鬼滅の刃に登場する我妻善逸には兄弟子にあたる人物がいました。アニメにもほんの少し登場したようです。今回は、そんな兄弟子について
- 善逸の兄弟子獪岳(かいがく)とは
- クズと言われるその性格は?
- なぜ鬼になってしまったのか
- 因縁の戦いの最後
について紹介していきます。
目次
善逸の兄弟子「獪岳」とは
引用元:鬼滅の刃
- 獪岳(かいがく)
- 善逸の兄弟子
- 雷の呼吸の使い手
- 元・柱 桑島 慈五郎(くわじま じごろう)を師に持つ
- 声優:細谷佳正
鬼化後の兄弟子
- 上弦の陸
- 血鬼術 :全集中"雷の呼吸"と相手の体を崩壊
我妻善逸の兄弟子にあたる獪岳(かいがく)。元・鳴柱である桑島 慈五郎(くわじま じごろう)のもと、雷の呼吸の継承者として善逸と共に修行に励んでいた存在でした。
二人の関係は決して良いと言えるものではなく、獪岳は修行に取り組もうとせず逃げてばかりの善逸のことを嫌っており、何かと厳しい言葉を投げかけては「先生がお前に稽古をつけてる時間は完全に無駄だ!!」だと善逸に言い放ち、剣士を辞めるよう責め立てます。
善逸もまた獪岳を嫌ってはいるものの、自分とは違いひたむきに努力を重ねる彼を尊敬していました。そして、その背中を見ていつか肩を並べて共に戦うことを願っており、また、師匠である桑島も、そんな二人を平等に扱い、いずれ二人で雷の呼吸を継承してほしいと考えていて、お揃いの羽織まで渡しています(残念な事に獪岳がその羽織に袖を通すことはなかった)。
しかし、獪岳はこの考えに賛成することはなく、むしろ、善逸より何倍も優秀な自分だけをなぜ後継者にしないのかと怒りを露わにするようになります。
獪岳は雷の呼吸・壱ノ型だけが唯一使えない
引用元:鬼滅の刃
獪岳は“雷の呼吸・壱ノ型”だけが唯一使えなかったのに対し、善逸が“雷の呼吸・壱ノ型”しか使えなかった。
この対局的な技の極め方が原因で、二人の関係は最悪なものになったと言えます。
このような理由から桑島は二人を共同で雷の呼吸の後継者にしようと考えていましたが、獪岳は善逸と自分が同列に扱われるのが納得できず、善逸が贔屓されているのではないかと考えるようになりました。彼が善逸ばかり贔屓されていると感じたのは、自分には使えない壱の型が使える嫉妬や善逸が甘えん坊で慈悟郎に懐いていたからだと推測。
同じ修行をしているにも関わらず二人の間に差ができてしまったのは、基礎の習得にあると考えられます。自身の実力に気づかない善逸は、ただひたすらに基本だけを極めるよう桑島から教え込まれ、反対に、真面目で努力家だった獪岳は、自分は優秀であると桑島に見せるため基本である壱の型の習得を怠り、弐の型以上の習得にこだわり続けました。
獪岳がクズと言われるその性格とは
引用元:鬼滅の刃
「自分の才能を正しく評価する者が善で、自分を正しく評価出来ない者が悪」
獪岳は熱心な努力家であり、真面目に鍛錬に励んでいた反面、傲慢で自分が何より正しいと思っていて、真面目で努力家が故に自分の努力は認められて当然であると考えているため、非常に承認欲求が強い性格と言えます。
自分が誰よりも優れていると独善的であったからこそ、努力もしようとしない善逸の事を嫌い、自分の実力を正当に評価しようとしない桑島にも腹を立てるようになるほど。
獪岳の過去
引用元:鬼滅の刃
(右端、勾玉を付けている少年が獪岳)
幼少の頃、孤児だった獪岳は悲鳴 嶼行冥(ひめじま ぎょうめい)に拾われ、血の繋がりはなくとも本物の家族のように過ごしていました。しかし『ある子供が、言いつけを破り夜に出歩いていた時に鬼と遭遇し、自分一人が助かるために鬼に他の子供を売った』という事件が勃発。(原作17巻にて獪岳本人であると明言された)
その事件により、悲鳴は鬼を退治することに成功しますが、子供たちは鬼に襲われ亡くなります。悲鳴は冤罪であるにも関わらず、子供殺しの罪として裁かれることになり、この事件以降悲鳴は心を閉ざすように。
