金属バットの強さは、負傷しても立ち上がり、気合いとともに打撃の威力を上げる点にあります。村田版ではムカデ先輩らを倒す実績があり、連戦後のガロウ戦でも反撃の機会をつかむ粘りが持ち味です。
村田版32巻では、そのガロウと救助ヘリを守るために共闘しました。単独で押し切れない相手にも、力を合わせて突破口を作れるのが金属バットの面白さです。
生死については、村田版では怪人協会編後もネオヒーローズへ参加し、ONE版158撃目ではネオタワーの頂上を破壊する活躍が描かれています。倒れる場面を、そのまま死亡の結末へ結びつける必要はありません。
村田版10・11・32巻、怪人協会編後のネオヒーローズ参加、ONE版158撃目のネタバレを含みます。
金属バットの強さと気合いの仕組み
金属バットは、怪人協会編ではS級16位として活動する、バット一本で戦うヒーローです。相手の攻撃を受けて弱りきったように見えてから、さらに強い一撃を返す姿が戦闘の印象を変えます。
負傷を力へ変える気合いと、倒れない体の違い
村田版10巻の護衛任務では、金属バットはナリンキ親子を襲ったムカデ後輩とヒトトリグサを早々に撃破しました。その後のムカデ先輩とラフレシドンとの連戦が、気合いの性質をよく示す場面です。
ラフレシドンの催眠香で意識が鈍り、ムカデ先輩の攻撃も受けますが、自分の頭をバットでたたいて持ち直し、反撃で二体を倒します。初めから無傷で圧倒する強さとは、まるで違いました。
追い詰められた状況で力を引き出すのが、金属バットの気合いです。ガロウ戦でも打撃の威力が上がり、攻撃を受け流す相手へ圧力をかけ続けています。
ただし、力が増すことと、受けた傷が消えることは別でした。ゼンコの制止で戦いをやめた後には倒れており、気合いで活動を続けても、体への負担まで帳消しになるわけではありません。
金属バットの怖さは、一度倒したつもりでもそこで終わらない点にあります。ガロウが勝利を確信して背を向けた後も、反撃の一撃を放てる状態だったのです。
気合いの上限と、S級内の順位をどう見るか
気合いが上がれば無限に強くなる、どんな敵にも最後は勝つという結論にはできません。11巻のムカデ長老戦では、硬い甲殻と巨大な体に苦戦し、単独での撃破には至りませんでした。
32巻のムカデ仙人戦も、ガロウとの連携を含む実績です。そこで生まれた破壊力を、いつでも一人で出せる通常の戦闘力へ置き換えると、強さの見方が変わってしまいます。
S級16位は、金属バットが戦闘力で16番目だと決める数字ではありません。実力を見る際に大切なのは、気合いが高まる前後で何が変わり、相手の硬さや技にどこまで対応できたかです。
S級の中での金属バットの所属や、ほかのヒーローの人物像は、S級ヒーロー一覧から比較できます。
ガロウ戦とムカデ戦から分かる実力
金属バットとガロウは、11巻では敵同士として戦い、32巻では同じ救助ヘリを守る側に立ちました。二人の関係が変わることで、金属バットの打撃が果たす役割も変わります。
| 村田版の場面 | 気合い・戦況 | 金属バットの結果 | 収録巻 |
|---|---|---|---|
| ムカデ先輩・ラフレシドン戦 | 催眠香と打撃で追い詰められ、気合いで反撃 | 二体を撃破 | 10巻 |
| ムカデ長老戦 | 連戦後も応戦、硬い甲殻と巨体に苦戦 | 単独撃破に至らず、吹き飛ばされた先でガロウと遭遇 | 11巻 |
| ガロウとの一騎打ち | 武術で打撃を受け流されながら気合いを高める | ゼンコの制止で決着前に中断 | 11巻 |
| ムカデ仙人戦 | ガロウと救助ヘリを守り、連携による力の増幅 | 外骨格の破壊に貢献、最後の撃破はガロウ | 32巻 |
ガロウ戦は、技術と気合いのぶつかり合い
11巻のガロウ戦で金属バットが苦しんだのは、打撃の力だけでは相手を捕まえられない点です。ガロウは流水岩砕拳を使い、バットの攻撃を受け流して反撃します。
金属バットはすでにムカデたちと連戦していました。それでも倒れたまま終わらず、気合いで打撃を強め、勝ったと思って背を向けたガロウへ反撃する機会をつかんでいます。
その一撃が振り下ろされる直前に現れたのが、妹のゼンコです。金属バットはバットを止め、ガロウもその場を去ったため、最後の攻撃が当たった結果は描かれていません。
この戦いは、ガロウの技術が金属バットを苦しめたことと、金属バットの粘りが再び反撃の機会を作ったことを、両方残しました。一方的な勝利として片付けるより、倒す力と、倒しきる難しさがぶつかった対戦です。
ムカデ長老には苦戦し、仙人戦では連携で突破した
ムカデ長老を相手にした金属バットは、甲殻への攻撃が通りにくい中で頭部を狙います。相手の硬さをただ力任せに押し切る戦いではありませんでした。
顔へ攻撃を加えても、巨体を大きく動かす反撃で吹き飛ばされます。気合いがあるから強敵の攻撃を受けても平気、という話ではないのです。
32巻のムカデ仙人戦では、ガロウとの間に別の戦い方が生まれました。タレオやセキンガルの乗った救助ヘリが狙われ、二人は口論しながらも人を守るために協力します。
金属バットは、ガロウとの共鳴で攻撃の力を増幅させ、硬い外骨格を砕く連携に加わりました。ここでの成果は、単独の打撃だけでは届かなかった破壊力を二人で生んだ点です。
