【かぐや様は告らせたい】四宮かぐやのダークでやばい父と3人の兄たち

国の心臓そしてその本家本流の四宮家は、千を超える子会社を持ち、総資産200兆円の四宮グループのトップです。

四宮グループは高度経済成長期に国内有数の大財閥になっていきましたが、その過程で内紛や敵対的買収などで数多くの犠牲を出し、白銀父の経営していた「白銀製薬工場」も潰されるなど多くの屍の上に成り立っています。

その四宮グループの中枢である四宮一族とはどのような人たちでしょうか。

四宮かぐやの父で総帥・四宮雁庵の素顔

白髪で長髪、杖をつき歩く四宮家の現当主、早坂いわく「くそ爺」の雁庵はかぐやに対して父親らしいことは一切してこなかったようで、普通の親子なら当然ある会話の記憶がないかぐやにとって、自分が政治的な道具としてしか認識されていないと感じていますが、実はかぐやのことをいつも気にかけており父親としての責任を果たせなかった事を悔やんでいました。

妾の子で本当に雁庵の実子なのか怪しい事、母親である名夜竹が早くに亡くなった事、年が離れすぎてお互いどのように接すればいいか分からなかった事もあり、四宮家でも腫れ物に触るように接せられていたかぐやは雲鷹の元に預けられ、雲鷹によって帝王学を叩き込まれます。

雁庵自身はかなり年を取っており入退院を繰り返している状況ですが未だ跡目を譲っておらず、自分が死んでから黄光に総帥の座につかせ、かぐやにも他の兄弟と同じく財産を分配する事や若者らしくアパレルや化粧品関係、メディア関係の会社を任せる事を考えていましたが、黄光から「分配すれば一枚岩じゃなくなり弱くなる」と説得され全財産を黄光に譲る遺言にサインをさせられました。

そんな雁庵に対して御行はお家騒動で揉めて幽閉されていたかぐやを救う手立てとして、婚姻届けのサインをしてもらおうと入院する病院に出向くも、あの雁庵に臆することなく結婚の申し込みを行い、雁庵に全力のツッコミを強要します。

この後しれっと「義父さん」呼びも強行していますが、それもこれもかぐやが四宮家で力を付け自由に生きるための後ろ盾を与えるために御行が考えた策でした。

御行の熱量に根負けした雁庵は、黄光に無理やりサインをさせられた遺書の保管してある金庫の暗証番号を御行に伝え、あとは好きにしろ、つまり黄光側に肩入れするつもりはないと宣言し、病室から見守ることにします。

 

金庫の暗証番号とは?

雁庵と名夜竹が逢引きに使用した秘密の小部屋にある金庫の暗証番号で「01300101」という番号は名夜竹の命日とかぐやの誕生日です。

雁庵にとって名夜竹は特別な女性で、かぐやが実子かどうか検査することを拒み四宮家の人間として育てることにします。

秘密の小部屋の存在を知っているのは、かぐやはもちろんの事、長年雁庵の秘書を務めた早坂愛の父親・早坂正人など少数の人間に限られており、黄光の手の者には知らされていませんでした。

四宮かぐやのやばい兄たち

四宮家にはかぐやの他に三人の兄たちが存在し、それぞれが曲者でかぐやにとって強敵ともいえる存在です。

この三人を出し抜かなければかぐやの自由はなく、かぐやの為に生徒会メンバーは戦うことになります。

長男・四宮黄光

それまでもちょくちょく出ていましたが、第21巻209話で満を持して登場した四宮家次期当主筆頭、秀知院学園の理事長でもある、本作のラスボス的存在です。

登場時の威圧感、話の通じなさ、傲慢で相手に有無を言わせない態度、かぐやでなくても絶望的で逃げたくなると感じた人物ではないでしょうか。

四宮グループの力を増し加える為、そして自分の跡目争いを有利にするため、配下の早坂家を用いて情報収集や裏工作をしており、直接の雇用関係にある早坂愛にとって恐怖そのもので、逆らうことのできない絶対的な「旦那様」でもあります。

自分以外の三人の兄弟たちを見下してますが、特にかぐやを「女」という一言で片づけ駒の一つに過ぎないと考えており、かぐやが思い通りに行動しないときには早坂愛を人質に取ってかぐやのスタンフォード受験を取り下げさせたり、御行との交際を遊び程度に済ませるよう警告したり、「白銀家を日本から叩き出してやろうか!」と凄んだりしたこともありました。

