一番隊隊長山本元柳斎重國の忠臣である一番隊副隊長・雀部長次郎は、千年血戦篇でようやく戦闘シーンが描かれると思った矢先に殉職してしまいました。
そこで今回は、
- 雀部長次郎の死亡は漫画・アニメの何話?
- 雀部長次郎の斬魄刀と卍解は?
- 雀部長次郎と山本元柳斎重國との関係は?
など、雀部について紹介していきたいと思います。
雀部長次郎が死亡は何話?
雀部長次郎の死亡が描かれたのは、
- 単行本55巻484話「The Buckbeard」
- アニメBLEACH千年血戦篇第1話「THE BLOOD WARFARE」
です。
また、雀部長次郎の隊葬が執り行われたのは、数名の滅却師の宣戦布告が行われた後であり、
- 単行本55巻486話「The Crimson Cremation」
- アニメBLEACH千年血戦篇第2話「FOUNDATION STONES」
以上で描かれています。
雀部長次郎の最後と殉職まで
単行本55巻482話「Bad Recognition」から484話「The Buckbeard」にて、7名の侵入者が一番隊舎に出現し、山本元柳斎重國は、伝令兵を殺害した侵入者から五日後に尸魂界は「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」により殲滅されると宣戦布告されています。
そして、その侵入者といち早くぶつかったのが一番隊であり、元柳斎が居る一番隊執務室に正体不明の7名が侵入した同刻、一番隊が警備にあたっていた黒陵門付近にも正体不明の侵入者が現れ、182秒間の戦闘で隊士116名が死亡し、雀部長次郎はその場で致命傷を受け何らかの方法で一番隊執務室まで運ばれた後に死亡しました。
雀部が一番隊執務室まで運ばれた方法は明確にされていませんが、描写を見る限りでは巨大な矢のようなものに胴体を射抜かれて飛んできています。
また、雀部は死ぬ間際に「や…奴等…奴等は卍解を——」と元柳斎に遺言を残しており、続く488話では隊首会の中で涅マユリが「雀部副隊長の遺言によればどうやら卍解を封じる…もしくは無力化する手段を持ってい——」と情報の共有と確認をしていた所、元柳斎に「もうよい」されてしまった為、せっかくの遺言について意見を交わしていません。
雀部長次郎を殺害し卍解を奪掠した人物
雀部長次郎を殺害した人物は星十字騎士団のドリスコール・ベルチです。
雀部長次郎は初めて卍解を使用し殉職
雀部長次郎のプロフィール
【名前】 | 雀部長次郎忠息 |
【年齢】 | 不明(※2000歳以上) |
【身長】 | 179cm |
【体重】 | 66kg |
【誕生日】 | 11月4日 |
【所属】 | 護廷十三隊一番隊副隊長 |
【斬魄刀】 | 厳霊丸 |
【特技】 | フェンシング |
【趣味】 | 紅茶の栽培 |
【食べ物】 | 好き:洋食 / 嫌い:和食 |
【初登場】 | 単行本16巻 |
【声優】 | 山口太郎 |
山本元柳斎重國を慕い護廷十三隊一番隊副隊長を務める英国紳士風の老死神で、何故か黒目が描かれない白目描写が多い清潔感のある口髭を生やしているのが特徴です。
作中でも目立った活躍は無く、元柳斎の傍らに控えている姿を度々見かける程度ですが、実は現世で見た英国紳士に刺激を受けてからというもの憧れから数十年、度々現世から持ち帰った紅茶のリーフを育てていますがうまくいっていません。
雀部が愛用している死覇装の上から羽織っているものは、当時見た英国紳士が羽織る外套を模した自作だそうです。
また、年齢不詳ですが、1000年前の元柳斎が黒髪であった事から黒髪時代の元柳斎と出会っていた雀部は少なくとも1000歳以上であり、ドリスコールが奪掠した卍解を使用した際に「こいつはもう卍解を2000年以上使ってねえ」と発言していた事から2000年以上は生きている可能性があります。
余談ですが、アニメ版ではその影の薄さをアニメスタッフにいじられており、同じく副隊長ながら出番の少ない大前田希千代と射場鉄左衛門の三人合わせて「副隊長地味っ子トリオ」と草鹿やちるに不名誉なニックネームをつけられました。
雀部長次郎と山本元柳斎重國の関係
護廷十三隊一番隊隊長と副隊長である山本元柳斎重國と雀部長次郎の関係は、護廷十三隊創立以前から続いています。
