「神のみぞ知るセカイ」は2008年から2014年に少年サンデーで連載されていたラブコメで、2010年から第三期までアニメ化されました。
今見返すと声優陣もとても豪華で原作で最終的に主人公と結ばれるのは小阪ちひろですが、当時は納得できない読者もたくさんいました。
なぜ「神のみ」のエンディングは物議を醸したのでしょうか。
そこで今回は当初圧倒的なモブキャラだったちひろが最後に大勝利を収めた理由について調べてみました。
小阪ちひろの誕生日は?スリーサイズは?声優は?
まず、ちひろのプロフィールを見ていきましょう。
- ジョブ:ふつーの人
- 年齢:17歳
- 誕生日:12月3日
- 学校と学年:私立舞島学園高等部2年B組
- 課外活動:帰宅部から軽音楽部
- 血液型:O型
- 身長:158㎝
- 体重:50㎏
- スリーサイズ:B82-W61-H85
- 利き手:右利き
- 好きなもの:トキメキがあるものとか
- 嫌いなもの:深刻なこととか
- 最近の悩み:バンドメンバーに誰を選んでも自分より華がある
- 声優:阿澄佳奈
ちひろは1巻3話でモブキャラとして初めて登場しました。
主人公である桂木桂馬の最初の攻略者である高原歩美の小学校時代からの親友で、学力も運動も平均的ないわゆる平均的な女の子であり、初期は容姿をあまり可愛く描かれることはありませんでした。
桂馬や桂馬の協力者である悪魔のエルシィと同じクラスなので、準レギュラーとして登場回数はどんどん増えていきます。
小阪ちひろの攻略は?
一度目のちひろの攻略は「ちひろの失恋を目撃」「ちひろの次の恋の応援」「ちひろの攻略」というパートに分かれます。
最初はちひろの告白の手伝いだった
桂馬の6人目の攻略対象である、ちひろの攻略は4巻28話から32話で扱われています。
ちひろは物語の登場人物としては目立たない、特徴もなくどこにでもいるような女の子だったので、攻略対象になった時桂馬は「中途半端なパラメーターのリアル女」と酷評していました。
学園内のイケメンを次から次に好きになる、恋に恋する女の子ですが、告白してフラれた翌日には次の恋をすぐに見つけるという行動が桂馬に理解できません。
またただでさえ仲が悪い上に、他に好きな人がいるちひろを落とさなければいけないので、桂馬は最初攻略を渋っていましたが、心の隙間さえ埋めれば恋の相手が自分で無くても駆け魂を出せることに気付き、ちひろの告白を手伝うことにします。
桂馬は攻略対象であるちひろを見ていなかった
ギャルゲーの知識で男を落とす方法を考える桂馬でしたが、当のちひろに真剣味がなく、思うように攻略が進まないことにだんだんイライラしてきて「少しはお前も真剣になれ!!」と怒鳴ってしまいました。
ちひろは「何の取り柄もなく可愛くもない、みんなみたいに輝けない自分が真剣になってどーなるってのさ!」と本音を言い、ここでやっと物語が動き始めます。
これまでの女の子は特徴的な子ばかりで、ギャルゲーの知識で簡単に落とせていましたが、ちひろに対して「出来損ないのリアル女」と思っていた桂馬は上手くこなせず失敗してしまいました。
ちひろ攻略は桂馬にとって現実を見るターニングポイントとなった
自分の理想と現実とのギャップに苦しんでいるちひろに気付いた桂馬は、ちひろ攻略に本腰を入れます。
ちひろはゲームに逃げている桂馬を似た者同士だと思っていましたが、桂馬は「おまえだって望めばなんでもできる」と励まし「不安になった時はいつでもボクが助けてやる」といってキスをしました。
「キラキラした人に近づくと自分も一緒に光っている気がしていた」と語るちひろですが、自分の人生をもっと楽しんで自分から輝こうと軽音楽部を設立し、エルシィや歩美、寺田京と五位堂結と共に舞校祭での演奏のために練習を重ねていきます。
桂馬自身も攻略対象である現実の女の子が不条理で非合理的な現実を四苦八苦しながら懸命に生きている姿を見て、考え方を改める機会になりました。
アニメのちひろは詐欺?整形疑惑が出るほど可愛い
原作漫画、アニメでのちひろの描写はどのように変化していったのでしょうか?
