【BLEACH】狛村左陣の最後は?人化の術を使い大爺様に心臓を捧げる

BLEACH界の癒し系「狛村左陣」ですが、最終章にて人化の術を使い獣の姿へと身を窶して退場してしまいました。

そこで今回は、

  • 狛村左陣が最後に狼になってどうなったのか
  • 狛村左陣が狼になった最後の戦いについて
  • 大爺様や人狼一族の秘儀「人化の術」について

以上を踏まえて、小説の内容を基に原作で語られなかった狛村の大戦後の様子や、狛村が狼となった原因でもあるバンビエッタ戦の経緯に沿って人化の術と大爺様について紹介したいと思います。

狛村左陣の最後はただの狼になって生存している

  • 原作62巻558話

人化の術を用いて文字通り命を賭して戦った狛村は、バンビエッタに見事勝利する事はできました。

狛村はバンビエッタ撃破後、すぐにユーハバッハを討つべく銀架城へ赴こうとした所、秘術を用いて人の形に立ち戻っていた手先が気づけば獣の手足へと化けており、人化の術が解けて人の形から獣の形へと戻っていく最中、狛村は人化の術の代償を思い知らされるのです。

そして、完全な獣の姿と変貌した狛村は、山本元柳斎重國を始めとする多くの隊士の復讐に魂を売った事への報いだと僅かに残る意識の中で自答し、その場に倒れるのでした。

ところが、一見唯の狼となった狛村の下へ射場鉄左衛門が馳せ参じると、獣に成り果てた狛村を背中に担ぎ上げると「隊長は間違うとりゃしません。何も間違うとりゃせんのです。戦いましょう、隊長。倒しましょう、山本元柳斎重國殿の為に」と物言わぬ畜生となった狛村に語り掛けた後、射場は狛村と共に戦場を進んでいくのです。

射場の言葉が届いたのかは定かではありませんが、心に寄り添い激励を贈り共に進んでくれる射場に対し、狛村は獣の状態で何を思ったのかただただ射場の言葉を噛み締める様に前を見据えています。

ただし、射場に背負われ同行している描写から見て狛村は生存している筈ですが原作ではこの射場が狛村を背負って立ち去ったのが最後の姿となり、以降最終回にも狛村の姿は登場せず、霊王護神大戦から10年後には狛村に代わり射場が七番隊隊長を受け継いでいる事から狛村が護廷十三隊を離脱している事が分かりました。

狼となった狛村は裏山で暮らしていると判明

  • 小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」

大戦を生き残った射場は狼となった狛村を七番隊の鍛錬場近くにある裏山に隠し、表向きとして皆には狛村は戦死したと報告したものの、隊長副隊長クラスの死神は瀞霊廷内に存在する以前とは比べ物にならないほど小さくなった狛村の霊圧を感じ取って狛村が生存している事に気づいてはいましたが、射場の決断を尊重して戦死したものとして扱うのでした。

ですが、後に七番隊からは鍛錬場の裏山に大きな狼が住み着いていると話題になったらしく、その際隊長副隊長達は内心「狛村左陣だな……」と思いつつも無関心を貫いたそうです。

狛村は射場に人狼族の子供を預ける

狛村が裏山で暮らすようになって半年後、射場が狛村に呼ばれた様な気がして目を覚ますと雪の降る夜の鍛錬場に狛村が座っており、狛村が小さく吠えると射場は導かれるようにして洞窟の様な穴の前に案内されるのです。

中へ入ってみれば死神になりたいと言う人狼族の子供「うるい」と「ショウマ」を紹介され、その際には七番隊お特集が組まれた瀞霊廷通信の号を取り出して護廷隊に所属する人狼族の出世頭である狛村を称え、一護達旅禍が侵入した初期から霊王護神大戦までの出来事を一喜一憂しながら語ります。

そして、狛村に憧れた二人は七番隊の死神も尊敬していた事から実際に狛村が亡くなったのか確かめる為に人里に出立し、もし狛村が本当に亡くなっていたら代わりに死神になる為にやって来たと言いました。

