【鋼の錬金術師】ホムンクルスの正体とそれぞれの最期はどうなった?

作中において暗躍していた7体のホムンクルスですが、何れも容姿や性格が異なっており固有の能力でエルリック兄弟や主要人物を苦しめてきました。

  • ホムンクルスの正体とは?
  • ホムンクルスの最後はそれぞれどうなった?

など、ホムンクルスの正体やそれぞれの最後について紹介していきたいと思います。

ホムンクルスの正体

まず初めにホムンクルスとは、錬金術で作り出した人工的な生命体を指します。

作中ではお父様と呼ばれる存在が切り離した七つの感情から七体のホムンクルスが登場しており、それぞれ生まれた順に、

  • 傲慢(プライド)
  • 色欲(ラスト)
  • 強欲(グリード)
  • 嫉妬(エンヴィー)
  • 怠惰(スロウド)
  • 暴食(グラトニー)
  • 憤怒(ラース)

が存在しているわけです。

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賢者の石を核にした半不死身な存在

作中で重要なキーワードとなる賢者の石ですが、ホムンクルスの生命の源にも賢者の石が核として使用されています。

その為、ホムンクルスを物理的に殺害したとしても、賢者の石に含まれるエネルギーが尽きるまで何度も再生してしまうのです。

ホムンクルスの賢者の石の核はどこにあるのか?

ホムンクルスを倒す方法は体内にある賢者の石を破壊する事なのですが、では、その賢者の石はどこ辺りに位置しているのかが問題です。

原作10巻、マスタングとラストの死闘が描かれている話で、ラストが自ら胸部を開いて体内にある賢者の石を見せてくれました。

基本的に人間の容姿をしている場合は、心臓のように胸部に位置しているのかもしれません。

しかし、原作13巻、エドとリンの共闘でエンヴィーを相手にする話では、本来のバケモノじみた姿をエンヴィーは披露しており、その姿のエンヴィーの賢者の石は口の中に登場しました。

変身能力があるエンヴィーが特殊な事例かもしれませんが、もしかしたら体内のどこでも自由に移動できるのかもしれません。

ホムンクルスの身体的特徴

ホムンクルスの特徴としては一様に似たような黒いタイトめな衣装を着ていますが、実は体のどこかにウロボロスの刺青を刻印しています。

またそれぞれに固有した特殊能力があるので、並の人間では太刀打ちできない戦闘能力を有しており、加えて賢者の石による再生能力で銃等での殺傷はほとんど無傷で終わるで為、殆どの人間は無力化させられる事でしょう。

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ホムンクルス7つの大罪のそれぞれの正体と最後

7人いるホムンクルスの最後について見ていきましょう。

始まりのホムンクルス傲慢のプライド

  • 名前:プラウド
  • 七つの大罪:傲慢
  • ウロボロスの刺青:不明
  • 能力:影
  • 生まれた順番:1番目
  • 容姿:子供
  • 初登場:8巻

お父様から切り離された感情の一つ傲慢のホムンクルスであり始まりのホムンクルスと呼ばれいるプライドは、七体の中で一番初めに誕生し、アメストリス建国当初から子供の容姿で要人の近くで暗躍しており、お父様の代理として順調に支配の手を広げていたのです。

作中ではブラッドレイの養子として大総統夫妻の子供セリムとして暗躍しており、ブラッドレイ夫人に対しては母親として「あれは好きですよ」と意外な感想を述べています。

プライドの最後

原作26巻、プライドはエネルギーの大幅な消費に伴いセリム・ブラッドレイの器を維持できなくなるほど疲弊してしまいます。

そして、エドとの対決でホムンクルスの矜持を捨ててエドの体を乗っ取ろうと企みますが、体内に取り込んだキンブリーに邪魔された事でエドに敗れてしまいました。

しかし、存在自体は消滅せず、エドの人を殺さない覚悟によって殺されることはなく、賢者の石のエネルギーをほとんど消費した代償として手の平大の赤ん坊の姿になるのでした。