恐らく数百~千年前、元柳斎が黒髪だった頃、当時の元柳斎は額についた「丿(えい)」の字の傷から丿字斎(えいじさい)と呼ばれており、仲間内の誰かが呼び始めたものでしたが、響きが良いのか何なのか武功を上げる度に丿字斎の名ばかりが広まる事が気に入りませんでした。
しかし、当時青年だった雀部長次郎は頑として丿字斎の名で呼び続け、指摘されても謝りはすれど本名で呼ぶなど大それた真似は出来ないと、呼び方を変える気は毛頭なかったのです。
雀部は元柳斎の塾生ではありませんが、元柳斎の右腕になる為に毎日元柳斎の許に足繁く通っており、その度に尚の事門下に入れと元柳斎に捲し立てられるものの、門下では元柳斎の真似事しか出来ないと語り、元柳斎の手の回らない所を補ってこその右腕になりたいと我を通すのでした。
そして、毎日足繁く通っていた雀部はその日は一カ月ぶりに現れ卍解を習得してきたと言います。
元柳斎は不敵な笑みを浮かべ「ほう。ならばその卍解で儂を倒してみせよ」と課題を与えると、雀部は勝てはしなかったものの、見事な卍解を放ち元柳斎の額に消えない傷を大きく残す事になりますが、元柳斎が敢えて「赤子の様な卍解だ」と言えば、雀部は「その通りです」と嬉しそうに即答し、生涯を賭けてこの卍解が元柳斎の役に立つよう磨き上げると誓うのです。
その言葉に嘘は無く、血を吐くほどの錬磨の歳月の果てに雀部の名は尸魂界に知らぬ者はいない程になり、やがて元柳斎の乾いた傷は十字に見えた事から皆が「十字斎(じゅうじさい)」と呼ぶ様になりますが、雀部だけは「自分がつけた傷ごときが丿字斎殿の名を変えて良い訳が無い」と頑として丿字斎と呼び続けた事から、元柳斎は雀部の為に自らに「元柳斎」の名をつけました。
また、ドリスコールが雀部から奪掠した卍解「黄煌厳霊離宮」を使用した際、元柳斎は敢えてその卍解を無抵抗で受ける事で、雀部長次郎という男が生涯を賭けて磨き上げた卍解は「この程度では断じて無い!」と怒りを露にしてドリスコールを流刃若火の炎で焼き払い、漸く雀部を弔う事が出来たと別れを告げています。
護廷十三隊一番隊隊長であり総隊長も務めた山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)。 今回はそんな作中屈指の強キャラである山本元柳斎重國の、 山本元柳斎重國が死亡したのは原作何巻? 山本元柳斎重國の最後の戦いと消[…]
雀部長次郎が死亡したその後の話
霊王護神大戦から3年後を描く小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」では、生前の雀部について少し触れられています。
山本元柳斎重國は月に一度隊士達を集めて自ら点てた抹茶をふるまっていましたが、大戦後は園庭に面した茶室が墓された事で茶会は休止され、隊舎及び茶室の再築に合わせて漸く沖牙源志郎の手によって再開されました。
ただし、沖牙自身もまだ他隊にふるまうほどの腕ではない為に周知は待ってほしいと語っており、同じく一番隊副隊長を務める伊勢七緒もまた最近になって紅茶の勉強を始め、お茶会で抹茶だけではなく紅茶を出してみようと思い立ったのです。
そういった事情を七緒から聞いた矢胴丸リサは瞬時に「そうか、雀部さんの……」と亡き雀部が紅茶に詳しかった事を思い出しており、七緒は終業後には雀部が遺した紅茶の資料に目を通し、紅茶の世界が知れば知るほど奥が深いものだと雀部が熱中するのも仕方がないと語っています。
また、紅茶に対する造詣が尸魂界の誰よりも深い雀部が独自にブレンドした紅茶は、洋を嫌う元柳斎が「うまし」と認めるほど絶品であったと判明しており、一番隊が嗜んでいた行事を再開させようとする七緒と沖牙の行動を見てリサは「後進にこんだけしてもろたら、ジイさんも雀部サンも浮かばれるわな~」と述べました。
千年血戦篇の大戦によって多くの戦死者を出した護廷十三隊ですが、今回は霊王護神大戦終結後の「3年後・10年後・獄頤鳴鳴篇」を含めた最新の護廷十三隊隊長副隊長一覧を紹介したいと思います。 最新!10年後の護廷十三隊と隊長副隊長一覧 霊王護神[…]
雀部長次郎の声優「山口太郎」さん
【名前】 | 山口太郎 |
【所属】 | 青二プロダクション |
【誕生日】 | 1970年6月6日 |
【代表作】 |
|
【来歴】 | 東京都出身の俳優・声優で、愛称は太朗ちゃんです。
