【葬送のフリーレン】ゲナウの魔法は黒翼!相棒の死や性格と再登場はあるのか

一級魔法使いゲナウは、魔法都市オイサーストで開催された一級魔法使い選抜試験に登場した試験官ですが、一級試験編の後も再登場しています。

今回は、

  1. ゲナウのプロフィール
  2. ゲナウの魔法
  3. ゲナウの試験官としての思想
  4. ゲナウの再登場と活躍
  5. ゲナウと相棒について

などゲナウについて紹介していきたいと思います。

ゲナウのプロフィール

ゲナウは大陸魔法協会に所属する一級魔法使いの男性です。

初登場は単行本4巻第37話「一級試験」であり、一級魔法使い選抜試験においては第一次試験官を担当し受験者に概要を説明する立場にありました。

一級魔法使いとしての担当区域は北部高原であり、魔族の残党が蔓延る北部にて常に死と隣り合わせの任務に就いています。

ゼーリエ曰く優しさの欠片も無い嫌な奴だそうです。

ゲナウの魔法

ゲナウの魔法は黒金の翼を操る魔法ディガドナハトという黒翼を纏う魔法です。

絵的には物凄く中二くさい魔法ですが、魔族将軍レヴォルテが放つ剣撃を防ぎ致命傷を与える攻撃力を兼ね揃えた攻防一体の優れた魔法であり、頭上高く飛び立っていた事から飛行能力もあると考えられます。

また、上空から羽を弾幕のように打ち出す攻撃方法もあるようで、近距離では魔族将軍の表皮を抉る翼の攻撃、中距離からは羽を飛ばす攻撃、空中にも強いという隙の無い魔法のようです。

魔法使いでありながらもある程度接近戦も得意であると公言している他、一般攻撃魔法も扱える筈なので一級魔法使いの中でも上位の実力者なのかもしれません。

因みに鳥を操っているのか、もしくは具現化しているのかは分かりませんが、鳥を介して監視する能力もあるようです。

試験官としてのゲナウの思想

一級試験において、ゲナウは北側諸国グローブ盆地を試験会場に選び、試験区域に生息する隕鉄鳥(シュテイレ)と呼ばれる魔力探知が通用しない獲物の捕獲を合格条件に指定しています。

二次試験官ゼンゼ曰く、魔法使いの試験に魔力探知が通用しない獲物を選ぶのは完全な運任せであり、一次試験内容は争奪戦に見せかけた対人戦であると指摘しました。

また、ゲナウの試験は対人戦ひいては危険な魔物が生息する試験区域を指定している為、彼が担当する試験では死亡者がよく出ているようです。

ゲナウ曰く有望な魔法使いはこの程度は死なず運も実力の内であると共に、一級魔法使いにはそれだけの価値があると断言しています。

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葬送のフリーレンの表紙

そんな中、運要素以外で隕鉄鳥を捕まえた受験者フリーレンには一定の評価を見せましたが、一方でフリーレンがゼーリエが張った結界を解析して結界を解除した際には驚きを隠しきれずにおり、ゼンゼにその素性を聞かされると「…最後の大魔法使いか」と呟きました。

ゲナウの再登場

ゲナウの再登場は単行本8巻第71話「討伐依頼」になります。

勇者ヒンメルの死から30年後、ゲナウは一級魔法使いになったばかりのメトーデと二人でゼーリエ直々の討伐要請を受けて北部高原ルーフェン地方にある故郷の村に向かいましたが、そこは既に魔族に滅ぼされた後でした。

ゲナウは村に滞留する魔族の討伐を完了すると、北部では遺体に魔物が集まり貪りつくされる為に墓を建てられないとしてメトーデと共に遺体を協会に運び一時保存します。

そんな中、同じく大陸魔法協会から要請を受けたフリーレン一行と村で遭遇し合流すると、村人の遺体に祈りを捧げるシュタルクにやや感謝の姿勢を示しつつ、メトーデの検死魔法を下に遺体の損傷具合から村に駐留していた騎士団を全滅させた主力の魔族の一人が四刀流の使い手である事を特定しました。