プライドの最後の台詞

……やめろ…やめろ…

私の中に入ってくるなぁあああああ

引用元:鋼の錬金術師

エドを取り込もうとしたプライドに対して、逆に自分を賢者の石にしてプライドの中に侵入してくるエドに拒絶の意思を表すプライドは殺されると考えていました。

結果としてエドにプライドを殺める選択肢はなかったのですが、プライドは最後の走馬灯の中にブラッドレイ夫妻の姿を想起しているのです。

もしかしたらプライドはブラッドレイ夫妻との家族ごっこを心から楽しんでいたのかもしれません。

プライドのその後

最終話でブラッドレイ夫人に預けられてから夫人の手によってすくすくと成長しており、2年後には本来のセリムに近い容姿にまで急成長を遂げていました。

また、以前の冷酷で淡々とした無機質な雰囲気はなく、子供さながらの感情豊かな表情と怪我をした小鳥を心配する様子も描かれています。

それでも現状としてはブラッドレイの後釜に収まったグラマン大総統の監視下においており、ブラッドレイ夫人が以前のプライドにならないよう愛情を込めて育んでいるのでした。

色欲のラスト

  • 名前:ラスト
  • 七つの大罪:色欲
  • ウロボロスの刺青:胸元
  • 能力:最強の矛
  • 生まれた順番:2番目
  • 容姿:女性
  • 初登場:1巻

お父様から切り離された感情の一つ色欲のホムンクルスですが、唯一の女性の姿であり、豊満な体系と絶世の美女といった印象を受けます。

能力は爪の先を鋭利な棘状に伸ばす事で何でも斬り裂く最強の矛にすることができ、アルの鎧を軽々切断するほどの攻撃力です。

ラストの最後

原作10巻、第五研究所地下での戦闘で、アルとリザがラストの猛攻に防戦一方だった所にマスタングが駆け付けました。

一度ラストに重傷を負わされたマスタングでしたが、ホムンクルスが賢者の石を核として有している事や消費すれば存在が消滅する事を知り、圧倒的な焔の錬金術を駆使しラストを何度も焼き殺し続けたのです。

この戦いは初めて人間側がホムンクルスに勝利した衝撃的なシーンとなり、多くの読者に名場面として支持されています。

ラストの最後の台詞

その迷いの無い真っ直ぐな目 好きよ

楽しみね その目が苦悩にゆがむ日は…………すぐ……そこ……

引用元:鋼の錬金術師

マスタングと対峙し両者の視線が交える中、ラストは真っ直ぐにマスタングの眼を見据えたまま最後の言葉を残して消滅するのでした。

強欲のグリード

  • 名前:グリード
  • 七つの大罪:強欲
  • ウロボロスの刺青:左手の甲
  • 能力:最強の盾(硬化能力)
  • 生まれた順番:3番目
  • 容姿:男性
  • 初登場:6巻

お父様から切り離された感情の一つ強欲のグリードは、富名声金女とこの世のあらゆるものを欲する強欲の精神の男で、最強の盾と称される程の硬化能力を持つホムンクルスです。

グリードは国に実験体とされたなれの果てである合成獣達と徒党を組みダブリスの酒場に拠点を置いていましたが、魂だけの存在と成り立つアルの事を知り誘拐を企てます。

ですが、たまたまダブリスに赴いていたブラッドレイの指揮の下グリードの拠点は瞬く間に制圧され、グリードは部下を皆殺しにされた事に激情しブラッドレイとの一騎打ちに臨むのですが、瞬殺されるのでした。

グリードは一度賢者の石に戻される

実はブラッドレイの正体もホムンクルスであった為、拘束されたグリードはお父様のアジトに連れていかれ磔にされてしまいます。

100年以上前に自由を求めてお父様の側から離れていたグリードに、お父様は今一度服従のチャンスを与えるもののこれをグリードは却下し、溶岩のような高温の液体に落とされて賢者の石に戻されてしまうのでした。

後に記憶を浄化された状態でリンの肉体へ

一度は退場したかと思えたグリードでしたが、お父様が中盤に登場したリンにグリードを注入させた事によって肉体を手に入れて復活しました。

しかし、前回の記憶を戻した事により因縁のブラッドレイを襲撃した為またもやホムンクルス側から離れる事になり、他のホムンクルスと違い元々人間にも友好的だったグリードはエドの誘いを受けて人間側の味方になるのです。

