檜佐木修兵は初期から最終章まで満遍なく登場する準レギュラーの死神ですが、最終章で結局どうなったのかは深く語られていませんでした。
そこで今回は、
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等、檜佐木の最後や能力、その強さについて紹介したいと思います。
檜佐木修兵は最後に死亡して終わったのか?
- 原作70巻635話
千年血戦篇終盤、檜佐木は他の隊長達と共に霊王宮へ突入していますが、突入した矢先、ユーハバッハの親衛隊リジェの狙撃の餌食となり右肩から上半身を貫かれて倒れている描写があります。
その後、最後まで檜佐木が登場しなかった事から死亡したものと思われましたが、約4巻越しの74巻で何気ない顔で再登場しているのです。
したがって檜佐木は千年血戦篇で死亡していません。
檜佐木が生きてた理由
リジェの「万物貫通」に撃ち抜かれた檜佐木ですが、小説「bleach can't fear your own world」にて、リジェの狙撃が死神にとっての心臓とも言える「鎖結」と「魄睡」を撃ち抜いた事で檜佐木は瀕死の状態に陥っていたと語られていました。
同時にリジェの「万物貫通」の力があまりに鋭かった為に、幸運にも穿たれた穴以外の組織が破壊されずに済んだらしく傷自体は井上織姫の治療を受け回復しています。
しかし、魄睡を損傷した際に失われた霊圧を取り戻す間は数日間昏睡状態だった事も判明していますが、大戦後まもなく藍染が再収監される際には体を引き摺って出向いており、東仙について言及していました。
檜佐木の小説での活躍
霊王護神大戦後を描く小説「bleach can't fear your own world」では、檜佐木はジャーナリストとして四大貴族綱彌代家の新当主の記事を書く事になり、尸魂界の歴史に関わる戦いに巻き込まれてしまいます。
三名の重要人物と深く関わる檜佐木は、凡人ながらその渦中の真っ只中に立ち、世界を救う一助になるのです。
檜佐木と綱彌代時灘の戦い
時灘との戦いは、
- 護廷十三隊の一部勢力(京楽、六車、平子、七緒、剣八、一角、弓親)
- 破面(グリムジョー、ネリエル、ハリベル)
- 滅却師(バンビーズ、ナナナ)
- 完現術者(銀城、沓澤、月島、雪緒)
以上の四勢力が共闘し、叫谷で行われました。
檜佐木はジャーナリストとして現世の浦原商店に取材に行った所、戦いに巻き込まれる事になり、鉄裁の協力を得て単身叫谷へ乗り込むと、時灘が模倣する「鏡花水月」に苦戦する京楽達①~③と合流します。
京楽はこの中で唯一鏡花水月を見ていない檜佐木に希望を託すと、影鬼の中に檜佐木を連れ込み作戦会議を行い、檜佐木の攻撃する軌道を目印に全員が援護を行う連携で時灘を追い込んでいきますが、あらゆる斬魄刀の始解を模倣できる時灘は数多の手数で京楽達の連携を裁くと再び全員を鏡花水月に陥れました。
そんな折、アウラが銀城達完現術者を連れてくると、アウラは時灘を裏切り、時灘の斬魄刀に触れる事で鏡花水月の発動を抑えると銀城が最大威力の月牙天衝を放つのです。
直前に時灘は花太郎の瓠丸を放つ事で月牙天衝の軌道を逸らすと、次に瑠璃色孔雀の能力でアウラの霊力を奪い、この中で一番厄介なアウラに止めを刺そうとします。
その瞬間、檜佐木の風死が油断した時灘の腕を斬魄刀事斬り落とすのです。
実は、時灘が鏡花水月を檜佐木に放つ瞬間、平子が逆撫を使って檜佐木が向いている方向を逆さまにする事で鏡花水月の解放を見させませんでした。
故に鏡花水月の発動を戦闘中一度も目にしなかった檜佐木は、迷いなく時灘に攻撃する事が出来たのです。
その後、総攻撃を受け重傷を負った時灘は叫谷を脱出しましが、檜佐木が単身叫谷へ乗り込んできた事は京楽達にとっても予想外な僥倖だったものの、そんな檜佐木の異分子要素がこの戦いの勝因となった珍しい活躍でした。
檜佐木と道羽根アウラの戦い
たまたま取材で浦原に会いに来ていた檜佐木は浦原商店を襲撃するアウラと交戦する事になります。
浦原曰く斬魄刀を使わない代わりに白打や鬼道が藍染レベルのアウラは異次元の霊圧量で檜佐木を圧倒させ、浦原が九十九番の鬼道で受けたつ様子を檜佐木は後ろから眺めるしか出来ません。
浦原はアウラと凄まじい鬼道の応酬を行いますが、次瞬、アウラにすんなりと捕縛されたのか忽然と姿を消すのです。
目的を果たしたアウラは恭しく別れを告げると檜佐木の前から立ち去りますが、檜佐木は鉄裁の協力を経て叫谷へと単身乗り込みます。
しかし乗り込んだ先で、一連の活動はアウラから持ち掛けた時灘を欺く演技であり、檜佐木の気づかない所で事情を汲み取った浦原も協力していたと後に知らされると、最終決戦ではアウラは檜佐木の人間性を買い産絹彦禰の未来を託し、託された檜佐木は彦禰を時灘の呪縛から救い出す為に戦うのでした。
