漫画家・荒川弘の代表作である鋼の錬金術師には、敵味方問わず非常に個性的かつ魅力的なキャラクターが多く登場します。
その中でも作中の言動によって徐々に人気キャラクターへと上り詰めた存在が、ホムンクルスの1人であるグリードです。
今回はそんなグリードの、
- グリードのプロフィール
- グリードの能力
- グリードとリン・ヤオとの関係
- グリードの最後
などについて詳しく解説し、グリードについてより深く掘り下げを行っていきたいと思います。
また、本記事は基本的に原作漫画版及びFA版のみの記述となりますので、旧アニメ版、実写映画版、舞台版などの設定に言及しません。
グリードのプロフィール
鋼の錬金術師に登場するキャラクター・グリードの主なプロフィールは以下の通りとなっています。
- 名前:グリード
- 性別:男性
- 対応する大罪:強欲
- ウロボロスの刺青の位置:左手の甲
- 身長:181cmくらい(初代)/170cmくらい(2台目)
- 固有能力:体内の炭素の結合度を変化させる
- 初登場:コミックス第6巻25話「師弟のけじめ」
- 声優:中村悠一
鋼の錬金術師に登場するキャラクター・グリードの初登場はコミックス第6巻25話「師弟のけじめ」で、明確にホムンクルスとして登場した4番目の人物となります。
漫画家・荒川弘の代表作の1つに数えられる作品が、2001年から2010年まで「月刊少年ガンガン」で連載された、鋼の錬金術師です。 本作の中で長い間、主人公のエドワード・エルリックと、アルフォンス・エルリックの前に立ち塞がっていたのが、[…]
名づけられた大罪通り、非常に強欲な性質の持ち主であり、好戦的で乱暴な言動から、いわゆる俺様系のような性格という印象を受けるでしょう。
その反面、コミックス第7巻28話「匹夫の勇」などでも見られる、嘘をつかない、女に暴力は振るわない、自分のものは自分で守り抜く、という自分の中に一定の規範を備えている様子が存在します。
更に強欲故に、全てが自分のモノという自負があるのか、人間や合成獣などを差別せず、時に懐へ入れてしまう、というような度量の深さも作中にて見せていました。
作中ではそんな性質もあいまって、コミックス第7巻27話「ダブリスの獣たち」のように、人間社会に戻ることができない人間ベースの合成獣たちがグリードのもとに集い、徒党を組んでいる様子が見られます。
ツンデレ的な言動や人間味あふれる魅力的なキャラクター性で人気を獲得し、最終的には多数のファンを抱える人気キャラクターに上り詰めた人物と言えるでしょう。
グリードの強さと能力
鋼の錬金術師の登場人物、ホムンクルス・グリードの固有能力は、体内に存在する炭素の結合率を変化させ、強度を変えて利用するというものです。
最大強度はコミックス第7巻28話「匹夫の勇」でも見せた通りに、ダイヤモンドと同等まで上げられ、グリード自身も自らの能力を最高の盾だと口走るほどに自信を持っていました。
また、高い強度を誇る炭素を肉体に纏わせることで攻撃に利用することも可能となっており、攻防一体の能力と言えるでしょう。
更に強度調整はマイナス方面にも扱うことができ、強度をボロ炭程度にまで低下させてしまうことも可能です。
コミックス第27巻108話「旅路の果て」におけるお父様との最終決戦においては、この能力を利用して自身を取り込んだお父様の肉体をボロ炭程度に変化させてしまっています。
反面、硬化能力は作用するまでに若干のラグがあり、盾を突破された場合の連続攻撃には滅法弱いという弱点を抱えていました。
また、炭素を利用しているという性質上、錬金術師に材料が見抜かれた場合、錬金術で炭素に変化を加えられ、能力を無効化されてしまうという、性質ならではの弱点もあります。
作中ではコミックス第7巻29話「王の眼」で前者の弱点をキング・ブラッドレイに、後者の弱点をエドワード・エルリックに突かれていますね。
グリードの最初の目的と仲間たち
グリードはコミックス第6巻25話「師弟のけじめ」で登場した当初、完全な不老不死を得ることを目的としていました。
欲深いグリードはその目的達成をお父様の元では行えないと感じ、お父様の元から逃げ出し、酒場・デビルズネストで表では生きていけないような人間たちを部下として、目的のために活動していたのです。
その目的のために、鎧の肉体を持つ、不死に近い存在だと感じたアルフォンス・エルリックに接触をしました。
そんなグリードの元には、かつてアメストリスが行っていた倫理に反する人体実験の末に生まれた、人間と動物の合成獣となってしまった以下のような者がおります。
- ビドー(トカゲと人間の合成獣)
- ロア(牛と人間の合成獣)
- マーテル(蛇と人間の合成獣)
- ドルチェット(犬と人間の合成獣)
- ウルチ(鰐と人間の合成獣)
グリードは部下である彼らを自分の所有物として扱っていますが、欲深故に部下を見捨てない、とキング・ブラッドレイに啖呵を切るほど大切にしていました。
グリードとリンの関係
鋼の錬金術師に登場するグリードは、コミックス第8巻31話「己の尾を噛む蛇」で一度死亡し、コミックス第14巻54話「愚者の足掻き」でリン・ヤオの肉体を容器として復活しました。
そのため、最初のグリードとリンの関係は、寄生先と宿主といったようなものであると言えるでしょう。
グリード自身もリンの魂を喰らって肉体の主導権を奪おうとしたのですが、リンは不老不死を得るという己の目的のためにグリードを受け入れ、肉体の主導権を明け渡したのです。
しかし完全に自由であったわけではなく、リンはグリードの中に残り続け、コミックス第14巻56話「円卓の獅子」のように、隙あらば主導権を奪おうとしていました。
しかし、コミックス第20巻82話「魂の家族」でのビドー殺害やエドワードとの再会、コミックス第24巻99話「永遠の暇」におけるフーやバッカニアの死亡、人々の意志や心を受けて、徐々に関係性が変化するのです。
グリードの本当に欲しがっているものや、リンの心に触れ、奇妙な関係から始まったグリードとリンは、最終的に唯一無二の友人・半身のような関係に至ったと言えるでしょう。
グリードはいい奴だったのか?
