蟲柱・胡蝶しのぶは鬼滅の刃の人気キャラの一人であり、主人公・竈門炭治郎達を蝶屋敷に招いて治療と訓練を施したある種の恩人でもあります。
しかし、しのぶは最終決戦の序盤で惜しくも死亡し退場してしまいました。
そこで今回は、
- 胡蝶しのぶを殺した相手
- 胡蝶しのぶと童磨の戦い
- 胡蝶しのぶの死亡
- 胡蝶しのぶが死亡した際の冨岡義勇の反応
等、胡蝶しのぶの死亡までの経緯について紹介したいと思います。
胡蝶しのぶを殺したのは上弦の弐・童磨
胡蝶しのぶを殺害したのは上弦の弐・童磨です。
単行本16巻139話にて、産屋敷耀哉が鬼舞辻無惨を巻き込み自爆を行うと、爆発音を聞きつけた格柱達が産屋敷邸に集結しますが、無惨まであと一歩という所で鳴女の血鬼術により全員が無限城へと落とされて分散させられました。
そして単行本16巻140話、胡蝶しのぶは血の匂いを辿りとある部屋へ訪れるとそこには万世極楽教の信者の女性達を貪り食らう童磨がおり、図らずもしのぶは憎きカナエの仇の鬼と相対する事となったのです。
胡蝶しのぶと童磨の戦い
しのぶと童磨の戦闘が始まったのは単行本16巻140話であり、カナエが亡くなる際に遺した言葉を回想しつつ「にこにこと屈託なく笑う穏やかに優しく喋る鬼」という特徴から、相対した童磨をカナエを殺害した鬼と同一人物と断定します。
童磨の信条は誰もが死ぬのを怖がるから食べる事で死の怯えから救済し共に永遠の時を生きるというものでしたが、しのぶは青筋を立てて正気ではないと吐き捨てました。
童磨は初対面なのに刺々しいしのぶの態度を前に平然と何か辛い事があったなら話を聞くよと申し出ますが、しのぶは普段の穏やかな雰囲気とは一転し「私の姉を殺したのはお前だな?この羽織に見覚えはないか」と激怒します。
羽織を見て漸くカナエの事を思い出した童磨は朝日が昇ったせいで食べ損ねた女であると述べると、直後にしのぶは童磨の左目に刺突を食らわせました。
童磨はすかさず血鬼術の氷で牽制し距離を取ると、しのぶの速さを称賛しつつも突き技では鬼を殺せない、頸を斬らなければ鬼は殺せないと余裕綽々と語り掛けますが、しのぶの日輪刀に毒が注入されていたので童磨は吐血し膝をつきます。
しかし、童磨はたった数瞬で体内の毒を分解すると刺突で与えた傷も回復するのです。
しのぶにとって毒の分解は想定内でしたが童磨の分解速度を警戒しつつ仕切り直すと、調合を変えて五度に渡り童磨に新たな毒を打ち込んでいくものの、どれもあっという間に分解されてしまうと、上弦の鬼の強さや耐性をつける速さに汗を浮かべ息切れを起こします。
この息切れの原因は童磨の血を霧状に散布する血鬼術にあり、吸えばたちまち肺胞が壊死していく効果がある為です。
呼吸する毎に危険が伴う血鬼術は呼吸を使う剣士にとって相性が最悪である為、しのぶは一度に連撃で大量の毒を打ち込む方針に切り替えると、蟲の呼吸・蜻蛉の舞い「複眼六角」を放ちますが、カウンターで袈裟斬りされて左の肺をざっくり斬られてしまうのでした。
膝を付くしのぶに対して、童磨は「毒じゃなくて頸を斬れたら良かったのにね、それだけ早ければ勝てたかも。あー、無理か、君小さいから」と煽り立てると、しのぶは己の小さな体のコンプレックスに打ちひしがれながら涙を浮かべます。
そんな中、しのぶの眼前に現れたのは亡き胡蝶カナエの幻覚でした。
カナエは、蟲柱となりどんな犠牲を払っても勝つと決めたなら立ちなさいと述べると、しのぶはカナエの激励を受けて肺を斬られた状態で立ち上がるのです。