その白銀家とは浅からぬ因縁があり、白銀父の経営していた製薬会社が乗っ取られて五億の借金を背負わされたのは黄光の仕業であると断定できます。

入退院を繰り返している父親であり現当主の雁庵に対しても「あと数週間でくたばる老人」と口悪く罵り、四宮家に関わる全ての人を自分の駒として扱う高圧的な態度は、一言でいうと「傲慢」と評され、かぐやにとって、この長男を出し抜かなければ未来はないと思わせる存在です。

 

白銀家との浅からぬ因縁とは?

具体的に何があったのか語られてはいませんが、白銀父が若い頃に黄光に噛みついたことがあり、それを恨んでいた黄光が「白銀製薬工場の経営が上手くいっており家族も幸せの絶頂という段階で叩き潰した」と言っていることから、黄光に恥をかかせるような個人的な事件があったのではないかと予想できます。

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かぐや様は告らせたいの表紙

それは「四宮家の汚い経営を暴露した」というものかもしれませんし、白銀父の辣腕によって黄光直属の部署が損害を受けたのかもしれませんし、もしかしたら「白銀母を二人が取り合った」という事があったのではないでしょうか。

結果、白銀家は黄光に目を付けられ家庭崩壊など苦労することになるのです。

次男・四宮青龍

青龍の初登場は第25巻249話というかなり遅めの登場だったわりには一番の小物として扱われています。

19巻の186話と187話の間の書下ろしの三男の人物紹介で「長男、次男に比べれば、三男は善人」、21巻の209話と210話の間の書下ろしでは、次男が「ひきょうもの」と書かれていましたが、黄光に「経営の事なんて何もわかってねえ金食い虫の坊ちゃん」と評され、雲鷹にも「大兄貴の腰巾着で器じゃない」と言われている通り、女性トラブルなどスキャンダルを頻繁に起こしその都度金で解決して遊びまくるような人物でした。

御行からも「口先一つでパシリに使われる間抜け」と言われる通り、自分のポケットマネーからかぐやとの手切れ金として10億をポンと渡すなど後先を何にも考えていない様子が伺えます。

かぐや奪還作戦で生徒会メンバーの障壁となる大した活躍もせず、暴露系ユーチューバーの配信という強迫を受けるなど四宮家に対する悪評を集中させ、黄光の怒りも買うことになりました。

三男・四宮雲鷹

第18巻181話最終コマで急に出てきた、かぐやから「プライドだけ高い無能」と呼ばれている三男の雲鷹は、後妻の息子という立場ゆえに後継ぎレースからは一歩遅れている為、四宮家内のポジションを補うための周囲を動かす処世術には長けており、かぐやを自分の手駒にするという目的もありながら兄として不器用な愛情をもって育て、幼いころから社交界に連れて行くなど帝王学を叩き込みました。

プライドの高さからか四宮家を裏切り海外を拠点に勢力を拡大している四条グループのことを快く思っておらず、四条グループのトップである同世代の四条眞妃の父親のことを毛嫌いしており、横柄な態度で「鼠」呼ばわりしています。

かぐやとの年の差は親子ほどですが、境遇の近い雲鷹の背中を見て育ったかぐやは自分でも嫌な性格である「人を信じない」「損得で判断する」「契約主義」など良くも悪くも雲鷹に似た性格になり、それゆえ雲鷹のことを特に見下していました。

また若い頃に早坂愛の母である早坂奈央を使用人として強く信頼していましたが、黄光の策略によりその関係も破綻し人を信じることを辞めて性格が歪むものの、自分の理になると考えた際はとても協力的で御行を雁庵の元に連れて行ったり、かぐやが雁庵の遺言書を破棄する手助けをしようとします。

御行自身も兄妹と思って見たらどことなく似てる気がすると言っている通り性格もそっくりで、もしかぐやが生徒会に入らず良い友達に恵まれなければ、三男のようになっていたかもしれません。

 

黄光の策略とは?

