三番隊副隊長を務める吉良イヅルは、あまり出番がないながらも尸魂界篇で市丸ギン達に利用された立ち回りから印象に残ると共に多くのキャラを押し退けて読者人気を博しました。
しかし、そんな準レギュラーの吉良が千年血戦篇であられもない姿を晒すことになったのですが、そこで、
- 吉良イヅルがゾンビになって復活した経緯
- 吉良イヅルの死亡話数や孔について
- 吉良イヅルのその後について
等、吉良が死亡し生き返った経緯からその後の安否について見ていきたいと思います。
吉良イヅルがゾンビになって復活したのは何巻何話?
- 原作72巻654話
吉良がゾンビとなって復活した回は原作72巻654話でした。
霊王宮にて京楽春水と伊勢七緒がリジェ・バロを神剣・八鏡剣で打ち倒した結果、鳥の様な姿で霊子化したリジェが瀞霊廷中に拡散し分裂してしまい、隊士達を虐殺していた所へ復活した吉良が登場したのです。
その際、光輪が消え神の力を失う事で弱体化しているとは言え、京楽を追い込んだリジェの分裂体の一人を両断して瞬殺しています。
死にながら生きている点から正確にはゾンビと言うより「死人」という表現が正解ですね。
吉良イヅルが死亡したのは原作56巻494話
- 原作56巻494話
では、吉良がどうして死人として復活したのかと言えば、滅却師の一度目の侵攻が行われた原作56巻、突如として瀞霊廷中に光の柱が出現し聖十字騎士団が襲撃したのを契機に、その中の一つに対応した吉良率いる三番隊はバズビーと交戦します。
しかし、「かかれ!」の合図と共に光の柱からバズビーのバーナーフィンガーが放出されると、吉良の右胴体に孔が開き斬魄刀を握ったまま右手が千切れ落ち、目がぐるんと明後日の方向を向いたまま殉職してしまったのです。
まさかの第一犠牲者が吉良となった三番隊は、続けざまに第五席と第六席が頭部を破壊され死亡し、残された第三席もバズビーに殺害された事で残された平隊員は絶叫しながら逃走を始めました。
あまりに衝撃的な準レギュラーキャラの死亡を受けて読者も騒然としたこの展開は、千年血戦篇で急激に敵が強くなった緊迫感と最終章と銘打った事でこれからどんどん主要キャラが殉職する絶望的展開の幕開けとなり、当時の読者は息を呑んだものです。
吉良イヅルは涅マユリの死鬼術式で復活
- ファンブック「BLEACH 13 BLADEs.」より
千年血戦篇の滅却師の一度目の侵攻後、涅マユリは吉良の死体に実験的な肉体改造手術を施しており、殉職した三番隊の席官達の魂魄を使い吉良の肉体を補修し復活させています。
席官達の犠牲の下生き永らえた事に罪悪感を抱くも、マユリからは「背負うのが好きそうだからネ。思う存分彼らの人生とやらを受け継ぎたまえ」と突きつけられており、強化された霊圧を有したまま戦線復帰しました。
マユリ曰く、眠が義魂技術の傑作だとするのならば、死んだまま生きる事が出来る吉良に施した死鬼術式は肉体改造技術の傑作だそうです。
BLEACHの一、二を争う有能キャラ「涅マユリ」ですが、マユリがどうして全編を通して屈指の有能キャラと読者に評価されるのか、 涅マユリが有能だったエピソードと発明品 涅マユリが見たザエルアポロの幻影 涅マユリが造り[…]
本編の裏側では、大霊書回廊を襲撃したシャズ・ドミノと交戦しており、欠損すると周囲の霊子を取り込む事で再生する「生存能力」を前に侘助の斬りつけたモノの重量を「倍」に増やす能力で応戦し、自重による自壊と再生の連鎖に追い込む事で見事撃破しています。
また、この戦いでは偶然居合わせた阿万門ナユラを救出しました。
復活した吉良イヅルの右半身に孔
復活した吉良の右胸には大きく抉れた孔が開いていますが、これは滅却師の襲撃を受けた際にバズビーに開けられたもので、復活後も何故か右胸の傷はそのまま残されています。
ただ、吉良がリジェの分裂体と遭遇した際にリジェが「ギイイイッ!?」と喧しい鳴き声を上げていた事から、
「ギイギイとよく鳴く鳥だね…酷く耳障りだ」
「孔に響くよ」
引用元:BLEACH 原作72巻654話
と、三日月の逆光を浴びながら瓦礫に片足を置き侘助を構える演出はオサレ値が高く読者のお気に入りシーンとなりました。
死鬼術式後にも孔が開いている理由
復活後も依然として右胸が空洞のままの吉良ですが、死鬼術式直後は体内の熱を逃がす為に敢えて穴を覆わずにいたとされる明確な理由があり、本編で描かれた様に死覇装を片肌脱ぎ状態で生活する事を余儀なくされていました。
しかし、大戦後はマユリの技術力向上によりバージョンアップしているので、放熱問題が解消され穴を晒す必要が無くなり元通り死覇装で空洞を隠す事が出来る様になったのですが、そもそも穴自体を補肉剤か何かで補う事が出来ないのかは疑問が残る所ですね。
みんな大好き「故に侘助」の台詞でお馴染みの吉良イヅルですが、死人となって復活したものの結局本編では卍解に至りませんでした。 そこで、 吉良イヅルの卍解の可能性について 吉良イヅルのプロフィール 吉良イヅルの斬[…]
吉良イヅルの千年血戦のその後はどうなったのか
- 小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」より
