黒い精子は、怪人協会との戦いで完全に死滅したわけではありません。村田雄介作画版では合体形態の白金精子がガロウに倒されますが、合体に加わらなかった黒い精子が生き残り、その後はポチと一緒にサイタマのもとへ付いて行きます。
ONE版でガロウに倒される合体形態は、黄金精子です。「黄金・白金精子の敗北」と「黒い精子という怪人全体の生死」を分けて考えると、最後とその後を整理しやすくなります。村田版を単行本で読むなら、決着は31巻、その後のサイタマとの出会いは35巻が目安です。
この記事では、怪人協会編の決着から、黒い精子がサイタマの新居へ付いて行く場面までを、ネタバレを含めて紹介します。ONE版と村田版に加え、村田版のWeb掲載番号と単行本の話数も区別した解説です。
黒い精子は死亡した?最後とその後
黒い精子の最後を理解するには、戦場にいた大量の個体と、力を集約した合体形態を分けて考える必要があります。強力な合体形態が倒れても、別に残っていた個体まで同時に消えるとは限りません。
倒された形態と生き残った個体を分ける
村田版の白金精子が参加するのは、ガロウ、閃光のフラッシュとの三つ巴の戦いです。フラッシュが脱落するとガロウとの一騎打ちに移り、さらに速度を上げたガロウの攻撃で身体を砕かれて、白金精子の戦闘は決着を迎えます。
この場面を確認できるのは、となりのヤングジャンプのWeb第201話で、公開漫画の扉は155撃目「神罰」、単行本では31巻161撃目「神罰」です。同じ場面を探すときは、Webの番号をそのまま単行本の番号に置き換えないようにしてください。
ONE版では、黄金精子がガロウと交戦して倒されます。村田版の白金精子との戦いにあるフラッシュを含めた三つ巴を、ONE版にも当てはめることはできません。
一方、戦いの後、瓦礫となったZ市に残っていたのが黒い精子です。村田版では、本人も細胞ストックを失ったことを認識しており、以前の大群で戦う状態からは大きく弱体化しています。この生存個体は、白金精子が元の姿に戻って復活したものではありません。
合体形態を「誰が倒したのか」といえば、答えはガロウです。ただし、黒い精子には生存個体がいるため、全滅したわけではありません。
サイタマのペットになった経緯
生き残った黒い精子が警戒しているのは、戦場跡で怪人協会の残党を調べる動きです。村田版のWeb第216話では、タンパク質を摂って非常用の細胞ストックを確保しようと考える一方、今の身体では子犬にも勝てないと自分の弱さを認めています。
そこで遭遇したのが、家財道具を探していたサイタマとジェノスです。サイタマが小さくなったポチを犬として扱い、殺さずにいる様子を見て、黒い精子は、自分も受け入れられれば残党狩りから身を守れると考えます。猿のように振る舞って近付いたのは、そのためです。
続くWeb第217話では、黒い精子は雑用を引き受けると申し出て、ポチと共にサイタマの新居へ向かいます。サイタマからはポチと共に犬や猿のような動物として扱われますが、黒い精子自身の目的は、まず安全な場所で生き延びることです。
こうした立場を指して、「サイタマのペットになった」と表現できます。ただし、本人が怪人としての考えを捨て、人類を守る仲間になったとまでは言えません。保護されることと、考え方を改めることは別です。
一緒に付いて行くポチの強さやサイタマとの関係は、育ち過ぎたポチの登場と「おすわり」の解説で紹介しています。
黒い精子の能力と強さ
黒い精子は、怪人協会の幹部として登場する、無数の個から成る集合体です。小柄な見た目だけでは判断できません。身体を分けて大群となり、相手を包囲できる点が戦闘での脅威です。ONE版62撃目では、推定災害レベル「竜」として紹介されています。
強さを見るときは、細胞ストックを持つ通常状態、合体後、敗戦後の弱体化した個体を分けて考えてください。同じ顔の黒い精子でも、残っている細胞の量によって戦える状態が違うからです。
分裂・細胞ストックと合体の仕組み
黒い精子は、斬られて身体が分かれても、それぞれが動いて攻撃を続けます。ONE版63撃目のアトミック侍戦では、細かく斬るほど多くの個体を相手にする状況になり、斬撃だけでは戦闘を終わらせられません。
