滅却師なのにほぼプロレス技で完結しているマスク・ド・マスキュリンですが、付き人のジェイズムを始め多くの謎が残されたまま奇しくも退場してしまいました。
そこで、
- マスキュリンとジェイムズはどっちが本体なのか?
- マスキュリンとジェイムズの関係
- マスキュリンの能力と活躍
以上を踏まえてマスキュリンについて紹介したいと思います。
目次
マスク・ド・マスキュリンとジェイムズどっちが本体なのかは不明
引用元:BLEACH
- 原作63巻565話
さて、聖十字騎士団の一員であるマスキュリンですが彼の死に際を察したユーハバッハの一言が「マスキュリンとジェイムズどっちが本体なのか問題」を生み出したきっかけとなりました。
と言うのも、原作63巻で恋次がマスキュリンを撃破した際、ユーハバッハは「ジェイムズが死んだか」と察知し更に褒め称えるといった通常考えられない賛辞を贈るといったシーンがあり、なぜマスキュリンではなくその付き人に近いジェイムズの名を呼んだのか波紋を広げたのです。
そして、その謎は解き明かされないまま完結を迎えたので、読者は思い思いに意見を交わしある程度の可能性を列挙するのですが、何れも憶測の域を出ず、マスキュリンとジェイムズのどっちが本体か問題は永遠に謎のままとなります。
マスキュリンとジェイムズ、どっちが本体なのかの考察
上述で触れた通り読者の間で交わされた考察として以下が挙げられます。
- マスキュリンの本名がジェイムズであり、付き人はその名をマスキュリンから貸与されている
- ジェイムズが本体であり、マスキュリンは憧れのスーパースターを具現化した産物だった
- マスキュリンとジェイムズは一心同体、若しくはどちらかが生み出した分身
個人的には名前を貸すことは無いと思うので①の可能性は極めて低いと考えられ、有力な説として②や③の可能性が抜きん出ているといったところでしょうか。
しかし、理想のスーパースターを具現化する②の説は「夢想家」の能力を持つグレミィと被っている為かなり怪しいところですが、グレミィの能力ならば大抵の聖十字騎士団の能力を実演できるので被っていても何ら不思議ではないので、考察の一つとしてみれば面白いですよね。
マスキュリンとジェイムズは一心同体だが…?
引用元:BLEACH
- 原作63巻564話
作中でマスキュリン自身が「ワガハイとお前は一心同体」と名言している事から上述で列挙した③の説が濃厚かもしれませんが、あくまでもどちらかが生存していれば復活できるといった趣旨であるため、結局のところマスキュリンとジェイムズのどちらが本体なのかは分からないのです。
なので、本編ではジェイムズが消滅してもマスキュリンが存在していればいずれ復活できるような供述でしたが、逆のパターンで、もしマスキュリンが消滅してもジェイムズが生存していれば時間をかけてマスキュリンが復活する可能性もあるのではないでしょうか。
ただ、「ワガハイが生きておればお前もいずれ蘇る」と言い放った直後に「我らは…」とマスキュリンの口から真相が語られる一コマがありましたが、マスキュリンがそこで口を紡いだために結局は謎は解明されません。
「我らは…」に続く言葉は一体何だったのか、今となってはマスキュリンとジェイムズの関係を知るにはいつか久保帯人先生から回答が出る事を切に望む他ないでしょうね。
マスク・ド・マスキュリンのプロフィールや能力
引用元:BLEACH
- 名前:マスク・ド・マスキュリン
- 愛称:ミスター
- 一人称:ワガハイ
- 付き人:ジェイムズ
- 所属:聖十字騎士団
- 聖文字:S
- 固有能力:「英雄(ザ・スーパースター)」
- 初登場:56巻
顔の半分を覆った額に星のマークが特徴的なマスクを着用したレスラーのような筋骨隆々の男性滅却師で、チャンピオンベルを腰に巻きセリフの節々にレスラー用語を交えるなど戦闘スタイルでさえプロレス技に特化しています。
