水の呼吸と言えば主人公・竈門炭治郎が扱う周知の呼吸の一つですが、作中では水柱・冨岡義勇の存在もあり一番多く使用された呼吸です。
今回は、
- 水の呼吸の全型と名前の一覧
- 水の呼吸の全型の技の詳細
- 水の呼吸の派生について
- 鱗滝左近次式の修業法
等、水の呼吸について判明している事を紹介したいと思います。
- 1 水の呼吸の全型と名前の一覧
- 2 水の呼吸についてのまとめ
水の呼吸の全型と名前の一覧
壱ノ型 | 水面斬り(みなもぎり) |
弐ノ型 | 水車(みずぐるま) |
参ノ型 | 流流舞い(りゅうりゅうまい) |
肆ノ型 | 打潮(うちしお) |
伍ノ型 | 干天の慈雨(かんてんのじう) |
陸ノ型 | ねじれ渦(ねじれうず) |
漆ノ型 | 雫波紋突き(しずくはもんつき) |
捌ノ型 | 滝壺(たきつぼ) |
玖ノ型 | 水流飛沫・乱(すいりゅうしぶき・らん) |
拾ノ型 | 生生流転(せいせいるてん) |
拾壱ノ型 | 凪(なぎ) |
水の呼吸は炎、風、岩、雷、水の基本の5つの呼吸の一つであり、全部で十一個の型が存在ます。
鱗滝や他の水の呼吸を扱う育手の型は壱から拾までとなっていますが、現水柱・冨岡義勇のみが自身で編み出した拾壱ノ型を扱えるようです。
連載初期の方では使用時に「全集中・水の呼吸──」という風に心の中で唱えていましたが、連載が進むにつれて「全集中」の部分は省略されています。
壱ノ型【水面斬り(みなもぎり)】
使用相手 | 手鬼、矢琶羽、累、雑魚鬼 |
使用巻数・話数 | 1巻7話、3巻18話、5巻37話、16巻140話 |
水面が広がるように水平に刃を振るう攻撃技です。
強固に守られた頸をも一撃で切断する基本にして使い勝手の良い水平斬りの技であり、藤襲山の最終選別では手鬼の堅い頸を斬り落としましたが、那田蜘蛛山での下弦の伍・累相手に使用した際には血鬼術の「糸」に刀を折られて不発となっています。
無限城では奇襲する鬼に対して振り向き様に使用し頸を飛ばしている事から、発動までの時間が比較的短い便利な技なのかもしれません。
弐ノ型【水車(みずぐるま)】
使用相手 | 手鬼、沼の鬼、矢琶羽、父蜘蛛、猗窩座 |
使用巻数・話数 | 1巻6話、2巻10話、3巻17-18話、5巻35話、16巻148話 |
全身を水車のように回転させる縦回転の斬り技です。
竈門炭治郎や冨岡義勇はこの技でよく鬼から人間を助けているので、飛び込みやすい姿勢から遠くから割り込みやすい技なのかもしれません。
那田蜘蛛山では父蜘蛛相手に使用したものの表皮が固すぎて腕で防がれました。
なお、応用技の弐ノ型・改「横水車」は文字通り体を横向きに倒して放つ回転斬りであり、矢琶羽に対して使用しています。
参ノ型【流流舞い(りゅうりゅうまい)】
使用相手 | 朱紗丸、矢琶羽、堕姫、鬼舞辻無惨、雑魚鬼、猗窩座、鬼舞辻無惨 |
使用巻数・話数 | 2巻16話、11巻91話、16巻139話、16巻140話、16巻148話、22巻189話 |
水流に身を乗せて流れるように移動し刃を振るう攻撃技です。
流れるように動く事で多方向への攻撃が可能となっており、炭治郎は朱紗丸と矢琶羽の血鬼術を前にこの技で全ての毬と矢印を迎撃しながら鬼を斬りました。
遊郭編では堕姫の縦横無尽に迫り来る帯攻撃を捌く為に使用しています。
産屋敷邸にて鬼舞辻無惨と対峙した際には、冨岡義勇が他の柱達との連携に合わせたのか参ノ型を使用していましたが、鳴女の血鬼術により足場が開き無限城へ落とされた為に不発に終わりました。
なお、冨岡義勇は無限城でも炭治郎に合わせ雑魚鬼相手に使用している他、猗窩座と対峙した際にも使用している為、お気に入りの技なのかもしれません。
肆ノ型【打ち潮(うちしお)】
使用相手 | 鬼、矢琶羽、母蜘蛛の操り人形、父蜘蛛、堕姫、不死川実弥、猗窩座、鬼舞辻無惨、竈門炭治郎 |
使用巻数・話数 | 1巻6話、3巻18話、4巻39話、5巻37話、9巻76話、16巻136話、16巻150話、16巻152話、21巻183話、23巻202話 |
大きな波を打ち付けるように放つ一撃です。
藤襲山の最終選別の開幕に炭治郎が使用した技で、波打つような太刀筋で2体の鬼をいとも簡単に斬り伏せる他、那田蜘蛛山では母蜘蛛が操る頸のない人形を相手に不安定な姿勢から繰り出しました。
