【BLEACH】ウルキオラと井上織姫の関係は?否定し続けた心の変化

BLEACHで一番最初に登場した成体の破面であり、破面篇を通して一つのテーマでもあった「心」を主軸にした重要なキャラのウルキオラ・シファー。

闘争心が強い他の破面と違い常に冷静沈着であるウルキオラは、井上織姫や黒崎一護といった人間に触れる事で「心」を否定し続けていましたが、織姫の世話係を務めていく中で無意識の内に人間に興味を抱き始めていました。

そこで今回は、

  1. ウルキオラと井上織姫の関係
  2. 「心」を否定するウルキオラの変化
  3. ウルキオラと黒崎一護の決着
  4. ウルキオラの最後と「心か」について

など、ウルキオラの心の変化について紹介したいと思います。

ウルキオラと井上織姫の関係

井上織姫は藍染惣右介が黒崎一護と護廷十三隊の一部勢力(更木剣八)を虚圏に幽閉する為の囮として拉致された人間であり、ウルキオラは藍染から織姫の世話係を一任された成体の破面です。

当初のウルキオラは織姫に対して藍染の前に立っても動揺が見えたのが一瞬だった事から「気丈な女」と評価するのみでさして興味は無く、ただ藍染の為に織姫の心と躰に忠誠を誓わせていました。

対して、織姫は藍染に崩玉を見せられた事で盾舜六花の能力で崩玉を存在する前の状態に帰す事を目的に虚夜宮に幽閉される間はウルキオラの指示に従っています。

しかし、物語が進むに連れてウルキオラは織姫の人間性に興味を持ち始めて、やがてウルキオラが理解し難かった「心」を題材に少しずつ変化していくのですが、先ずはウルキオラが井上織姫を拉致する所から順序立てて変化の過程を見ていきましょう。

ウルキオラが井上織姫を拉致するまで

ウルキオラがヤミーと共に現世に偵察に降り立った単行本22巻、ウルキオラは織姫の盾舜六花の能力の一つ「双天帰盾」を間近で見て回復術では無い時間回帰か空間回帰の類だと予想して妙な女だと評価しつつも、その場ではヤミーに始末を命じました。

ただし、救援に駆け付けた黒崎一護、そして浦原喜助と四楓院夜一によって始末は未遂に終わり、本来の目的だった黒崎一護の力量を見極めたウルキオラは警戒に値しないと判断して帰還します。

その後、虚夜宮へ帰還して藍染惣右介に一部始終を報告すると、藍染は織姫の能力に興味を持つ他、重霊地・空座町に侵攻する際に邪魔立てとなる護廷十三隊の勢力を分断する為の囮として利用する事にしたのです。

その為、ウルキオラには井上織姫の拉致に関する決定権等が藍染から与えられており、ヤミー、ルピ、グリムジョー、ワンダーワイスが空座町を襲撃して護廷十三隊の注目を集めている間、尸魂界から現世へ戻る為に穿界門を移動中の織姫の許へ現れます。

織姫には二名の平隊士が同行していましたが、ウルキオラが隊士を損傷させると織姫はすかさず双天帰盾で隊士達の回復を図りました。

しかし、双天帰盾を発動している事でその場から逃げ出す事も出来なくなり、織姫はウルキオラの言葉に強制的に従わされるしか無く、ウルキオラと共に虚圏に行く事を承諾するしかなかったのです。

ウルキオラが織姫にかけた心理の檻

ウルキオラは藍染の命令通り織姫を拉致する際に仲間の命を楯に拒否不能な状態で投降を命じて、誰にも気付かれない事を条件に仲間の一人と別れを告げる許可と共に12時間の猶予を与えました。

その真意は、切迫した状況下で猶予を与えて仲間に別れを告げる許可をする事で、織姫の心は虚圏側から情けをかけられたと誤認し僅かに緩むというものであり、実際には12時間という猶予は強制的な投降でありながら自らの意志で選んだかのような錯覚を起こします。

そして、一人にのみ別れを告げる事を許す事でその痕跡を残す事が出来、それらは自らの意志で行動の自由があった事を示す証拠となり痕跡が残れば残る程に織姫の行動は仲間達から見れば裏切りに映るといった策が「心理の檻」でした。

井上織姫は「ウルキオラくん」と呼んでいた

虚夜宮に拉致された織姫は、世話係のウルキオラと程よく馴染んでいたのか、短編漫画「BLEACH not be, but be」ではウルキオラを起こしに部屋にやってきて「ウルキオラくん」と呼んでいました。

また、ウルキオラが人並みに眠る事を知った織姫は安心したとも述べていましたが、ウルキオラは人間の様に呼ばれる事が不快だったのか自分を呼ぶときはただ「ウルキオラ」と呼ぶ様に警告しています。