飽くまで自身を正義、敵対者を悪党として扱い自分をヒーローのように演出するジェイムズの声援を受ける様子と、3カウントで敵を沈めるこだわりはプロレスショー宛らです。
今回は総勢29名いる聖十字騎士団のメンバーの中で誰が一番強く有用なのかとあくまで主観による評価でランキング形式でまとめてみました。 判定基準は作中での、 固有能力 貢献度(隊長格の撃破など) 脅威度(攻略が難しい[…]
マスキュリンの付き人「ジェイムズ」
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
スキンヘッドで丸縁のサングラスを掛けた団子鼻、オーバーオールを着用した4頭身くらいの小柄な男性で、マスキュリンを「ミスター」と敬愛し常に声援を送っている謎の人物です。
戦闘力は皆無でありながら体を真っ二つに斬られようが細切れにされようが、マスキュリンと一心同体であるため彼が生きている限りジェイムズは何度でも再生可能で、また細切れにされた際にはバラバラになった肉片から小さなジェイムズが再生されるなど意味不明な生命力を見せつけました。
恐らく、このジェイムズの存在は読者の中でも解明したいBLEACHの謎の一つでしょう。
マスク・ド・マスキュリンの固有能力「英雄(ザ・スーパースター)」
能力は至ってシンプルであり、付き人のジェイムズの声援を受ける度にパワーアップや傷の回復を図る事ができ、作中ではズタボロにやられた後にパワーアップし立ち上がったり、自ら破った鼓膜の修復をしたりと、声援がマスキュリンに力を与えるのです。
スター・ドロップキック
引用元:BLEACH
- 原作57巻502話
マスキュリンが繰り出す強力なドロップキックで、作中では千本桜を使って白哉を倒したエス・ノトに激昂し斬りかかる恋次に使用し、一撃で戦闘不能にしました。
スター・イーグルキック
引用元:BLEACH
- 原作63巻561話
六車との対戦時に使用したただの飛び膝蹴りで、鷲のように急加速したマスキュリンの膝が腹部目掛けて繰り出されます。
スター・ヘッドバット
引用元:BLEACH
- 原作63巻561話
六車との対戦時に使用したただの頭突きで、スター・イーグルキックで怯んだ相手の頭を鷲掴んで引き寄せた後豪快に額で頭突きをくらわせます。

スター・フラッシュ
引用元:BLEACH
- 原作63巻561話
マスクの星模様から高出力の五芒星のビームを放出することで相手を撃ち抜く謎の技で、予備動作や霊子を溜める素振りもなく突如として繰り出す事で相手の意表を突き、ビームに貫かれた部位は星型の風穴を空けることになる地味に恐ろしい技です。
スター・ロケット・ヘッドバット
引用元:BLEACH
- 原作63巻562話
マスキュリン自身が予備動作無くロケットのように頭頂部から相手へ向け飛んでいくスター・ヘッドバットの亜種になり、威力はただのヘッドバットの数倍はあると思われますが、初披露した相手である恋次に受け止められたため全容は不明です。
スター・殺人パンチ
引用元:BLEACH
- 原作63巻562話
マスキュリンの怒りを買う事で拳に星の紋章が浮上し、悪をくじく選ばれしスターの殴打、即ちスター・殺人パンチを繰り出す事が可能になり、撃ち込まれた衝撃さえも滅却師の紋章に見える強力な打撃です。
因みに、星の紋章が浮き出たマスキュリンのパンチは通常の10倍らしく、曰くこれは正義の鉄槌であり、スター・殺人パンチを悪は脳漿をブチ撒いて死ぬそうですが恋次に軽々受け止められてしまい不発に終わります。
また、繰り出す際の掛け声は「殺(ころ)」です。
スター・パワーアップ