大量の吐血と肺に血が入りゴロゴロと音が鳴る状態は想像を絶する痛みでしたが、しのぶの気力を保っているのはカナエやカナヲと約束した「童磨に勝つ」という想いであり、最期の力を振り絞って急所の頸を狙うべく蟲の呼吸・蜈蚣の舞い「百足蛇腹」による四方八方にうねる高速の移動術で動きの先読みを防ぐと、童磨の頸を下から突き上げるようにして天井へと一気に打ち込むのでした。
これによりしのぶの日輪刀は童磨の頸を貫通してそのまま天井に磔にするような体勢となります。
胡蝶しのが死亡したのは17巻143話
しのぶの死亡が描かれたのは単行本17巻第143話です。
例え力が弱くて鬼の頸を斬れなくとも上弦の鬼を一体倒せば何百人もの人を助けられると信じて放ったしのぶの一撃でしたが、毒の着いた日輪刀の刃先は確実に童磨の頸を捉えたものの、またしても一瞬にして毒を分解されてしまいました。
「なんで毒効かないのよコイツ、馬鹿野郎」と独白するしのぶでしたが、童磨は突き上げた状態から重力に従って落下するしのぶを血鬼術で絡め取り引き上げるとそのまま抱きしめます。
童磨は「えらい!!頑張ったね!」と口を開くと、姉より才能が無く、こんなに弱い体で今まで死ななかった事が奇跡であるとして、全部無駄な努力でありながら愚かにもやり抜いた姿から人間の儚さや素晴らしさを褒め称えました。
そして、しのぶの努力に報いるように永遠を共に生きる為にしのぶは食べるに相応しい人間だと言い放つと、最期に言い残す事はないかと問い掛けます。
しのぶが怒りに満ち溢れた表情で「地獄に堕ちろ」と言い放ったそのタイミングで、しのぶと童磨が戦う部屋に栗花落カナヲが到着すると、カナヲは瞬時に状況を見定めて悲痛な声を上げました。
しのぶはカナヲの声を聞くと同時に右手の指で何かのサインを示すとすかさず童磨はしのぶの頸(頸椎?)をへし折って殺害すると、しのぶの肉体をそのまま体内へと吸収するのです。
無情にも残されたのはしのぶの蝶の髪飾りだけでした。
胡蝶しのぶの死亡後、童磨は討伐される
しのぶは女を食べる事に異様な執着があると聞く上弦の弐に対抗する為に予め藤の毒を一年以上も接種し続けて血液・内臓・爪の先に至る全身を高濃度の毒が回っている状態に仕上げており、自分が童磨に食べられる事を前提にして戦っていたのです。
そして、しのぶは童磨に殺害された後に肉体を丸ごと吸収されてしまいましたが、恐らく童磨の中でしのぶの細胞が残っており、童磨と精神の中で会話出来る状態にありました。
単行本19巻第162話では、しのぶの毒の症状が現れた童磨の顔が溶け左目が零れ落ちると、童磨は発汗しながらも骨から溶け始める違和感を覚える他、回復も再生も出来ず、かつ血鬼術の操作も出来ない状態に陥ります。
しのぶの死後、栗花落カナヲと嘴平伊之助が童磨と戦っていましたが、カナヲは事前にしのぶの策略を聞かされていたので、童磨の不調が起きたこの状況はしのぶが作り出した毒の影響だと気付き一気に畳み掛けました。
カナヲと伊之助が弱体化した童磨の頸を命懸けで斬り落とすと、童磨は頸の切断からの死を克服する事も無く、そのまま消滅を迎えていきます。
死亡した胡蝶しのぶは天国で家族と会う
単行本19巻第163話では、死にゆく童磨の精神の中で先に死亡したしのぶが語り掛けるという演出がなされています。
真っ暗の中、不気味な蝶が舞う空間でしのぶは童磨の頸を掌に乗せて「あ、やっと死にました?良かった」と生前のように笑顔を貼り付けた面持ちで語り掛けると、童磨は「…やあ、しのぶちゃんだったかな?カナエちゃん?」と語り掛けました。