また、人狼族は様々な宝石が取れる大鉱脈に住んでいる事から宝石を換金しているようで、その取引相手と言うのが大前田希千代が社長を務める大前田宝石であり、うるいとショウマは人狼族のおじさんに大前田宝石の納品先まで隠れて運んでもらって瀞霊廷まで辿りついたのです。

加えて、うるいとショウマは先ずは七番隊の射場に会うためにおじさんに七番隊の場所を聞き、人に見つからない様に夜間に山を移動していた所で仲間の匂いに気づき狛村と運命の出会いを果たしたと言います。

そうした偶然の巡り合わせがうるいとショウマを狛村の下まで導くと、事情を聞いた狛村は「きっと鉄左衛門が力になってくれるだろう」と語り、射場を二人に引き合わせたのです。

その為、射場はうるいとショウマの後見人として瀞霊廷内でちょくちょく二人の面倒を見ており、うるいとショウマに至っては真央霊術院に通い始めた後は女性死神から可愛がられています。

因みに、ルキアも廷内で二人を見かけた際は飴袋を贈り愛でていました。

狛村は射場の相談相手として今も懇意にしている

さて、人語が喋れなくなった為に最早唯の犬となってしまった狛村ですが、実は人狼族のうるいとショウマは狛村が何を喋っているのかその内容を通訳する事ができるのです。

その事実に気づいた射場は、「ちぃと待て!お前ら、隊長の言葉がわかるんか……!?」と鼻息を荒くして二人に食い付き、ショウマは射場に何か伝えたい事がないか狛村に訊ねると、

  • 「その「隊長」呼びを止めてほしい」
  • 「もう鉄左衛門が隊長だからそう呼ばれるのはくすぐったい」
  • 「鉄左衛門は子育てに向いておるな」

等、在りし日の狛村らしい物言いをショウマが通訳した事で、射場はハッとした様に謝罪をした後「隊……左陣殿!」とつっかえながらも狛村の事を名前呼びに変え、狛村も納得するのでした。

また、洞窟で騒いでいると前四番隊三席で現七番隊副隊長「伊江村八十千和」がやって来て人狼族の子供と楽し気に話す射場の姿を目撃してしまいますが、丁寧に挨拶するうるいとショウマに遅れて自己紹介した後、サングラス越しでも分かる柔らかい眼差しをする射場を見て、大戦後から常に気を張り詰めて厳しい顔をしていた射場が柔らかくなった事を告げるのです。

これに関してはうるいの翻訳越しに狛村が「儂から見てもお前は気負いすぎだ。もっと肩の力を抜け」と助言しており、伊江村もまた射場が毎晩修錬しては傷を治す為に伊江村を叩き起こす事から頑張りすぎであると諫める一方で、そんな射場を見て多くの隊士が「いつか隊長のように強く」「いつか隊長を支えられる存在に」と頑張っている事を伝えます。

こうして隊長と副隊長に狼と人狼族の子供二人を交えた奇妙な集団は、洞窟の中で火鉢を囲んで語らっていました。

護廷を退いた狛村は元隊長職や人生経験といった観点から今では射場の良き相談役として余生を過ごしている事が分かり、読者の皆様も安心したに違いありません。

狛村左陣は「人化の術」で不死となりバンビエッタを撃破

  • 原作62巻556話

千年血戦編滅却師の二度目の侵攻時、バンビエッタが「爆撃」の能力で瀞霊廷内を隊士事破壊し尽くしている所に新たな鉄兜を被って顔を隠して登場しており、その際には平子も同場所に駆け付けて共闘する所から開戦となりました。

ただし、同時刻で浦原が卍解を取り戻す秘薬「侵影薬」を開発した事で滅却師達の手元から卍解が解放されてしまい、タイミング良く卍解を手放したバンビエッタは掠奪した卍解を所持した状態では発動できなかった滅却師完聖体を以て平子を爆撃で打ち倒し、狛村と一騎打ちになるのです。

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狛村対バンビエッタの戦いはバンビエッタの縦断爆撃で呆気なく片が付くと思われていましたが、鉄仮面が剥がれ落ちるとその中からイケメンな人間男性の顔が出てきた為、これにはバンビエッタも思わず真顔で「ワンちゃんじゃなくなってるじゃん」と苦言を呈しています。