この短編漫画では思いの外、織姫がウルキオラに警戒心を持っていないので読者も「ん?」と首を傾げたくなる気持ちもありましたが、ウルキオラと織姫の貴重な日常シーンが描かれたので、二人のカップリングを応援するファンには大好評でした。

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「心」を否定するウルキオラの変化

ウルキオラは生まれた瞬間に眼しか持ち合わせていなかった為、眼に映るものに意味のあるものなど何一つ無く、眼に映らぬものは存在すらしないと考える様になった「何も無い」破面であり、故に司る死の形「虚無」を体現していました。

そんなウルキオラに織姫は、仲間が助けに来てくれた時には皆を護りたくて虚圏に来たのに何故伝わらないのか葛藤していたものの、皆の戦う姿を感じ見て、ただ皆の無事でいて欲しいと気付いた時、きっと皆もこういう気持ちであり、皆の中の誰かが織姫と同じ決断をしたら自分も皆と同じ様に助けに来ると語り、心を一つにするとは相手を大切に想い合って相手の少し近くに心を置く事だと伝えるのです。

その為、井上織姫に触れていく内に、ウルキオラは織姫が言う「あたしの心はみんなと同じ処にあるから」という意味が理解できずに「心」という概念を否定し続けています。

ウルキオラの眼は全てを映し捉えられぬものなど無く、映らぬものは存在しないものと断じて戦ってきた為、織姫達人間が容易く口にする心の在り処を理解できず「心とは何だ。その胸を引き裂けばその中に視えるのか?その頭蓋を砕けばその中に視えるのか?」と織姫に問い掛けました。

また、黒崎一護との天蓋の上での戦闘では、ウルキオラの第二階層を前に恐怖を感じる程の実力差の相手に勝てるつもりで戦いを挑む一護の姿勢は理解の外だと断じて、その姿勢が人間達が言う「心」の所為ならば「貴様等人間は心を持つが故に傷を負い、心を持つが故に命を落とすという事だ」と否定するのです。

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ウルキオラは織姫を通して人間に近づいた?

黒崎一護とウルキオラの虚夜宮での戦闘時、一護はウルキオラの攻撃動作が目で追える様になり「以前よりてめえの動きは読めるようになったみてえだ」と言っています。

一護にとって以前までのウルキオラは攻撃・防御・反応速度・方向の全てが何も読み取れなかった事からまるで機械か石像と戦っている気分だったと述べていますが、再戦したウルキオラの動きが読める様になったのは「俺が虚に近付いたのか…、それともてめえが人間に近付いたのかも知れねえな」と告げました。

直接的描写が描かれていませんので推測することしかできませんが、恐らく一護の台詞はどちらも正解であり、一護は虚化を酷使し続けた為に虚に近づいていき、ウルキオラは織姫を通して人間の「心」にとらわれてしまったのではないでしょうか。

「心」とは

BLEACHに於いて「心」は度々テーマとして扱われており、代表的なものが志波海燕が語る心の在り処です。

海燕の考えでは戦いには命を守る為の戦いと誇りを守る為の戦いの二つがあり、どちらも「心」を守れと解釈していました。

そして、心とは人と人が触れ合う時に初めてお互いの間に生まれるものであり、心とは体の中に無く、何かを考える時、誰かを思う時、そこに心が生まれると語っています。

その一方で、世界に自分一人しか居なかったら心なんてのは何処にも無いのかもしれないとも語っており、奇しくも生まれながらに眼意外何も持ち合わせなかった空っぽのウルキオラがこれに該当していたのではないでしょうか。

ウルキオラと黒崎一護の決着と心の変化

ウルキオラと黒崎一護の戦いは、

単行本31巻270話~ 虚夜宮で初戦闘。ウルキオラが一護を圧倒。 一護敗北
単行本37巻318話~ 虚夜宮で再戦。天蓋の上でウルキオラが第二階層解放し一護を圧倒。 一護敗北
単行本41巻350話~ 一護が完全虚化して復活。ウルキオラを圧倒。 ウルキオラ敗北

以上の様に終始ウルキオラが圧倒し続けていましたが、一護がウルキオラの虚閃で胸に孔を開けられて死亡した後、織姫の祈りが悪い方向で届いた事で一護は完全虚化して復活し、ウルキオラを圧倒しました。

単行本22巻、空座町に偵察に赴いた際には一護の事を脅威にもならない「ゴミ」と判断したウルキオラですが、虚化を習得して虚圏で急成長した一護に段々と興味を持つ様になり、最低でも破壊すべき対象として認識を改めています。

最終決戦では、完全虚化状態の一護に内臓を損傷された事で長く身体を維持できない事を悟ると、完全虚化状態での記憶が曖昧な一護がウルキオラとの勝負を対等な条件でつける事に拘り自身の左腕と左脚を切断するよう持ちかけた際には、僅かに逡巡し一護が望むのであればと条件を呑み込みました。

