ユーハバッハの親衛隊の一人「ジェラルド・ヴァルキリー」は、原作72巻で霊王宮突入組の死神達の前に立ちはだかると、原作74巻までその戦いは描かれました。
親衛隊の中でも一際しつこかったジェラルドですが、今回は、
- ジェラルドの最後と死亡
- ジェラルドのしつこさが分かる戦闘描写
- ジェラルドのプロフィールと能力
などを踏まえて、ジェラルドの詳細をまとめたものを紹介したいと思います。
ジェラルド・ヴァルキリーの最後
- 原作74巻680話
しつこく復活するジェラルドは最終的に肉体全てを「霊子」で構成した様な状態となり、剣八・冬獅郎・白夜と戦いを続けていました。
しかし、真世界城でユーハバッハが一護と戦っている際に聖別を行った事で、ジェラルドを含める星十字騎士団の生存者は全てふるいにかけられると、聖文字と力の全てをユーハバッハに吸い上げられるのです。
ジェラルドもまた霊子をごっそりと奪われると瞬く間に白骨化して巨大な骨が地面に崩れると、役目を終えた様に絶命します。
最早倒す事が不可能に思えた強敵を敵の総大将が倒してくれるといった大サービスに、死神一同と読者も唖然としてしまう事態でした。
強くしつこいジェラルド戦の時系列
ジェラルドは最終的にユーハバッハの聖別で討ち取られましたが、そこに辿り着くまでには再三に渡り死神との闘いが描かれていました。
その連戦に次ぐ連戦と総力戦を見た読者は「しつこい」「強すぎ」「どうやって倒すの」とジェラルドに対して賛否両論な意見が飛び交いましたが、ジェラルド戦は飛び飛びで描かれたという背景もあり三巻に跨いで行われます。
以下はジェラルド戦の総まとめになりますが、ジェラルドがしつこいと言われる理由が分かりますね。
巻数 | 時系列 | 備考 |
原作72巻655話 | 霊王宮に突入してきた護廷十三隊隊長副隊長・仮面の軍勢を一人で半壊 | ※奇跡で巨大化 |
原作73巻666話 | ジェラルド、白哉・冬獅郎・剣八と戦闘開始 | ※更に巨大化 |
原作73巻669話 | ジェラルド、剣八に勝利 | ※完聖体披露 |
原作73巻671話 | ジェラルド、冬獅郎に氷結させられる | ※根性で脱出 |
原作73巻672話 | ジェラルド、白夜の「一咬千刃花」で頭部を破壊、肉体が崩壊 | |
原作73巻672話 | ジェラルド、霊子を集束して体を「霊子化」して復活 |
それではジェラルドがユーハバッハの聖別を受けるまでの工程を簡易的にまとめたものを見ていきましょう。
ジェラルドvs剣八
- 原作73巻
剣八は始解「野晒」でジェラルドの腕を切断したり、膂力に関しては圧倒していましたが、巨大化と回復を繰り返しては強化されていくジェラルドの前に一度倒れてしまいます。
しかし、グレミィ戦以降行方不明となっていた草鹿やちるが地に伏した剣八の許に現れると、剣八に触れる事で湧き上がる力の正体を卍解だと告げ、剣八は理性を失った状態で未完成の卍解を解き放ち、圧倒的な膂力でジェラルドを斬り伏せていくのです。
何とか対抗するジェラルドでしたが、最終的にはジェラルドの巨体を縦半分に両断されてしまうと綺麗な真っ二つに分かれて敗北——の様に思えた刹那、すぐに接着する様に肉体が合体して「完聖体」となり復活を遂げました。
同時に剣八の方は自分の卍解の負荷に耐え切れずに自壊した所に、ジェラルドの強力な振り降ろしを受けて利き腕を損傷する事になります。
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ジェラルドvs冬獅郎
- 原作73巻
剣八の活躍もあり滅却師完聖体を引き出す所まで追い詰めましたが、剣八に与えられたダメージの反動で既に十刃のヤミーを超越した巨体となっており、その大きさは霊王宮から突き落としただけでも瀞霊廷に被害が生じるサイズでした。
そんな折、冬獅郎の卍解の背中に咲く氷の花弁が全て散っていくと、冬獅郎は大人の姿となり大紅蓮氷輪丸の真の能力を引き出せるまでに到り、「四界氷結」と呼ばれる四歩の内に踏みしめた地水火風全てを凍らせる技によってジェラルドの巨体を凍結させるのです。
ジェラルドは冬獅郎が氷結させた肉体をただの根性論だけで脱出しますが、冬獅郎本体を掴んだ瞬間に瞬く間に全身が氷結してしまいます。
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ジェラルドvs白哉
- 原作73巻
大人冬獅郎に触れた事で凍結してしまったジェラルドですが、更に剣八が軸足を膂力のみで押さえつけると身動き取れなくなり、その一瞬の隙に乗じて白夜が卍解すると殲景千本桜景厳・奥義「一咬千刃花」を繰り出し、凍結したジェラルドの頭部を微塵も残らず粉砕するのです。
頭部を破壊されたジェラルドはビルの爆破解体の様に凍り付いた肉体が崩壊し、完全に砕け散ります。
しかし、これだけやってもまだジェラルドは死亡しておらず、直後に全身を「霊子」に変えて復活を遂げますが、記事内冒頭で触れた通り、ユーハバッハの聖別によって力を全て吸い上げられた結果死亡しました。
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ジェラルドの倒し方の正解は?
