草鹿やちると言えば常に更木剣八の傍または肩に乗っかっているイメージですが、実はやちるの正体が剣八の斬魄刀「野晒」だと判明し、また作中の随所に伏線が張り巡らされていたのです。
そこで、
- 草鹿やちるの正体と伏線について
- 草鹿やちるのプロフィールから見る人物像や能力
- 草鹿やちるの戦闘シーン
以上を踏まえて、やちるについて解説していきたいと思います。
目次
草鹿やちるの正体が更木剣八の斬魄刀「野晒」と判明した回
引用元:BLEACH
- 原作73巻669話
原作64巻でのグレミィ戦で、更木剣八が習得した始解を解禁し始めて斬魄刀の名前を呼んだ直後、草鹿やちるの姿が忽然と消失して行方不明になりました。
そして次にやちるが姿を現したのは、剣八がジェラルドと戦う原作73巻に収録された回であり、ジェラルドの攻撃に倒れてしまった剣八の前に行方を眩ませていたやちるが突如として出現し声を掛けるのです。
- 「剣ちゃんがあたしを使えば剣ちゃんが斬れない奴なんていないんだから」
- 「剣ちゃんなんにも知らないんだから」
- 「その力の名前はね、卍解だよ」
再登場したやちるが発するセリフは全て斬魄刀視点のアドバイスばかりであり、やちるが手を差し伸べると剣八の体中にかつてない霊圧の高ぶりが目覚め、剣八は卍解へと段階を上げる事ができました。
「あたしを使えば」とやちるのセリフにあるように、この段階で隠すのを止めたのか、直接的な紹介や言及はないもののやちる自身が剣八の斬魄刀であると読者へ伝えているのは間違いないでしょう。
また、卍解状態での戦闘が長続きした際、剣八の腕が破裂すると「剣ちゃんの力を解放しすぎちゃった」とやちるが謝っていることから、もはや完全に斬魄刀視点です。
そして何より確実なのは、剣八に話しかけているやちるに対して、現場にいる朽木白哉や日番谷冬獅郎が一言も触れていないことであり、恐らくやちると剣八の会話は全て精神世界若しくは使用者にのみ視認できる斬魄刀の具象化ではないでしょうか。
護廷十三隊の隊長としては異例の唯一始解もできない死神「更木剣八」ですが、最終決戦では始解から卍解まで一気に習得して大活躍を魅せてくれました。 今回は、 更木剣八の卍解は何巻で登場した? 更木剣八vsジェラルドはどう[…]
草鹿やちるが剣八の斬魄刀「野晒」である伏線
引用元:BLEACH
- 原作13巻114話
初めて剣八とやちるが出会った北流魂街79地区「草鹿」での回想で、剣八はまだ赤ん坊のやちるに「どこから来た」と問いかけますが、やちるはただ剣八が持っている刀に触れるだけでした。
「刀だぞ、怖くねえのか」という質問に対してもさほど反応を見せず、続く「名はねえのか」という一コマにも当然返答がないまま終わっています。
これはやちるが赤ん坊だから喋れないという意図ではなく、やちるが剣八の斬魄刀だから刀に触れ、やちる自身が刀であるから怖くないという伏線だったのです。
また、当時の剣八とやちるは互いに名前が無い事を強調しており、千年血戦編の序章卯ノ花烈との命懸けの斬り合いで漸く「野晒」の声が剣八に届き始解を習得し、グレミィ戦で初めて斬魄刀の名前を呼んだ際には、剣八の始解と同時にやちるの存在が死覇装と副官章を残し消失しました。
そして、やちるがグレミィと戦っている途中、卯ノ花との修行を終えた剣八がやってきた時、普段なら真っ先に飛びつくやちるがただ無表情で剣八を見つめるだけに留めていたのは卯ノ花との戦いで斬魄刀の名前を知ったことを感じ取ったからであり、剣八がグレミィとの戦いの最中に斬魄刀の名前を呼ぶと二人が出会ったときの回想が差し込まる演出があったのはやちるが漸く剣八の口から名前を呼ばれる事を確信していたからでしょう。
草鹿やちるの回想の意味は矛盾している?