雲鷹と奈央さんがお互いに独身時代だった時期に一使用人としてだけではなく異性として恋愛感情を抱いていた可能性もありますが、雲鷹が奈央さんのことを「早坂」と呼んだり「早坂家」を毛嫌いしている描写があるので、雲鷹の使用人を務めていた頃、奈央さんは既に結婚していたと考えられます。

黄光の策略、つまり早坂家が本家の意向で兄弟たちの動向を探らせるために兄弟のそばに置かれていたのだとすると、かぐやと愛の間にあったような裏切りがあったはずですので、雲鷹は奈央さんのことをスパイである「鼠」と呼んでいるのでしょう。

なんにしても奈央さんもその時のことを反省しているようですので、雲鷹が早坂家を許し受け入れれば主従としての関係をもう一度構築することができるかもしれません。

四宮かぐやの信頼できる家族

かぐやは京都の本邸で生まれましたが、小学校に入るころには東京に越してきていました。

他の家族はどんな人たちでしょうか。

母・清水名夜竹

かぐやの実母で父である雁庵の妾でしたが、若いころから心臓が弱くかぐやが生まれた1月1日からすぐの1月30日に亡くなっておりすでに故人です。

祇園で夜職をやっていた名夜竹は一晩酒を注いで貰うだけで百万は軽く飛ぶ本物のVIP嬢でした。

教養があり知性に溢れた優しい女性でありながらどこか狡猾な面もあるとても魅力的な人でしたが、先天的な心臓病を患っていた名夜竹は雁庵の接客中に発作を起こしてしまい、雁庵は汗だくで病院に駆け込み「俺の心臓を移植してもいいから彼女を治せ!」とムチャを言うほど入れ込んでいたそうです。

名夜竹は療養のために店を辞めて実家に帰り少し経つと妊婦となって四宮家に現れた為よくある資産家を狙った詐欺だと雁庵の周囲が追い返そうとしますが、「この子は間違いなく俺の子だ」と雁庵が言い張り検査をしなかったこともあり、男を騙す女狐の汚名を浴び、かぐや自身が四宮家で冷遇されるものの、持病と出産の大変さからか、かぐやを産んですぐに亡くなってしまいました。

義姉と甥

生まれてすぐの甥っ子とホームビデオを撮ったことや、かぐやの誕生日を祝ってくれたことなど、四宮家の内情から考えてかなり仲がいい親族です。

雲鷹一家は四宮家の影響の薄い東京でかぐやを保護しており、雲鷹が幼少期のかぐやの身の回りの世話だけでなく、帝王学を叩き込むため社交界などに連れまわしていたことなどを考えると、雲鷹の奥さんと息子のことだと思われます。

かぐやと眞妃ちゃんが社交界で会って一緒に本を読む読まないの会話があったのは小学校入る前位の年齢なので、その頃はまだ雲鷹一家の庇護のもとにあったのでしょう。

四宮かぐやの関係者

四宮家としての振る舞いを求められる中、普通の人とは違った成長をしてきたかぐやの性格形成に影響を与えた人物は他にもいるのでしょうか。

四宮本家に忠誠を誓う早坂家

早坂家は代々四宮家に忠誠を誓う家系であり、四宮家総帥の雁庵の意向により他の兄弟たちの指示に従うので、雁庵の指示を踏み越える命令は例え次期総帥に一番近い黄光であっても従いません。

近侍、秘書、SPとして働く早坂家の人々はどんな人たちでしょうか。

早坂奈央

早坂愛の母親である早坂奈央はかぐやの乳母としてかぐやの生後間もなくお世話をしていましたが、早坂家が本家の意向で雲鷹の元で働いている黄光のスパイであるということがバレて追い出されたのではないかと推測されます。

かぐやが小学校に上がると本家の意向でかぐやの面倒を早坂家が見る事になりますが、愛が小学生でまだ多くのことが行えないうちは奈央さんもかぐやの側で仕え、本家の仕事が忙しくなるうちに奈央さんだけ生活を別にするようになりました。

飄々とした性格ですし、自身も四宮家に翻弄される人生を歩んできていますが、白銀父と一緒にかぐやをイジる事もありますが良好な関係を築いているようです。

早坂愛

かぐやの幼馴染である早坂愛は小学生のころから近侍として一生懸命働き、本家からかぐやとその身辺調査を任命されていることで罪悪感に押しつぶされそうになりましたが、二人で乗り越え主従関係を超えた友情を築きます。