また、ゲナウはメトーデ達が敵を分析する中、魔族の襲撃で破壊された結界を張り替えています。

メトーデの解析により村を襲った魔族の主力は四体存在し、その内の一体が魔族の将軍で四刀流の使い手だと聞くと、過去に任務でペアを組んでいた相棒が子供を庇った事で殺害され取り逃がした因縁の魔族であると確信しつつも口には出さず、ノルム騎士団が死体を引き取りに訪れるまでは自分が村を見張る事を提案し魔族の探索はメトーデとフリーレン一行に一任しました。

しかし、シュタルクはフリーレンは前衛がいなくてもある程度前線で戦えて引き際を弁えているが、ゲナウの場合は万が一魔族が村に戻ってきても故郷の村人を置いて逃げる事は出来ないと判断して一緒に村に残る事にしたのです。

魔族の探索に出発するフリーレン一行を見送った後は、シュタルクにかつて子供を庇い亡くなった相棒の姿を重ねて「お前はいい奴だな、きっと長生きできない」と述べると、柄にもなく自分の心情を吐露しています。

ゲナウ&シュタルクvs神技のレヴォルテ

シュタルクと村に残ったゲナウは、村を襲撃した魔族の将軍がかつての相棒を殺害した神技のレヴォルテだと確信し、レヴォルテの情報をシュタルクと共有します。

そしてその晩、ゲナウの読み通りさっそくレヴォルテが襲来すると、レヴォルテは以前にゲナウを見た記憶があり詳細を訊ねますが、ゲナウはそれを拒絶し「害虫を駆除するときに一々名乗りを上げるのか?」と挑発しました。

戦闘に突入すると、レヴォルテの四本の剣は魔法で作り上げている為、重量を変幻自在に操り、時には羽より軽く、時には巨岩のように重くなるという特徴から決して正面から受けてはいけないとシュタルクに忠告します。

ゲナウは攻防一体の魔法「黒金の翼を操る魔法」を展開して黒翼を具現化すると、レヴォルテの剣を受け流して応戦し、シュタルクも正面から受け止めずにゲナウのアドバイス通り斧で受け流す事に専念しました。

しかし、手数や反射速度に長けたレヴォルテの攻撃を搔い潜って隙を突く事は困難であり、このまま攻撃を受け流すだけでは持久戦に持ち込まれて確実に負けてしまうと考え一度態勢を整えようと考えるゲナウでしたが、遂にシュタルクが斬られてしまうのです。

が、シュタルクはわざと自分を斬らせる事でレヴォルテに隙を作らせただけであり、ゲナウはシュタルクの思惑に気づくとレヴォルテに生じた僅かな隙を見逃さずに翼で横腹に致命傷を与えるのでした。

止めを刺そうとするゲナウでしたが、レヴォルテは以前ゲナウと遭遇した時の事を思い出したと語り始め、亡くなった相棒の最期がどんなものだったか知りたくないかと交渉に出ます。

ゲナウはレヴォルテの言葉に耳を傾けず黙らせようと攻撃に転じようとしますが、レヴォルテは冷静に「では最後に私からの助言だ。生存者の確認はもっとしっかりやったほうがいい」と述べるのです。

僅かな気配を感じたゲナウが振り返ると、そこには人間の子供が物陰から覗いており、ゲナウが虚を突かれたような表情を浮かべた瞬間、レヴォルテはゲナウに斬りかかります。

ですが、ゲナウは冷静に一太刀を翼で凌ぎました。

しかし、レヴォルテは次に子供に向かって剣を投げつけると、ゲナウは剣が届くより早く子供を抱えて救出しますが、何とその子供は魔族が変化した偽物であり、ゲナウは子供にお腹を刺されて致命傷を負ってしまうのです。

