「女型の巨人」としてエレン達の前に立ち塞がり、死闘を繰り広げたアニ・レオンハートは調査兵団ではエレン達の同期であり、クールで格闘術に優れた兵士でした。
しかし死闘の末に、彼女は巨人の持つ「硬質化」の力により、自身を鉄以上の硬度を持つ透明な水晶体の中に封じ込めてしまいます。
調査兵団はその後、彼女を地下施設に安置していましたが、読者の間ではいつか復活の時が来るのでは、と心待ちにされていました。
そこでこの記事では、
- アニ復活までの年月
- 復活のきっかけ
- 復活後アニはどうなったのか
について検証してみたいと思います。
アニが復活するは原作何巻?
アニの復活は原作31巻第124話「氷解」で描かれています。
文字通り、氷が解けるように彼女を包んでいた水晶体が解け、アニがずぶ濡れで床に投げ出されていました。
原作8巻第33話「壁」で水晶体の中に入って以来、実に22巻ぶりの復活となります。
復活したアニの様子
原作内の時間で4年以上水晶体の中で眠っていたアニは復活した後、地下室を抜けだして憲兵隊の上着を奪おうとしますが、その相手が元ルームメイトのヒッチでした。
たまたま彼女が一番最初に現れた、というだけだったのですが、ここで驚いたのがヒッチとアニの身長差。
そう、アニは4年前のままの姿で、成長していなかったのです。
というよりも、ヒッチが成長していたというべきでしょうか。
復活したばかりでまだ体に力の入らないアニは体格差もあって、ヒッチに投げ飛ばされてしまい、格闘術においてアニがヒッチに遅れをとることなどあり得ないのですが、一番驚いたのは投げ飛ばしたヒッチだったでしょう。
ヒッチ「そんなに弱ってるのに巨人化する体力なんて無いでしょ」
アニ「そうかもね…一か八かで試してみないと」
しかしアニも手を打っており、手のひらに傷を入れていつでも巨人化できるようにしてありました。
復活したアニは敵?味方?
水晶体の中に自らを封じ込める前、アニは調査兵団の敵でした。
実際兵団の兵士を殺したり、エレンを攫おうとしたり、死闘を繰り広げた経緯を考えると敵で間違いないのですが、復活した後は少し様子が違います。
巨人化されるリスクを考慮してアニの逃亡に加担したヒッチには穏やかに接していますし、その後街中で偶然出会ったアルミンやコニー達とは行動を共にすることに。
彼女の中に敵対心というものはなく、任務や使命といったものも既にありませんでした。
アニを突き動かしたもの、それはパラディ島へ任務に行く彼女にかけた、父親の言葉。
- この世のすべてを敵に回したっていい
- この世のすべてからお前が恨まれることになっても…
- 父さんだけはお前の味方だ
- …だから約束してくれ
- 帰ってくるって…
エレンの巨人に捕獲されそうになった時、彼女はこの父の言葉を思い出し、涙を流しながら硬質化の力を使います。
アニの中で何よりも大切なもの、それは任務でも使命でもなく、父親との約束を違えない、必ず父の元に帰るという強い想いでした。
ゆえに復活した彼女は、兵団に対して牙をむくことなく、自分の目的にのみ忠実な行動をとったのです。
目的を失ったアニの行動
アニはアルミン、コニーと行動を共にし、調査兵団と合流しました。
そこには共にパラディ島へ潜入したライナーや、戦士候補生のガビ、ファルコの姿もあり調査兵団団長となったハンジの指揮の元、アニは地鳴らしを発動したエレンを止め「世界を救う」作戦に加担することになります。
原作は既に完結した進撃の巨人ですが、アニメでは今後地ならしが発動し、ストーリーも大詰めへと向かっていて、エレンはこのまま世界の人類を滅ぼしてしまうのでしょうか? アルミン達が考える地ならしを止める方法はうまく成功するのでしょうか? […]
しかし地鳴らしの進行速度は思うよりも早く、様々な障害もあったことから、最善の手を打ったとしてもアニ達の故郷レべリオはすでに手遅れになっていました。
絶望の中、アニは「私は降りる」と宣言します。
「私が戦う理由はなくなった…」
「もう…戦いたくない」
同期の女性兵士の中ではミカサと並んで抜きんでた存在だったアニ。
そして「女型の巨人」の継承者に選ばれるほど有能な戦士でもあった彼女が、存在意義でもあった「戦い」を全面放棄したのでした。
「あんたと…殺し合いたくない」
「あんた達とも…」
「エレンとも…」
アニ死亡?残った彼女の選択
エレンとの最終決戦に向かう調査兵団にアニは同行せず、アズマビトの船に残ります。
ガビやファルコのお守役を請け負い、仲間達や想いを寄せてくれたアルミンを見送る彼女の胸には、計り知れないほどの感情があったことでしょう。
そして彼女の乗った船はこの後、沈むことになってしまうのですが、彼女は死んでいません。
ファルコの継承した巨人がかつて空を飛んでいたらしい、と彼から聞き、一か八かで「空を飛ぶ巨人」に変化させ、その背に乗ってアルミン達を追ったのです。
そして見事、窮地にあった仲間達を救うことに成功するのでした。
戦いを放棄したはずの彼女ですが「でも来てよかった」と仲間の無事な姿に安堵の表情を浮かべます。
この戦いの行く末に、やはり彼女も無関心ではいられなかったのです。
アニの現在、そして未来へ
最終決戦にてエレンが討ち取られた後、世界から巨人の力は全て消え失せ、アニやアルミン、ライナー達が受け継いだ「七つの巨人」も例外ではなく、彼らはみんなただの人へと戻ったのです。
そして父親との再会。
「おかえりなさい」の一言に涙を流し、アニと父が抱擁、そして現在アニは仲間達と世界のために奔走しています。
和平交渉の連合国大使となったアルミン達は、ヒストリアが女王を務める故郷、パラディ島へ。
アルミンの傍らに立ち、彼女もまた使命を果たそうとしています。
エレンが残した、希望の未来へ踏み出すために。
アニ復活は原作何巻?どう描かれている?まとめ
人気の高かったアニの復活に、喜んだ読者も多かったことでしょう。
絶望が支配する世界で彼女は望みを叶え、命を落とすことなく父親と再会し、そして巨人の力が消えた世界で未来へと歩み始めました。
想いを寄せてくれていたアルミンとのその後など気になるところですが、彼女と仲間達の幸せな未来を願うばかりです。