【進撃の巨人】リヴァイとハンジの特別な信頼関係が分かるエピソード集!

漫画進撃の巨人で、調査兵団歴戦の兵士といえばリヴァイとハンジの二人です。性格的には正反対のように見える彼らですが、ただの職場の同僚というだけではなく、特別な信頼関係で結ばれていることが分かるエピソードが多数存在します。

また、読者が選ぶベストエピソード総選挙で第1位に輝いた第132話「自由の翼」では、リヴァイとハンジが死に別れるシーンが印象的で、二人の絆を目の当たりにして涙した読者も多かったでしょう。

この記事では、

  • リヴァイとハンジの信頼関係が分かるエピソード
  • リヴァイとハンジの別れ「自由の翼」のエピソード
  • ハンジの死と「自由の翼」についての考察

について解説します。

リヴァイとハンジのプロフィール

本題に入る前にリヴァイとハンジのプロフィールを確認していきましょう。

リヴァイ・アッカーマンのプロフィール

  • 名前:リヴァイ・アッカーマン
  • 誕生日:12月25日
  • 身長:160cm
  • 体重:65kg
  • 年齢:30代
  • 性別:男性
  • 人類最強の兵士と称されるほどの強さを持つ調査兵団の兵士長
  • すぐ蒸発して消えてしまう巨人の血をわざわざ拭う程の潔癖症であり、掃除も徹底的にやらないと気が済まないので、エレン達部下は何度も掃除のやり直しを命令された。

ハンジ・ゾエのプロフィール

  • 名前:ハンジ・ゾエ
  • 誕生日:9月5日
  • 身長:170cm
  • 体重:60kg
  • 年齢:不明
  • 性別:不明とされているが、アニメや実写映画では女性が演じている。作者諌山創先生の意思であえてハンジの性別は明言されていない。
  • かつては調査兵団の分隊長で巨人研究者だったが、エルヴィンから団長職を引き継いだ。
  • 巨人研究への情熱は凄まじいもので、周囲からは変人とみなされている。アニメではリヴァイから「奇行種」呼ばわりされたことも。

リヴァイとハンジの信頼関係が分かるエピソード

エレン達104期生にとっては上官であり、ベテランの先輩兵士の立場であるリヴァイとハンジ。彼らはプロフィールにある通り兵士長と団長の職に就いていますが、仕事上の関係だけではなく、親しい間柄だったことが見て取れます。

ウォール・マリア奪還作戦で生き残ったのは、リヴァイ兵士長・ハンジ新団長とエレンら若い新兵達のみ。つまり、昔から一緒に戦ってきた仲間は全員死んでしまったことになり、

  • 「巨人がいなくなった理想の世界」を語り合った、在りし日の調査兵団の仲間達はもういない。
  • エレンやアルミンなど若い兵士達には上官として接し、彼らを導き育てなければならない。

このような事情から、リヴァイとハンジには「たった二人だけ生き残った昔からの仲間」という絆が存在するのです。

ここからは、リヴァイとハンジのその特別な信頼関係が分かるエピソードを見ていきましょう。

対等な友人として軽口を言う

原作3巻「特別編リヴァイ兵士長」で、歓声を受けたリヴァイが「うるせぇガキ共め…」と口の悪い言い方をした時、ハンジがリヴァイの潔癖症について冗談めかして語るシーンがあります。

たいていの人物はリヴァイの強さや粗暴な言動に恐れや憧れの心情を抱き一歩引いてしまうものですが、ハンジは対等な友人としてフランクに接していることが分かりますね。

また、リヴァイもハンジに対して「クソメガネ」など一見悪口にも聞こえる呼び名を使うことがありますが、ハンジは全然気にしていないので、彼らにとっては軽口を言い合うくらいのが心地よい関係のようです。

原作22巻第90話「壁の向こう側へ」にて、調査兵団が初めて海を見た際、水を掛け合ってはしゃぐコニー達の反対側では、発見した生物(らしきもの)を触りたそうにしているハンジに対して、リヴァイは「オイ ハンジ 毒かもしれねぇから触るんじゃねぇ」と注意していました。

本来アルミン達後輩の前では上官兵士としての態度を見せるべきですが、壁を越えて未知の場所であった海に辿り着けた解放感からか、ハンジは研究者としての好奇心がにじみ出て来てしまい、リヴァイも釣られてラフな物言いになっています。団長・兵士長としてではなく、友人モードの雰囲気・会話がふと漏れてしまったようですね。