引用元:BLEACH
- 原作13巻114話
やちるが剣八の斬魄刀だったことは原作73巻のジェラルド戦でほぼ確定したわけですが、だとしたら原作13巻で語られたやちるの過去について少々矛盾が生じてしまうのではとファンの間で議論されています。
やちるは剣八と出会う以前から北流魂街「草鹿」に存在していたようで、そこでは血以外の色を見た記憶がないと語っており、赤ん坊のやちるはいつ踏み殺されてもおかしくなかったと明記されているのです。
その後剣八がやってきて二人が初めて出会うシーンに入るのですが、やちるが剣八の斬魄刀であり、現実世界に顕現していたとするならばなぜ剣八と離れた場所に居て一人でいたのか不思議でなりません。
ただ、剣八がその場に訪れた以前はどの時期から存在していたのかは言及されていないので、もしかしたら剣八の気配が近づいた瞬間に誕生した可能性もあるので整合性の真偽は不明です。
しかし、やちるの過去回想が終わった直後に、やちる本人が剣八に対してもっと強くなろう「二人で」と強調して零している事から、やちるの斬魄刀設定は練られていた可能性は濃厚でしょう。
草鹿やちるは結局どうなったのか?
引用元:BLEACH
- 原作74巻685話
BLEACHが完結した最終話を描く10年後では、剣八自ら「やちるのいねえ今…」と発言していることから終戦後は恐らく剣八以外に姿を見せていないのではないでしょうか。
また、やちるの最後については短文ですが小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」で触れられています。
それは千年血戦編、グエナエル・リーの襲撃を受け、更にグレミィの登場で絶体絶命となった直後、更木剣八が窮地にやってきた時の内容でした。
その際、やちると最後に言葉を交わしたのはその場に居合わせた虎徹勇音であり、勇音はグレミィの能力でクッキーに変えられ砕かれたやちるの両腕に霊圧治療を施し、やちるに感謝されます。
やちると勇音は、グレミィが造り上げた剣八との戦いの舞台を見上げ、二人の苛烈を極める戦いの様子を見上げていましたが、突如としてやちるが「あたし行くね」と駆け出すのです。
勇音が思わず手を伸ばすもののその腕をすり抜けたやちるは「やっと……剣ちゃんに呼んでもらえる……」と呟き、それが勇音が最後に聞いた言葉でした。
このことから見ても、厳密に言えば死んでいるわけではなく、やちるは斬魄刀に戻ったと表現した方が正しいと考えられますね。
草鹿やちるのプロフィール
引用元:BLEACH
- 名前:草鹿 やちる(くさじし やちる)
- 誕生日:2月12日
- 身長:109cm
- 体重:15.5kg
- 所属:護廷十三隊十一番隊副隊長、女性死神協会会長
- 趣味:お菓子を食べる
- 好きな食べ物:こんぺいとう
- 嫌いな食べ物:無し
- 初登場:原作13巻
- 声優:望月久代
十一番隊の副隊長を務める桃色の髪をした幼い女の子の死神で、普段は元気溌剌とした天真爛漫を絵にかいたような快活な性格で誰とでもすぐに友達になるような性格の持ち主です。
死神になる以前は北流魂街79地区「草鹿」に捨てられた赤子と思われ、悪童時代の剣八と出会った事で「やちる」と名付けられ共存する関係になりました。
そして、わざとなのか分かりませんが、剣八以上にかなりの方向音痴です。
因みに、原作13巻おまけページにて、剣八と同様に全副隊長の中で唯一人入隊試験を受けずに即副隊長になったと綴られています。
草鹿やちるの名前の由来
引用元:BLEACH
- 原作13巻114話
やちるの名前の由来はかつて名前の無かった剣八と似通ったもので、赤ん坊の頃にいた出身地である北流魂街79地区「草鹿」を姓とし、名は剣八が憧れる強さを持った卯ノ花烈の別名「卯ノ花八千流」の「やちる」をつけたものです。
因みに八千流の由来は天下無数に在るあらゆる流派そしてあらゆる刃の流れは我が手にありと、尸魂界史上空前絶後の大悪人だった卯ノ花自らが付けた名前でした。
草鹿やちるがつける直感的なニックネーム
引用元:BLEACH
やちると言えば出会った先から独特なニックネームをつけるところで、そのネーミングセンスは第一印象から見てとれる直感的な印象が際立っています。
- 更木剣八→「剣ちゃん」
- 班目一角→「つるりん」、「パチンコ玉」
- 綾瀬川弓親→「ゆみちー」、「おかっぱナルちゃん」
- 黒崎一護→「いっちー」
- 井上織姫→「ぷるるん」
- 茶渡泰虎→「モリリン」
- 石田雨竜→「鉛筆」
- 山本元柳斎重國→「じいじ」
- 砕蜂→「ふぉんふぉん」
- 狛村左陣→「わんわん」、「こまむー」
- 京楽春水→「しゅんしゅん」
- 伊勢七緒→「ななちん」
- 浮竹十四郎→「うっきー」
- 朽木白哉→「びゃっくん」
- 朽木ルキア→「ルッキー」
- 阿散井恋次→「れんちゃん」
- 日番谷冬獅郎→「ひっつー」
- 吉良イヅル→「いづるん」
- 涅マユリ→「まゆりん」
- ネム→「ねむねむ」
- 卯ノ花烈→「卯ノ花さん」、「烈っちゃん」
- 志波岩鷲→「ゴリー」
- 荒巻真木造→「まきまき」、「ヒゲチョロ」
- 雀部、大前田、射場→「ジミっこトリオ」
以上、ざっとニックネームが判明している登場人物を挙げましたが、どれも誰を指しているのか一目瞭然ですね。
草鹿やちるのかわいいポイント
実は女性死神協会の会長を務めるやちるは、普段は文字通り会長職の実務をこなしているという背景があります。
しかし、その実態は運営費を持っておもちゃやお菓子を買い漁ったり、自由奔放に私欲のために浪費しているのだとか、何とも子供らしい使い道です。
そして朽木邸が大のお気に入りらしく、買い漁った宝は朽木邸の空部屋に内緒で保管しているそうなので、皆さんも秘密にしておいてください。
やちるは白哉がお気に入り?
