ダンジョン飯のマルシルは結婚した?気持ちの変化とその後を考察

『ダンジョン飯』の最終14巻までに、マルシルが誰かと結婚した場面はありません。ライオスとも恋人にはなっていませんが、私は、冒険のあとに二人が夫婦になる未来を想像します。

気になるのは、ドレス姿を見られたときの小さな反応だけではありません。マルシルが何を怖がっているのかに触れ、危うい願いとはぶつかり、それでもライオスは彼女がそばにいられる道を選ぶ。結婚を考えたくなるのは、この積み重ねがあるからです。

魔物の話で言い合う二人が、いつの間にか同じ家へ帰るようになる。そんな恋なら、ずいぶん二人らしい気がしませんか。

目次

マルシルは結婚した?最終巻に残ったライオスとの距離

ライオスが王となったあとも、マルシルの居場所は彼の近くにあります。旅を終えてそれぞれ別の場所へ帰るのではなく、これからも顔を合わせられる。その結末に、私は二人の続きを期待してしまいます。

ライオスは、冒険のあとにもマルシルの居場所をつくった

古代魔術を使ったマルシルの身柄が問題になったとき、ライオスは彼女を自分の国に迎えようとします。守られたのは、その場の安全だけではありません。これからどこで、誰と生きていくのか。その行き先にも彼が関わっているんですね。

もちろん、仲間を守ろうとするライオスらしい行動でもあります。ただ私は、危機が去ったあとも一緒にいられるようにすることに、照れたり見つめたりする場面とは違う重さを感じます。

マルシルの不安は、いつか大切な人と別れてしまうことです。その彼女にとって、旅が終わっても帰れる場所があるのは大きいはず。ライオス自身は恋のつもりで動いていなくても、二人が親しくなっていく時間は、ここからまだ続けられます。

一年後も、王様と臣下だけの関係にはなっていない

14巻の巻末「モンスターよもやま話」では、一年後のライオスとマルシル、ファリンの様子が描かれます。王になったからといって、ライオスが急に遠い人になったわけではありません。

私はこの気兼ねのなさが好きです。立場を気にして当たり障りのないことしか言えなくなったら、マルシルらしさも二人の面白さも薄れてしまう。最後まで、彼に言いたいことを言える距離が残っているんです。

二人きりの甘い後日談ではないけれど、ファリンもいる、見慣れたやり取りが続いている。恋を始めるために全く新しい世界へ飛び込む必要はなくて、この毎日の中から少しずつ変わっていけそうに見えます。

マルシルはいつからライオスを意識した?気持ちの変化を追う

最初からライオスに夢中だった、という二人ではありません。マルシルには魔物食への抵抗があり、ライオスの感覚に振り回されることもしばしば。それでも、一緒に進むうちに、ただ困らせてくる相手ではなくなっていきます。

場面を振り返りながら、私には親しさがどのくらい深まって見えるか、5段階で並べました。恋らしく感じるところは、右の欄で触れています。

時期・場面 二人の間で起きたこと 私が感じる親しさ 気持ちをどう読む?
物語序盤 ファリンを救いたい思いは同じでも、魔物を食べることでは衝突。 2/5 2/5 頼れる仲間だけれど、理解しにくいところも多い。
レッドドラゴン戦と蘇生 ファリンを取り戻すため、危険を引き受ける。 3/5 3/5 同じ人を助けたい。その必死さを共有する関係。
シェイプシフター 記憶の中の仲間が、それぞれ違う姿で現れる。 3/5 3/5 マルシルの記憶には、ライオスの大きさやひげが強く残る。
悪夢の中での救出 ライオスが、マルシルの恐れに触れる。 4/5 4/5 普段は見えない弱さまで知る相手になる。
黄金郷のドレス姿 自分へ向いたかと思ったライオスの関心が、イヅツミへ。 4/5 4/5 彼にどう見られるか、一瞬気にしたように感じる。
迷宮の主となった後 マルシルの願いと、その実現方法をめぐって向き合う。 4/5 4/5 何でも賛成する近さから、止めることもできる関係へ。
最終盤から一年後 国に居場所ができ、冒険のあとも交流が続く。 5/5 5/5 これから先も暮らしが重なる。その時間に恋を期待したくなる。

ドレス姿の一瞬に、ライオスへ向いた期待を感じる

黄金郷でヤアドたちと会い、マルシルがドレス姿になった場面。ライオスの視線を受けて、彼女が少し身構えたように見える間があります。ところが彼が気にしていたのは、マルシルに抱きついているイヅツミでした。