【完結済み】進撃の巨人
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第35回講談社漫画賞。シリーズ累計1億部突破!2013年アニメ化、2015年実写映画化。2009年「別冊少年マガジン」で連載を開始し、2021年完結

仕事上で深いコミュニケーションを取る

原作18巻第73話「はじまりの街」のウォール・マリア最終奪還作戦では、いるはずの巨人の姿が見られないという不自然な状況の中、リヴァイとハンジは背中を合わせて周囲を警戒し、状況整理と作戦続行の判断をしていました。

日常の友人関係としての仲だけではなく、仕事の場面では背中を預け、作戦の相談ができる相手だとみなしているようです。

二人が兵士としてお互いを信頼していることが分かる場面ですね。

原作26巻第106話「義勇兵」では、オニャンコポンからパラディ島外の国が持つ航空戦力について聞かされ、

  • 「ビビってんじゃねぇよ ナメられるだろうが」
  • 「わかってるって‼」

視線のみで会話を交わすことができる位、彼らが深いコミュニケーションを取る描写がありました。

二人の意思疎通力の高さに驚きますがその後の、

  • 「え⁉空から来るの⁉」
  • 「オイ」

というボケとツッコミのようなやり取りも見事なテンポで繰り広げられています。

お互いの不足部分を補い合う

原作31巻第123話「島の悪魔」にて、調査兵団が初めて島の外の国を訪れた時には、リヴァイがハンジの左側にいるコマが多く描かれています。

これは、「ハンジが左目を失明したため、ハンジの死角となる左側をリヴァイがフォローしているのではないか」とファンの間で話題になりました。公式に明言された訳ではありませんが、リヴァイからハンジへの優しさが垣間見られるエピソードです。

原作13巻第53話「狼煙(のろし)」では、先ほどとは逆にハンジがリヴァイのフォローをするシーンがあります。

リヴァイは優しい性格の人物ではあるのですが、その荒っぽく遠回しな物言いが原因で、伝えたいことがエレンにいまいち理解されていない事態に陥りました。

その時、すかさずハンジが「…つまりリヴァイが言っていることは こうだ」リヴァイの言葉をポジティブな言い方に変換してエレンに伝えたのです。

  • 「つまりこれからも頑張ろうぜ ってリヴァイは言ってんだよね」
  • 「…あぁ」「助かる……」

ハンジによる翻訳について、リヴァイのセリフの「…」からは、本当に「助かった…」と思っているのか、「ちょっと違うんだが まぁいいか…」と諦めているのか微妙なところですが、慣れていない人物(エレン)が受け取るのにやや難があるリヴァイの言葉にハンジがフォローを入れて、リヴァイもそれを受け入れていることが分かりますね。

このように、リヴァイとハンジはお互いがお互いの不足部分を補い合うエピソードが複数存在します。

ハンジがリヴァイの前でだけ弱さを見せる

原作31巻第126話「矜持(きょうじ)」で、基本的には他者に自分の弱さを見せないよう努めているハンジが、長年の戦友であるリヴァイの前で弱音を吐くシーンが描かれました。

リヴァイはジークとの戦いの後、油断してジークの自爆攻撃(リヴァイが仕掛けた雷槍を用いた)を受け、瀕死の重体で川辺に倒れていたところをハンジに発見されます。

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進撃の巨人の表紙

イェーガー派であるフロックにリヴァイが殺されそうになったため、隙を見て目の前の川に飛び込み、リヴァイを抱えて逃げるハンジ。

川から上がった後、二人を探す追っ手を射殺します。

状況を見るに、一人目の追っ手(オリヴァー)の首を切り裂き、銃を奪い、オリヴァーの遺体をあえて目立つ所に置いて二人目の追っ手をおびき出し、死角から撃ち殺しています。しかも、追っ手のマントのマークを見ると調査兵団の自由の翼が描かれているのです。

