進撃の巨人連載開始当初から、巨人の生体実験や王政の秘密解明など、調査兵団の頭脳として活躍してきたハンジ・ゾエ。
ハンジは、調査兵団の中で、最も長く生き延びて来た優秀な兵士ですが、いつ、どのような経緯で死亡してしまったのでしょうか。
今回は、ハンジが死亡したのは何巻何話か、アルミンがハンジの後継者となった理由について紹介していきます。
ハンジの死亡シーン33巻第132話「自由の翼」にて
ハンジの死亡シーンは原作33巻第132話「自由の翼」に掲載されているのですが、どのような状況で死に至ったのでしょうか?
地ならし発生後にハンジ死亡に至るまでの経緯
地ならし発生後、パラディ島の人たちは「これで自分たちの安全が保障される」と安堵しましましたが、ハンジにとって、地ならしによる虐殺は、死んで行った仲間が夢見た外の世界への希望を踏み潰すものであり決して見過ごせないものでした。
そこでハンジはアルミンらの協力を仰ぎ、エレンの虐殺を止めるための行動を開始します。
高さ50mの地ならし巨人達の中心にいるエレンに接近するには、飛空艇を修理点検作業を行った上で飛ばさなければなりません。
しかし、地ならし完遂を目指すイェーガー派が大勢を占めるパラディ島内での作業は極めて困難なので、ハンジらは島から離れた場所にある格納庫に飛空艇を船で牽引して移動させました。
フロックの奇襲
飛空艇の移動に成功したハンジらでしたが、船にしがみついて追ってきたフロックにより、燃料タンクに穴が開けられてしまいます。
整備士が穴を溶接しようとしますが、さらに悪いことに、地ならし巨人が格納庫に向けて迫って来る姿が見えるのでした。
なんとか溶接の時間を稼ぐためには、格納庫に近づく地ならし巨人を1体でも多く倒さなければいけないのですが、エレンとの戦闘に備えるため巨人の力を消耗させることはできません。
ハンジの特攻作戦
絶望的な状況の中で声を上げたのはハンジでした。
「みんなをここまで率いてきたのは私だ。大勢の仲間を殺してまで進んだ。そのけじめをつける」高温の炎に覆われた地ならし巨人に人間の姿のまま近づけば、無事では済みません。
ハンジの言う「けじめ」とは、特攻で自分を犠牲にすることでした。
ハンジがアルミン達に託した想い
ハンジが自分の命を犠牲にしてまで飛空艇を守り地ならしを止めようとしたのは、壁外人類との対話の可能性を諦めないためです。
ハンジはマーレ編以降壁外人類との対話を試みてきましたが、パラディ島が世界中から憎まれている現実を変えることはできませんでした。
フロックも意識が遠のく中、地ならしを止めればパラディ島が報復攻撃を受けてしまうと訴えかけますが、調査兵団が多大な犠牲を払って戦ってきたのは壁内人類の生存のためだけではなく、外の世界と繋がり、理解を深めるためでもあったはずです。
「心臓を捧げた仲間に報いるためには例えどんなに困難な道であっても仲間が夢見た理想の世界を実現するため、対話による解決を諦めてはならない」ハンジはこのような想いから、地ならしを止めるため命を賭して飛空艇を守ったのでした。
飛空艇を無事に飛ばすために自らを犠牲にしたハンジの死
ハンジは、アズマビト家が所有する飛空艇整備用の格納庫に到着後、飛空艇に迫る地ならし巨人を倒すため、ブレードで直接うなじへ切り込みました。
しかし、地ならし巨人が発する高温の炎を直接浴びたハンジは、熱さに耐えることができず、地ならし巨人の足元に落下し、跡形もなく踏み潰されてしまいます。
ハンジの死に泣き崩れるアルミン達
ハンジが倒した地ならし巨人は格納庫とは逆向きに倒れ込みますが、間一髪飛空艇は離陸に成功しました。
飛空艇に乗り込んでいたアルミンらは、ハンジが炎に包まれながら落下して行く姿を見て、泣き崩れてしまいます。
一方、リヴァイは、無二の戦友を失った辛さを押し殺し、「じゃあな、ハンジ。見ててくれ。」と語りかけるのでした。
新団長に指名されたアルミン
ハンジの死亡によって空白となった壇上の座にアルミンが指名された経緯はどのようなものがあったのでしょうか。
ハンジによるアルミンの指名
ハンジは地ならし巨人に特攻する直前アルミンを新団長に指名しました。
指名理由は「理解することをあきらめない姿勢」という資質に適合しているというもので、物語が佳境に入る中で初めて明かされた調査兵団の本質があったのです。
では、「理解することをあきらめない姿勢」とは、何を指すのでしょうか?
ハンジとアルミンの共通点から、探ってみましょう。
巨人捕獲作戦の発案者
巨人生体実験で有名なハンジですが、アニメ版進撃の巨人OVA「イルゼの手帳」では巨人捕獲作戦の考案者でもあることが明らかにされています。
この作品では、エルヴィンは、兵士の安全を第一に考え巨人捕獲作戦に消極的姿勢を示していましたが、イルゼが遺した手帳を読んだハンジは人類が巨人の生態について未だ無知であることから、リスクを払ってでも巨人を捕獲して調査する必要がある旨エルヴィンに訴えます。
ハンジの説得を受けたエルヴィンは、巨人捕獲作戦を調査に取り入れることを決定するのでした。
マーレ潜入計画
マーレ潜入計画を提案したのもハンジです。
パラディ島唯一の友好国であるヒィズルから、他国との交渉に協力しない旨の回答を受けた104期生はもう地ならしに頼るしかないと落胆します。
このような絶望的な状況の中でも、ハンジは「わからないものがあれば理解しに行けばいい。」と対話の可能性を諦めませんでした。
何かを変えられる人
「何も捨てることができない人には、何も変えることはできない」言わずと知れたアルミンの名言です。
アルミンは100人の仲間の命を切り捨てるというエルヴィンの非情な選択を、作戦を確実に成し遂げるためには必要なことだったと肯定的に捉えました。
リスクを承知で調査する、という点で、ハンジの考え方と共通していますね。
常に話し合いを試みる
アルミンは幼少期から暴力ではなくまず話し合いで解決しようという姿勢を見せていました。
この姿勢はアニらの裏切りが発覚して以降も変わりません。
自分たちを殺そうとしている相手に対しても説得を試みるという点で、「理解することをあきらめない」ハンジと共通の姿勢が見て取れます。
ハンジの死亡シーンは何巻?のまとめ
心臓を捧げた仲間たちが夢見た外の世界を守るため、自らの命を犠牲に地ならし巨人を倒したハンジ、残された仲間に外の世界への希望と未来を託し散っていったその姿は、タイトル「自由の翼」そのものでした。
今後はハンジから団長を引き継いだアルミンが、「理解することをあきらめない姿勢」により、どのような活躍をしていくのか、注目していきたいですね。