引用元:BLEACH
- BLEACH OFFICIAL BOOTLEG カラブリ+
一角に作ってもらったローラースルーゴーゴーを朽木邸の廊下で滑って遊んでいたやちるに対し、居合わせた白哉が「我が家で何をしている」と聞いても乗り物の名前や乗り心地のことばかり返ってくるので早々に諦めていました。
そして、ただの壁面からスーッと扉が出現しネムがやちるを呼びにくるのを驚愕した面持ちで刮目する白哉は、朽木邸の一部がやちるの手によって女性死神協会の溜まり場になっている事を知るのです。
やちるは金平糖が大好き
引用元:BLEACH
- BLEACH OFFICIAL BOOTLEG カラブリ+
朽木邸へ遊びに来たやちるは門前で元気よく「びゃーっくん、あーそーぼー」と声を張り使用人に中へ案内されるのですが、白哉はすかさず巾着袋いっぱいに詰め込んだ金平糖を窓から遥か遠くへ放り投げることで、やちるは金平糖を瞬歩で追いかけるべく朽木邸を後にするのでした。
やちるは一角に当たりが強い?
引用元:BLEACH
- 原作16巻137話
旅禍の織姫達を連れた剣八が一護との再戦のため十一番隊の一角や弓親を伴い瀞霊廷を奔走している最中、剣八が織姫に道を訊ねたのを頭突きで阻止します。
それに対して後続に居た一角が織姫に任せたほうがいいと口走ったところ、やちるは一角の頭部に唾を吐き捨て「うるさいパチンコ玉」と素で毒づいていました。
やちるは剣八の戦いに水を差す輩には怒る
引用元:BLEACH
- 原作13巻113巻
剣八が一護と初めて戦った13巻では、総隊長の招集命令を伝えにきた伝令役に対し、楽しそうに戦う剣八の邪魔をしないよう最初はやんわりと断ります。
しかし、緊急伝令だと速やかに伝えようとする伝令役の粘り強さに業を煮やしたのか、やちるは静かに怒気を孕んだ面持ちで振り返り、剣八の邪魔をしないよう霊圧で威嚇するのです。
可愛らしい容姿から飛ばされる霊圧はまるで肉食獣のように狂暴な牙を彷彿させており、伝令兵に充分な委縮をさせるのでした。

やちるは剣八を満足させた輩には御礼を述べる
引用元:BLEACH
- 原作13巻114話
やちるは基本的には剣八の戦いには手を出す事無く邪魔をしないよう遠くから見守るだけですが、原作13巻、剣八を倒した一護に対しては剣八と最高の勝負をしてくれたことに心から感謝し頭を下げています。
そして、楽しそうに戦う剣八を見て満足したのか満面の笑みを浮かべた後、剣八を担ぎ、重傷を負った一護に対しても「できれば死なないで」とエールを送り、また剣八と遊んでほしいと頼むのです。
草鹿やちるの斬魄刀「三歩剣獣(さんぽじゅうけん)」
引用元:BLEACH
- 初出原作64巻571話
一見して狛村のように生物を召喚する能力のようで、やちるの場合は、毛がモサモサと全身を覆う丸い一頭身の「前獣」と黒い羽織を纏う骸骨姿の「後獣」の二体を召喚する事ができます。
前獣は鉈のような刀、後獣は二対の骨を繋げたような刀を所持しており、普段は視認できないのか透明化しているため姿を見せません。
尚、やちるが「でておいで三歩剣獣」の合図を送ると他者に視認できるようになります。
三歩剣獣の能力とは?