そこでそっちを見るのか、ライオス。そう言いたくなるすれ違いです。

着慣れない服を見られて照れただけ、とも読めます。それでも私には、マルシルが少しだけ褒め言葉を待ったように見えるんです。いつも魔物のことばかり話している彼に、今日の姿がどう映ったのか。その返事を一瞬、気にしてしまった。

恋心を自覚するより前に、相手の目が気になることはある。大きな告白より、こういう小さな反応のほうが、まだ名前のついていない気持ちを想像させます。

シェイプシフターでは、可愛い姿より「どう覚えていたか」

シェイプシフターが生み出した可愛いライオスは、マルシルの記憶ではありません。ガイドブック156ページの記憶画像にはマルシルとチルチャックが逆になっていた箇所があり、九井諒子さんが訂正しています。訂正後、マルシルの記憶に対応するのは、大柄で無精ひげのあるライオスです。

この違いを知ると、甘い恋の証拠として見るより、彼女にはライオスがどう映っていたのかが気になります。体格やひげが目立つところに、種族の違う相手を見る感覚もあるのでしょう。少なくとも、彼を可愛く理想化していたという話ではないんですね。

マルシルの記憶に残っていたのは、大柄で無精ひげのあるライオス。その彼にドレス姿を見られたとき、少し褒め言葉を待ったのだとしたら、私はそちらにときめきます。普段の姿をよく知る相手に、今日はどう見えているのか。気になり始めると、いつもの仲間にも少し照れてしまいそうです。

悪夢と終盤の衝突で、弱さを知る相手になる

マルシルの怖さは、目の前の魔物だけではありません。自分を残して、大切な人がいなくなること。ライオスは悪夢の中で、普段のしっかりした彼女からは見えにくい、その恐れに触れます。

いつもならライオスのほうが突拍子もないことを言い、マルシルが怒る。けれど、彼女が怖くてたまらない側に回ったときも、二人の関係は続くんです。頼れる魔術師でいなければ、そばにいられないわけではない。

終盤で寿命をめぐる願いと向き合うときも、ライオスは彼女の望みを何でも肯定する相手にはなりません。大切に思うからこそ、危ないところへ進むのを止める。私はこの衝突に、仲のよさだけでは測れない信頼を感じます。

一緒に暮らせば、意見が合わない日は必ずあるでしょう。そんなときにも、相手を諦めず話し続けられるか。二人は恋を始めるより先に、その難しい部分を経験しているように見えます。

マルシル姿のサキュバスに、ライオスの気持ちは見える?

マルシルの反応だけでなく、ライオスは彼女をどう見ているのか。9巻第60話のサキュバスは、その疑問に少し変わった形で触れる場面です。ここでも、ライオスは簡単に普通の恋愛へ収まってくれません。

身近な女性の姿でも、ライオスが見ているものは一筋縄ではいかない

サキュバスはマルシルの姿でライオスを誘惑します。親密な相手としてその姿が現れたことには、やはり引っかかります。彼にとってマルシルが、そういう想像から遠いだけの相手ではないのかもしれません。

けれどライオスは偽物だと見抜いて抵抗し、魔物的な要素が加わったところで心を揺さぶられます。マルシルが気になるのか、魔物が気になるのか。恋の答えを探していたはずなのに、彼の魔物好きまでついてくる。

私は、この扱いづらさも含めてライオスだと思います。マルシルが好きなら魔物への関心は薄まる、という人ではなさそうなんです。二人が付き合っても、彼女は魔物談義に何度も巻き込まれるでしょう。そのたびに怒りながら、放っておけないところまで想像できます。

一方、この誘惑からマルシル側の気持ちは分かりません。彼女の思いを考えるなら、やはり彼女自身の反応へ戻りたい。サキュバスとドレス姿を別々に眺めると、きれいに両思いと決まらないぶん、二人のすれ違いが生きてきます。

チルチャック・センシ・ファリンとの結婚は考えられる?

マルシルが心を許しているのは、ライオスだけではありません。遠慮なく近づけるチルチャック、食卓を支えるセンシ、何としても取り戻したいファリン。ほかの関係を見ると、ライオスのそばにいるときの彼女も、もう少し立体的に見えてきます。

マルシルの「大切な人」は、どう違う?