同じ調査兵団である仲間を殺すことにハンジ自身も悲しみ涙を流していますが、それよりもリヴァイ(と自分)の身の安全を優先していることが分かりますね。

復活したジーク、脊髄液で島を支配するイェーガー派、真意の分からないエレン…八方塞がりの状況下で、ハンジは眠るリヴァイに独り言を漏らします。

「いっそ二人でここで暮らそうか」「ねぇ… リヴァイ」

眠っているとはいえ、ハンジが他人の前で自分の個人的な弱音を吐くシーンが描かれたのはとても珍しいです。かつて腹心の部下であるモブリットの前で「怖いなぁ…」と呟いたことはありますが、彼は既に死亡してしまったので、ハンジが弱さを見せられる人物はもうリヴァイしかいないのでしょう。

ただそうは言いながらも、ハンジは怪我人であるリヴァイを運ぶ用の荷車を作り、地鳴らしを止めるため次の行動をする準備をしていました。

眠っていると思われたリヴァイは実は先ほどのハンジの本音を聞いていて、「蚊帳の外でお前が大人しくできるハズがねぇ」と言います。ハンジも「ああ…そうなんだよ できない」と答えました。ハンジの本音としては「このままリヴァイと逃げ隠れてしまいたい」という思いがあるけれど、それでも本当に逃げることは絶対にない、どんなに絶望的な状況でも前に進むことを選ぶとリヴァイは分かっていたようです。

リヴァイとハンジがお互いの心の内(弱さと強さ)を理解し、信頼していることがよく分かるエピソードですね。

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リヴァイとハンジの別れ

読者に強烈な印象を残した原作33巻第132話「自由の翼」にて、強い信頼関係で結ばれているリヴァイとハンジが死に別れたその経緯を見ていきましょう。

フロックが飛行艇に穴を開ける

エレンを止めるため飛行艇を動かす準備をしていた時、隠れていたフロックにより燃料タンクに穴が開けられました。その上、地鳴らしも迫ってきているので、このままでは飛行艇ごと全員踏み潰される事態になってしまいます。

ハンジは自分の命を捧げて仲間を生かすことを決意する

燃料タンク修理の時間稼ぎのために、ハンジは自分が地鳴らし巨人群に特攻することを宣言しました。

アルミンやライナー達へ向けるその視線は力強く、団長として彼らを導く者の姿を見せています。

リヴァイからハンジへの「心臓を捧げよ」

ハンジが振り返った先には、満身創痍のリヴァイの姿がありました。

リヴァイは前述の怪我のせいで、まともに歩くのも困難な状態であるにも関わらず、これがハンジとの別れになると察したのかわざわざ立ち上がって来たようです。(事実、怪我した後は横になったり座ったりしているシーンが多い)

「クソメガネ」と昔からの軽口で呼びかけられたハンジは、

  • 今 最高にかっこつけたい気分なんだよ
  • このまま行かせてくれ

とリヴァイに語ります。

その目は先ほどと違い死の恐怖で怯えているようですし、口角も引きつり、汗もかいています。

アルミン達後輩の前ではある種の虚勢(=団長としての強い姿)を張っていられましたが、昔なじみのリヴァイの前では本心(=死の恐怖に怯える弱さ)が出てしまったようです。

ここでリヴァイのアップが描かれますが、無表情ながらもその目だけでリヴァイの一瞬の逡巡が見事に表現されています。

  • ハンジが本心では怯えているのが分かる
  • ハンジを死なせたくない、それでもここで誰かが時間稼ぎをしなければならない(自分が怪我をしなければ自分が代わりに行けたのにという思いもあったかもしれない)
  • ハンジの「行かせてくれ」という意志を尊重し、自分の「死なせたくない」という気持ちを諦めた

そして、死へと向かうハンジにかける最後の言葉は…

「心臓を捧げよ」

リヴァイは調査兵団に所属しながらも、心臓を捧げて死ぬより、「死ぬな」「生き延びろ」という信条を持った人物でした。

しかし、この場面では「人類のために」「心臓を捧げて」戦ってきたハンジのために、自分の信条に反しても、今のハンジの恐怖を取り去り、勇気を出させる言葉をかけてくれたのです。

