【BLEACH】卯ノ花烈の死亡は何巻何話?正体が初代剣八の伏線は?

護廷十三隊四番隊隊長を務めた卯ノ花烈(うのはなれつ)は、千年血戦篇で初めて戦闘が描かれましたが、それは更木剣八へ斬術を教える為でした。

そこで今回は、

  1. 卯ノ花烈が死亡したのは何巻何話?
  2. 卯ノ花烈と更木剣八の戦いと最後
  3. 卯ノ花烈の死亡とその後
  4. 卯ノ花烈が初代剣八である伏線はあった?

について紹介していきたいと思います。

卯ノ花烈が死亡したのは何巻何話?

卯ノ花烈が死亡が描かれたのは単行本59巻527話「Eliminate From Heaven」です。

更木剣八に斬術を教える過程で斬り合った結果、卯ノ花烈は死亡しました。

卯ノ花烈が更木剣八に斬術を教える事になった経緯

山本元柳斎重國の戦死後、中央四十六室の決定で元柳斎の後任に命じられた京楽春水は地下議事堂で総隊長としての最初の仕事として更木剣八に斬術を教える事を中央四十六室に提案しました。

朽木白哉含む黒崎一護達等の一部戦力は霊王宮に向かったものの無事に戻るという保証が無く、現状として更木剣八の戦力は瀞霊廷にとって重大であり、その主戦力である剣八を指して京楽は今のままではいけないと判断した為です。

そして、その指南役として剣八の相手に選んだのが卯ノ花烈、改め「初代剣八・卯ノ花八千流」でした。

その後、京楽春水は一人「更木隊長と一度刃を交えれば、どちらか死ぬしか無いって事は、僕も分かってた筈なのに」と謝罪の言葉を口にしており、四番隊副隊長・虎徹勇音が卯ノ花烈が遺した手紙を読んで泣いている描写などが差し込まれた事から、卯ノ花自身、剣八へ斬術を教える役目を引き受けた時点で自分の死を悟っていたとものと思われます。

卯ノ花烈と更木剣八の戦い

単行本59巻523話「Words of Origin」、黒崎一護と阿散井恋次が鳳凰殿で修行する最中、更木剣八の斬術指南役に選ばれた卯ノ花は中央地下大監獄最下層「無間」を舞台に剣八と相まみえます。

無間を舞台に選んだのは今の更木剣八には力が無い事から卯ノ花がこの場所が相応しいと進言したもので、剣八もまた「勝てば隊長、負ければ罪人。あんた戦り合って死ぬも殺すも無間地獄にゃ変わり無え」とさっそく抜刀しました。

そして、今日に限って随分と喋る剣八を前に、卯ノ花は寡黙な剣八が好きだと述べた後に剣八の声を聞く度に自分についた唯一つの傷が疼いて仕方が無いと口ずさみ振り返れば、胸のあたり(天突から膻中)に刻まれている傷痕が映し出されます。

剣八は初っ端から眼帯を外しており、卯ノ花と数回斬り合う中、卯ノ花が暗器を使った事で剣八は右肩を負傷しました。

片手で刀を振るう者がもう片方の手で何もしないとはとても戦いを愉しんでいるとは思えないと苦言を呈する卯ノ花に対し、剣八は小細工をしてまで傷を負わせる卯ノ花に向けて「…変わったモンだぜ、随分と。俺が憧れたあんたとはな!」と咆哮します。

戦いの最中に敵への憧れを口にするなと卯ノ花の怒号が上がると、一瞬の内に剣八の刀を弾き飛ばし剣八の喉元に鋒を突きつけ、卯ノ花は飽くまでも自分は何も変わっておらず、かつて剣八と戦った時にはその小細工すら使う余裕が無かったと告げました。

卯ノ花の告白は遠回しに剣八の方が弱くなったと告げており、剣八は昔に卯ノ花と戦って初めて恐怖し、初めて戦いを愉しいと感じ、卯ノ花の様に戦いたいと思った事を吐露すると、その憧れの「卯ノ花八千流」に勝てずに死ぬのかと自らの敗北を感じ取った刹那、卯ノ花は慈悲も無く冷静に剣八の喉元を貫くのです。