ただし、「攻撃を受ければ何の条件もなく無限に増える」「一体一体がすべて同じ強さ」と考えると、その後の描写とは食い違います。細胞ストックを失った個体は著しく弱くなるため、見えている身体の数だけで戦闘力を判断することはできません。
分裂して数で攻めるのに対し、合体は多数の細胞を一つの身体へ集約する選択です。ONE版79撃目の多細胞精子は、通常の個体とは違う高い性能を得た姿として描かれます。ただし、続く80撃目の説明によれば、合体した身体は再び分離できません。村田版のWeb第197話でも、細胞の結合後は分離できなくなると示されています。
黄金精子や白金精子は、この合体によって生まれる形態です。数で圧倒する戦い方から、一体の身体で強敵と戦う方向へ変わります。合体は単なる巨大化や、何度でも元に戻れる変身ではありません。
細胞数も版によって異なり、ONE版の黄金精子は10兆合体として描かれます。一方、村田版の白金精子の合体場面で示されるのは54兆規模の数です。この二つを、黒い精子のどの版にも共通する固定値として扱うことはできません。
黒い精子の倒し方を考えるなら、姿を細かく切り分けるだけでは終わらない、というのがアトミック侍戦の要点です。合体後にもガロウに敗れた例があるため、不死身の怪人というわけでもありません。これらの実戦だけでは、戦っていない相手との勝敗や、S級ヒーロー全員との順位を判断する根拠として不十分です。
アトミック侍側の決着や救出、その後の動向は、アトミック侍の生死と黒い精子との戦いで詳しく紹介しています。
黒い精子・黄金精子・白金精子の違い
三つの名前は別々の怪人を指すのではなく、黒い精子の通常状態と合体形態を区別するものです。ただし、ONE版と村田版では合体後の展開が違います。
能力・対戦相手・結末の比較
| 形態・版 | 能力・戦い方 | 主な対戦・対峙場面 | 怪人協会編での結末 |
|---|---|---|---|
| 黒い精子(両版の通常状態) | 多数の個体へ分かれて数と包囲で攻め、細胞ストックの有無によって状態が変わる | アトミック侍との戦い、地上でのヒーローとの戦闘 | 大群としての戦力を失うが、生き残った個体はその後も姿を現す |
| 黄金精子(ONE版) | 10兆規模の細胞を一つに集約した合体形態 | タツマキとの攻防、続いてガロウとの戦闘 | ガロウに敗北する |
| 黄金精子(村田版) | 多数の細胞を集約し、強い打撃で戦う合体形態 | 胃液で変化したブサイク大総統、超合金クロビカリと交戦。後にキングと対峙 | 他の黒い精子と合体し、白金精子へ移行する |
| 白金精子(村田版) | さらに細胞を集約した合体形態。高速で移動しながら戦う | ガロウ、閃光のフラッシュとの三つ巴から、ガロウとの一騎打ちへ | ガロウに身体を砕かれる |
ONE版では黄金精子がガロウと戦う重要な合体形態ですが、村田版では白金精子が最終的にガロウと戦います。特に注意したいのは、ONE版の黄金精子と村田版の黄金精子を同じ結末で説明しないことです。
村田版の黄金精子は、Web第193話で胃液に覆われたブサイク大総統を殴り飛ばし、その胃液を浴びても溶けない姿を見せます。続く第194話で超合金クロビカリを殴り飛ばす場面も、打撃の強さを示す実戦例です。ただし、クロビカリはそれ以前に胃液の被害を受けており、この場面だけで万全のS級ヒーロー全員との優劣は決まりません。また、キングとの場面はあくまで対峙で、キングが黄金精子を実力で倒した戦闘ではない点にも注意が必要です。
村田版のWeb第197話では、黄金精子を含めた合体に加わらず、保険として残る黒い精子も描かれています。合体形態の撃破後に通常の姿の黒い精子が出てくるのは、このように合体していない個体が別に存在するためです。
また、白金精子の敗北時点のガロウを、後にサイタマと戦うすべての段階と一括りにする必要はありません。この戦いで確認できるのは、成長を続けるガロウが白金精子の速度を上回り、勝利したことです。
黒い精子の登場・最後・その後は何話・何巻?