原作漫画でちひろは初期の頃よりも可愛くなっていますが、最終的に結ばれるヒロインでありながら、あえて可愛く描かれていません。
女神持ちのヒロインと比べるとわざと差を付けているようにすら感じられます。
理由は2つあり、どちらもこの漫画の根幹にかかわる大事な部分です。
桂馬はちひろを可愛いと認めていないから
大前提として「神のみぞ知るセカイ」という漫画が神である桂馬目線で描写されているということです。
桂馬はギャルゲーのヒロインとしてしっかりとした設定を持つキャラに魅力を感じます。
この漫画の主人公である桂馬、つまり神目線でのセカイではちひろのようなモブキャラが美少女であってはいけないのです。
シナリオに関わっていないから
女神持ちのヒロインたちは、ストーリー上の重要人物です。
彼女たちを中心に話が進んでいるので、当然見た目も可愛さが重要な要素になります。
桂馬は、女神とは直接関係なく、めんどくさいストーリーに巻き込みたくないちひろを可愛く見ないようにしていたのです。
ちひろは当初から可哀相なヒロインだった
一度目は駆け魂を出すため、二度目は女神がいるか確認するために、ちひろ攻略が進んでいったのですが、どちらの攻略も桂馬が思った通りに行かず、予想外の動きを繰り返すちひろに対して、ゲーム理論ではなく素で対応するようになります。
というのも二度目の攻略の前に、ちひろは既に桂馬のことを好きになっていたのです。
その気持ちがちひろを傷つけ、桂馬をも傷つけるものとなりました。
ちひろは桂馬に現実の理不尽さを突き付ける
二度目の攻略の途中、桂馬はちひろの中に女神がいないことに気付きます。
歩美の中にいる女神を呼び起こすために、ルートをちひろから歩美に切り替えなければならないのですが、ちひろがなぜ自分に好意を向けているのか気になって仕方がありません。
イベントが起きなければ好感度が上がらないと信じている桂馬にとって、一度目の攻略を全く覚えていないちひろの好意は理解しがたいものでした。
ちひろのまっすぐな気持ちを受け止めきれず、桂馬は戸惑いから最悪の言葉を告げるのです。
桂馬はエンディングの為にちひろをフる
二人でおそろいの物をもってデートをして、終盤に人気のないところに連れ込まれて、好きだと言ってキスをしたちひろ。
しかし桂馬の答えは「ボクがリアル女を好きになるわけないだろ。騙してやったんだよ、バーカ!」というものでした。
かのんとのことでやきもちを焼き、それでも勇気を振り絞ってデートに誘って、ずっと一緒にいたいと思っていた桂馬に「二度と近づくな」とまで言われたちひろは絶望して走り去ります。
ちひろの涙を見た桂馬は最低なことをしたとひどく落ち込み、しばらく引きずることになりました。
フラれた翌日に歩美攻略を手伝わされるちひろ
歩美攻略のためにはこっぴどくフッたちひろが障害になると考えた桂馬は、あろうことかちひろに歩美攻略の手伝いをさせます。
さんざん振り回され今度は親友を弄ぼうとしているように見える桂馬に反発するちひろでしたが、ハクアやノーラが真剣にフォローしているのを見て理由もわからないまま協力することにしました。
ちひろは歩美が自分に遠慮して桂馬を好きだと認められないことを見抜き「こんなカス男に騙されてバカだね、歩美も…私も」と言い、ちひろが桂馬を嫌いになったアピールをします。
ちひろの献身とハクアたちの奮闘もあり、なんとか歩美の中の女神を出すことに成功しました。
自分は輝けないことを知り涙するちひろ
結局歩美は桂馬のペースに乗せられて結婚式までしてしまいますが、その様子をちひろは近くでずっと見守ってきました。
ちひろは桂馬が歩美を落として女神を出したように、自分にも何かあったのではないかと思い、なぜ前夜祭で自分とデートしたのか尋ねます。
桂馬に「関係ない」と言われ、ほっとしたような寂しいような表情を浮かべ「これであんたと話をしなくてすむわー!…バイバイ」と帰っていきました。
長かった夜が明け、次の日は舞校祭最終日、ちひろたちのバンドが初ステージを迎える日です。
ステージに立って自分から輝こうと始めたバンドでしたが、曲の途中ちひろの目には一緒のステージに立つ歩美、かのん、結の背中に女神の羽が映ります。
ちひろは自分があまりにも力がないこと、桂馬のために何もできなかったことを痛感し、初めての本気の恋が叶わなかったことに気付きました。
ただのモブキャラであるちひろは、魅力的なヒロインたちには敵わないことを見せつけられたのです。
ちひろと桂馬のその後はどうなった?
