【BLEACH】兵主部一兵衛の正体と霊王との関係は?死亡と強すぎる能力について

単行本58巻で登場した兵主部一兵衛は、零番隊の頭目として霊王宮に侵攻したユーハバッハと対峙しました。

そこで今回は、

  1. 兵主部一兵衛の正体と霊王との関係
  2. 兵主部一兵衛の目的や年齢
  3. 兵主部一兵衛の最後と死亡
  4. 兵主部一兵衛のプロフィールと斬魄刀の能力
  5. 兵主部一兵衛の強さ

など、兵主部一兵衛について紹介していきたいと思います。

兵主部一兵衛の正体

小説「BLEACH Can’t Fear Your Own World」にて、兵主部一兵衛の正体は尸魂界開闢以前の原初の世界から存在する神々の一柱だと判明しています。

森羅万象・数多の物が曖昧だった生も死も進展もなければ後退も無い、緩やかに万年億年かけてただ冷えるのを待つだけの世界では虚になる事すら霊子の循環の一部でした。

やがて虚が人間を喰らうようになり始めると、そこで循環が止まりそのままでは魂魄の全てが一つの巨大な大虚へ成り果てようとする最中、世界がそれを拒んだかのように霊王が誕生したのです。

そして、その時代には他にも特殊な能力を持つ者達が現れており、その一人が兵主部一兵衛でした。

故に兵主部一兵衛と初代霊王は同じ時代を生きた知り合いで親友関係にあり、兵主部曰く霊王とは全てに突出しまさに万能で全知全能に近い力を持っていたと語っています。

また、兵主部は綱彌代家の祖が霊王を結晶の中に封じた際の一部始終は見ておらず、その後霊王の全能の力を楔に五大貴族が尸魂界・現世・虚圏の三界といった新たな世界の基盤を創り上げ、魂に生と死の区切りをつけその循環をもってして世界を新たな段階に引き上げた世界の管理者たちがいつしか「死神」と呼ばれるようになったと作中で語りました。

加えて、全能に近い力を持つ霊王が何故綱彌代家の祖に封じ込まれたのかと言えば、どう足掻いても避けられぬという未来を視ていたか、何かしら新しい世界に希望を見出していたのかもしれないと兵主部は予想しており、霊王は敢えて抵抗しなかったとされています。

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BLEACHの表紙

兵主部一兵衛の目的

兵主部の目的は霊王を護り三界のバランスを保つ事にありますが、千年血戦篇ではユーハバッハが霊王を取り込んだ為に、少し難しい事態に陥りました。

小説では黒崎一護がユーハバッハに殺害された場合、現霊王を失った世界が崩壊するのを防ぐために霊王と同じく様々な因子を内包する黒崎一護を新たな霊王として奉る算段であった事が明かされると、実際にはユーハバッハが霊王の力を完全に手に入れた為に黒崎一護を新たな霊王に据える最悪の事態を避ける事ができたのです。

その為、小説では京楽春水が「一護クンが和尚達に斬られなくてよかった」と強調しており、兵主部もユーハバッハが霊王を完全に取り込んだのは一護にとって幸運で、一護がユーハバッハに勝ったにも拘わらず尸魂界は崩壊を免れていると話しています。

また、これらの事象も全て霊王の意志とされていましたが、嘗て自らを楔の犠牲にと考えていた志波家の祖の末裔である黒崎一護が本当に霊王に成り代われる資質を持って現れた時にはこれも因果だと思いはしたものの、実際にそうならなかった事から世界がまだ一護を必要としているのかもしれないと語りました。

因みに、小説では零番隊の役目は「世界の底が今の形で在り続けるよう努める事」であり、例え綱彌代時灘や道羽根アウラがそれぞれの三界を支配しようとも万象の基礎が変わる訳ではないと放置しているので、大抵の事では出陣しない事が窺えます。

兵主部一兵衛の年齢は推定100万歳以上

単行本54巻476話「THE LOST」では、黒崎一護と銀城空吾の戦いが描かれていますが、その戦いを見守る朽木ルキアが黒崎一護というたった一人の不変によって尸魂界百万年の不変が悉く覆されていったと独白しました。