そして、童磨は毒が回りきるまで全く気付かなかったと毒の威力を称賛すると、しのぶは珠世と協力して作成したものだと告げ、出来れば自分の作った毒で童磨を葬りたかったものの結果万歳で満足していると返します。
戦いは始まったばかりである為、鬼舞辻無惨という諸悪が残っているものの、仲間の誰かが必ず無惨討伐をやり遂げてくれると確信するしのぶは穏やかな表情で成仏しようとしていました。
しかし、童磨はしのぶを見て心臓が無いのに脈打つ不思議な感覚に沸き立つと「恋」という感情に目覚め始めたのか「可愛いね、しのぶちゃん」と頬を赤らめて、「俺と一緒に地獄へ行かない?」とデートに誘うように語り掛けるのです。
一瞬、ギャグ調に硬直するしのぶでしたが返事は「とっととくたばれ糞野郎」とこれまでにない笑顔でした。
上弦の弐・童磨は秀逸なデザインから敵陣営の中でもかなり人気が高いキャラクターです。 そんな童磨も最終決戦の場となる無限城の戦いで漸く戦闘シーンが描かれますが、胡蝶しのぶ・栗花落カナヲ・嘴平伊之助の3名によって討ち取られてしまいました。[…]
こうしてしのぶは童磨との地獄デートを断り成仏していくと、残された蝶の髪飾りはカナヲが見つけてカナエの髪飾りと共にカナヲの元に委ねられます。
また、童磨を打ち取ったカナヲがカナエとしのぶの蝶の髪飾りを抱きかかえると、カナヲの頑張りを褒めるようにカナエとしのぶの幻覚がカナヲの頭を撫でている他、死亡したしのぶが天国でカナエと再会し姉妹2人で亡き両親と再会して抱擁を交わすシーンが描かれました。
その姿は鬼に殺害される前の着物姿であり、偽りの笑顔ではなく心の底から浮かべた笑顔を見せています。
しのぶの死を知った義勇の反応
胡蝶しのぶの死亡報告が知らされたのは単行本19巻第164話であり、各所に散らばる鎹鴉から鬼殺隊員へと報告されています。
そんな中、上弦の弐との格闘の末に胡蝶しのぶが死亡したと知らされた冨岡義勇の反応は一瞬ではあるものの時が止まったように目を開いたものでした。
敵地無限城に投げ出された状況から立ち止まる事はせずにすぐに思考を切り替えていますが、竈門炭治郎と同じく刹那的に生前の胡蝶しのぶの姿を思い浮かべているコマが差し込まれているので義勇にとっても衝撃だったと窺えますが、特に言及はありません。
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同行していた炭治郎は泣いていますが義勇は涙を零す事無く走り続けました。
しのぶの死と栗花落カナヲの反応
童磨がしのぶを殺害する現場に居合わせたカナヲは、童磨がしのぶを吸収する姿を見て、血管がはち切れそうなほどに青筋を立てて「フーッ、フーッ」と瞳孔を開き歯軋りする等、これまでにない怒りを露にしています。
戦闘中は童磨を相手取り胡蝶カナエと胡蝶しのぶの妹を名乗り仇討に出る他、童磨の演技に対して「貴方何も感じないんでしょ?貴方何のために生まれてきたの?」と悪い笑みで煽り立てました。
また、カナヲの回想では花の呼吸・終ノ型「彼岸朱眼」を使用する事に対して、しのぶ自身は鬼に食べられる為に藤の毒を一年掛けて摂取し続けたというのに、いざカナヲが「彼岸朱眼」を使用しようとすれば副作用の失明を気に掛ける様子から「なんて優しい人なんだろう、なんて尊い人なの」と独白しており、カナヲは優しいしのぶを守り皆が待つ蝶屋敷へ一緒に帰りたかったと語っています。
童磨討伐後は、しのぶの遺品となる蝶の髪飾りを見つけ出した後に、カナエとしのぶの頭を撫でられた感覚を覚えて髪飾りを抱きしめて号泣しました。