皮肉にもかつての相棒と同じ過ちを犯したゲナウでしたが、ゲナウはすぐに体を起こすと子供に化けていた魔族を翼で両断し殺害、そして、片膝をついたままレヴォルテと対峙します。

ゲナウは再び相棒の死を回想すると、相棒の棺を前にゼーリエに言われた「優しい魔法使いは長生き出来ない為、お前はずっとそのままでいろ」という言葉を思い出しつつ死を覚悟しました。

しかし、レヴォルテの剣が振り下ろされると復活したシュタルクが間に割り込んで剣を正面から受け止め、かつてアイゼンから教わった「戦いとは最後まで立っていた奴が勝つ」という言葉をゲナウに贈り、ゲナウを奮い立たせるのです。

そして、ゲナウはシュタルクの考え方に共鳴し悪あがきに出るのでした。

一方でレヴォルテも致命傷を受けているせいで剣の魔力を維持出来なくなっており、シュタルクが剣を一つ叩き折ったのを皮切りに二人の猛追で四本全ての剣を折られてしまいます。

しかし、武器を失ったレヴォルテは素手で二人の腹部を貫くのです。

今度こそ致命傷を負ったゲナウとシュトルクですが、シュタルクは斧を振り上げてレヴォルテの腕を粉砕すると、ゲナウはレヴォルテの胴体を翼で切り裂き完全に息の根を止めるのでした。

レヴォルテ討伐後、既に夜明けとなりゲナウは意識を失っていましたが、他の魔族の主力を討伐して帰還したメトーデにより怪我を治療され生存しており、メトーデからシュタルクも治療されて生存している事を聞かされて安堵しています。

また、シュタルクに対しては「あいつはよくやってくれたよ」と一端の戦士として認めており、シュタルクの怪我の具合を確認したり、本人にはいずれ借りは必ず返すと約束しました。

今回の魔族討伐後、怪我が治るまではフリーレン一行と共に村に駐留しており、フリーレン一行が旅立つ同日には到着したノルム騎士団の護衛に加わっています。

フリーレン一行と別れる際にはメトーデに注意され「ありがとう、助かったよ」と彼等にお礼を述べました。

ゲナウの意外な内面と優しさ

冷淡で現実主義者、人の心が無いように思えるゲナウですが、故郷の村の知り合いを救助した際には、例え助からないケガであったとしても背負い「奴らは皆殺しにした」「村の皆は無事だよ、皆助かる」「お前も助かる」と声色こそ変わらないものの安全な場所まで担ぎ声を掛け続けていました。

その怪我人は子供の頃によく遊んでいたパン屋の息子でしたが、既に息を引き取った後もその人物の半生を淡々と語っており、彼が焼き上げたパンをもう食べられなくなった事を口惜しそうにしています。

また、村人の遺体を収容した協会に連れて行った後は「皆一緒だ、こいつも寂しくないだろう」と死後のケアもしている他、なぜ戦いの道を選んだ一級魔法使いの自分達が生き残り、戦いを望まない彼等が死ななければならないかという理不尽を口遊みました。

ゲナウは表情こそ変わりませんが、鳥を使って見張りを立てる事が出来るらしく、この時に村の周辺を見張る鳥に宿した魔力はフリーレン曰く「凄い殺意のこもった魔力だったから魔族だと思った」と勘違いされるほどであり、内心彼が怒りで満ち溢れていた事が窺えます。

同じく大陸魔法協会の要請を受けて合流したフリーレン一行のシュタルクとは馬が合うのか、魔物は人間の死体を掘り起こして貪る故にここでは遺体を埋葬できないという北部の事情を話しており、故郷の地で眠らせてやる為にノルム商会が提案する遺体を燃やして還すという合理的な考え方に賛同している事を打ち明けました。