その後、再生核を抜き取り、ムカデ仙人を最後に倒したのはガロウでした。金属バットを討伐者とするより、救助と外骨格の破壊を支えた働きに注目すると、共闘の意味が伝わります。
11巻では打撃を受け流す敵だったガロウが、32巻では同じ相手へ攻撃を合わせる仲間になったのです。目の前の救助を優先した金属バットは、かつての敵と並んでムカデ仙人へ立ち向かいました。
金属バットが戦ったムカデ長老とムカデ仙人の違いや、それぞれの戦闘歴は、ムカデの種類をまとめた記事で追えます。
妹ゼンコとの約束が、ガロウ戦を止めた
金属バットの妹ゼンコとの間にあるのが、自分の前では暴力を振るわないという約束です。ガロウへ反撃できる絶好の機会でも、金属バットはその約束を守りました。
ここは、妹に弱いという笑いだけでは終わらない場面です。連戦で傷つき、ガロウにも攻撃されていた金属バットには、殴り返したい理由が十分にあります。
それでも、ゼンコが現れた瞬間に攻撃を止めました。気合いで止まらない男が、自分の意思でバットを止める、その落差に兄としての一面が出ています。
妹との約束を忘れて勝利へ走る人物ではないのです。ガロウが去った後も怪人との戦いへ戻ろうとするものの、ゼンコに止められたところで力尽き、倒れてしまいました。
ゼンコが強敵を倒したわけではありません。重傷でも動き続けていた兄の気合いが切れた場面として見ると、金属バットの体がそれまでどれだけ無理をしていたかも分かります。
金属バットは死亡した?その後を版別に整理
ガロウ戦での失神が、金属バットの最期になったわけではありません。村田版の怪人協会編後と、ONE版158撃目の時点では、どちらも生存して活動を続ける人物です。
村田版では共闘を経て、セキンガルの護衛へ
村田版32巻では、11巻の一騎打ちを経た金属バットが、再びガロウと同じ戦場に立ちました。救助ヘリを守る共闘は、重傷から戻ってきた後の活躍です。
怪人協会編後には、ネオヒーローズへ向かうセキンガルの護衛を引き受けます。村田版のこの参加は、シッチ側の意向を受けて、ネオヒーローズの内側を探る役割を持つ行動です。
金属バットは、敵へ飛び込む役だけでなく、危険を引き受ける人を守る役にも回りました。組織を探ろうとするセキンガルと、その身を守る金属バットという組み合わせです。
金属バットとの共闘後、ガロウがサイタマとの戦いで何を迎えたかは、ガロウの決着とその後を解説した記事につながります。
ONE版ではネオヒーローズへ移籍し、158撃目で電波塔を破壊
ONE版では、留守中の妹の警護や猫の世話といった条件も、ネオヒーローズへ移籍する理由になりました。村田版のセキンガル護衛とは、同じ組織への参加でも経緯が異なります。
移籍後の金属バットは、組織の不審な動きに警戒を強め、監禁される危機にも陥りました。それでも、ONE版158撃目では傷だらけの姿で仲間と会話し、敵へ立ち向かっています。
この場面でアマイマスクたちが求めたのは、ネオスーツを操る電波を止めるため、タワー頂上のアンテナを破壊することです。金属バットはその役を引き受け、階段を駆け上がり、立ちはだかる機神を打ち破って頂上を破壊しました。
電波が止まると、スーツを着た人々の動きにも変化が出ています。傷ついたままでも前へ進む力を、スーツを着た人々を操る仕組みの破壊へ向けた活躍でした。
ONE版158撃目の金属バットは、倒れて退場した人物ではありません。仲間に仕事を任され、それを成し遂げるヒーローとして生きています。
金属バットの活躍を読める巻
気合いの強さを追うなら村田版10・11巻、ガロウとの共闘を読むなら32巻が中心です。最初の対戦と共闘を続けて読むと、二人が同じ救助へ動く意外さが際立ちます。
- 10巻:護衛任務中のムカデ怪人との連戦、気合いで反撃する金属バット
- 11巻:ムカデ長老との戦闘、ガロウとの一騎打ち、ゼンコによる制止
- 32巻:162撃目「BAD BOYS」・163撃目「2BAD」から続くムカデ仙人戦、救助ヘリを守る共闘
- ONE版158撃目:ネオタワーのアンテナを破壊する金属バット
ONE版158撃目は、村田版単行本の158撃目と同じ内容ではありません。ガロウとの共闘を読みたい人は村田版32巻、ネオタワーでの働きを読みたい人はONE版158撃目という選び方です。
まとめ:金属バットは気合いで力を増し、ガロウとの共闘でも活躍する
- 金属バットは負傷しても気合いで打撃を強めるが、傷や体への負担が消えるわけではない
- ムカデ先輩らを倒す一方、ムカデ長老の単独撃破には至らず、気合いの上限を無限大とする評価は根拠を欠く
- 11巻のガロウ戦はゼンコとの約束を守って中断し、32巻では救助ヘリを守る共闘へ進む
- ムカデ仙人の外骨格破壊には金属バットも貢献し、最後の撃破はガロウが担う
- 村田版では怪人協会編後もセキンガルの護衛を引き受け、ONE版158撃目では生存してネオタワー頂上を破壊する
金属バットは、立ち上がり続ける気合いだけの人物ではありません。ガロウへ反撃する瞬間には妹との約束を守り、後の戦いでは、そのガロウと人を救うために力を合わせました。
バットを振り続ける強さに加えて、振るのを止める理由も持っているのです。その両方を残したまま戦う姿が、金属バットをただの力自慢で終わらせず、ヒーローとして印象に残しています。