その後、獪岳は師である桑島に拾われ、後継者としての道を歩むはずでした。
獪岳は鬼へと変貌を遂げる
引用元:鬼滅の刃
「……生きてさえいればいつかは勝てるという彼の考えによって、惜しくも自分の命を捨ててまで相手に立ち向かおうという考えに行くことはなかった。」
獪岳が鬼となった運命の分岐点は十二鬼月最強の鬼、"上弦の壱"黒死牟に遭遇したことです。良くも悪くも彼の感性は一般的であり、黒死牟を前にしただけで恐怖と絶望を感じたのではないでしょうか。その圧倒的な実力差の前に追い詰められた彼は土下座をしてまで命乞いをした結果、黒死牟によって提案されたのは鬼への勧誘でした。
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そして獪岳は、無惨の血を摂取。その結果、人を貪る鬼へと変貌。
因縁の対決に終止符を
引用元:鬼滅の刃
『無限城決戦』編にて再開を果たす二人。そこには鬼となった獪岳の姿が。
彼は、十二鬼月の一人として登場し、敗死した堕姫と妓夫太郎に代わって"上弦の陸"の座を与えられていました。鬼となった彼の戦闘力は人間だった頃よりも強くなり、雷の呼吸と血鬼術を組み合わせた攻撃を繰り出してきます。また、自身の血鬼術によって刀の斬れ味は強化、呼吸の演出も善逸と異なり黒い雷となっていて、そして、その斬撃を喰らうことで体に亀裂がはいり、肉体をひび割り続けるのです。
鬼化したことにより精神の歪みが加速した獪岳は、善逸が伝えた弟子から鬼を出した不始末の償いとして自害を選んだ慈悟郎のことも侮辱。「先生」と尊敬していた桑島のことを正当に評価しない奴が悪い、苦しみながら死んで清々したと吐き捨てます。そんな獪岳に善逸は一言、
「俺がカスならアンタはクズだ。壱ノ型しか使えない俺と壱ノ型だけ使えないアンタ。後継に恵まれなかった爺ちゃんが気の毒でならねぇよ。」
引用元:鬼滅の刃
二人の因縁の戦いでは、雷の呼吸に加え鬼化で得た相手の体を崩壊させる血鬼術を組み合わせた攻撃により、善逸は致命傷に近い傷を負ってしまいますが、善逸が「いつか獪岳と肩を並べて戦うため」に編み出した漆(しち)ノ型によって獪岳の頸は落とされます。
あれだけ馬鹿にしてきた善逸は自分だけの型を編み出し、それによって自分は首を落とされ敗北。その事実を受け取ることのできない獪岳。しかし、善逸も死ぬのであれば負けではないと勝った気になっていた所に、愈史郎と他の隊士が駆けつけて善逸を救出しました。そして、愈史郎からこれまでに行ってきた自分勝手な言動に対する嘲りと哀しみの言葉を浴びせられ、獪岳はあらゆるものを踏み台にしてまで保とうとしていた己の醜い自尊心が覆しようもない形で折れていく事に、もはや声とも言えない断末魔を上げながら消滅してしまうのです。
まとめ
- 善逸の兄弟子だが、善逸を後継者として認めていなかった
- 努力家で真面目だったが故に人一倍承認欲求が強かった
- 幼少期からあらゆるものを踏みにじって保ってきた自尊心は、善逸の真っ直ぐな思いに崩れた
真面目で努力家なのも行き過ぎれば、それはむしろ短所にもなるということがよく分かりましたね。
『無限城決戦』編での最後の戦いは、柱でなかった善逸に負けてしまった事からまだまだ鬼としての実力がなっていなかったことになりますが、愈史郎いわく“生き残れたのは獪岳がまだ自分の術や能力を使い熟せていなかったから”。"もし戦いが一年後であったら善逸は即死(敗北)していただろう"と。同じく呼吸の使い手でもあり十二鬼月最強の鬼、"上弦の壱"黒死牟の実力を見れば、獪岳の底知れぬ強さは凄まじかったかもしれません。
善逸と獪岳の因縁の戦いでもある『無限城決戦』編は、無惨が産屋敷家に来てから物語完結までの16巻137話〜23巻205話。143話〜146話が獪岳戦となります。