「神のみぞ知るセカイ」は「攻略編」「女神編」「過去編」の三部から成っています。
多くの魅力的なヒロインが登場しましたが、桂馬は最終的にモブキャラとして登場したちひろとくっつくという、読者の予想を大きく裏切る結果になりました。
作品全体の桂馬との関係からハッピーエンドを迎えてもいいと思えるヒロインは何人かいます。
桂馬とエンディングを迎えなかったヒロインたち
作中では「ヒロインを攻略する=自分を好きにさせる」というものだったので、攻略したキャラは当然主人公に好意を寄せていました。
エルシーとのエンディング
エルシィは本作のヒロインとして一話からずっと出ており「駆け魂編」「過去編」で行動をともにしました。
敬愛する桂馬の本当の妹になったので、これはこれでハッピーエンドでしょう。
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親友のハクアが「女神編」での活躍の割に、エルシィを記憶から消されるという残念なエンディングでした。
歩美とのエンディング
歩美は最初の攻略相手で、最後の女神持ちであり、結婚まで意識した相手でした。
素直な性格であるゆえに、桂馬に対する愛情表現の回数は多かったのですが、女神持ちであるゆえにフラれました。
結はここからもう一度仲良くなればチャンスがあると言っていますが、歩美にとってちひろは親友ですので身を引くことにします。
天理とのエンディング
桂馬にとって天理はただ昔近所に住んでいた女の子ですが「過去編」が彼女の印象を大きく変えました。
10年前から桂馬に素直に聞き従い、ディアナの暴走をなだめ、過去へ行く準備、現代へ帰還するために歩美を説得し、10年間約束通りに事を果たします。
桂馬からエンディングはないとくぎを刺されてはいましたが、一縷の望みにかけて桂馬を支え続けた結果もむなしく、あっさりフラれるというのは納得できないかもしれません。
読者もディアナ同様怒りを表したことでしょう。
ちひろが桂馬とのエンディングを迎えた理由
ちひろと他のヒロインの最大の違いは、
- 攻略が上手くいったか、いっていないか
です。
二度の攻略で桂馬は何もできず、ただただちひろを傷つけただけでした。
「過去編」では自分のふがいなさ、ちひろへの思いを募らせて現代に戻ってきたのです。
桂馬はゲームが終わればスタート画面に戻って、攻略したヒロインたちとの関係はリセット、感情は忘れると思っていましたが、ちひろだけは違います。
それでいてちひろの逞しさ、健気さなどの魅力を見せつけられ、桂馬の現実世界に対する期待を高めさせるものとなりました。
女神たちを解放するという取ってつけたような理由でヒロインたちをフりましたが、相手は誰でもよかったわけではありません。
ちひろとのその後
一度は「死ねば?」と拒絶したちひろですが元々両思いの二人、ちひろがデートに誘うところで物語は終わっています。
ギャルゲーは付き合うまでを扱うゲームであり、付き合った後どうすればいいか桂馬は分かりませんが、そもそもちひろと付き合うと思った通りに事は進まないと理解しているので、何も準備をせず素のままの二人で交際していくでしょう。
エルシィが本物の妹になったこと、二階堂先生が学校を辞めたことを除けば、ほとんどが今まで通り、日常が続いていくと思います。
モブキャラだったちひろはなぜ大勝利したのか?のまとめ
「神のみ」は駆け魂や女神、過去などを抜きに見ると、人と関わろうとしない男の子と、何事にも一生懸命になれない女の子が、互いを意識し合い、すれ違い、困難を乗り越えて結ばれる、王道のラブコメだったことが分かります。
ただ少し周りのヒロインたちが強すぎるせいでちひろが霞んでしまいますが、最初から主人公・桂馬とヒロイン・ちひろの物語だったのです。