユミルはバケツを使って砂で巨人の体を1人で黙々と作り続けている様子。現実世界での巨人化は一瞬でも、この場所で巨人を作るときは1体完成させるだけでもとても大変そうです。
さらにその作業を現実世界の年月にして実に2000年間も行ってきたのですから、神様のような存在でも、始祖ユミルの苦悩が伝わってきます。
まとめ
物語の中でもその恐怖を語る上で欠かせない、奇行種の巨人や巨人の正体にも迫り、どうやって作られてきたかまで判明しました。
アニメや原作含め作中で数多くの奇行種の巨人が現れるので、そこに注目する視点で物語全体を鑑賞してみるとより楽しめるかもしれません。
物語のクライマックスにかけ、これからどのような巨人が登場するのかとても楽しみです。