しかし、獣の姿を捨てて一時の間だけ不死の肉体を得る事が人化の術の真髄であり、狛村は大爺様直伝の人化の術を以て命を捨てた特攻を始めるのです。

また、命を吹き込まれた卍解黒縄天譴明王はその鎧を脱ぎ捨てて「断鎧縄衣」形態となり、バンビエッタの爆撃の雨を打ち込んでも倒れる事無く斬りかかっていくと言う恐ろしい殺戮兵器と化し、当惑して距離を取るバンビエッタを執拗に追いかけて爆撃の霊子事叩き斬るのでした。

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結果的には、バンビエッタは撃ち込んだ霊子の爆撃を至近距離で受けてしまった、言うなれば自爆に等しいダメージで戦闘不能に陥った訳ですが、そこまで追い込んだのは黒縄天譴明王の不死身特攻なので狛村は見事勝利を掴んだのです。

狛村は大爺様に人化の術を授かりに赴く

  • 原作60巻538話

とある山奥の洞窟に狛村の何十倍も大きな老狼「大爺様」がおり、狛村は来たる滅却師戦を見据え「人化の術」を会得する為に大爺様の下を訪れるのでした。

拳をついて頭を下げる狛村ですが大爺様は失笑し、嘗て人狼一族の姿を恥じて笠と鎧で身を包み人の振りをして生きてきた狛村を恥知らずとやじる一方で、狛村はこの数十年で世界が変わりつつあり一族が身を潜めずとも生きていける世界がすぐそこまで来ていると切り出します。

そして、その変化の兆しが見えた世界が今危機に瀕している事を告げるのですが、大爺様は世界が滅ぶ事に興味が無く、誰が世界を掴もうと人狼一族は変わらないまま世界の担い手が変わった未来でも息を潜めて生きるのみだと持論を語るのです。

狛村は自分達の代の手で人狼族の子供や孫の為に変えられるのが今だと声を大にして訴えかけるも、大爺様はそれでも世界がどうなろうと人狼族の知った事ではないし変える必要も無いと語り、現在の安寧を壊そうとする狛村に対して実力行使に出る姿勢を取ると、狛村は「望むところ!」と信念を曲げる事なく大爺様に戦いを挑みました。

しかし、狛村と大爺様の戦闘描写はカット若しくは衝突していないのか、次に狛村が再登場した際には既に「人化の術」を会得していた背景から、仮に戦闘行為があったとすれば狛村は卍解を掠奪された状態で大爺様に勝利したと予想されます。

人化の術と人狼一族について

  • 原作62巻556話

狛村と大爺様の会話に於いて、大爺様の発言の中で人狼一族とは生前の罪咎により畜生道に堕ちたもののそれでも死に切れずに尸魂界に舞い戻った一族という背景が語られており、獣の容姿は咎罪による影響だった事が分かります。

そして、「人化の術」とはその罪咎の鎖を一時断ち獣としての罪を受ける以前の姿へと立ち戻り絶大な力を得る、人狼一族の秘儀に当たるのです。

しかし、絶大な力を得る為には自らの手で心臓を抉り大爺様に捧げなければいけませんでしたが、狛村は一瞬逡巡したものの、狛村を拾い上げてくれた元柳斎の恩に報いるべく己の心臓を差し出して人化の術を会得しました。

因みに、自ら心臓を抉り取った後は、狛村の心臓は大皿に乗せられて大爺様の御前に置かれている描写があり、バンビエッタの戦闘中に差し込まれた描写の中で心臓を啜っている光景が描かれています。

人化の術の使用中は不死の肉体を得る

  • 原作62巻558話

人化の術使用中は獣の名残りを感じさせる人の姿となり、人の姿で居るうちはあらゆる攻撃を受けても息絶える事の無い不死の肉体を得ます。

人家の術を用いて臨んだバンビエッタ戦に於いては、命を捨てて向かってくる狛村に対してバンビエッタは戦いで負けて殺されるのが嫌だから戦ってると反論するも、狛村は命を捨てたのではなく元柳斎が命をかけた戦いに命をかけない理由が無いと吐露し「この戦いに踏み入る前に命はとうに置いてきた!」と断言するのです。