卯ノ花烈の最期と死に際に語ったこと

喉元を貫かれて死亡したかに思えた剣八は一瞬だけ意識が飛んだ後に気が付くと卯ノ花と斬り結んでいる場面に戻ってしまう、といった奇妙な体験を繰り返し、確かに卯ノ花に殺された記憶や感覚を持ちながら考える時間が惜しい程にこの戦いが愉しくて止められなくなっていました。

そんな剣八とは対照的に卯ノ花は静かに剣八を見据えて「貴方は死なない。貴方は死線を潜る度強くなる。それこそが貴方が自らに課した過ちであり、私の罪だと独白します。

そして、剣八は幼少期に卯ノ花八千流と名乗っていた頃の卯ノ花と対峙し斬り合った記憶を呼び起こしながら、戦いの最中に意識が飛んではまた戦いに立ち戻るといった懐かしい感覚を思い出すと、だんだんと卯ノ花に攻撃が当たる様になり、やがて卯ノ花に致命傷を与えるのでした。

しかし、剣八が卯ノ花を倒したと思ったのも束の間、卯ノ花は回道で自らの傷を瞬く間に治癒させると卍解「皆尽」の解放と共に座興を終わらせ、今度こそ本気の斬り合いを始めるのです。

そして単行本59巻527話「Eliminate From Heaven」、長い斬り合いの果てに、剣八の刃が卯ノ花を捉えると、卯ノ花は剣八に貫かれる最中「さようなら、世界でただ一人私を悦ばせた男よ」と心の中で綴り、最期は剣八により過去につけられた胸元の傷と同じ場所を貫かれて敗北しました。

「——見事です、更木剣八。此にてお仕舞」

倒れる卯ノ花を抱き留めた剣八は今にも事切れそうな卯ノ花を見据えて何度も「死ぬな」と叫び続けており、その様子を見つめる卯ノ花は剣八を子供のようだと例え、慈愛に満ちた表情を浮かべながら、今の剣八には存分に戦える敵も対等に渡り合える仲間も、そして何より剣八と共に目覚めた「相棒」が居るのだから悲しむ事は無いと綴っています。

そして、役目を果して死ねることの何と幸福であることか、と独白した後に剣八に抱き抱えられたまま息を引き取りました。

卯ノ花烈のその後は?

単行本64巻573話「I AM THE EDGE」では、剣八は卯ノ花との斬り合いを経て、グレミィ・トゥミューと戦闘をしていた虎徹勇音と草鹿やちるの窮地に登場しています。

そして、剣八がここに現れた事が何を意図するのかを理解しながら勇音が卯ノ花の所在を訪ねると、剣八はただ一言「死んだ」と短い言葉を発し、憎ければ俺を斬って構わないと静かに言い放ちました。

しかし、勇音の心は卯ノ花の死による寂しさの他にも卯ノ花が使命を果して亡くなった事を察して、剣八が卯ノ花の名を正式に受け継いだ事に涙ながらに確認を取ると、剣八は再び「そうだ」と短い返答するのです。

その為、卯ノ花自身も言っていたように本来「剣八」の名を持つ者はこの世に同時に二人も存在しないので卯ノ花烈の死亡は確定しています。

卯ノ花烈は死後に地獄行き?

20周年特別読切「獄頤鳴鳴篇」では、霊王護神大戦で死亡した隊長達(山本元柳斎重國、卯ノ花烈、浮竹十四郎)の魂葬礼祭が行われています。

「魂葬礼祭」とは、死んだ隊長達の葬儀の後、十二年おきに行う儀式であり、現世で虚を捕まえてその隊長の墓前で殺すといった倫理的に危ういもので、肉体が霊子で構成された死神の中でも霊圧濃度が高すぎて尸魂界の大地に還れない霊子を還れる様にするために儀式です。