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グリードの最後

原作27巻で、エド達と共闘する事で次第に仲間意識が芽生えていたグリードでしたが、お父様との最終決戦で惜しくもリンを守るために自らお父様に吸収されます。

その際、得意の硬化能力で最も脆い物質にお父様の肉体を退化させるなどの最後っ屁をかましまたが、お父様によって完全に消滅させられるのでした。

グリードの最後の台詞

十分だ ああ もう十分だ なんも要らねぇや

がっはっは…じゃあな 魂の……友よ

引用元:鋼の錬金術師

今際にはリンやエドたちが心配する表情を目の当たりにした事で、本当に欲しかった仲間を手に入れた実感を得た温かい心情のまま消滅します。

嫉妬のエンヴィー

  • 名前:エンヴィー
  • 七つの大罪:嫉妬
  • ウロボロスの刺青:左大腿部
  • 能力:変身
  • 生まれた順番:4番目
  • 容姿:中性的な青年
  • 初登場:2巻

お父様から切り離された感情の一つ嫉妬の感情のホムンクルスで、作中最も因縁の深いイシュヴァール殲滅戦の引き金となったのもエンヴィーの仕業でした。

エンヴィーは変身能力を有しており、国の要人や軍人に変身して悪さをするなどホムンクルスの中でもずば抜けてエグい手法で人間側を追い詰めていくまさに悪役に相応しい立ち回りをしています。

エンヴィーの最後

原作25巻、第五研究所の地下に再び侵入したエド達はそこで偶然にもエンヴィーと邂逅したことにより戦闘を余儀なくされます。

その際、その場に居たマスタングにヒューズ殉職の真相を嬉々として暴露した事で、逆鱗に触れたマスタングと一騎打ちする事になり、その戦闘でもヒューズに変身して動揺させようと企むなど相手の意表を突く手段を取りました。

しかし、マスタングの焔の錬金術に小細工は通用せず圧倒的な力量差で攻め立てられた挙句、一つ分の賢者の石を残し惨めな本体を晒す事になります。

エンヴィーはその場に居合わせたイシュヴァール殲滅の関係者であるリザやスカーを煽る事で仲たがいさせようと試みましたが誰一人耳を傾ける事もなく、最後にはエドにエンヴィーという本質を諭され理解されたことで自死を選んだのでした。

エンヴィーの最後の台詞

はは… この先その綺麗事がどこまで通じるかせいぜいがんばる事だね

バイバイ エドワード・エルリック…………

引用元:鋼の錬金術師

最後の最後で一番嫌いな人種であるエドに自分を理解された事を嘆きながらも、エドに対して僅かな感情を含ませてエンヴィーは消滅するのでした。

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怠惰のスロウス

  • 名前:スロウス
  • 七つの大罪:怠惰
  • ウロボロスの刺青:左肩後ろ
  • 能力:最速
  • 生まれた順番:5番目
  • 容姿:筋肉質な巨体の男性
  • 初登場:16巻

お父様から切り離された感情の一つ怠惰のホムンクルスで、アームストロングを凌ぐ巨躯と手足に拘束された鉄球が印象の男ですが、登場時から最後まで「めんどくせえ」が口癖なのか主な台詞でした。

スロウスの最後

中央司令部でアームストロング少佐と少将の姉弟交戦することになったスロウスは、最速の能力で自身の体重を乗せた突進を得意とし、アームストロング姉弟を窮地に追い込んでいきます。

そこへエルリック兄弟の師匠であるイズミが颯爽と登場し助太刀に入ることで形勢逆転し、アームストロング少佐はイズミの旦那のシグと筋肉による同調で共闘してスロウスを一方的にいたぶるのでした。

アームストロング姉弟やカーティス夫妻を始め多くの兵士と交戦していたスロウスは、やがて賢者の石のエネルギーを使い果たした事で再生ができなくなり消滅します。

スロウスの最後の台詞

……あ 死ぬの? 死ぬ? 死ぬ?? 死ぬ????