ジェラルドは「奇跡」の能力で無制限に復活を繰り返してきましたが、生物である以上冬獅郎は氷結させる事で復活を阻止するといった対処を取りました。
しかし撃破直後に今度は霊子化する事で復活しますが、その後冬獅郎が氷結を行っていなかった事から恐らく大紅蓮氷輪丸の能力が通用しなかったのではないでしょうか。
ですがその霊子化した状態のジェラルドを倒したのが力の全てを吸い上げるユーハバッハの「聖別」でしたので、鬼道系の斬魄刀であれば充分に対処可能な印象を持ちました。
具体例を挙げれば綾瀬川弓親の「瑠璃色孔雀」が能力的にも当て嵌まりますが、あとは所有者の技量や霊圧濃度に左右されると考えられるので、鬼道系の斬魄刀を有し尚且つ山本元柳斎重國クラスの実力があればジェラルドの霊子を吸い上げる事も出来そうです。
ジェラルドを倒す方法としては、後は王悦が行った様に「完聖体」前に意識が追いつくより早く瞬殺するのが正解でしょうね。
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ジェラルド・ヴァルキリーのプロフィール
【名前】 | ジェラルド・ヴァルキリー | |
【性別】 | 男 | |
【所属】 | 星十字騎士団 ユーハバッハの親衛隊 |
|
【聖文字】 | M | |
【能力】 | 奇跡 | |
【完聖体】 | 神の権能 | |
【武器】 | 希望の剣 | |
【特徴】 | 霊王の心臓 | |
【初登場】 | 原作66巻 |
星十字騎士団所属でユーハバッハの親衛隊にも選出された筋肉質な滅却師で、裸の上半身に兜や剣に盾と西洋の剣闘士を彷彿させる格好をしています。
新参者且つ次期後継者として針の筵に立たされた石田雨竜にも寛大で豪快な性格で話しかける他、敵に対しても威風堂々とした態度を崩さない芯の強い人物ですが、性格的には野性的な側面が目立つ為か日番谷冬獅郎曰く剣八と似た者同士だそうです。
「最強・最大・最速」の滅却師を自称し、霊王宮での攻防戦では対峙した隊長副隊長の多くを一人で相手取ったにも関わらず、その殆どを戦闘不能に追い込む功績を収めました。
ジェラルドの正体は霊王の心臓
- 原作72巻656話
同じ親衛隊のナックルヴァールの台詞に「ジェラルドさんは霊王の心臓だ」とある事から、ジェラルドの正体が霊王の心臓を宿した滅却師だと判明しました。
故にジェラルドはユーハバッハに力を与えられていない滅却師であり、「奇跡」の能力はジェラルドが既に持っていた力であると同時に聖文字はその力になぞらえてユーハバッハが決めたものです。
ただし、ペルニダの様に霊王の部位が意思を持って活動している様に見えず、かといって浮竹の様に臓器に憑依させている様にも見えないので、完現術者の様に霊王の欠片が回帰したケースなのかもしれませんが、それについては作中では語られませんでした。
ジェラルド・ヴァルキリーの能力「奇跡」
- 原作72巻655話
ジェラルドの能力「奇跡」は傷を負ったものを神の尺度へと交換するといったもので、受けたダメージによって肉体が巨大化していく仕組みです。
性能だけ見れば怒りで巨大化する十刃のヤミーに酷似した能力ですが、規模や威力そして耐久度に関してはヤミーのものより突出しており、護廷十三隊の隊長格を一人でなぎ倒すには充分な破壊力を持っています。
作中でこの能力が疲労された時には既に零番隊の一戦で一度死亡しユーハバッハの聖別で蘇生された際に大幅に強化されている状態で、霊王宮での戦いに於いては恋次や白夜は勿論の事、仮面の軍勢の猛襲をもいとも簡単に跳ね除けている他、巨大化した際の質量差や風圧のみで圧倒しました。
加えて、傷を負わせればそのダメージに比例して神の尺度と交換されますが、交換の際には傷を負った肉体そのものも完治した状態で強化される為、戦えば戦うほど強くなって万全な状態となる最大級のチート能力です。
この能力のせいで作中で何度も復活を繰り返し、読者からはジェラルドの強さは勿論そのしつこさを嫌う方も出始めました。