しかし、魂葬礼祭の真の意味は、本当はどうたっても尸魂界の大地に還れない強すぎる霊圧濃度を持つ霊子を地獄に堕とす為の儀式である事が京楽春水やザエルアポロの口から語られました。

その為、確定しているだけでも山本元柳斎重國、卯ノ花烈、浮竹十四郎の三名は地獄に堕ちている可能性が極めて高いのです。

卯ノ花烈の正体は初代剣八

卯ノ花烈の正体は、護廷十三隊創立時の初代構成メンバーの一人で、最強の死神に与えられる称号「剣八」の名を授かった初代剣八兼十一番隊隊長です。

卯ノ花は史上最強と言われていた頃の護廷十三隊十一番隊隊長を務めており、今の力こそが全てという十一番隊の流儀と剣八の継承の原型を作ったとされています。

卯ノ花は隊長になる以前は尸魂界史上空前絶後の大悪人と呼ばれる程でしたが、その力を山本元柳斎重國に買われて護廷十三隊に引き入れられました。

「剣八」とは、尸魂界最強の死神に送られる称号の様なもので、当時の山本元柳斎重國に並ぶほどの強さを持っていたかどうかは分かりませんが、もしかしたら元柳斎に敗れて護廷に入隊した可能性もあるのではないでしょうか。

作中では元柳斎が死亡した際に悲しみを押し殺し感情的になってる虎徹勇音を嗜めるシーンが描かれていましたので、他の隊長格と同様に山本元柳斎重國を強く慕っていたと思われます。

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卯ノ花烈の本名「卯ノ花八千流」の由来

単行本59巻では卯ノ花烈と更木剣八の過去や正体に言及されており、卯ノ花烈の本名が「卯ノ花八千流」だと判明しています。

京楽春水曰く「天下無数に在るあらゆる流派、そして、あらゆる刃の流れは我が手にありと自ら名付けた名を八千流やちる」と名前の由来を述べており、この言葉を発している時に資料の様な本を読んでいました。

京楽が護廷に入隊した頃にはもう卯ノ花烈と名乗っていた可能性が高いと思われますが、どのタイミングで卯ノ花烈と名乗り始めたのかまでは描かれていないので詳細は不明となっています。

しかし、瀞霊廷に零番隊が降り立った際に卯ノ花に回道を教えた麒麟寺天示郎が「烈」と呼んでいたので、十一番隊を退き四番隊に異動した頃に改名したのでしょう。

卯ノ花はなんで「烈」と付けた?

卯ノ花は卯ノ花八千流から卯ノ花烈に改名していますが、なぜ「烈」なのかは作中では明かされないままとなっています。

しかし、読者の考察の中には「烈」という字を分解して並び替えれば「剣八」になるといったものもあり、烈の漢字の成り立ちの中に毛髪のある頭骨の象形や刀の象形が使われているのが理由だと考えられているのです。

作者の久保帯人先生自身、漢字辞書を読破したりと知識が豊富な方なので、やはり「烈」の漢字一つにもいろいろな伏線が張り巡らされているのでしょうね。

卯ノ花烈の罪とは?

卯ノ花烈は更木剣八との無間での戦いの最中に心の中で「それこそが貴方が自らに課した過ちであり、私の罪というワードを綴っています。

山本元柳斎重國に勧誘されて隊長となった当時の卯ノ花は、瀞霊廷の安寧の為に流魂街外縁の郎党を征伐するという案を出して流魂街の郎党を山ほど斬り捨てていましたが、帯同する部下曰く単に卯ノ花が満足する猛者を探す為の口実でした。

ですが、その死体の山の頂から現れた人相の悪い少年、名前の無い頃の更木剣八が姿を現すと、卯ノ花は一太刀で子供相手の斬り合いで傷をつけられる事となり、少年時代の更木剣八が剣を悦ばせるに足る敵を求めてあらゆる場所を彷徨っていた卯ノ花に「至福」と言わしめる程の喜びを感じさせたのです。