……死ぬってなんだ? ……まあいいや 考えるのめんどくせーー

ああ 生きてるのも めんど く せ え

引用元:鋼の錬金術師

命令がないと基本的に人畜無害な存在でしたがひとたび暴れると手の施しようのない戦闘力を有したスロウスは、怠惰の感情のせいか終始めんどくさがりながら最後も同じように何の感慨もなく散っていきました。

暴食のグラトニー

  • 名前:グラトニー
  • 七つの大罪:暴食
  • ウロボロスの刺青:舌
  • 能力:なんでも食べる
  • 生まれた順番:6番目
  • 容姿:丸く太った男性
  • 初登場:1巻

お父様から切り離された感情の一つ暴食のホムンクルスで、丸っこい体系と指を咥えてラストに付き従う容姿は大きな赤ん坊のようで、怪力もさることながら何でも捕食してしまう大喰らいでした。

グラトニーの最後

プライドと同行しエド達を襲撃したグラトニーですが、リンやランファンによって暗闇の中でも気配読まれることで何度も斬り伏せられてしまい賢者の石を大幅に消費してしまいます。

一方でプライドも悪戦苦闘を強いられる事で賢者の石が枯渇している状態でした。

プライドと合流したグラトニーはプライドに「何回死んだか」と質問され素直に何度も死んだ事を告げるのですが、その場でプライドに捕食されて賢者の石を吸収されてしまいます。

グラトニーの最後の台詞

いやだ たべないで… いたいよぅ

たすけて… …ラスト…

引用元:鋼の錬金術師

ホムンクルスの中では愛嬌のあるキャラという事もあり、その最後は信じていた同胞に裏切られて捕食されるといった何とも無残な死で敵ながら可哀相な幕引きでした。

また、最後まで序盤で死亡したラストへの執着を見せている事で、ホムンクルスにも愛情が備わっていることを感じさせられます。

憤怒のラース

  • 名前:キング・ブラッドレイ(ラース)
  • 七つの大罪:憤怒
  • ウロボロスの刺青:左目
  • 能力:動体視力
  • 生まれた順番:7番目
  • 容姿:定年近い男性
  • 初登場:4巻

お父様から切り離された感情の一つ憤怒のホムンクルスで、アメストリスを賢者の石に変える計画の詰めに用意された唯一の人間ベースのホムンクルスであり、年のいった容姿とは真逆に最年少です。

国のトップを排出する為の育成機関で訓練を終えた人間がベースとなっており、人間と賢者の石の融合実験によって生き残り完成したのがキング・ブラッドレイ大総統でした。

その為、ベースの人間の中で賢者の石の魂が最後の一つになるまで戦いあった結果、ホムンクルスの中で唯一命が一つしかなく、老化もし傷の再生等もできません。

ラースの最後

中央司令部でリン一派とブリッグズ兵の猛攻を一人で受けきった事で重傷を負っていたラースは、原作26巻で最後にスカーと一騎打ちをすることになります。

生まれた時からキング・ブラッドレイとなるべくして育てられたラースは人間だったころの名前と記憶も思い出せず、スカーとの互いに名無し同士の対決に高揚していました。

最後は逆光による視界の遮りとスカーによる破壊で両手を失い倒されるのですが、満身創痍のスカーはとどめをさす余力もなく座り込んでしまい、ラースはそのまま消滅します。

ラースの最後の台詞

用意されたレールの上の人生だったが

おまえ達人間のおかげで

まぁ 最後の方は 多少

やりごたえのある良い人生だったよ

引用元:鋼の錬金術師

既に寿命が尽きそうなラースの側へ現れたランファンは何か言い残すことはないのかと声を上げますが、ラースは大総統としての矜持を示し最後はやりがいのあった人生だったと満足するように穏やかな表情を浮かべたまま息を引き取るのでした。

ホムンクルスの正体とそれぞれの最後のまとめ

  • お父様によって切り離された七つの感情を特徴に持つ人工人間
  • それぞれが死ぬ瞬間は人間のようだった

お父様によって生み出された人工人間でしたが、お父様自身はホムンクルスを手駒としか考えておらず愛着はなかったように見受けられ、ホムンクルスは非常に可哀相な存在でした。

グリードやブラッドレイといった僅かながら人間に対等な感情を抱ている事例もある事から、もしかしたら共存の道もあったのではないでしょうか。

唯一生存しているプライドはブラッドレイ夫人による寵愛を受けてすくすくと育っているので、プライドの成長次第で人間とホムンクルスの共存関係といった今後の展開が左右されてしまうのかもしれません。

【完結済み】鋼の錬金術師
created by Rinker
2001~2010年「月刊少年ガンガン」にて連載。累計発行7,000万部を超える、荒川弘による傑作ダークファンタジー、略称「ハガレン」。「第49回小学館漫画賞」受賞。