漫画「葬送のフリーレン」は既に11巻まで発売されていますが、意外と気になるのはキャラクターの恋愛要素です。
果たしてヒンメルやフリーレンに恋愛感情はあるのでしょうか。
今回は葬送のフリーレンの恋愛要素について既刊11巻時点でのまとめを紹介したいと思います。
葬送のフリーレンの恋愛要素について
葬送のフリーレンは魔法冒険ファンタジーがメインである為、恋愛要素は殆どありません。
物語の大半が冒険、そして町々村々で依頼を受けて魔物退治、魔王軍残党や魔族との対決が節々に描かれており、恋愛要素に関しては「このキャラクター同士は恋愛感情があるのかな?」と感じ取れる程度のものです。
したがって、初見の方は恋愛要素に関しては過度な期待をしない方が無難でしょう。
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ヒンメル×フリーレン
本作で一番気になるのが勇者ヒンメルと魔法使いフリーレンのペアです。
作中で描かれている通り、ヒンメルはフリーレンの事を大切な仲間と表現して人間とエルフの時間間隔を超えて接していますが、フリーレンに関しては勇者一行の冒険の最中にヒンメル達の事を知ろうとしているもののヒンメルが死ぬまで彼を本当の意味で理解しようとはしませんでした。
一方で、ヒンメルはフリーレンの投げキッスで一撃ノックダウンされていたり、意味こそ教えていませんが通常は恋人に贈るという鏡蓮華の指輪(花言葉「久遠の愛情」)をプレゼントしています。
このように作中の回想では当時のヒンメルはフリーレンに少なからず好意を向けているのは分かりますが、やはり人間とエルフの生きる時間の違いを気にしてか、告白せずに生涯を終えました。
既刊11巻時点ではヒンメルがフリーレンに好意を寄せていたのか明確に描かれていませんが、フリーレンはヒンメルの死をきっかけに勇者一行の冒険時代にヒンメルがやっていた人助けなどの行いと、ヒンメルが自分にしてくれた事を実践しているのです。
また、女神の石像篇で過去に戻ったフリーレンはヒンメルの存在は励みになっていると述べているので、ヒンメルの死が人を知ろうとするきっかけとなったように80年以上経過してもずっとヒンメルの行動を追い続けているように思えます。
ただ厄介なのがエルフという種族が恋愛感情や生殖本能みたいなものが軒並み欠落しているという設定なので、フリーレンがヒンメルに気持ちに気付くのはまだまだ先かもしれません。
しかし、フリーレンの旅の目的は魂の眠る地に行ってヒンメルと話す事なので、最終話辺りで初めて恋愛感情についてはっきり理解する可能性もあります。
フリーレンが恋愛感情に気付いてもヒンメルが既に故人なのが悲しい所です。
フェルン×シュタルク
作中最も恋愛要素が多いのがフェルンとシュタルクです。
とは言え、互いに意識したり赤らめるような甘酸っぱい展開は無く、ただ旅をする中で徐々に打ち解けて姉弟のような距離感に縮まっているような感じであり、とにかく淡泊なやり取りをしています。
しかし、フェルンに関してはシュタルクが選んでくれた鏡蓮華のブレスレット(花言葉「久遠の愛情」)を大事にしており、ザインに諭されたように無意識にシュタルクと一緒にブレスレットを選んだという思い出を大切にする他、シュタルクとのデートでは気合をいれていました。
フェルンは決してデレたりしませんが、シュタルクとのデートの後はフリーレンが気づくくらいに機嫌の良さが表情に現れています。
一方でシュタルクはまだ精神が子供なので恋愛感情に乏しいですが、フェルンと仲良くなりたいという気持ちは持っている他、デート回で初めてお洒落をしているフェルンを見て「こんなに可愛かったっけ?」と意識し始めているので、今後も進展がありそうです。