しかし、確かにお互いが初めて好敵手と戦った際にこれまでに無い喜びを得た筈でしたが、ただ一つの誤算は剣八だけがその戦いでギリギリで戦う喜びを知ってしまった事でした。

卯ノ花曰く、生まれてからこの方周りには剣を試せる敵すら無く、初めて遭遇する力の拮抗した敵・卯ノ花を前にした剣八は、当時の卯ノ花より数段強かった為に生まれて初めて出会った敵と呼べるものを失えばもう二度と戦いを愉しめる時など来ないと考えたのです。

その為、自分より弱い卯ノ花に合わせる様に無意識の裡に少しずつ暗く深く自らの力を押し固め封じていったらしく、作中では相手の霊圧に合わせて能力を解放する事から黒崎一護にはギリギリの差で負け、ノイトラにはギリギリの差で勝利しました。

しかし、剣八は一護やノイトラ等の強敵と戦い死線をかすめる度に少しずつ自らにかけた枷を砕き昔の剣八に戻りつつある事に卯ノ花は気付き、今回の更木剣八の斬術の指南役を引き受けて、剣八が真の剣八へと立ち戻るまで百度千度と殺し何度でも癒して戦ったというわけです。

つまり、卯ノ花の罪とは剣八にギリギリの戦いで戦う悦びを与えて自らの力に枷をつけさせてしまった事を差します。

そして千年血戦篇の無間での卯ノ花との戦いの中で、剣八は再び戦いの楽しさを知り、無意識に抑え込んでいた力を解放していくのでした。

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卯ノ花烈は最強ではない

卯ノ花烈は、尸魂界で一番強い死神に贈られる名「剣八」の初代の人物でる事から実は最強なのではと考えてしまいます。

しかし、少年時代の更木剣八との戦いで自分が子供の剣八より劣っている事を悟っていたので、更木剣八と出会った時点で卯ノ花が最強では無くなりました。

そして、無間での戦いの中で独白した「私は強い。貴方(更木剣八)以外の誰よりも」という言葉から、卯ノ花烈自身は護廷十三隊の死神の中では突出して強い事が窺えますが、本当の実力は作中を見る限りよく分かりません。

「貴方(更木剣八)以外の誰よりも」という言葉は、零番隊や山本元柳斎重國が含まれているのか、若しくは無間での戦い時には元柳斎は死亡しているので元柳斎を含めない意味なのかは定かでは無く、また霊王宮で修行した朽木白哉達よりも強いのかも不明のままです。

卯ノ花烈と剣八の名の関係の伏線

本編では、卯ノ花烈が初代「剣八」という伏線が散りばめられているのかいないのかよく分からない状態ですが、単行本36巻の過去篇では、それまで固有名詞と思われていた「剣八」という名が十一番隊隊長が代々務めていく称号という事だと明かされました。

そして、そこから単行本58巻まで飛び、零番隊・麒麟寺天示郎が卯ノ花に回道を教えた事や、卯ノ花が初代剣八である事が発覚したわけですが、実は卯ノ花が初代剣八だと発覚してから読み返すと「これは伏線じゃないのか?」という怪しい点がいくつか存在します。

  1. 卯ノ花の髪型と水着
  2. カラブリの卯ノ花のステータス
  3. 「前線に出る」の意味
  4. 卯ノ花は怒らせると怖い
  5. 虚圏隔離
  6. 「卯ノ花烈」という名前

以上に挙げたのは、飽くまでも「これって伏線かも」という曖昧なものですが、何故それらが怪しいのか一つずつ見ていきましょう。

伏線①卯ノ花の髪型と水着

卯ノ花烈の髪型は挑発を体の前に垂らして首当たりから「更木剣八につけられた傷」を隠すように編み込みんでいます。

そして、アニメでの水着回では卯ノ花の水着姿を拝む事が出来ますが、そこでもハイネックの水着を着て傷が見えない様に工夫されていました。

これらの描写から見ても、連載当初から卯ノ花の胸元に傷がある事を隠していたのは間違い無いでしょう。

あれ…?ブレソルの水着姿には傷が無い…だと…

伏線②カラブリの卯ノ花のステータス

卯ノ花関連の話題でよく耳のするのが「卯ノ花のステータス値」です。

これは本編では描かれなかった護廷十三隊の日常のドタバタを描いた「BLEACH OFFICIAL BOOTLEG カラブリ+」に掲載された各キャラクターの詳細ページの事で、卯ノ花の能力をグラフ化したステータス値の事を差します。

