当て屋の椿第1巻で狛犬の行方に登場した寺子屋の桔梗ですが、物語では愛犬コマの頭とともに川に飛び込むという死亡についてうやむやな最後でした。
死体は上がらず、主人公鳳仙はどこかで生きているという希望をもてました、が実際はどうなのか?真相と桔梗についてまとめてみました。
桔梗は死亡していた!第六巻盗人草(その十一)
当て屋の椿第6巻にて、イノが仕立てた着物が桔梗が着ていたものから合わせられていたため、鳳仙は桔梗が死亡してることを悟りました。
どこの土座衛門から頂いたんだい?と鳳仙よりも先に椿が気づいてたんです。
元はもう少し濃い柄だった、川でも流れたんだろと桔梗の最後も語っていて、盗人草はその十一まで続く当て屋の椿の物語の中でとても長いお話でしたが、最後桔梗の行方や鳳仙が描いた猫の油絵の行方とも繋がります。
椿は鳳仙が気づくのを待っていましたのですが、死人を求めた挙句に己が死人擬きだ、と笑えない冗談を言われてい、もしかしたら後々出てくるのでは?という期待もありましたが、彼女は死亡してしまった事実は変わりませんでした。
桔梗はどんなキャラクター?
桔梗は、第四話から第七話の狛犬の行方に登場する重要キャラクターです。
初登場シーンは版元よもぎに猫の絵を売ろうとしましたがそそのかされてしまったところに、その猫の絵を売ってほしいと話しかけてきます。
女が苦手な鳳仙ですが、すみませんと何度も謝る下向きな桔梗に親近感を覚えるけなげな女性です。
因みに愛犬コマの初登場シーンは可愛らしい桔梗の愛犬、さぞかし可愛らしいだろうと撫でようとしますが、貫禄のある大きな犬で「鳳仙含めまわりの人もぶっさいく!!」というある意味可愛らしい登場シーンでした。
住居を兼ねた寺子屋で子供たちに読み書きを教えている桔梗。鳳仙の絵を買うところがその熱心さを伝えています。
鳳仙は春画以外の自分の絵を買ってくれた桔梗に興味を持つんです。
桔梗は鳳仙が時折思いだすほど特別な存在らしく、腰が低くけなげで純粋な可愛らしい女性で、椿も「ガキのお守りにゃもったいない美人さんだ」と初対面で言っていたほどでした。
桔梗の最後
男の人と楽しく話せたのは初めてだとコマに語り浮かれ気分の桔梗ですが、ここから一気に落ちていき、神主様にコマを殺されてしまうのです。
石造の狛犬様でコマを仕留める練習をするなど、この時を待っていました。
石造の狛犬様がなくなったことにより、当て屋の椿呼ばれていたわけです。
桔梗を必死にけばげに守っていたコマがいなくなり、桔梗は神主に乱暴を受け壊れていき、一度鳳仙が桔梗に会いに来ますが鎖につながれ神主の体液と血まみれの穢れた自分を見られたくなくて、帰ってくださいと会いたいのに追い返してしまいます。
その日の夜また神主が夜這いに訪れますが、さらなる事件が起きるんです。
朝、神主の死体が発見されるのですが、まるで獣に噛みちぎられたように殺されていました。
同時に桔梗も姿を消し、コマが死んだことを知らない鳳仙たちはコマの仕業か?と疑うものの、「実家に帰っているのではないか」と桔梗の親元にも訪ねますが、そんな奴は知らないと追い返されてしまいます。
そこで、親の酒代のために死んだ神主に2両で売った話を聞かされるんですね。
何も知らずに売られた桔梗が可哀相で仕方ありません。
そして、桔梗を売った両親も噛み殺されてしまい、寺子屋の子供たちから神主が死ぬ前にコマが死んでしまっていたことなど、徐々に真相に近づいていったのですが、その真相に迫った瞬間神主と両親を殺した犯人が椿に襲かかり、コマの頭を投げつけるとそこには我に返った桔梗が姿を現します。
自分の口にコマの牙を同化させていたんですね。
鳳仙は桔梗に手を伸ばしますが、桔梗は絵具が染みついた鳳仙の綺麗な手を掴むことができすコマの頭を抱きしめ、二人は一つになり川に身を投げてしまいます。
健気で悲しい主人と愛犬でした。
当て屋の椿の桔梗が死亡したのか?のまとめ
鳳仙は桔梗が生きているという希望にかけて探し回り、そして第六巻盗人草の終盤で桔梗が死んだことを悟るんですね。
養蚕農家の深山が鳳仙を訪ねるきっかけも、桔梗が持っていた出会いの時のねこの絵が元の発端でした。
桔梗はあどけなくけなげな可愛らしいキャラクターで最期は悲しい末路でしたが、愛犬コマといつまでも一緒にいてくれたらいいなと思わずにはいられません。
当て屋の椿はややこしく難しい物語が多い作品ですが、一度読んでしまうと椿が当てる事件の真相や登場キャラクターたちの人情に吸い込まれていく作品で、そして官能的な絵が多いのも特徴です。
物語の冒頭は大体男女の性行為の絵か女性の裸体の絵で始まるのですが、官能的な漫画を望んで読むとグロテスクで驚くかもしれませんね。
桔梗や椿の他にもたくさんの魅力的で個性的なキャラクターが登場するので、この後の椿と鳳仙の謎解きに期待です。