忙しいかぐやを支えながら様々なアクシデント等に振り回されないよう常日頃からプランを立てるのが癖で、プライベートでも妄想デートプランなどを立てていました。

またかぐやのムチャぶりに答えているうちに即興力が大幅に鍛えられ、説明が面倒と思ったら放棄し、かぐやから睨まれたら御行への言い訳をとっさに考え出すなど重労働過ぎて転職も考えていましたが、修学旅行以降かぐやとの主従関係は解消され学生生活を満喫しています。

 

ポイント

愛は実際にはかぐやより一学年上ですが、かぐやの護衛のため小学生の頃から一つ下の学年で授業を受けていると考えられています。

根拠は誕生日の4/2が(公称)となっている、つまりかぐやと同じ学年になるギリギリの日まで誕生日を後ろにずらした事、愛はかぐやのことを妹、かぐやは愛のことを姉のように見ているという描写があった点です。

四宮家にはお抱えの医師もいますし、息のかかった警察や裁判官もいるので戸籍の改ざん位は簡単なことでしょう。

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お可愛い早坂回が初登場したコミックス3巻の表紙

早坂正人

黄光が次期総帥になると困ると考えていた折、かぐやの所属する生徒会メンバーのかぐや奪還と黄光が次期総帥になるのを阻止する計画が進行していることに気付き、かぐやの側に着くことを決め、奮闘する娘・愛をサポートすべく奈央を現場に向かわせます。

次期総帥一歩手前の黄光の横柄な態度に一ミリも臆することなく対抗し「我々の主人は貴方ではありません」と一喝する早坂パパは格好良かったです。

高等部生徒会メンバー

高校生になる頃には極度の人間不信に陥っていたかぐやは、「人の秘密を簡単にばらす人間が嫌い」「損得勘定抜きに行動できる人間などいない」などのモットーをもって誰も近寄らせませんでしたが、それでも純粋に仲良くなりたいと近づいてこようとする、白銀御行と藤原千花はかぐやの心を徐々にほぐしていきます。

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藤原千花が好きな人であるかぐやと一緒の8巻の表紙

石上の事を実の弟のように可愛がり、面倒を見る姿勢も打算だけで生きてきたかぐやからは考えられない事でしょう。

他にも恋愛相談をし合う柏木さん、オトナなDVDを一緒に見た眞妃ちゃん、石つば派として同盟を組んだ大仏など人を信じなかった頃のかぐやには考えられないほど多くの素敵な友人たちがかぐやの周りに集まります。

 

オトナなDVD事件とは?

恋愛に疎いかぐやのお手本は周りに少なく、柏木さんと彼氏の恋愛事情を見よう見まねで進めているかぐやにとって二人の言動は刺激の強いものばかりでした。

第17巻167話で柏木さんは初キスでディープなのをかますなどかぐやの恋愛ステップに危機感を持ち、柏木のママの部屋から拝借したオトナなDVDを見て勉強するようにかぐやに言い聞かせました。

第17巻168話で一人で見るように言われたかぐやでしたが、OA機器に疎いかぐやは自身で再生することができず、困っているところへ眞妃ちゃんが通りかかります。

ほっとけない眞妃ちゃんが手伝ってあげると、二人のファーストコンタクトの苦い思い出がフラッシュバックしますが、今度は上手く関係を構築することができ、二人仲良くそのDVDを見る事ができました。

生徒会メンバーや友人たちとの交流を深めるにつれ、教育上不必要だと抑圧された「あほかぐや」が顔を出すようになり、時に感情的に、時に本当にあほなことをしでかしますが、四宮家の一族とは違う普通の女性へとこれからも成長していきそうです。

四宮かぐやの父と3人の兄たちのまとめ

四宮家が複雑な家庭環境であることは以前から語られてきましたが、第19巻で早坂家との関係、21巻以降で黄光やその他の兄弟たちとの関係が明かされてくると、兄たちのヤバさに戦慄を覚えます。

それでもかぐやは学校内外でステキな仲間たちを得て、彼らの協力の元不自由な四宮家からの自由を獲得しようと努力する姿を応援せずにはいられません。

最終章も最終局面に突入していきますが、今後どのような決着を見せるのか、まだまだ盛り上がる「かぐや様は告らせたい」に注目です。

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