卯ノ花の能力値は攻撃力・知力・鬼道霊圧がMAX数値の100を示していた事から、発売当時にこの能力値を知った読者達は「攻撃力100はおかしい」などと厳しい評価を下していました。

しかし、卯ノ花の正体を知った後に読み返して見れば納得のステータスです。

 

特技は「剣道」

人物データの中に特技の項目があり、卯ノ花の特技は「剣道」でした。これも卯ノ花の正体が初代剣八と知った後だと納得してしまいます。

伏線③前線に出るの意味

単行本13巻、暗殺された藍染惣右介の遺体を確認した卯ノ花は、遺体確認に同席した東仙要と狛村左陣に各隊の指揮に戻る様に伝えた後に「私もじきに…前線へと参じましょう」と斬魄刀を掴んでいます。

死神である以上非常時に前線に立つのは普通に思いがちですが、四番隊は綜合救護詰所を内包した組織である為、その統率者が現場を抜けるのは通常あり得ませんし、山本元柳斎重國も大抵は卯ノ花に待機を命じていました。

しかし、卯ノ花は101年前の魂魄消失案件始末特務部隊を結成する際にも元柳斎から待機命令を下されるものの、負傷者の処理を考えるのならば自分が前線へ向かうべきだと意見を述べています。

これらの何の変哲もないやり取りでさえも卯ノ花の正体を知った今となれば「単純に前線に立って強敵と斬り合いたいだけなのでは?」と勘繰ってしまうのは仕方が無いでしょう。

伏線④卯ノ花は怒らせると怖い

卯ノ花は普段お淑やかで無害の様な澄まし顔をしており、カラブリでの人物データにも「生粋の優」と記載されています。

しかし作中では、尸魂界篇の一件が解決した単行本21巻では十一番隊隊士達が治療中にも関わらず治ったから出ていくと綜合救護詰所で四番隊隊士と揉めていた所、十一番隊士の背後から笑顔で登場して病室では静かにと丁寧に接した後に「ここの屋根の下に居る限りはあなた方の命は私達の掌の上にあるということ、お忘れなく」と柔和な笑みを浮かべて吐き捨てていました。

また、破面篇空座町決戦時には、黒崎一護と共に虚圏を通り抜ける際、先行する一護が足場を形成するのがあまりに下手なのを見かけて「よろしければ私が前を走りましょうか」と優しく交代を申し出ていましたが、一護が一度断ると笑顔を崩さず顔に影を浮かべてもう一度同じ台詞を吐いて無理矢理交代しています。

そして、度々話題となるカラブリの人物データには「キレたら一番怖いのはもしかすると…」と意味深な文章が見受けられるのです。

これらは伏線ではありませんが、怒らせると怖い=昔はかなりやんちゃな性格だったと連想できる事から、卯ノ花烈は過去に何かがあるという布石だと思われます。

伏線⑤破面篇での虚圏隔離

藍染惣右介は、護廷十三隊と正面対決するに至るまでに井上織姫を囮として黒崎一護を筆頭に護廷十三隊の三分の一を虚圏に幽閉しました。

藍染にとっての思わぬ収穫は、あの更木剣八が率先して虚圏に出向いた為に最も警戒していた二名の死神(山本元柳斎重國と更木剣八)の内一人を幽閉できた事だと小説で明かされましたが、藍染は卯ノ花烈の事をどう認識していたのでしょうか。