那田蜘蛛山の父蜘蛛相手には冨岡義勇が使用しており、一撃で表皮の堅い父蜘蛛の頸や四肢をバラバラに刻み込み討伐した事から、同じ水の呼吸の使用者でも格の違いを見せています。
なお、応用技となるのが空中戦で活用出来る「打ち潮・乱」であり、堕姫との空中戦において宙を舞いながら技を連続で繰り出す事で堕姫の帯攻撃を捌き切りました。
伍ノ型【干天の慈雨(かんてんのじう)】
使用相手 | 母蜘蛛 |
使用巻数・話数 | 4巻39話 |
鬼が自ら頸を差し出した際に使用する慈悲の斬撃です。
斬られた者は痛みを感じず優しい雨に打たれたような心地になる不思議な技であり、炭治郎は那田蜘蛛山で自ら頸を差し出した母蜘蛛を見て咄嗟にこの技に切り替えて使用しました。
斬られた際には殆ど苦痛が無く、感覚としては温かく穏やかな死を感じるそうです。
陸ノ型【ねじれ渦(ねじれうず)】
使用相手 | 沼の鬼、矢琶羽、魘夢、雑魚鬼 |
使用巻数・話数 | 2巻12話、3巻17-18話、7巻61話、16巻140話 |
体を大きくねじる事で強力な渦のような回転を生み出し斬る攻撃技です。
複数の鬼に囲まれた際などに活用出来るもので、炭治郎は沼の鬼の血鬼術により沼に飲み込まれた際、沼の中で2人の沼の鬼に囲まれた際に使用し一撃で2人に手傷を負わせました。
応用技「ねじれ渦・流流」は、矢琶羽の血鬼術「紅潔の矢」を巻き取り受け流す回避技として使用しています。
漆ノ型【雫波紋突き(しずくはもんつき)】
使用相手 | 朱紗丸、矢琶羽、不死川実弥 |
使用巻数・話数 | 2巻16話、3巻18話、16巻136話 |
水の呼吸の中で最速を誇る突き技です。
波紋の中心を狙うように突き刺す技であり、作中では炭治郎は朱紗丸の高速の鞠に対して使用し勢いを殺しました。
なお、応用技「雫波紋突き・曲」は曲線を描きながら放たれます。
柱稽古で冨岡義勇が使用した際には、不死川実弥の風の呼吸伍ノ型「木枯らし颪」と相殺するようにお互いの木刀が折れました。
捌ノ型【滝壺(たきつぼ)】
使用相手 | 沼の鬼、矢琶羽、魘夢、鬼舞辻無惨 |
使用巻数・話数 | 2巻10話、3巻17-18話、7巻61話、21巻184話 |
上から真下に刃を振り下ろして飛瀑の如き威力の斬撃を与える強襲技です。
足元に接近する相手に使用しており、炭治郎は沼の鬼が地面から接近するのを見極めて地面に「滝壺」を撃ち込む事で退ける事が出来ました。
矢琶羽戦では血鬼術「紅潔の矢」によるベクトル操作を受けて高く打ち上げられた際、落下の衝撃を緩和する為の受け身として使用しており、無限列車編では列車と融合した魘夢の頸を斬り落とす為に使用しています。
玖ノ型【水流飛沫・乱(すいりゅうしぶき・らん)】
使用相手 | 響凱 |
使用巻数・話数 | 4巻25話 |
着地時間や面積を最小限にして縦横無尽に駆け回りながら斬り込む攻撃技です。
響凱戦では、血鬼術「鼓」による空間操作で室内の向きを上下左右と回転させられながらも、足場の悪い環境に適したこの技を使い、炭治郎は響凱の術を全て回避しつつ間合いに飛び込みました。
拾ノ型【生生流転(せいせいるてん)】
使用相手 | 累、魘夢、鬼舞辻無惨 |
使用巻数・話数 | 5巻39話、7巻59話、23巻199話 |
うねる龍のように回転しながら複数回の斬撃を入れる連撃技です。
回転を重ねる毎に威力が増して強力になる技であり、迫り来る障害を斬り伏せながら敵との距離を詰める際に最適な技となっています。
那田蜘蛛山では下弦の伍・累の糸を斬れず逆に日輪刀が切断されましたが、生生流転で回転数を増して斬る事で累の通常の強度の糸を斬る事に成功しました。
なお、初使用しかけた那田蜘蛛山篇では父蜘蛛のカウンターに遭い不発に終わっており、無限列車の魘夢戦では「強制昏倒催眠の囁き」を受けて一時的に夢の中に沈みながらも自決で催眠を打ち破り執念で技を放っています。
市街地戦では片腕を亡くした冨岡義勇が使用していますが、片腕では本来の斬撃には及ばないようです。
拾壱ノ型【凪(なぎ)】
使用相手 | 累、猗窩座、鬼舞辻無惨 |
使用巻数・話数 | 5巻42話、16巻148話、16巻152話、21巻182話 |
冨岡義勇だけが会得する無風状態の海を指す独自の型です。
明確な詳細は不明ながら、素早く斬撃を繰り出す事で相手の攻撃や血鬼術を捌いて無効化する技と予想されており、下弦の鬼・累の糸や上弦の参・猗窩座の打撃を防いで見せました。