感情が無いように見えるだけで、考えている事は誰よりも人間臭いのがゲナウの内面です。

ゲナウの相棒の死

ゲナウにはかつて一緒に任務に就いていた相棒がいたそうです。

その相棒は見ず知らずの人の為に本気になれるような性格で、笑顔で騒がしく、ゲナウ相手にも友人みたいに馴れ馴れしく語り掛ける「いい奴」でした。

しかし、とある任務にて魔族と交戦中に見知らぬ子供を庇い殺されてしまったのです。

この時の出来事をゲナウは「私だったらそんな馬鹿な真似は絶対にしない。今までだって見捨ててきた」とメトーデに語っており、北部高原の任務を任される一級魔法使いは三度の飯より戦いが好きな奴だと話した上で「お前は俺のようになるな」と忠告しメトーデの反面教師となっています。

なお、相棒の死体が眠る棺を前にしたゼーリエが優しい魔法使いは長生き出来ないと語った際には「立派な最期でした」と柄にもない事を述べました。

ゼーリエはそんなゲナウに向けて「お前は優しさの欠片も無い嫌な奴だ、ずっとそのままでいろ」と述べていますが、ゼーリエもやはり弟子が死ぬのは出来るだけ見たくないのかゲナウには優しい人間にならないように忠告しました。

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葬送のフリーレンの表紙

ゲナウは人の死に慣れすぎて何も感じない

神技のレヴォルテとの決戦前、シュタルクは亡くなった村人の死体を守る為に村に残る事を選択したゲナウに対し「俺にはあんたがいい奴に見えるよ」と述べていますが、ゲナウはこう切り返しています。

自分は北側諸国の平穏の為に人を殺し大勢を見捨ててきた「いい奴」とは正反対の人間であり、死というものに慣れすぎて故郷が滅びたというのにまるで悲しくもないし何も感じないと吐露するのです。

ゲナウが魔族を警戒して村に残るのはただこうするべきだと思ったからという本能的な思い付きであり、今まで散々人を見捨ててきたというのに今回の自分の行動を客観的に見つめて「今更何をやっているんだろうな」と冷静に捉える自分もいました。

ただ、何も感じないのは自分が行ってきたことの「報いである」と皮肉に思っているようです。

ゲナウの魔法や性格と再登場のまとめ

  1. ゲナウは大陸魔法協会所属の一級魔法使いであり、北部高原を担当している
  2. ゲナウの魔法は黒金の翼を操る魔法ディガドナハトという黒翼を纏う魔法
  3. ゲナウは一級魔法使いになるには実力と運が要求されるという考え方から、一級試験の一次試験官を担当した際には魔力探知が出来ない隕鉄鳥の捕獲を合格条件にして、隕鉄鳥の争奪戦を念頭に置いた対人戦に仕向けている
  4. ゲナウはゼーリエ直々の任務要請を受けてメトーデと共に単行本8巻で再登場しており、現地で合流したフリーレン一行と共に村を襲撃した魔族と戦い勝利している
  5. 村で討伐した神技のレヴォルテはかつての相棒を殺した仇であり、子供を庇って死亡した相棒と同じ事をして致命傷を負うもシュタルクとの共闘で今回は勝利した
  6. シュタルクとは今回の共闘を経て高い評価と信頼を置いている
  7. ゲナウは人の死に慣れすぎて何も感じないと述べているが、実際には内面で多くの事を考えている

一級試験で登場したゲナウは北部高原担当の一級魔法使いという事で再登場しており、そのキャラクター背景を深堀りされました。

再登場によりゲナウの半生を知る事が出来た結果、冷淡で機械的無感情な彼の中にも良心があり、人並みに葛藤している事が知れて魅力がぐーんと上がったように思えます。

特にシュタルクとの共闘でゲナウの本心が知れて彼を好きになった読者も多いのではないでしょうか。

今後も再登場を願いたい所ですが、暫くは期待できそうにないですね。

葬送のフリーレン
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魔王を倒した勇者一行の後日譚ファンタジー 魔王を倒した勇者一行の“その後”。 魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。 彼女が”後”の世界で生きること、感じることとは-- 残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは-- 物語は“冒険の終わり”から始まる。 英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!