つまり、尸魂界開闢以前から存在する兵主部一兵衛の年齢は少なくとも百万歳を超えています。

兵主部一兵衛と山本元柳斎重國の強さ

単行本45巻394話「The Burnout Inferno 2」では、ワンダーワイスに流刃若火を封じられた山本元柳斎重國が肉弾戦で戦っていますが、その際に何故元柳斎が千年も護廷十三隊の総隊長を務めているのかを語っています。

それは元柳斎より強い死神が千年生まれてないという至極単純な理由でした。

つまり言い換えれば、1000年より以前に誕生している死神の中に元柳斎より強い存在が居るという事であり、尸魂界開闢以前より存在する兵主部一兵衛はその一人に該当すると思われます。

とは言え、兵主部一兵衛はいくら最強でも王属特務として霊王を護衛する目的以外には極力干渉しないので、兵主部一兵衛に次ぐ強さの山本元柳斎重國が瀞霊廷を護る役割である護廷十三隊の総隊長を任され続けるのは当然ですね。

したがって、実際の戦闘能力差はそこまで無いように思えますが、死神で一番強いのは兵主部一兵衛であり、山本元柳斎重國は兵主部に次ぐ戦力だと推察できます。

また、元柳斎は本編でユーハバッハが言っていたように、元柳斎は1000年前に滅却師を殲滅してから安らかな世を手に入れ惰弱の一群に成り下がり弱くなったと評しているので、本編での元柳斎は全盛期に程遠く、一方で戦いに非情になれる兵主部の方が強いのは当然ではないでしょうか。

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兵主部一兵衛が最後に死亡した経緯と復活できた訳

単行本67巻604話「REVITALIZE」にて、兵主部一兵衛とユーハバッハの戦いが始まりましたが、終始兵主部がユーハバッハを圧倒しています。

しかし、単行本67巻610話「Mausoleum of Skulls」にて、ユーハバッハが滅却師の聖帝頌歌通り力の9年がこの瞬間に終わり、真の力「全知全能」を取り戻した事で戦況は逆転し、ユーハバッハの力によって兵主部は体が内側から破裂したかの様なダメージを受け死亡しました。

兵主部一兵衛の復活

単行本67巻611話「霊王死す」では、ユーハバッハに敗戦した兵主部一兵衛が霊王宮表参道でバラバラ死体となって放置されていましたが、霊王宮に遅れて到達した黒崎一護に名を呼んでもらう事で復活しています。

兵主部曰く「名には全ての力がこもっとる。おんしに名を呼んでもらうことで、おんしの力をちぃっとばかし貰い受けて体を直したんじゃ」との事で、兵主部がほぼ不死身に近い規格外の存在だという事が分かりました。

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兵主部一兵衛の意味深な台詞

復活した兵主部一兵衛は霊王大内裏に向かう黒崎一護達にユーハバッハを止めてくれるように頼んでいましたが、一護達が立ち去った後に、

  1. 「すまんのう人間共。おんしらではユーハバッハには勝てん」
  2. 「じゃが案ずるな。平和とは全てそういうものよ」

と意味深な台詞を述べています。

しかし、これは記事冒頭で紹介した通り、現霊王を失った場合世界が崩壊してしまう為、この場で最も霊王の器に相応しい黒崎一護を新たな霊王に挿げ替える為に、どちらかと言えば黒崎一護がユーハバッハに負けてもらわないと困るといった事情の台詞でした。

「平和とは全てそういうもの」という意味は、今の平和が現霊王を贄にする死神達の罪の上に成り立っている事を意味し、兵主部は万が一ユーハバッハによって霊王を失っても黒崎一護を斬り新たな霊王に据える事で世界の崩壊を防ぐから案ずるなと意訳できるのではないでしょうか。

ですが、結果的にユーハバッハが霊王の力を取り込んだ為にユーハバッハの遺骸を次代の霊王にする事ができたので、零番隊が黒崎一護を殺すといった最悪のシチュエーションは回避されました。

因みに、兵主部自身も黒崎一護の事は気に入っているので一護を斬る事にならず良かったと思っています。

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兵主部一兵衛ひょうすべいちべえのプロフィール

【名前】 兵主部一兵衛ひょうすべいちべえ
【年齢】 不明 (※尸魂界100万年以前から存在)
【二つ名】 まなこ和尚
【所属】 零番隊
【零番離殿】 不明
【斬魄刀】 一文字いちもんじ
【真打】 しら筆一文字しらふでいちもんじ
【初登場】 単行本58巻
【声優】 楠見尚己