ハンジの目には光が戻り、口元もきゅっと引き締まりました。

リヴァイにハンジの気持ちが分かっていたのと同様に、ハンジにもリヴァイの気持ちは伝わっていたのでしょう。

リヴァイが本心(=ハンジを死なせたくない)を押し殺して、自分の背中を押す一言をかけてくれたことを。

ハンジは一人で地鳴らし巨人に立ち向かう

皆と別れ、迫り来る地鳴らし巨人群に一人立ち向かうハンジ。

雷槍を使って巨人を倒していきますが、2本しかないそれを使い果たし、ブレード攻撃で巨人に接近すると、巨人が発する炎に焼かれてしまいます

余談ですが、世界連合艦隊が一体も倒せなかった巨人をハンジ一人で何体も倒すことができたというのは、調査兵団の立体起動装置・超硬質ブレード・雷槍が巨人を倒すのに非常に有効な手段であったことの証明になっていますね。

リヴァイの弱音「見ててくれ」

全身火だるまになり力尽きたハンジが落ちていくのと同時に、修理が間に合った飛行艇はギリギリ飛び立つことができました。

ここで落ちるハンジ飛び立つ飛行艇が対照的に描かれています。また、泣いている104期生達と対照的にハンジの口もとは笑っているように見えますが、なぜハンジが最期に笑っていたのかは後に考察します。

ハンジの背中を押すことになったリヴァイは

  • じゃあな ハンジ
  • 見ててくれ

と短く告げるのです。

これまで何度も何度も仲間の命を諦める選択をしてきたリヴァイは、仲間の命に報いるために自分が使命を背負うことはあっても(「約束しよう 俺は必ず巨人を絶滅させる」「夢を諦めて死んでくれ『獣の巨人』は俺が仕留める」など)、誰かに「見ててくれ」などとお願いをすることはありませんでした

最後の昔なじみであるハンジを失い(その最後の一押しをしたのも自分)、人類最強と言われるリヴァイが一言だけ漏らした弱音。それがこの「見ててくれ」だったのでしょう。

リヴァイを見守るのはハンジと調査兵団の仲間達

死んだはずのハンジですが、気が付くとエルヴィンやモブリットなど殉職した調査兵団の仲間達と共に居ました。

飛行艇が無事なことを知り、エルヴィンから「お前は役目を果たした」と労わられたハンジは安堵した表情です。

ハンジの犠牲が報われ、リヴァイ達の乗る飛行艇は調査兵団の皆に見守られている…一見ほっとするシーンですが、左下に描かれている黒いシミのようなものは、恐らく焼け焦げて踏み潰されたハンジの遺体の残骸でしょう。

進撃の巨人で死後の世界が描かれるのは初めてのことですが、死んだ仲間達と会えたという美しさだけで終わるのではなく、現実に起こった惨劇の残酷さがしっかり描かれているのがこの作品らしいですね。

ハンジの死と「自由の翼」についての考察

惜しくも戦場にて倒れたハンジですが、「自由の翼」に関する謎を考察してみます。

ハンジが最期に笑っていたのはなぜか?

第132話「自由の翼」はリヴァイとハンジが死に別れるというとても辛い展開であったにも関わらず、その死の瞬間ハンジは笑っていたのではないかという考察がなされました。

確かに焼け落ちるハンジの口もとを見ると笑っているように見えますね。

仲間を送り出すために一人で巨人に立ち向かい犠牲になるという苦しい役割を背負っていたハンジが、なぜ最期の瞬間笑うことができたのでしょうか?

本来の巨人研究者としてのハンジ

連載初期のハンジは調査兵団の分隊長でありつつ、巨人研究者としての役割を担っていました。

一般的な兵士は巨人を「人類の敵」「倒すもの」と認識し、戦う対象としています。

ところが、ハンジは巨人を、もちろん仲間を殺した敵として憎んでもいましたが、それ以上に「(物理上ありえない)不可思議な存在」であり、調査研究する対象として見ていました。

このように、兵士視点だけではなく科学者視点を持ち、巨人研究に心血を注ぎ、巨人の神秘の謎を解くことに喜びを感じていたのが本来のハンジだったのです。(その情熱ゆえに周囲からは変人とみなされていた様子)

サネスから告げられた「順番」に苦悩

本来巨人を研究することに特性があったハンジですが、本編の王政クーデター編以降は、人間同士の政治的陰謀にまみれた争いに身を投じることになります。

前団長のエルヴィンと違い、直情的でいわゆる真っ当な倫理観を持っていたハンジには明らかに向いていない闘いです。(巨人研究の時の興奮ぶりから変人と言われるハンジだが、「虐殺はダメだ‼」とハッキリ告げたように人間に対する価値観は非常にまとも)