実線は旅で築いたつながり、点線は私が想像する恋の行方です。

  • マルシル
  • ライオス
  • ファリン
  • チルチャック
  • センシ
  • 古代魔術を使ったマルシルの身柄が問題になる中、ライオスは自分の国へ迎えようとする。冒険が終わったあとにも、そばにいられる場所が残る。
  • ドレス姿での小さな反応と、弱さを知り合ったあとの信頼。私は、そのまま続く毎日の中から恋が育つ未来を想像する。
  • 魔法学校からの親友。ファリンを取り戻すため、マルシルは危険な魔術にも踏み込む。誰かと結婚しても、この大切さは消えそうにない。
  • 私生活にまで口を出せる近さと、抱きつかれると照れてしまう距離。言い合いができるぶん、相手への気遣いも見えてくる。
  • 魔法や食への考え方は違っても、同じ食卓を囲んで旅をする。センシの毎日を整える力は、マルシルの不安な心も支えてくれそう。

チルチャックとの夫婦なら、言い合いの中に気遣いがありそう

抱きつこうとするマルシルを、チルチャックが恥ずかしそうに拒む場面。女性として意識したのでは、と気になる反応です。幼い見た目に惑わされますが、彼は妻と三人の娘がいる大人。妻とは離れて暮らしていても、独身ではありません。

私は、あの反応には大人としての照れと、マルシルとの距離感の違いを感じます。マルシルは親しければ近づける。でもチルチャックには、近すぎると思う境目がある。そのずれが二人のやり取りを面白くしているんですね。

もし別の人生で、二人とも結婚相手を選べる立場で出会っていたら。私は、口ではよく喧嘩をするけれど、相手が困っていると黙って手を貸す夫婦を想像します。

マルシルが研究に夢中になって面倒な約束を引き受けそうになれば、チルチャックは条件を確かめる。彼が心配事を抱えて話さずにいれば、彼女は放っておけず踏み込んでしまう。面倒くさがりながらも、相手に無関心ではいられない二人です。

ただ、マルシルが欲しい安心を、彼がいつも言葉にしてくれるかは気になります。彼女には「そこまで言わなくても分かるだろう」では足りない夜があるはず。言い合える強さと、本当に怖いことを打ち明ける近さ。その間を越えられるかが、二人の夫婦生活の難しいところでしょう。

センシとなら、食事を用意することが愛情になりそう

センシを結婚相手として想像すると、華やかなデートより、夕飯の匂いが先に浮かびます。食べることを後回しにせず、毎日の体をつくる。その実直さは、不安で頭がいっぱいになりやすいマルシルを、目の前の暮らしへ戻してくれそうです。

たとえば彼女が研究で行き詰まり、机から離れられなくなった夜。センシは難しい理屈で励ますより、まず温かい食事を出すのではないでしょうか。食べている間だけでも手を止め、今日の出来事を話す。そういう時間が毎日あれば、マルシルも一人で考え込み続けずに済むかもしれません。

とはいえ、魔法や食への考え方には違いがあります。便利な魔法で済ませたいことと、手をかける意味を残したいこと。二人で暮らすなら、家事の小さなところから意見がぶつかりそうです。

そこでマルシルだけが折れるのでも、センシが全部合わせるのでも続かない。互いのやり方を少しずつ覚えて、相手が大事にするものを残せるなら、落ち着いた夫婦になれそうだと私は思います。

本編の二人には、恋へ踏み出す熱より、安心して食卓を囲める仲間の温かさを感じます。だからこそ、結婚を想像すると派手さはなくても、暮らしの姿が見えやすい相手なんです。

ファリンとの愛情は、誰かと結婚しても小さくならない

マルシルにとって、ファリンは魔法学校から続く大切な親友です。救うために禁忌へ踏み込むほどの思いがある。ライオスと結婚しても、ファリンが困っていたら、マルシルはきっと放っておけないでしょう。

二人の親密さに恋愛を感じる読みも、私には分かります。ファリンと暮らす未来なら、相手の無事をすぐそばで確かめられる安心があるでしょう。静かに同じ部屋で過ごしたり、外で見つけたものの話を聞いたりする日々が似合います。

その一方で、近くにいたいマルシルが、ファリンの行きたい場所まで狭めてしまわないかは考えたいところ。失いたくない人だからこそ、ずっと目の届く場所にいてほしくなる。でも大切にすることには、相手が外へ出ていくのを送り出す難しさもあるはずです。