王属特務零番隊のリーダーで死神を統べる頭目であり、尸魂界開闢以前から存在する死神です。

容姿はダルマのような禿頭に顔の下半分を覆う長い黒髭にぎょろりとした目が特徴で、巨大な数珠を首飾りのようにぶら下げています。

兵主部が霊王から頂いた二つ名のまなこ和尚とは「真の名を呼ぶ」と書いて「真名呼和尚」となり、始解や卍解を始め、尸魂界にあるあらゆる事象に最初に名をつけた人物が兵主部であると判明しました。

その為、二枚屋王悦が打った浅打が死神達の手に渡った瞬間から斬魄刀の名を知っており、作中では阿散井恋次の蛇尾丸の本当の名を教えています。

また、ユーハバッハが指定した五人の特記戦力の一人であり、兵主部の警戒要素は「叡智」です。

兵主部一兵衛の斬魄刀「一文字いちもんじ

【斬魄刀】 一文字いちもんじ
【解号】 「黒めよ、一文字」
【初出】 単行本67巻

解放前は巨大な筆の形状で、筆自体は肉を切る事はできませんが斬った対象の「名」を真っ二つにして力・能力を半減する事が出来ます。

作中では、一文字を腕で払ったユーハバッハの腕の名を斬る事で腕が「う」となり筋力も能力も半分の仕事しか出来なくさせる他、ユーハバッハ自身を斬る事で力の半分を削いだ「ユーハ」に仕立て上げました。

また、解号後の一文字は先端の筆部分が分厚い刃に変化し、刃から黒い墨を撒き散らし、墨に塗り潰されたものは「名を失う」能力を有しており、ひとたび一文字を解き放てば死神も滅却師も生者も死者も関係無くこの世界のあらゆる「黒」は兵主部のものとなります。

故に、死神の死覇装が黒いのは兵主部の支配下に置く事を意味するなど、兵主部が真の黒幕説が浮上する事になりました。

 

一文字の能力
  1. 解放前→斬った対象の「名」を真っ二つにする事で力を半減
  2. 解放後→墨に塗り潰されたものは「名を失う」他、世界のあらゆる「黒」は兵主部のものになる

兵主部一兵衛の真打(卍解)「しら筆一文字しらふでいちもんじ

しら筆一文字はこれまでとは逆に筆の先端が白い刃に変化し、一文字で塗り潰されたものに白い墨で新たな名を刻み込むことができます。

作中では解放後の一文字でユーハバッハの名を奪った後、しら筆一文字で新たに「黒蟻」と名付ける事で地面を這う黒蟻に等しい脆く儚い命に変えていましたが、全知全能を取り戻したユーハバッハには通用しませんでした。

また、しら筆一文字を解放した際の「真打」とは世に卍解というものが生まれるより昔に最初に生まれた進化した斬魄刀の呼び名であり、卍解という名称は最新式の呼び名だそうです。

兵主部一兵衛の能力一覧

【千里通天拳(せんりつうてんしょう)】
突いたものを千里の先まで問答無用で吹き飛ばす技で、作中では予備動作無しで巨大な掌を翳すように突き出しユーハバッハを霊王宮から押し出しています。ユーハバッハ戦の最後の方では卍解後にこれの足バージョンや両手バージョンを使用していました。
【百歩欄干(ひゃっぽらんかん)】
縛道の六十二「百歩欄干」は無数の光の棒を放って対象を縛り付ける技のようですが、ユーハバッハには外殻静血装で防がれています。作中では檜佐木修兵も使用していました。
【裏破道 三の道 鉄風殺(てっぷうさつ)】
兵主部が右手を振り上げると龍のような霊圧が浮かび、手刀のように振り下ろせば龍を模した霊圧が息吹を吐くように衝撃波を飛ばし障害物を粉砕する事ができます。作中ではユーハバッハの外殻静血装を打ち破りました。
【不転太殺陵(ふてんたいさつりょう)】
「宵闇ィよ。宵闇ィよ。ちょっと来い。ちょいと顔見せ呑んで行け。呑めば命も飛んで行く。死出の道にも花が咲く。肴はどこじゃ、真黒に染めて、八ツに裂いて、真黒な炎で、真黒に炙ってぺろりと喰らおう。喰ろうて残った真白な骨で、墓標を立てて弔うてやろう。おんしが二度と生まれて来ぬよう。わしらの贄にならぬよう」