引用元:BLEACH
- 初出原作64巻571話
三歩剣獣はやちるの剣の太刀筋を真似る能力であり、例えばやちるが刀を振り下ろせば斬撃の軌道の前と後ろに続くように三歩剣獣が斬撃を真似して振り下ろします。
故に、やちるの斬撃を見極めても、前に踏み込めば「前獣」の斬撃が当たり、後ろへ退けば「後獣」の斬撃が当たるということで、これをもってやちるは「あたしの剣はかわしてもかわさなくても当たるの」と発言していたのです。
白兵戦での斬り合いに慣れている相手ほど厄介で足元を掬われそうな能力ですね。
引用元:BLEACH
- 初出原作64巻572話
因みにやちるの動作も完璧に真似るので、やちるが飛び跳ねたり勝利してハイテンションでポーズを取っても後ろでは三歩剣獣が意気揚々と同じポーズを取るといったシュールな光景になっています。
やちるの三歩剣獣は始解なのか?
引用元:BLEACH
やちるの三歩剣獣については色々とおかしな点があり、その最大の特徴としては斬魄刀が変化していない部分です。
虎徹勇音の見解では、卯ノ花のように刀が生き物に変化する訳でもなく、日番谷のように物質が生き物のように見える訳でもなく、卍解の鍛錬で現れる斬魄刀本体の具象化でもない、他に例のない始解だと分析しています。
しかしながら、勇音自身もこれが本当に始解なのか疑念を抱いているようなので、始解の解号すらないやちるの三歩剣獣が本当に始解なのかは不明なのです。
草鹿やちるの戦闘シーン
引用元:BLEACH
- 原作63巻570話
やちるの戦闘が描かれたのは原作63巻570話千年血戦編の中盤です。
ユーハバッハによって瀞霊廷は影に潜んでいた見えざる帝国へと塗り替えられた事で瀞霊廷の建造物はほとんど敵勢力の建物へ侵食されており、とある家屋を仮の診療所として虎徹勇音が利用していました。
そこでは負傷した鳳橋と六車が寝かされていて、やちるも滅却師の住居へ飛び込み片っ端から薬品や布団一式を盗んで運び入れています。
そんな無茶苦茶な収集をしていた矢先、仮の診療所内にグエナエルが侵入し戦闘が始まるのです。
草鹿やちるvsグエナエル・リー
引用元:BLEACH
- 原作63巻570話
グエナエルの能力「消失点」の一部透明人間になることで勇音の背後から抱き着いて登場した刹那、やちるは間髪入れずにグエナエルを殴りつけますが、すかさず「消失点」による透明人間化及び記憶操作でやちるの眼前や記憶からも消失します。
やちるは何を殴ったのか何を殴ろうとしたのか分からなくなり訝しむものの、突如顔面を何者かに殴りつけられ鼻血を零しながら尻もちをつくのです。
やちるの下へ駆け寄る勇音は何が起きているのか理解ができていない様子ですが、それも全てグエナエルの「消失点」によって起こされる現象でした。
引用元:BLEACH
- 原作64巻571話
殴打され血を流すやちる、突然目の前で負傷した様子を見ていた勇音、双方ともグエナエルの「消失点」により今さっきまでの出来事が記憶から消え去り何が起きたのか理解できていませんでした。
再びグエナエルが姿を現し自己紹介と能力を簡潔に述べたあと、自身の存在を見ることも感じることも記憶することもできないと豪語しますが、再びやちるがグエナエルを殴りつけます。
グエナエルは自分の姿を消すバージョン1と自分の存在を消すバージョン2を瞬時に切り換えることで、やちるの攻撃が当たる瞬間に存在を消して回避し、姿を消す事で一方的に斬りつけるといった戦いを仕掛けるのです。
そしてバージョン3で相手の記憶からも自分の存在を消す事で、再び「はじめまして」とやちるの前に出るのですが、やちるは発射的に初対面のグエナエルを殴りつけるのでした。
草鹿やちるの斬魄刀「三歩剣獣」登場により逆転
引用元:BLEACH
- 原作64巻571話
敵味方が不明な初対面の相手を殴りつけるやちるの行動を勇音が諫めるものの、やちるは「あの人見たときザワッとした」と感覚的な物差しで敵だと判断し、納得のいかない様子の勇音へ「ザワッというのは、さむいような、あついような、うれしいような、そんなかんじ」と説明しながら荷物の中から斬魄刀を取り出すのです。
殴打される直前自分の存在を消して回避していたグエナエルですが、姿を消したままやちるの野性的な本能での攻撃に吃驚した様子で観察を続け、やちるに対しファンキーな髪色で顔もまるで山猿のような野性味があふれると評しています。