二人から互いの事で相談を受けるザインが「もう付き合っちゃえよ」とフリーレンに愚痴を零すくらいには傍から見ていて仲が良い関係ですが、当人達に態度の変化はないので気付かない内に好きになっていくパターンかもしれませんね。
こちらは現在進行形で関係が進んでいるので注目のカップリングです。
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デンケン×レクテューレ
現在、一級試験を経て一級魔法使いの資格を獲得した宮廷魔法使いのデンケンには、若い頃に病没した妻・レクテューレが居ました。
デンケンは子供の頃に両親を亡くした身ですが、子供時代は親戚のグリュックが面倒を見ており、マハトを指南役につけて魔法使いの腕を磨いています。
レクテューレはグリュックの娘であり、デンケンとレクテューレは幼い頃から良く遊んだ仲です。
両親を失ったデンケンは笑顔を失い毎日教会に祈りを捧げる日々を送っていましたが、夢である魔法使いになるべくマハトに師事する他、レクテューレと過ごす中で徐々に笑顔を取り戻す事が出来ました。
また、親のグリュックは気づきませんでしたが、人を観察する事に長けたマハトが「お嬢様はデンケン様を好いておられるのですか?」と感情の傾き具合を読み取れる程度にはレクテューレからデンケンへ愛情が向けられていたようです。
しかし、順当に軍属の魔法使いになったデンケンがレクテューレと結婚が決まりグリュック家の婿養子になるものの、結婚後暫くして体の弱かったレクテューレは病没してしまいます。
レクテューレの病気を治すには莫大な資金がかかる為、デンケンは出世する為に身を粉にして努力し尽くしてきましたが、レクテューレの死はデンケンが勲章を頂いた晩の出来事であり、レクテューレの死に目に立ち会えなかった、全ての努力が無に帰した喪失感からデンケンはレクテューレの死から半世紀以上もヴァイゼに戻りませんでした。
その為、マハト編でようやく覚悟を決めたデンケンが死ぬ前にレクテューレの墓参りの為にかつての師匠マハトとの決別を決め、章の最期でレクテューレの墓前に立つ姿は思わず感傷に浸ってしまいます。
フォル×妻
こちらも既に故人である妻(名称不明)とドワーフのフォルの夫婦です。
フォルと妻が出会ったのはもう400年以上昔の事ですが、現在でもフォルは妻が愛した村を守る為に老体の身で村を襲う魔物を退治して守っています。
しかし、ドワーフの寿命は300年程と言われる中でフォルは400年も長生きしているせいか今では愛した妻の顔も声も眼差しも思い出す事が出来ず、ただ大切な何かの為に村を守り続けているのです。
村人視点では400年も経過すればフォルが何故村を守ってくれているのかは分からず、耄碌した老人で普段は会話もままならないと言われる一方、昔から村を魔物や魔族から守ってもらっている守り神のような存在として認知されていました。
なお、フリーレン一行が立ち寄った際にフリーレンと昔話をしたお陰で久しぶりに妻の夢を見る事が出来たとして朗らかな表情を浮かべています。
愛した妻の為に、また愛した妻の顔や声を忘れても、大切な約束の為に村を400年も守り続けるフォルはまさに純愛でした。
葬送のフリーレンの恋愛要素のまとめ
- 「葬送のフリーレン」に恋愛要素は殆ど描かれない
- フェルンとシュタルクの関係は現在も進行中だが、淡泊な為に恋愛的な反応はあまり描かれていない
- デンケンやフォル等の作中登場人物の単発エピソードでは夫婦愛等が描かれている
基本的にフリーレン一行や登場人物の殆どは口下手やコミュニケーション不足なキャラクターなので、やり取りの大半は淡泊なものであり、そのせいか恋愛要素は殆ど描かれていません。
エルフという種族自体が恋愛感情が欠落しているので、主役のフリーレンの恋愛要素は魂の眠る地に辿り着くまでお預けかもしれませんね。
ただ、フェルンとシュタルクに関しては進展が楽しみです。