しかし、勝敗を決するより早くウルキオラの肉体の限界が訪れた為に体の消滅が始まり、最早歩く体力も残されていないウルキオラは永遠に勝負がつかなくなる前に自分に止めを刺す様に告げるのです。

また、飽くまでも完全虚化による暴走状態での決着を前にこんな勝ち方を望んでいたわけではないと止めを刺す事を拒否する一護の心の叫びを耳にしたウルキオラは、一護の「心からの訴え」を理解した様に驚いた表情を浮かべていました。

その後「最後まで…思い通りにならん奴だ…」と舌打ちする描写がありますが、これまで人間が口にする「心」を否定する為に絶望的な実力差で押さえつけ、人間は心を持つが故に傷を負い心を持つが故に命を落とすというウルキオラの持論を丸々覆されて「心の証明」をされた瞬間だったのかもしれません。

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ウルキオラは最後に井上織姫を通して「心」を知る

黒崎一護との戦いでウルキオラは肉体を維持する限界を迎えて消滅が始まりますが、肉体が完全に消滅する間際に井上織姫に手を翳して「…俺が怖いか、女」と語り掛けています。

ウルキオラは一護との再戦前にも同じ事を織姫に訊ねていましたが、織姫は今回もウルキオラを真っ直ぐに見据えて「こわくないよ」と伝えました。

「心とは何だ。その胸を引き裂けばその中に視えるのか?その頭蓋を砕けばその中に視えるのか?」

その直後、ウルキオラは嘗て織姫に「心とは何なのか」と質問した際に述べた台詞を思い返し、まるで自らの掌にあるかの様に「心の在り処」を語る織姫に消滅していく己の手を伸ばします。

そして、織姫がウルキオラの手に触れようと手を差し伸ばしたと同時にウルキオラは完全に消滅してしまうのでした。

しかし、ウルキオラは自らが消滅していく最中、全てを映し捉える事が出来ると語った眼が霞んでいくのと引き換えに、自分と織姫との間にある眼に見えないものが「心」だと知ったのです。

その為、ウルキオラは最後に織姫の手に触れる事こそ出来ませんでしたが、霞んでいく景色の中で「これがそうか、この掌にあるものが心か——」と独白しています。

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ウルキオラの復活はあるのか

ウルキオラの復活は今のところありません

しかし、劇場版BLEACH地獄篇に合わせた書き下ろし漫画では破面後にアーロニーロとザエルアポロが地獄に堕とされていた事が分かり、霊王護神大戦から12年後を描く獄頣鳴鳴篇では地獄に堕ちたザエルアポロが再登場した事から地獄へ堕ちた設定は活かされています。

BLEACHの初期設定では、虚は斬魄刀に斬られる事で浄化されるものの生前の罪に関しては浄化されないと言及されており、大罪を犯した極悪人は地獄に堕ちる設定です。

ザエルアポロに関しては小説で生前から人間を研究体と利用していた大罪人である事が判明しているので地獄に堕とされた理由はハッキリしていますが、アーロニーロは生前の様子が明かされていないので大罪人なのかは分かりません。

そして、本題のウルキオラですが、ウルキオラは現在もジャンプ+で無料公開されている「BLEACH not be, but be」で誕生の瞬間が描かれており、正体不明の一族である事が判明しています。

ウルキオラとしての自我が芽生えた時点で既に「虚無」であり、そもそも虚なのかすら怪しい事からウルキオラが生前大罪を犯した大罪人とも考えられない為、地獄に堕ちている可能性は低いでしょう。

したがって、ウルキオラは黒崎一護戦で完全に消滅したと考えられます。

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ウルキオラと井上織姫の関係や心の変化と最後について

  1. ウルキオラは藍染惣右介から井上織姫の拉致と世話係を一任されている
  2. ウルキオラは生まれながら「無」である為、井上織姫達人間が語る「心」が理解できずに否定し続けている
  3. ウルキオラは井上織姫に触れていく内に変化していき、黒崎一護に「てめえが人間に近づいたのかもしれない」と言われている
  4. ウルキオラは最後に井上織姫との間にある眼に見えないものが「心」だと理解して消滅した

心というものを否定し続け、黒崎一護の好敵手として何度も刃を交えたウルキオラ。

消滅する間際に井上織姫の言った心を理解した彼のその後を見たいと思ったファンの方は多かったのではないでしょうか。

最後はどこか寂しさが残る戦いの結末をもう一度見返して見るのも面白いのかもしれません。

【完結済み】BLEACH
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黒崎一護・15歳・ユウレイの見える男。その特異な体質のわりに安穏とした日々を送っていた一護だが、突如、自らを死神と名乗る少女と遭遇、「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。次々と倒れる家族を前に一護は!?