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
スターが悪党にやられるわけにはいかない、そんなスーパースターの窮地にジェイムズの声援を受けることでエナジーが漲り、筋骨隆々だった筋力が更に肥大化し衣服を突き破りマスクとベルトを巻いたブリーフ姿に手足のグローブだけといった覆面レスラーへ変貌を遂げ、マスクの模様が変化します。
また、胸元には星型の体毛に黒い星型のステッカーのようなものを貼った乳首が露となり、より変態度が増していますが、滅却師完聖体ではないただのパワーアップのようです。
ただ本人曰く1マイル離れた悪をも倒す真の力、人呼んで「ワン・マイル・アーツ」とのことですが最早理解が追い付きません。
スター・ラリアット
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
スター・パワーアップ後に使用するラリアットですが、霊子なのか波動なのか正体不明な出力を腕の振り下ろしと共に撃ち放ち横薙ぎの広範囲を吹き飛ばす技です。
また、繰り出す際の掛け声は「星(せい)」でした。
マスク・ド・マスキュリンの滅却師完聖体
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
残念ながら完聖体の名称は不明ですが、大きな星型の光輪に裾に暖簾のような切れ目の入った翼、更に鎖骨部に洒落た小さな翼が生えた姿となり空を飛ぶことが可能になります。
因みに、握り拳を作った右手を進行方向に掲げた所謂ヒーローの飛び方を実演しており、ほぼ裸に近い覆面レスターの飛行姿はなかなかにシュールな光景となりました。
ただ一言添えるとしたら、こんな天使が居たら嫌だなと率直に感じます。
スター・フラッシュ・スーパー・ノヴァ
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
完聖体状態で空を飛び回り五芒星を描いた中心地で停止し、手足を大の字に広げた格好から巨大な五芒星の特大ビームで地上を焼き払うマスキュリン最大の必殺技です。
尚、声援を送っていたジェイムズはこの技に巻き込まれ蒸発してしまいました。
マスク・ド・マスキュリンの最後はどうなった?
引用元:BLEACH
- 原作63巻561話
マスキュリンの最後が描かれたのは原作63巻の阿散井恋次との戦いです。
マスキュリンは二度目の瀞霊廷侵攻に於いて、班目一角や綾瀬川弓親、檜佐木修兵を倒した後に駆け付けた六車拳西と鳳橋楼十郎の計三名の隊長格と対戦しており、何れも快勝をおさめています。
そして、マスキュリンが鳳橋に止めをさそうとしたところに恋次が到着し、二人の戦いが幕を上げるのです。
マスク・ド・マスキュリンvs阿散井恋次
引用元:BLEACH
- 原作63巻562話
マスキュリンは一度目の侵攻時にスター・ドロップキックで恋次を戦闘不能に追いやっているのですが、既に記憶に残っていないといった面持ちで、恋次を悪党と見定め悪口を受けた事でスター・ロケット・ヘッドバットを初見でかますものの、難無く受け止められ、そのうえ肘打ちで叩きつけられる屈辱を受けます。
しかし、マスキュリンはそれが失策だと言いたげに怒りを力に変換しスター・殺人パンチを放ちますが、これも恋次に難無く受け止められた事にマスキュリンが「悪党風情がヒーローの拳を受け止めていいと思っておるのかああああ」憤慨し「殺殺殺殺殺……」と悍ましい掛け声と共に連続殺人パンチを繰り出すのです。
ところが、連続殺人パンチの猛襲をものともしない恋次は、マスキュリンが攻撃に夢中になっている隙に付き人のジェイムズを斬り刻んで撃破し、卑怯な手口に怒るマスキュリンに、恋次は「悪党ってのは所詮卑怯なモンなんだよ」と悪人面を浮かべマスキュリンの腹部を斬り裂きます。