鬼舞辻無惨討伐直後に鬼化させられた竈門炭治郎を前にした時には、童磨戦で使用した「彼岸朱眼」により弱視にはなっていたものの片目の視力が残っていた事、鬼を人間に戻す薬の予備を作成しカナヲに持たせてくれたしのぶに感謝をしています。
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しのぶの死と嘴平伊之助の反応
伊之助は鎹鴉の案内で強い鬼のいる場所に到着すると、そこは童磨とカナヲが相対する戦場でした。
そして、いつもの調子で場の空気を乱すと、既にズタボロのカナヲの姿を見つけて吃驚仰天すると「怪我したらお前アレだぞ、しのぶが怒るぞ!!」と慌てふためきますが、カナヲが口を結んだ事でしのぶの死を悟るのです。
言葉が出てこなくなった伊之助の脳内に浮かぶのは、蝶屋敷で治療を施して傷が治るまで縫い目を解かないようにと指切りげんまんを交わすしのぶとの思い出でした。
笑顔のしのぶを思い浮かべた後、しのぶがもうこの世にいないと理解した伊之助は「咬み殺してやる塵が」と童磨に向き直り威嚇すると、そのまま闇雲に斬りかかったと思いきや冷静にカナヲが童磨に取られていた日輪刀を奪取してカナヲに渡しています。
親に捨てられた伊之助は猪に育てられたものの、しのぶとは何処か昔に会った事がある感覚がしたのでいつか聞こうと思っていましたが、童磨により伊之助の本当の母親の存在が明らかにされた後は、伊之助は単に母親の面影をしのぶに見ていたと知るのです。
しかし、しのぶの死は伊之助に取って大きなものであった為、母親としのぶの仇である童磨に対しては改めて「ただ頸を斬るだけじゃ足りねえ、テメェには地獄を見せてやる!!」と本気でブチ切れています。
鬼滅の刃に登場する猪の被り物が特徴的な嘴平伊之助。 伊之助は猪に育てられたという過去を持っているため自分には実の母がいないと思っていましたが、童磨と出会ったことで「琴葉」という生みの母について知らされることになるのです。 伊[…]
死亡したしのぶと義勇の反応についてのまとめ
- 胡蝶しのぶの死亡が描かれたのは単行本17巻第143話
- 胡蝶しのぶを殺したのは上弦の弐・童磨
- 胡蝶しのぶは童磨に抱きしめられる形で頸(頸椎?)を折られて死亡し、そのまま肉体を吸収された
- 胡蝶しのぶを吸収した童磨は藤の毒に侵されて弱体化すると、栗花落カナヲと嘴平伊之助によって討伐された
- 胡蝶しのぶは童磨の精神の中で「とっととくたばれ糞野郎」との言葉を浴びせて成仏
- 胡蝶しのぶは天国で家族と再会して笑顔を見せる
- 胡蝶しのぶの死亡を知った冨岡義勇は一瞬だけ動揺したように見開く
- 胡蝶しのぶの死亡を知った栗花落カナヲは激情で青筋を立てると瞳孔が開き歯軋りする
- 胡蝶しのぶの死亡を知った嘴平伊之助はこれまでに無い怒りを見せた
初期の方から登場する人気キャラクターの胡蝶しのぶの最期は、自身を毒に置き換えて鬼に食べさせるという犠牲を伴うものでした。
それにより上弦の弐を討伐する事が出来ましたが、彼女をよく知る鬼殺隊員には大きな悲しみを与えており、特にカナヲと伊之助にとってはかなり心を抉られましたが、しのぶの形見の髪飾りを必ず蝶屋敷の家族の元に持ち帰るといった戦いに打ち勝つ覚悟を強くしてくれています。
カナヲは童磨戦で髪飾りが取れて髪が解けていましたが、無惨戦で再び髪飾りをつけていたのは伊之助が提案した事だったと知ると、何だか伊之助の成長も見れて感慨深いですね。