ジェラルドの武器「希望の剣」
ジェラルドが愛用する両刃の剣で、所有者同様に他の装備品と共に巨大化しています。
「希望の剣」を傷つけれと対象に等倍のダメージを与える性能が付加されており、剣八戦では始解「野晒」を真正面から受け止めた事で刃毀れしますがそのダメージを剣八の肉体へとそっくりそのまま与えていました。(※ハッシュヴァルトの「身代わりの盾」と少し性能が似ています)
ヴァルキリー曰く、
「我が力は『奇跡』!『奇跡』とは民衆の想いを形にする事!」
「破壊できぬ我が体躯は民衆の恐怖で巨大なものとなり、民衆の希望を束ねて剣となした希望の剣は折れれば即ち絶望となる!」
引用元:BLEACH 原作73巻 668話
との事で、対峙していた冬獅郎は何を言ってるか解らないとした上で道理の通じない能力である事には違いはないと解釈しますが、剣八は「希望の剣」を傷つける事なく本体のジェラルドを倒せばいいと結論付けるものの、ジェラルド事態もダメージを与えればそれだけ強化されていくので堂々巡りとなっています。
ジェラルドの滅却師完聖体「神の権能」
- 初出原作73巻670話
ジェラルドの滅却師完聖体は兜が額当てとヘッドギアを混合した様な甲殻に変異し、上半身と下半身にそれぞれ黒と白の文様が描かれ、背中には天使の羽が生えます。
剣八に両断された後に解き放ったもので、展開後は「我神の権能、高潔なる神の戦士。死して尚、神の為に剣を振るう者なり」との口上を掲げより巨大化された肉体へと変貌し、「希望の剣」から光弾を放つ等これまで見せなかった技を使用しました。
しかし、これといって能力の変化は見当たらなく、冬獅郎の氷結能力には真っ向から「この世の元素などには囚われぬ筈だッ」と根性論で突き破っていましたが、恐らく時間を置く毎に凍結し始めていた事から普通に有効だった様に窺えます。
ジェラルドの神聖滅矢
- 原作73巻671話
滅却師完聖体状態で見せた滅却師固有の霊子集束で作り出した弓矢ですが、「奇跡」によって巨大化した後だった為、その大きさは鏃の部分だけで高層ビルを丸ごと打ち抜ける規模でした。
しかし、冬獅郎戦で使用しようしたものの僅かに判断が遅れた為に、冬獅郎の「四界氷結」によって凍結させられると放つ事が出来なくなったので、ジェラルドの神聖滅矢の威力は不明のままです。
ジェラルド自身が「力の奔流で叩き潰す」と発言していた事から、恐らくは完聖体状態のジェラルドが放つ最大規模の力業だったと推察できますが、果たしてどれ程の威力があったのか非常に気になります。
ジェラルド・ヴァルキリーの最後と能力についてのまとめ
ジェラルドの最後はまさかのユーハバッハの聖別を受けて死亡する展開でしたが、それまでのしつこさと言えば作中随一でした。
一人で護廷十三隊の残存勢力の殆どを片付けると休みなく冬獅郎や白夜を相手取り、剣八の参戦後は1対3の構図で渡り合っていた事から、その強さが星十字騎士団内でもずば抜けている事が分かります。
結局はユーハバッハに殺されてしまいましたが、恐らく正攻法でジェラルドの能力を攻略するには冬獅郎の様に物質を停止させる事ができる凄腕の氷雪系の所有者か、弓親の様に霊子を吸い上げる鬼道系の所有者が必要不可欠だと考えられるものの、作中の様に霊子化状態となったジェラルドを倒す術は存在しないかもしれません。
ユーハバッハレベルで霊子や力そのものを吸い上げる事が可能な人材が居れば霊子化状態のジェラルドにも勝てそうですが、今の所尸魂界にはそのレベルの人材が居ない為、ユーハバッハが倒してくれなければ尸魂界は半壊どころでは済まなかった可能性がありますね。
ジェラルドの退場の仕方は少し残念でしたが、そう考えればユーハバッハに処理させるのは自然な流れだったのでしょう。
余談ですが、ジェラルドの表情とテンションが芸人のティモンディ高岸宏行さんに見えてしょうがないのですが、皆さんはどうでしょうか。