作中で卯ノ花自身が「私は強い。貴方(更木剣八)以外の誰よりも」と言っている事から、言葉通りなら卯ノ花は藍染よりも強いことになります。

実際には斬り合いが主体の卯ノ花では鏡花水月とは相性が最悪に思えますが、尸魂界篇で一度二人が対峙した際に藍染は卯ノ花を斬る事もせずに双極の丘へと向かっている為、裏を返せば卯ノ花烈には勝てるが時間がかかる、若しくは実は卯ノ花相手では崩玉と融合後では無いと絶対に勝てると確信出来なかったのではないでしょうか。

これも伏線ではありませんが、藍染が卯ノ花と戦わなかった事や、卯ノ花が虚圏側に出向いた事は、後々に初代剣八としての正体を現すシーンを描く為に卯ノ花の戦闘描写を避けていた様に思えます。

伏線⑥「卯ノ花烈」という名前

記事内で触れた通り、卯ノ花烈の「烈」という感じは「剣八」という漢字を崩したものをあてたものだと考察されていますが、実は苗字の「卯ノ花」にも意味があるのです。

苗字に使われた「卯ノ花」=「卯の花」の花言葉は古風・風情・秘密・乙女の香りを意味しており、外面から中の状態が分からない事から「秘密」という花言葉が付けられたと言われています。

つまり、卯ノ花烈というキャラクターを考えた時点で、既に「初代剣八=秘密」の構想は作者の中にあったのでしょう。

卯ノ花烈が初代剣八だと更木剣八に違和感がある

卯ノ花烈の正体が初代剣八だと判明した今、BLEACHを読み返してみると少しばかり更木剣八の行動に違和感があります。

更木剣八は、過去に卯ノ花八千流と戦った時に初めて戦いの悦びを知り、卯ノ花の強さに憧れていましたが、作中では護廷十三隊の中でも生粋の戦闘集団である十一番隊隊士達が前線に出ない四番隊の事を馬鹿にしていました。

剣八が憧れる四番隊を平隊士達がバカにしている状況を見て、剣八は何もしなかったのは何故でしょうか。

基本的に弱い奴には興味が無い剣八ですが、過去の卯ノ花の事を知り、その実力を体感しているにも関わらず一喝入れるくらいの事もせずに放置していたのは不自然な様にも思えます。

しかし、単行本59巻で剣八が卯ノ花と戦った際に「…変わったモンだぜ、随分と。俺が憧れたあんたとはな!」と発言している通り、護廷十三隊に剣八が入隊した頃には卯ノ花は随分と丸くなっていたのではないでしょうか。

その為、過去の卯ノ花と今の卯ノ花を重ねて、変わってしまった卯ノ花には興味が無く放置していたのだと考えれば納得できるでしょう。

卯ノ花と無間で再び斬り合えると分かった時の剣八のハイテンションはそういった事情が含まれて爆発したのかもしれまんね。

卯ノ花烈の死亡と初代剣八の正体の伏線についてのまとめ

  1. 卯ノ花烈は単行本59巻527話で、更木剣八に過去につけられた胸元の傷と同じ場所を貫かれて死亡した
  2. 卯ノ花烈は自分のせいで更木剣八がギリギリの戦いを楽しむ為に自ら力に枷をつけた事を自分の罪として悔やんでいた
  3. 卯ノ花烈の役目として更木剣八の枷を解く為に斬り合いをし、死亡した
  4. 卯ノ花烈の正体は初代剣八で初代護廷十三隊十一番隊隊長を務めていた古い死神
  5. 卯ノ花烈は隊長になる以前は尸魂界史上空前絶後の大悪人であり、山本元柳斎重國に勧誘されて入隊した
  6. 卯ノ花烈が初代剣八である伏線と言えるほどの伏線は無いが、それらしい匂わせはいくつかばら撒かれていた

卯ノ花烈は更木剣八に斬術を教えるという名目で、彼と殺し合い、その果てに命を落としましたが、最期の表情はとても満足したようなものでした。

アニメでは戦闘シーンが全く描かれなかった卯ノ花烈ですが、2022年に放送が開始される「千年血戦篇」で、更木剣八との戦いがどのように描かれるのか、追加シーンはあるのか、今から楽しみですね!

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