檜佐木と産絹彦禰の戦い
小説「bleach can't fear your own world」において一番の見所は、何といっても檜佐木が最強の敵「産絹彦禰」と一騎打ちで対決する場面です。
実力的には眼帯を外した剣八と拮抗している産絹彦禰ですが、そんなバケモノを相手にあの檜佐木が単身で挑む展開は胸が熱くなります。
時灘の傀儡として造り出された彦禰に、檜佐木は何も知らないからこそ色んな可能性がある事を教えてやりたいと立ち上がり、剣八から彦禰の相手を代わってもらい卍解を以って彦禰を疲弊させるのです。
彦禰は生まれたばかりの純真無垢な子供に近く、ただ崇拝する時灘の敵を処分する意外は至って素直な性格だった為、檜佐木との出会いが彦禰に時灘へ従属する意外の感情を芽生えさせると、檜佐木は卍解による不死の世界を共有する事でかつて東仙が教えてくれた事を彦禰に教え込みました。
時灘に依存するのではなく、自分の足で歩める事を教え、自分の魂に従い時灘に頼らない生き方を諭します。
本編では地味で不憫な扱いの檜佐木ですが、この時ばかりは彦禰と真摯に向き合った唯一の死神であり、アウラに見込まれた檜佐木だったからこそ託された代役のいない舞台でした。
檜佐木の10年後の様子
千年血戦篇から10年後、檜佐木は変わらず副隊長を務めていますが小説「bleach can't fear your own world」での事件は当事者以外に機密事項となっている為、檜佐木が卍解できる事を知っている死神は少ないのです。
その為、千年血戦篇では卍解を披露できなかった檜佐木は乱菊に「卍解するするサギ」として揶揄われており、六車も機密事項として知らない振りをする為に乱菊側について檜佐木を揶揄う描写となっていました。
檜佐木の10年後より1年前
とある流魂街の跡地にて産絹彦禰は一人で暮らして生きていましたが、檜佐木はアウラとの約束通り彦禰の成長を見守り、時折様子を見に訪れていました。
先の大戦で力の殆どを失った彦禰はいつか母であるアウラと再会する事を自分のやりたい事だと見出すと、檜佐木もまた東仙や蟹沢といった過去に去っていた者達との思い出やその時の恐怖を胸に抱いて自分のやり方で「血に染まない道」を探す事を目標に掲げるのです。
そして、彦禰がいつの日かアウラと再会できる為なら出来る限りの手助けはしてあげると約束するのでした。
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檜佐木修兵の斬魄刀「風死」
- 初出:原作38巻324話
- 解号:「刈れ、風死」
檜佐木の斬魄刀の始解は、鎖で繋がれた二対の鎌で、その刃は互い違いで漢字の「卍」状に展開しており、本人曰く「命を刈り奪(と)る形をしている」との理由からあまり好いていはいない口振りでした。
二振りの鎌の見た目から尸魂界では物珍しい二刀一対の斬魄刀と勘違いされがちですが、風死の斬魄刀としての本質は刃ではなく鎖の部分にあり、それ故に二刀の鎌はただの鎖の延長上に過ぎない為、一本の刀になります。
この事については京楽もおかしいと考えており、尸魂界に存在する二刀一対を所持する京楽や浮竹の斬魄刀に限っては、花天狂骨は後天的に生み出したもの、そして双魚理はミミハギ様の影響によるものと推測されている事から例外でした。
戦闘スタイルとしては鎖を巻き付け拘束具の様に活用したり、刃をブーメランのように投擲したりと臨機応変に多様でき、通常形態で突き刺したあと始解することで内部から風死を咲かせるといったえげつない用法も存在します。
因みに、鎖部分がどこまで伸びるのかは今のところ不明です。
檜佐木修兵の卍解「風死絞縄」
- 初出小説「bleach can't fear your own world 3巻」
二振りの鎌を投げ放つことで風死は螺旋を描きながら頭上高く上昇し、やがて風死の両端が接触し檜佐木を中心に黒い渦の中に消え去ると「卍解」の口上で鎖は空中の一点に集中する形で凝縮され、漆黒の塊となり弾け飛ぶと黒い霊圧の風となって辺り一面に吹き荒れます。
卍解展開後はいつの間にか風死が檜佐木の手元に戻っており、その足元からは漆黒の鎖が二本伸び、それぞれが左右の腕に絡みつく事で大地と身体を繋ぎ止め、頭上には始解で二振りの鎌を繋ぎ止めていた鎖が高速で蠢きながら寄り集まり一つの巨大な球体を生み出すのです。
卍解「風死絞縄」の能力
風死絞縄は他の卍解のような強化や攻撃性の向上は皆無であり、使用者と敵を鎖で繋ぎ止めることで互いの霊圧と命を共有し命尽きるまで不死身となるだけの能力です。