グリードは決して慈悲深く心優しい人物ではありませんが、人間味に溢れ、義理人情に厚い心を持ったいい人であると結論付けられます。
コミックス第6巻25話「師弟のけじめ」での登場当初から、女性であるイズミに対して暴力を振るおうとしない、部下の蹂躙に対して強い怒りを見せるなど、どこか憎めない人間性を示していました。
記憶を失った後にも、コミックス第20巻82話「魂の家族」でかつての仲間を手にかけたことで一部の記憶を取り戻すなど、それだけ仲間という存在に対して強い感情を抱いていたことが示唆されています。
更にコミックス第25巻100話「開かずの扉」ではフーやバッカニアの恩義に報いるために、遺言を受けて作戦本部の門を守るために奮闘するなど、筋を通す信念も見られました。
鋼の錬金術師といえばエドとアルの兄弟愛や派手な戦闘、ときには受け入れがたい現実を突きつける大ヒット漫画で、その中でも作品のキーになっている人造人間のホムンクルス。 このホムンクルスは「お父様」と呼ばれる存在の手足となって人々の敵となる[…]
最終的には、嘘をつかないという自分の信念を曲げてまで、友にして半身のリンを助けるなど、よりいい人エピソードを強めて退場したのです。
以上のことから、なんだかんだ口は悪く、己の欲望のために活動していたとはいえ、それを理由として起こす行動が仲間や周囲のためになることも多いため、根はいい人だと言われており、そのツンデレじみたキャラクター性が、グリードをいい人であるとファンに評価させ、人気を鰻登りにした原因ですね。
グリードの最後
グリードの最後が描かれたのは、コミックス第27巻108話「旅路の果て」です。
エドワードと人間たちは力を束ねてお父様に攻撃を行い、強大な力を誇るお父様の体内にある命のストックを徐々に削っていきました。
熾烈な戦いの最中でグリードは己が本当に欲しかったのは、こうして肩を並べて共に戦い、苦楽を支え合いながら進む、仲間であったことを悟ります。
そんな中でお父様はグリードの体内にある賢者の石を、自らのストックを補充するために、グリードの中にいるリンごと吸収しようとしました。
グリードはリンに自らの信念を曲げて嘘をつき、グリードと共にいようとするリンと決別すると、独りお父様へ吸収されてしまいます。
ですがグリードは最後の抵抗、遅めの反抗期と称して、お父様の肉体をボロ炭同然の強度にして崩壊させていきますが、その行動を煩わしいと考えたお父様に魂を噛み砕かれて死亡しました。
死に行く最中、グリードは自らの散り際を悲しげに見つめるリンやエドワードらの存在に気づき、自分が欲しかったものがとうとう手に入ったと、彼らを魂の友と呼びながら満足げに消えていったのです。
まとめ:グリードは敵だったが最後まで仲間思いのいい奴だった
- 鋼の錬金術師に登場するキャラクター・グリードはホムンクルスという人造人間であり、七つの大罪の強欲の名を冠している
- 登場当初は完全な不老不死を手に入れることを目的としており、合成獣となってしまった人間を部下として活動していた
- リン・ヤオとは最初1つの肉体を2つの魂で取り合うような形だったが、最終的には魂の友とも言える存在になった
- 最後はリンと決別しお父様に吸収されてしまい、能力を利用した抵抗で勝利の糸口を作ったものの、魂を砕かれて死亡した
- 義理人情に厚く人間味に溢れたキャラクター性、俺様系ながらに憎めない言動でいい人扱いをされている
鋼の錬金術師に登場するキャラクター・グリードはホムンクルスと呼ばれる人造人間であり、物語の黒幕であるお父様に創造された存在でした。
冠した大罪の名称通りに強欲ですが、強欲故に一度懐に入れた物は絶対に守り抜く、嘘はつかない、女は殴らないなどの信念を持ち、義理深い性格の持ち主です。
物語を一度退場した後にリン・ヤオの肉体を容器として復活し、当初は肉体の持ち主であるリンとは険悪な雰囲気だったものの、徐々に関係を改善し、最終的には魂の友と呼ぶに至ります。
仲間を絶対に見捨てないという性格、受けた恩は必ず返す性質、実は仲間を欲していたという人間性は、多くの読者やファンに彼がいい人であるという印象を植え付け、愛される原因を作りました。