私は、ファリンとの絆がライオスとの恋に置き換わるとは思いません。ファリンも含めた大切な人との暮らしを守りたい。その思いを分かち合えることが、ライオスとの未来を想像したくなる理由でもあります。

マルシルはどんな人?家族と生い立ちから分かる願い

照れた顔も、仲間へ怒るところも可愛いマルシルですが、その奥には簡単にほどけない不安があります。彼女が何を学び、誰と出会い、何を失うのが怖いのか。そこまで見ると、結婚相手に求めるものも変わって見えます。

名前 マルシル・ドナトー
種族 ハーフエルフ
年齢 50歳(本編開始時)
身長 約160cm
体重 不明
家族 父はトールマン、母はエルフ。父とはすでに死別している。
生い立ち 魔法学校で優秀な魔術師として学ぶ。精霊の繁殖実験を通じてファリンと親しくなり、のちにライオスたちと迷宮を探索する。
性格 真面目で研究熱心。魔物食を嫌がり、ライオスに怒るなど表情豊か。大切な人のためには大胆になる。
能力・役割 魔術で戦闘や治療を支える。古代魔術の研究者でもあり、ファリンの蘇生を担う。
願い 大切な人たちを失わず、同じ時間を生きたい。
弱さ 別れへの恐れが強く、その不安を解消するために危うい方法へ進んでしまう。
人との接し方 仲間の私生活にも踏み込むほど情が深い。反発した相手とも、行動を共にする中で理解を深めていく。

ファリンは、優等生のマルシルに知らない世界を見せた

魔法学校で二人が親しくなるきっかけは、精霊の繁殖実験でした。勉強ができるマルシルに対し、ファリンは自由奔放で、周囲から少し浮いている存在。けれど、実際の経験から得たファリンの知識に触れ、マルシルは自分にも知らないことがあると気づきます。

勉強が得意なマルシルにも、ファリンから教わることがあった。私は、ここに二人の関係の面白さを感じます。成績のよさだけでは見えなかったファリンの頼もしさを知り、もっと話を聞きたくなる。救いたいほど大切な親友になる前から、彼女はマルシルの世界を広げてくれる人だったんですね。

真面目なのに、大切な人のためには禁忌へ踏み込む

レッドドラゴンから見つかったファリンは、すでに骨だけになっていました。魂と肉体の結びつきも弱く、地上へ運んで蘇生を頼むことが難しい。そこでマルシルは、自ら古代魔術を使ってファリンを蘇らせます。知識の豊富さだけでなく、ほかの方法が閉ざされたときに、その知識で仲間を取り戻したんです。

普段は魔物料理を前に顔をしかめ、乗り気のライオスに腹を立てる彼女が、ここでは禁忌を使う側に回る。その落差がマルシルらしい。怖いもの知らずだから大胆なのではなく、失いたくない相手がいるから踏み込んでしまうんですね。

結婚相手を考えるなら、優しく話を聞いてくれるだけでは足りないのかもしれません。必死になりすぎたとき、嫌われることを恐れず止めてくれる人。その点で、終盤のライオスとの衝突は大切に見えます。

長く生きることが、そのまま安心にはならない

マルシルの50歳は、短命種の50歳と同じ感覚では捉えにくい年齢です。生まれや成長の違いがあり、周りと同じ時間を生きているつもりでも、やがて別れが来てしまう。

父が病気で食事を取りにくくなったとき、幼いマルシルは母に内緒で、大鍋いっぱいのパスタを作っています。父に少しでも食べてほしくて、たくさん用意したのでしょう。その一生懸命さは、仲間を助けようとするときの彼女にも重なって見えます。

けれど父は、やがて大好物のローストポークも食べられなくなり、普段は明るい母がひどく取り乱します。マルシルは、その父との死別も経験しました。一緒に食卓を囲んでいた人が弱り、いなくなる。彼女にとって寿命の違いは、遠い未来の話だけではないんです。

ライオスをもっと好きになれば、安心ばかりが増えるわけではないでしょう。失いたくない人が、さらに大切になるのですから。二人が夫婦になるなら、この怖さを「まだ先のこと」で流さず、何度でも聞ける関係であってほしいと思います。

子どもを持てなくても、二人の暮らしはつくれる

マルシルには、ハーフエルフは子をなせないという問題もあります。

でも、私が見たい二人の幸せは、そこだけにあるわけではないんです。同じ場所へ帰り、食卓を囲み、ファリンの話を聞く。国の人たちの暮らしに関わりながら、二人で大切にするものが増えていく。