登場場面を探すときは、幹部として姿を見せる場面、能力を披露する戦い、合体形態の決着、敗戦後の生存確認を分けると見つけやすくなります。ONE版で黒い精子が登場する幹部集合の場面は57撃目で、アトミック侍との遭遇から戦闘へ進むのが62〜63撃目です。
村田版を単行本で読む場合、アトミック侍との戦いを知る入り口となる23巻には、出版社の目次によれば108撃目「真贋」、109撃目「増えるヤバイ奴」が収録されています。
ONE版・村田版・単行本を区別
| 読みたい場面 | ONE版 | 村田版の公式Web掲載 | 村田版の単行本で探す目安 |
|---|---|---|---|
| アトミック侍との遭遇・分裂能力 | 62〜63撃目 | Web掲載版と単行本の番号を分けて探す | 23巻108〜109撃目 |
| 黄金精子の誕生からガロウとの決着 | 80〜81撃目 | 村田版では黄金・白金の二段階の展開になる | ONE版の番号を単行本へ当てはめない |
| 村田版の白金精子誕生 | ONE版の該当範囲に登場場面はなし | Web第197話、扉は153撃目「王手」 | 31巻157撃目「王手」 |
| 村田版の白金精子の最後 | ONE版では黄金精子がガロウに敗北 | Web第201話、扉は155撃目「神罰」 | 31巻161撃目「神罰」 |
| 生き残った黒い精子とサイタマの出会い | 95撃目 | Web第216話、扉は169撃目「会っちゃいけない奴」 | 35巻176撃目「会っちゃいけない奴」 |
| サイタマの新居へ付いて行く | 96撃目 | Web第217話、扉は170撃目「新居」 | 35巻177撃目「新居」 |
Webページの「第○話」と、漫画の扉に書かれた「○撃目」は別の番号です。さらに、単行本の収録時には話のまとめ方や番号が変わることがあります。白金精子の最後を「155撃目」とだけ記した情報と、31巻の「161撃目」が違っていても、まず版と話のタイトルを確かめてください。
村田版で最後とその後を続けて確認する目安は、決着を描く31巻と、サイタマとの出会い・新居への移動を描く35巻です。31巻の出版社案内と35巻の出版社案内で、収録話を確かめてください。
まとめ:最後とその後の要点
- 黒い精子は怪人協会編で完全に死滅したわけではなく、生存個体がその後も登場します。
- ガロウに倒される合体形態は、ONE版では黄金精子、村田版では白金精子です。
- 分裂して数で戦う通常状態と、細胞を集約する合体では仕組みが異なります。合体した身体は再び分離できません。
- 敗戦後の黒い精子は細胞ストックを失って弱体化し、安全に生き延びるため、猿のように振る舞ってサイタマへ近付きます。
- 村田版の単行本では、白金精子の決着は31巻161撃目「神罰」、サイタマとの出会いは35巻176撃目「会っちゃいけない奴」が目安です。
黒い精子のその後に描かれるのは、強い合体形態の復活ではありません。別に生き残った個体が立場を変えて生き延びる展開なので、倒された形態、残った個体、読む版の三つを分けると、生死やペットになった経緯を理解しやすくなります。