そして、斬魄刀を鞘から引き抜くやちるは、ザワッとした相手がいたら斬るというのが剣八からの受け売りだと話し、剣八が不在ならばそういう相手を自分が斬っても問題ないと勇音に告げました。
小娘が調子乗るなと内心憤慨しながらグエナエルはナイフを握り、透明化した状態でやちるを背後から突き刺しますが、ナイフが死覇装に触れた刹那薙ぎ払いの反撃を受けてしまいます。
消失点による回避行動で後退したグエナエルは、芸のない攻撃に余裕の笑みを浮かべますが、刹那鼻筋へ真横の切れ目が生じ負傷してしまうのです。
避けた筈の攻撃を受けた事で同様するも、「消失点」への盲目的な過信から絶対に避けたと悪態づくグエナエルですが、やちるはグエナエルに肯定を示しながら「かわしてもかわさなくても当たるの」と平然と答えます。
引用元:BLEACH
- 原作64巻571話
やちるは自分の剣の前と後ろを真似してる子がついてくると説明し、やちるの剣筋の間合いを見切れば見切るほど間合いがズレて当たるのだと話し、斬魄刀「三歩剣獣」を視認できるように呼び出すのです。
突然目の前に現れた二体の生物に驚愕するグエナエルは息つく暇もなく両断されるのでした。
草鹿やちるvsグレミィ・トゥミュー
引用元:BLEACH
- 原作64巻572話
グエナエルは、「三歩剣獣」の攻撃を「消尽滑体」で辛うじて回避しており生きていました。
しかし、まるで最初からそこに存在していたように居座っていた聖十字騎士団・グレミィの攻撃によりグエナエルは肩を抉り取られ、当人のグエナエルを始め、やちるや勇音もグレミィの存在に気づき振り返るのです。
そして、逆上したグエナエルはグレミィへと躍り出るものの触れることもできず木っ端微塵に破裂して死亡するのでした。
やちるはグレミィに完敗
引用元:BLEACH
- 原作64巻572話
グレミィは「夢想家」の能力で想像するものを実現でき、グエナエルは殺害した後は寝込んでいる六車と鳳橋の心臓を止め殺害します。
すかさず「三歩剣獣」で斬りかかるやちるでしたが、グレミィに斬魄刀を握った手を受け止められ腕を複雑にへし折られてしまいます。
グレミィ曰くやちるの腕の骨をクッキーに置き換えて想像したそうで、意図を理解したやちるに対し、続けて腕の骨がクッキーなら他の骨も全部クッキーなんじゃないかと想像力を促すと、やちるが距離を取るために飛び退きついた手が骨折するのです。
グレミィの想像したことが現実になることを体感したやちるは、かつてない窮地にこれまでの陽気な笑顔が嘘のように当惑したものへとひっくり返りますが、絶体絶命の最中、家屋の壁をぶち破って登場したのは我らが更木剣八であり、剣八はやちるの霊圧がグラついていることを察知し探してくれていたのでした。
引用元:BLEACH
- 原作64巻573話
そして、やちるはグレミィに完敗したものの、剣八の登場によりバトッタッチし、後を剣八に託すのです。
草鹿やちるの正体のまとめ
初登場から常に剣八に文字通りおんぶされていた謎の女の子・草鹿やちるは、特筆した戦闘描写も無ければ、出生や年齢なども全てが謎に包まれていました。
しかし、原作55巻から始まる千年血戦編に於いて漸くその謎に包まれた正体が明かされるとともに、これまでのさりげない描写が伏線となり回収されていきます。
その結果、
- 草鹿やちるの正体は更木剣八の斬魄刀「野晒」だったことが判明
- 草鹿やちるは、剣八と出会った当初「どこから来た」の質問に対し剣八の斬魄刀に触れている
- 草鹿やちるは、剣八が始解する際に「あたし行くね」と勇音の腕を振り切り「剣ちゃんに呼んでもらえる」と発言している
- 草鹿やちるは、行方不明になった後、再び剣八の下へ現れ卍解についてレクチャーしている
以上の理由や伏線により、直接的な説明や名乗りはないものの、状況的に見て草鹿やちるの正体が剣八の斬魄刀だと暗示されている事が判明しました。
ただし、どうしてやちるだけが死神として顕現し自立しているのかは不明であり、尚且つ斬魄刀である筈のやちるが違う斬魄刀を携えているのかは判明していません。
ひとえに「剣八」だからで片づけられる問題ではありますが、剣八の始解と同時に姿を消した事実は紛れもなくやちるが「野晒」である証明なのは覆らないでしょう。