水柱・冨岡義勇のみが使える水の呼吸・拾壱ノ型「凪」は、劇中において何が起きているのか分からないけど鬼の血鬼術を全て防いで見せた凄い技という印象です。 では、拾壱ノ型「凪」とはどういう技で、どういった仕組みで発動しているのでしょうか。 […]
水の呼吸は初心者にやさしい
鱗滝左近次以外にも水の呼吸を教えている育手が存在しており、水の呼吸は全体的にバランスが取れている為に初心者にも易しく一番多くの剣士に使われているそうです。
特に水の呼吸は基礎に沿ったものである為、水の呼吸から派生した呼吸も多いと言われています。
水の呼吸とヒノカミ神楽の合わせ技
遊郭編での竈門炭治郎はヒノカミ神楽と併用していますが、現段階で太刀打ち出来ない上弦の陸・妓夫太郎の「飛ぶ血鎌」を受け流す際にはヒノカミ神楽よりも水の呼吸を使用しており、防御力なら柔軟な水の呼吸が上であると判明しています。
加えて、水の呼吸とヒノカミ神楽を合わせる事で水の呼吸のみよりも攻撃力の向上とヒノカミ神楽のみよりも持久力をつける事が出来ました。
水の呼吸の使用者一覧
作中に登場した水の呼吸の使用者は、
- 冨岡義勇
- 鱗滝左近次
- 竈門炭治郎
- 錆兎
- 真菰
- 神崎アオイ
になります。
無限城や市街地戦等で水の呼吸の剣士の刀が落ちていた事から、鬼殺隊員のモブの中にも何人か水の呼吸を扱える剣士が存在するようですが、残念ながら描写される事はありませんでした。
炭治郎達鬼殺隊が怪我をしたら世話になる診療所「蝶屋敷」には、鬼に家族を殺されて身寄りがない女の子達が看護に従事しています。 その中には神崎アオイもおり、アオイは作中で何度も炭治郎達の身の回りの世話をこなしてきました。 そこで今回[…]
神崎アオイに関しては公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・弐」で判明しています。
水の呼吸の派生
日の呼吸から始まった5つの基本の呼吸の一つ、水の呼吸ですが、作中には幾つか派生した呼吸が登場しました。
- 水の呼吸→蛇の呼吸
- 水の呼吸→花の呼吸→蟲の呼吸
設定通り、基本に沿った技である為、作中では3つも派生型が登場しています。
水の呼吸の斬られ心地
各呼吸の斬られ心地は公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・弐」で紹介されています。
水の呼吸の斬られ心地は、
- 優しい
- 痛いけど比較的楽
- 自分の事を嫌いじゃないという印象を受ける
- 一瞬でスッとやってくれる
という感想を斬られた鬼側は抱いています。
リンクテキスト:公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・弐」を読んでみる
鱗滝左近次式の呼吸の修業
鱗滝式の修業はまず「呼吸」を習う前段階で肉体の強化から始まります。
- 空気の薄い狭霧山の下山を延々反復し山中に仕掛けられた罠を突破
- 刀を持った状態で狭霧山の下山を延々反復
- 山下りの後、腕がもげそうな程刀の素振り
- どんな大勢からでも受け身を取り素早く起き上がる訓練
- 「呼吸法」を習う
以上の段階を踏んで始めて「水の呼吸」を習う事ができますが、呼吸の訓練では腹に力が入っていないとお腹をバンバン叩かれる仕置きが待っているようです。
竈門炭治郎は狭霧山に来て約一年で水の呼吸の全型を習得しています。
因みに、刀を破損させたら骨を折るという脅しにより緊張感は極限です。
水の呼吸についてのまとめ
- 水の呼吸は初心者にやさしい基本に沿った型で派生が多い
- 水の呼吸の育手は鱗滝左近次以外に存在する
- 水の呼吸の型は全部で十個あるが、水柱・冨岡義勇は十一個目を編み出す
- 水の呼吸の使用者で判明しているのは、冨岡義勇、鱗滝左近次、竈門炭治郎、錆兎、真菰、神崎アオイ
今回は、水の呼吸についてまとめてみましたが基本に沿った技で防御に適している為、初心者入門には最適の呼吸法でしたね。
中でも冨岡義勇が編み出した「凪」に関しては水の呼吸以外にも必修にすべき型だと思います。
描写されていない所でモブの鬼殺隊員も炭治郎みたいに水の呼吸の技を使用しているのかと想像すると、ちょっと見てみたい気持ちにもなりますが、炭治郎みたいに型を自分のものに昇華できる剣士は少ないのかもしれませんね。