霊王護神大戦から3年後多くの殉職者を出した護廷は、深刻な隊士不足を補い護廷十三隊を維持する為に育成機関真央霊術院で四回生の夏以降に「死神見習い制度」を導入し、若い死神に現場での死神業務を積んでもらうように見直しています。
その為、卒業生である現役副隊長の吉良が招かれて講演する事になりますが、一昨年は雛森桃が行い、昨年は阿散井恋次が請け負い、三年目にして吉良が同期の前者達が引き受けた事で断る訳にもいかず引き受けたのです。
その際には吉良と同期で二〇六六期生でもある真央霊術院学院長「石和厳兒」と再会しており、学級は異なるものの院生寮での生活班が同じだった為、恋次達を除けば親しい間柄でした。
また、厳兒自身大戦で両足を失った事で技術開発局の義足が必須となり五番隊三席を引退していますが、同じく大戦で戦死したと聞かされた吉良が復帰したという情報を得て大混乱だったと語っており、吉良以上に大変だった奴なんかいないと言っている他、生きているのか生きていないのか曖昧な存在の吉良を前にとりあえずまた会えて嬉しいと歓迎するのです。
これらのやりとりは作中冒頭で描かれており、吉良の出番は少ないですが恋次とルキアの結婚報告の場にも出席しているのでちょこちょこ登場しています。
吉良は夜一とのイケナイ関係の噂のせいで砕蜂に睨まれている
学院長室で吉良と厳兒が話していると同じく半月に一度講師として雇われている四楓院夜一がやって来て三人で世間話をします。
そこに男子学生が訪れると厳兒が書類を運ぶ為に退出し、室内には吉良と夜一だけが残り二人きりとなるのですが、「二人きりじゃな」と悪戯心が芽生えた夜一が吉良に狙いを付けると、蛇に睨まれた蛙の如く吉良は寒気立ち、接近する夜一から距離を取りました。
背中がソファの肘置きに当たった事で行き止まると、夜一は吉良の死鬼術式後にも開いたままである孔が気になるらしく、孔を見せろと吉良の抵抗を構わず払い除け右袖を掴んでぐいぐいと引っ張るのですが、夜一が吉良の死覇装の襟に手を掛け身をよじった所で厳兒が生徒達を連れて戻って来たのです。
「吉良!こいつらがいくつか質問したいと……」そう言って扉を開く厳兒と背後に居る女子学生が見たものは、死覇装が着崩れしている吉良と馬乗りになっている夜一の姿であり、厳兒は即座に扉を閉めるのでした。
BLEACH屈指の最強女性キャラ「四楓院夜一」はその美貌もさることながら、強者との戦闘シーン、お色気描写、笑いどころ等々、全編を通し多岐にわたるジャンルで活躍していました。 しかし、これまで能力の底を見せていなかった夜一を苦しめた千年[…]
すぐに誤解だと撤回しながら飛び出す吉良でしたが、翌日「四楓院先生と吉良副隊長のイケナイ関係」の噂が霊術院を駆け巡る事になる一方で、暫くの間、吉良は砕蜂と顔を合わせる度に呪殺されそうな程睨みつけられる事になります。
吉良は最終回から12年後も生存しているが病んでいる
- 読み切り「獄頣鳴鳴篇」より
最終回より2年後(10年後+2年)、一二年おきに行われる儀式「魂葬礼祭」の為に現世で虚を捕まえる事になった護廷十三隊は、副隊長総出で虚捕獲の為に現世に赴くと霊圧の無い虚の集団に奇襲される事になります。
多くの副隊長達が活躍する最中、収集に居なかった吉良も侘助を使用して飛空タイプの虚を落としており、その際には一二番隊の阿近が親し気に話しかけていました。
吉良は趣味で辺境警備にあたっているらしく、今回も事前に辺境に居ながら遅れて到着したのですが、その事と阿近に指摘されるも「肌に合っているんです」と答えています。
しかしながら、何処か達観しているというよりは相変わらず陰鬱な空気を醸し出しており、「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」時点より病んでる様に窺えるのは気のせいでしょうか。
吉良イヅルがゾンビとなって復活した経緯とその後のまとめ
吉良は滅却師の侵攻を受けた千年血戦篇序章でバズビーの手に掛かり三番隊の席官達と共に殺害されてしまいますが、マユリの手によって遺体を改造された結果、殉職した席官達の魂魄を肉体修復に使用され奇しくも隊長格に匹敵する霊圧を持って復活を遂げました。
したがって現状の吉良はマユリの肉体改造技術の最高傑作「死鬼術式」によって蘇生されただけで、正確には生きながら死んでいると言う曖昧な存在「死人」となっている為、リジェが霊王宮から瀞霊廷へと堕ちた際には死人と名乗っています。
また、「BLEACH 13 BLADEs.」では手術室らしき場所で寝台に横たわる吉良の遺骸に死鬼術式を施すマユリの描写もあり、その時には極太の管が吉良に繋げられていた事から描写としてはエグい印象を受けましたが、孔は術後の肉体の熱を逃がす役割でそのままの状態である事とその理由から死覇装を着崩していた事が分かりました。
その後も特に後遺症があるのか分かっていませんが、3年後も霊術院の特別講師をしている他、12年後も三番隊副隊長を務めながら辺境警備を趣味にしている等、現況に於いても問題なく生存している事が判明したのでファンも安堵した事でしょう。