という長い詠唱後、背後に真黒に染め上げられた社を召喚します。

この社は百年後の尸魂界から夜を百夜奪って拵えたもので、兵主部曰くユーハバッハを弔う墓標の群であり、ユーハバッハの纏う黒までも吸い上げ血も肉も骨も何もかも黒く潰して無に還り転生すら許さない真黒な地獄との事で、事実上兵主部の最終奥義に近い技でした。

詠唱中に一文字の墨を杯に注いで飲んでいたり、足元に一文字で模様の様なものを描いていた為、斬魄刀の能力の範疇であると思われます。

兵主部一兵衛は強いのか?

BLEACHの最強キャラ議論で名前が上がるのが兵主部一兵衛ですが、結論から言えばBLEACHの最強キャラの五指に入る強さはあります。

  1. 兵主部一兵衛の名前を呼ぶと喉が潰れる
  2. 解放前の一文字は斬った対象の名前を斬り力・能力を半分にする
  3. 解放後の一文字は斬った対象の名を奪う事で力を封じ、黒い墨を撒く事で兵主部の支配圏を広げる
  4. しら筆一文字は一文字で名前を失った対象に新たな名を与えて弱体化も可能
  5. ユーハバッハの名の無い技を素手で封殺
  6. ユーハバッハの外殻静血装が肉体を侵食するも「ぬん」と気合で押し退ける
  7. ユーハバッハの簒奪聖壇を受けても兵主部自身には特に影響力は無い
  8. 転生すら許さない「不転太殺陵」を使う
  9. 名前を呼んでもらえれば死しても復活ができる

また、挙げればキリがありませんが以上の描写から見ても兵主部一兵衛がBLEACHの最強キャラに相応しいチート能力を複数有している事が分かります。

残念ながらユーハバッハの全知全能がこれらの能力より上にあった為に敗戦してしまいましたが、名前を呼ばれる事で復活できる兵主部を本当の意味で殺し切れていない為、兵主部の蘇生を阻止若しくは復活を未来視できなかったユーハバッハもまた兵主部に完全勝利したとは言えないのではないでしょうか。

力の序列で言えばユーハバッハの方が強いと思われますが、兵主部一兵衛に勝てるキャラクターもまたユーハバッハ以外には主人公の黒崎一護くらいしか居ないものと考えられる為、兵主部の強さは死神の中では圧倒的に突出しています。

兵主部一兵衛の正体と霊王の関係や強さについてのまとめ

  1. 兵主部一兵衛は、尸魂界開闢以前の原初の世界から存在する神々の一柱であり霊王の親友
  2. 兵主部一兵衛の目的は霊王の守護と三界のバランスを保つ事であり、霊王が殺害された場合は黒崎一護を新たな霊王に奉る予定だった
  3. 兵主部一兵衛の斬魄刀「一文字」は、作中でユーハバッハに並ぶチート能力を持ち、戦闘能力はBLEACHで五指に入る
  4. 兵主部一兵衛はユーハバッハに敗戦し死亡したが黒崎一護に名前を呼んでもらい復活している

兵主部一兵衛の情報は漫画本編ではあまり触れられませんでしたが、小説「BLEACH Can’t Fear Your Own World」で原初の世界から霊王と同じ時期に存在していた事が判明しました。

百万年の歴史がある尸魂界開闢以前から存在しているので、兵主部の年齢は少なく見積もっても百万歳であり、最古の死神としてユーハバッハを子供扱いしていたのも納得がいきますね。

小説で明らかになった情報を元に兵主部の行動を見返してみると、違ったように見えるのではないでしょうか。

【完結済み】BLEACH
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黒崎一護・15歳・ユウレイの見える男。その特異な体質のわりに安穏とした日々を送っていた一護だが、突如、自らを死神と名乗る少女と遭遇、「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。次々と倒れる家族を前に一護は!?