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
どう見ても臓器まで届いたであろう斬り口ですがマスキュリンは腹筋に力を込め塞いだ後、スターが悪党にやられるわけにはいかないと問いかければ細切れになり死んだはずのジェイムズが返事し、加えてバラバラになった部位から小さなジェイムズが何人も登場しマスキュリンに声援を送るのです。
ジェイムズの声援を受けたマスキュリンは筋肉の肥大化を促し衣服を破り捨て真の力を解放し完全な覆面レスラーへと昇華、パワーアップしたマスキュリンは気分が良いのか鼻歌まじりで一度目の侵攻で恋次と会っている事を思い出し、三下の悪役が強靭な悪党に成長した事に感嘆しスターの真の力を目にする事ができた事を光栄に思えと豪語します。
真の力を解放したマスキュリンのスター・ラリアットは風圧なのか霊圧なのか衝撃波を飛ばし恋次を建物事吹き飛ばし、真の力で繰り出されるスター・殺人パンチも同様に衝撃波を生み、連続殺人パンチの暴風雨を受ける恋次は壁に手をつく事も地に足をつく事もできず吹き飛ばされ続けるのです。
引用元:BLEACH
- 原作63巻563話
そして仕上げに完聖体へと変身したマスキュリンは翼を生やし空高く上昇し五芒星を描き、広域な星型のスター・フラッシュ・スーパー・ノヴァを恋次のいる地上目掛けて撃ち込むのですが心苦しくもジェイムズが巻き込まれて犠牲となりました。
マスク・ド・マスキュリンvs阿散井恋次の決着
引用元:BLEACH
- 原作63巻564話
真の力と完聖体の力で恋次を畳みかけたマスキュリンの連続技でしたが、何と恋次も真の卍解をもってして蛇尾丸の装甲で猛攻を凌ぎ切り、恋次の双王蛇尾丸を見据えたマスキュリンは即座に危険度を把握し「ワガハイの心は貴様を倒す正義の使命に今燃え尽きるほどに火を噴いておる」と闘志を振起させ躍り出ます。
恋次は向かってくるマスキュリンを狒狒王の腕で迎え撃ち、マスキュリンの左腕を握力だけでへし折ったのです。
左腕をへし折られたマスキュリンは逆上のあまりスターとしての体配を忘れ、「正義とか悪とかもう関係ねえ!ブチ殺す!」と醜い悪態や正義らしからぬ口調や罵倒を口ずさむといった本性を垣間見せるのですが、息をつく暇もなくオロチ王の斬撃を胸に突き立てられた後、マスキュリンは双王蛇尾丸の必殺技「蛇牙鉄炮」をその身に受け一瞬の内に燃え尽き炭化するのでした。
引用元:BLEACH
- 原作63巻564話
また、上述で燃え尽きるほど火を噴ておるとマスキュリン自身が語った通り文字通り燃え尽きて絶命したマスキュリンに対し、「本望だろ」と告げる恋次のオシャレな〆のセリフは屈指の名シーンです。
マスク・ド・マスキュリンとジェイムズの本体や能力や活躍についてのまとめ
滅却師というのに肉弾戦主体の覆面レスラーであるマスク・ド・マスキュリンですが、
- マスキュリンとジェイムズは一心同体だがどっちが本体かは明言されていない
- マスキュリンはジェイムズに向け「我らは…」と意味深な言葉を残している
- マスキュリンは一応スター・フラッシュという滅却師らしい放出系の技も有している
- マスキュリンは副隊長3人隊長2人を撃破した後、阿散井恋次に敗北した
以上の様に滅却師としての能力を僅かながら披露し多くの死神を討ち取るなど活躍を見せました。
しかしながら、マスキュリンの付き人であるジェイムズについて、未知数の再生力や関係性などといった真相が説明不足により連載終了した今尚も謎の多いキャラクターとなっています。
とは言え、その謎も含めてマスキュリンの豪快な存在感は読者の記憶に焼き付くこととなったのは間違いなく、敢えて正体に触れないように描いたのかもしれませんね。