故に、霊圧に差があろうともひとたび風死絞縄で繋ぎ止めれば、両者の霊圧が底をつくか檜佐木が自ら解除するまで延々と共有は続き、檜佐木に致命傷を与えようとも再生を続ける為、悪夢のような半永久的な殺し合いを強要されます。
例えば、腕を切断すれば切り口から鎖が生えすぐさま欠損部を繋いで復活を遂げる他、胴体であろうとも例外ではない超速再生とは別次元の回復速度が確立された領域に引き込まれるのです。
更に、相手にも檜佐木同様に鎖が首を括るように繋ぎ止められている事で、当然同質の再生能力が付加されている為に自害すらできません。
作中では産絹彦禰に使用しており、更木剣八と対等に戦う実力者である彦禰でさえ檜佐木の卍解を前に脱出は叶いませんでした。
欠点としては、痛覚などは通常通りなので檜佐木の心を折るような拷問、即ち涅マユリの様な生粋の異常者などには通用しない可能性があります。
ただ、この卍解を初使用した後、剣八に目を付けられたことが最大のデメリットだったのかもしれませんね。
風死絞縄の能力が同士討ちに近い理由
檜佐木自身、卍解の能力は一護や冬獅郎のように派手に敵を倒せるものが好ましいと考えていましたが、自身の半生を顧みて、戦いに於いて死ぬ事も怖いし東仙を斬ってからは誰かを殺す事も怖くて仕方がないと自嘲し、その精神状態が厄介な卍解に至ったと語っています。
檜佐木の抱く恐れを反転させた別の形は恐怖であり、風死の始解が命を刈り取る形を成した魂を世界に循環させるものだとすれば、卍解の力は命の流れを止め世界を停滞させる封印の鎖だと表現されていました。
小説では、全てを繋ぎ止め、死を禁じ、生を禁じ、頭上の鎖の塊は大気の霊子すら縛り付ける、故に「風死」なのだと由来が明かされています。
檜佐木修兵の強さがわかる活躍一覧
檜佐木は生い立ちや境遇を考えれば準主人公と呼んでも差し支えありませんが、その活躍はスポットライトの当たらない端役の様なものばかりで、主に副隊長クラスや破面の従属官との戦闘が描かれていました。
そこで、檜佐木の戦闘を一覧にまとめてみましたので戦績から強さを見ていきたいと思います。
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以上の事から檜佐木の戦績は9戦3勝6敗という事が分かります。
尚、東仙戦は結果的に勝利した為、1勝扱いにしていますが、それも狛村との共闘があったからなので正確に単騎で討ち取ったのは名も無い破面とフィンドールのみです。
ここから更に小説版を足すと、
- 時灘→団体戦で取り逃がす
- アウラ→手も足も出ずに取り逃がす
- 彦禰→卍解で心を折らせて勝利?
となる為、12戦4勝6敗2分けとなります。
檜佐木は星十字騎士団の一人を倒した
- 原作66巻594話
原作65巻、黒崎一護がユーハバッハの許へ向かう際、星十字騎士団8名と対峙していますが、死神残存勢力がその足止めを買って出ており、その中にはマスキュリンに戦闘不能にされた檜佐木もひっそりと復活して参戦している姿があります。
星十字騎士団との乱戦でそれぞれが離れ離れになった後、白哉が受け持った戦場へ檜佐木が合流する場面がありますが、その際「こっち一人片付きましたよ」と発言しているのです。
また、白哉が三名の星十字騎士団を倒しているのを見て、檜佐木は自身が一人倒す間に白哉が三人も仕留めている事に「これが隊長と副隊長の差か…」と自惚れを反省した様子と強い上昇志向を抱くといった心情が描かれているのですが、これらの描写から檜佐木が星十字騎士団を一人倒している事が分かります。
しかし、何度確認しても檜佐木が倒した星十字騎士団が誰なのか分からない為、この真相は謎に包まれており、この時の檜佐木がペペの「愛」に操作されている状態だった事から発言が虚言だったのかさえ分からないまま有耶無耶になりました。
檜佐木修兵の死亡や小説のその後と卍解のまとめ
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檜佐木は一護に次ぐ主人公感溢れる経歴や物語性を有しており、藍染惣右介が進化に欠かせないと掲げた「恐怖」をまさに一心に受けているキャラクターだと言えます。
本編や小説では生真面目で切実とした一面を見せ、外伝やアニメオリジナルではネタキャラとして面白おかしく扱われる存在、それこそBLEACHでは檜佐木の右に出る者はいないでしょう。
そんな檜佐木は小説版で尸魂界の歴史の全てを知ってしまいましたが、公平なジャーナリストとして今打ち砕くべき悪に立ち向かうと「恐怖」を抱えたまま卍解に到り、尸魂界を救う一端を担いました。
卍解自体は未だ不完全ですが、対象者との霊圧差を均等にする能力は仲間がいれば有利に働く能力なので、今後より研鑽を積んだ状態が楽しみな能力です。