元柳斎の恩に報いる為とはいえ躊躇いなく命を賭して護廷隊長としての責務を全うする様は格好良かったですよね。

 

人化の術の代償

不死の肉体と絶大な力を得る代償として、人化の術使用から暫く経過すると体中に獣の体毛が生え揃い始めるのと同時に手足から以前の人狼に立ち戻っていきます。

しかし、真の代償とは人狼の状態から人語の話せない狼へと退化する事にあり、意志を残したままとは言え狛村は完全な獣へと変貌したのです。

狛村左陣は東仙要と同じ復讐心に堕ちた

  • 原作62巻558話

戦死した元柳斎の恩に報いるべく人化の術を使用しバンビエッタと交戦し見事勝利を収めた狛村でしたが、大爺様を語りべとして戦いに身を投じる狛村の感情が東仙要に説いていた命を捨てた「復讐」であるという側面を正確に捉えていました。

ですが、大爺様は復讐こそ人狼一族の真の姿だと語り、復讐に身を窶して獣の姿へと堕ちた狛村に対して漸く戻ってきたと表現しています。

狛村左陣の最後と人化の術を使用した戦いや大爺様についてのまとめ

 

  • 狛村左陣の最後は人語を話せない狼の姿となり、射場によって戦死扱いされている
  • 狛村左陣は霊王護神大戦後に七番隊鍛錬場の山で狼として暮らしている
  • 狼となった狛村は人狼族の子供を介して隊長職に悩む射場鉄左衛門を励ましている
  • 狛村左陣は、元柳斎重國に拾われて死神となった恩義から大爺様に会い「人化の術」を会得する
  • 狛村左陣は大爺様から人化の術を授けて貰い不死の肉体を以てバンビエッタを撃破した
  • 人狼一族とは、生前の罪咎により畜生道に堕ちた成れの果てであり、復讐こそ人狼族の真の姿だった

狛村は、戦死した元柳斎に大恩がある為にその恩義から大爺様の下へ赴き、絶大な力を得る「人化の術」を授けて貰うべく自ら心臓を抉り取り大爺様に捧げました。

しかし、元柳斎の恩義に報いる為に命を投げ打った感情こそが、これまで散々東仙に説いてきた復讐心そのものであると大爺様は指し示しており、狛村は人化の術を用いてバンビエッタを撃破する事が叶ったものの代償として復讐に身を窶した獣としてただの狼の姿に成り下がったのです。

霊王護護神大戦から3年後を描いた小説「BLEACH WE DO knot ALWAYS LOVE YOU」では、大戦後すぐに七番隊鍛錬場の裏山で野生の狼の目撃情報が話題となり、霊圧知覚に長けた隊長副隊長の間ではそれが狛村である事がバレている一方で、射場自ら狛村が戦死したと虚偽の報告をしているものの護廷十三隊は射場の意志を尊重し見て見ぬふりをしている事が判明しました。

復讐の獣に身を窶した筈の狛村でしたが、射場とは偶に交流を続けている様子で、大戦から半年後くらいには人狼族の子供「うるい」と「ショウマ」を射場に引き合わせて死神になりたい二人の世話を頼んでいる事や、狛村の後任として七番隊隊長に就いた射場の悩みを諭す等の描写があります。

狛村の容姿に関しては、人狼一族が生前の罪咎により畜生道に堕ちた後に死に切れず尸魂界に舞い戻った一族と言う設定が判明した際に驚愕したものですが、結果として狛村はそのまま復讐に呑み込まれる事もなく山でのんびりと余生を過ごしているようで狛村ファンも安心した事でしょう。

【完結済み】BLEACH
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黒崎一護・15歳・ユウレイの見える男。その特異な体質のわりに安穏とした日々を送っていた一護だが、突如、自らを死神と名乗る少女と遭遇、「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。次々と倒れる家族を前に一護は!?