王の秘密を吐かせるために自ら拷問したサネスからもこのように言われます。

  • こういう役には多分順番がある
  • 役を降りても 誰かがすぐに代わりを演じ始める
  • がんばれよ…ハンジ…

サネスが告げた「こういう役には多分順番がある」とは、自分の「正義」を貫いたはずなのに、時代が変わり、状況が変わり、人々の価値観が変わることで、自分が「悪」になってしまうという意味でした。

ハンジはこの「順番」が来ること、いつか自分が断罪される側になってしまうことにずっと苦悩していたのです。

リヴァイとの別れのシーンでも、「ようやく来たって感じだ…私の番が」とリヴァイに告げています。

確かに、ハンジ自身の正義を貫く(=エレンの人類虐殺を止める)ためには、ここで悪役(=エレンを止める者は島内人類の生存を脅かす存在)となり死ぬしかない状況です。

時代が変われば、または視点が変われば、正義と悪は簡単にひっくり返ってしまう…進撃の巨人で何度も繰り返し描かれてきたこのテーマが、ハンジの苦悩によって痛切に表現されています。

順番の苦悩からの解放され本来の自分に戻れたハンジ

ハンジに残された最後の役割は飛行艇を飛ばす時間稼ぎをすること。

頼りになるリヴァイも導くべき後輩達もいない確実な死(=順番の制裁)への孤独な道中、ハンジが地鳴らし巨人群を見て放ったのは…

「…やっぱり巨人って 素晴らしいな」

巨人の壮大な神秘性を素直に称える一言でした。

この言葉が言えたのは、順番が来るかもしれないという恐怖から解放され(既に順番が来たので覚悟が決まったため)、他の仲間達もいないので団長としての役割も演じる必要がなくなった状況だったからこそでしょう。

焼け落ちていくハンジが笑っていたのは、孤独な死を目前にすることで、本来の巨人研究者としての自分に戻れたからだったのです。

このことはハンジにとって、そして読者にとって救いだったと言えるかもしれません。

ちなみに、このハンジの背中で交差している雷槍がまるで十字架のように描かれているのも、諌山先生の意図を感じますね。

ハンジ死亡回のタイトルがなぜ「自由の翼」なのか?

巨人研究者としての適性を持ちつつも、慣れない団長としての役割やいつか来る順番の恐怖に苦しんでいたハンジですが、最も調査兵団らしい人物であったと言えます。

かつて外国との関係を今後どうしていくか話をしていた時、ハンジは「会いに行こう 分からないものがあれば理解しに行けばいい それが調査兵団だろ?」と104期生に伝えていました。

また、アルミンに団長職を引き継ぐ時も調査兵団団長に求められる資質は 理解することを諦めない姿勢にあるとも言っています。

分からないものを恐れ忌み嫌い戦うのではなく、「分からないものを理解するために会いに行く」それが「調査」兵団なのだという信念をハンジは持っていました。(科学研究者であるハンジだから持てた視点かもしれない)

ハンジが死亡する回のタイトルが調査兵団のシンボル「自由の翼」なのは、ハンジという人物が最も調査兵団の精神を表現していたことの現れでしょう。

また、「自由の翼」の象徴であるハンジは焼け落ちてしまっても、その意志を受け継いだ戦友リヴァイ・新団長アルミン達は「飛行艇(=新しい翼)」で飛び進んで行った展開も熱いですね。

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リヴァイとハンジの特別な信頼関係が分かるエピソードのまとめ

リヴァイとハンジの特別な信頼関係が分かるエピソードとして、

  • 軽口を言うエピソードやお互いの不足部分を補うエピソードなど二人の特別な絆が描かれている話は多数存在する
  • 特に原作33巻第132話「自由の翼」ではリヴァイとハンジの別れにより二人の信頼関係が明確かつ繊細に描かれている
  • ハンジ死亡回で調査兵団の「自由の翼」の精神を最も体現した人物がハンジであると分かった

ことを解説しました。

カップリングとしてリヴァイとハンジが恋人関係にあったのかは不明ですが、二人の間に他の仲間達とは違う特別な信頼関係が存在したのは間違いありませんね。

【完結済み】進撃の巨人
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第35回講談社漫画賞。シリーズ累計1億部突破!2013年アニメ化、2015年実写映画化。2009年「別冊少年マガジン」で連載を開始し、2021年完結