趣味・特技は空手(玄制流空手弐段、和道会空手弐段、全空連公認段位弐段)、柔道、殺陣などと様々な事を学んでおり、ドラマ・映画・部隊と声優の他にも出演経験があります。 |
雀部長次郎の斬魄刀「厳霊丸」
【名前】 | 厳霊丸 |
【解号】 | 「穿て、厳霊丸」 |
【初出】 | 単行本18巻152話「The Speed Phantom」 |
始解は刀がレイピアに変化するものですが、初使用時には黒崎一護に一瞬にして倒されてしまったので、その能力の詳細は分かっていません。
アニメ版BLEACHのオリジナルストーリー「斬魄刀異聞篇」にて、具現化した厳霊丸が落雷を落としたり紫色の電撃を放っていた事から、レイピアに変化した刀から電撃を放つ能力だと推測できます。
雀部長次郎の卍解「黄煌厳霊離宮」
雀部長次郎本人が作中で卍解を使った事はありませんが、単行本57巻504話「雷鳴の彼方へ」にて雀部から卍解を奪掠したドリスコールが使用しています。
卍解発動後は背後の上空に雷鳴と共に1本の落雷が出現し、そこから楕円形の高密霊子が広がり更に地面に向かって11本の落雷が描かれており、使用者の手操により雷撃を叩き込むといった攻撃を行いました。
また、黄煌厳霊離宮は発動後に暗雲が立ち込める事から氷輪丸同様に天候を支配する斬魄刀であり、その霊圧はドリスコールが使用したものであってもとてつもない霊圧が込められている事に檜佐木修兵が驚嘆していましたが、山本元柳斎重國は雀部長次郎の卍解はこの程度では無いと怒っている為、雀部本人が錬磨した卍解は更に上を行くと思われます。
手操での雷撃を叩き込む間も背後に楕円形の高密霊子と地面に向かって伸びる落雷はそのままであり、一度に複数の雷撃を飛ばしていますので、卍解の全容次第では黄煌厳霊離宮は斬魄刀ランキングにランクインしそうですね。
BLEACHに於いて死神の相棒となる斬魄刀ですが、その能力や外見は所有者によって全て異なります。 そこで、登場した斬魄刀の中から特に優れた最強の斬魄刀をピックアップしたので、ランキング形式で見ていきましょう。 最強の斬魄刀ランキング[…]
雀部長次郎は強い?弱い?
雀部長次郎は戦闘描写が無い為、強さランキングでも省かれる事が多い不遇なキャラです。
尸魂界篇で黒崎一護が朽木ルキアを救出した双極の丘での一幕では、まだ卍解を覚えたての一護相手に副隊長三人がかりで、それも素人に近い一護に白打のみで雀部がやられていた事からどうしても「弱い」という印象しかありませんでした。
また、アニメオリジナルエピソードでの空座町決戦や斬魄刀異聞篇でも特に評価を上げるような活躍は無く、本当にまともな戦闘描写が無いまま千年血戦篇序章で命を散らした悲しい副隊長です。
しかし、記事内で触れた通り、
- 雀部長次郎は隊長となるべき死神
- 雀部長次郎は習得したばかりの卍解で山本元柳斎重國の額に消えない傷を残す
- 雀部長次郎は2000年以上生きて卍解を錬磨
など、雀部の強さは設定だけならば隊長格の中でも上位に当て嵌まる資質はあります。
そのため、黒崎一護に一発で倒された副隊長という印象を拭えませんが、一番隊というエリート集団の副隊長を長年務め続け、隊長になる実力も持っていた雀部は弱くも無能でも無く、隊長格の強さを持ちながら最期まで実力を発揮する場が無かっただけでした。
雀部長次郎の死亡は何話?と卍解と強さについてのまとめ
- 雀部長次郎の死亡が描かれたのは単行本55巻484話、アニメBLEACH千年血戦篇第1話
- 雀部長次郎は黒陵門に出現した滅却師と戦い、星十字騎士団の一人ドリスコールに卍解を奪掠され敗北
- 雀部長次郎の卍解は奪掠したドリスコールが使用し、天候を支配する雷系の能力を有した「黄煌厳霊離宮」と判明
- 黄煌厳霊離宮の全容は解明されていないものの、回想では習得したばかりの雀部が山本元柳斎重國の額に消えない傷を残している
雀部長次郎は卓越した実力を持ちながらも、山本元柳斎重國の右腕であり続ける事を望み続け、最期まで彼の為に戦い続けた男でした。
非常に強力な卍解を所持していた事が判明したのも彼が亡くなった後だったので、彼自身がどれほど強かったのかは推測する事しか出来ません。
しかし、雀部長次郎と山本元柳斎重國との関係を知った後にBLEACHを読み返してみると、また違った感情を抱けるのではないのでしょうか。