別れが怖くなった夜に、一人で考え込まず、隣のライオスに話せる。そんな暮らしなら、マルシルも少し安心できるのではないでしょうか。

その後ライオスと結婚するなら、毎日の言い合いから始まりそう

私は、二人が日常を共にするうちに結婚へ進む未来を想像します。どちらかが突然、甘い言葉で口説き始めるよりも、いつもの相手がいないと落ち着かなくなる。その順番のほうが似合いそうです。

離れて暮らす話が出て、初めて寂しさに気づく

たとえばマルシルが、研究のためにしばらく国を離れることになったら。ライオスは必要なものや道中の安全を考え、彼女は彼女で、留守の間に妙なことを始めないか心配するでしょう。

出発前はいつもの調子でも、実際に離れてみると違う。魔物について話しかけても、呆れながら聞いてくれる声がない。気になることがあって振り向いても、相談したい相手がいない。

そこでライオスが寂しくなるのは、便利な魔術師がいないからだけではなさそうです。マルシルも、戻ったら最初に何を話そうか考えてしまう。私は、そんなふうに相手の不在から恋に気づく二人を見たくなります。

黄金郷で一瞬、どう見られているかを気にした気持ちが、今度はもっとはっきりする。誰にでも褒められたいのではなく、この人に会いたかった。その自覚が生まれたとき、普段の言い合いまで少し照れくさくなるでしょう。

結婚しても、ライオスの魔物好きは変わらない

夫婦になったら、ライオスが理想的な恋愛相手へ生まれ変わるとは思いません。記念日にも妙な魔物の話をして、マルシルを呆れさせるかもしれない。彼女も我慢して微笑むだけの妻にはならないでしょう。

それでも、贈り物の選び方が少しずれていても、なぜそれを選んだのかを聞くと、彼なりに彼女の話を覚えていたと分かる。マルシルは怒りかけた言葉を飲み込みつつ、次はもう少し分かりやすくしてほしいと伝える。そんな不器用なやり取りを想像します。

大事なのは、魔物好きも、心配性も、結婚した途端になくならないこと。互いに面倒なところを知ったうえで、明日も一緒に暮らしたいと思えるかです。冒険中から散々ぶつかってきた二人なら、その話をするところから逃げないでいてくれそうです。

寿命の違いを消せなくても、今日の約束はできる

マルシルの不安が強くなる夜もあるでしょう。ライオスが年を取る姿を見れば、今まで以上に怖くなるかもしれません。結婚したから大丈夫、愛があるから平気、では済まない問題です。

そんな夜、ライオスは次の食事や、二人で出かける場所の話をするかもしれません。マルシルも、明日は何をしようかと考え始める。遠い別れのことばかり考えていた夜に、明日が少し楽しみになるといいなと思います。

寿命をそろえる約束はできなくても、怖いと話したときにそばで聞くことはできる。マルシルにとって、それは小さな救いではないと思います。

ずっと気の置けない仲間のまま、という未来も二人には似合います。そのうえで私が結婚を期待するのは、ライオスの隣なら、マルシルが強い魔術師でいる日も、別れが怖くてたまらない日も過ごせそうだからです。

まとめ:マルシルは未婚でも、ライオスとの未来を想像したい

マルシルの結婚相手は原作では決まっておらず、ライオスとの結婚も描かれていません。それでも、ファリンを救う旅で深まった信頼、ドレス姿を見られたときの反応、弱さを知ったあとの衝突、そして冒険後にも残った居場所が、二人の先を想像させます。

チルチャックとは気遣いを隠した言い合いが、センシとは食事から生まれる安心が浮かびます。ファリンへの深い愛情も、誰かと結婚したら小さくなるものではないでしょう。その大切な人たちを失いたくない気持ちまで分かち合える相手として、私はライオスとの未来に心が向きます。

寿命の違いも、子どもを持てないことも、好きになれば消える問題ではありません。それでも二人が、面倒なところも怖がりなところも知ったうえで、同じ家へ帰ることを選んだら。私は、そんな結婚を見てみたいです。

魔物の話で呆れられ、また言い合いになって、それでも夕飯は一緒に食べる。華やかな告白より、そういう毎日が続くほうが、マルシルとライオスの幸せを近くに感じられるんです。